依頼絵その2 (Pixiv Fanbox)
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私は今までにないほど焦っていた。
久しぶりの試合。相手は初めて見る女の子ではあったが身体つきは以前堪能した彼女によく似ており、今回も期待できると思っていたのが試合前。
試合が始まるや否やその期待は焦りへと変貌した。
アウトボクシングを主に闘う私が距離を置こうとすると尋常じゃないスピード追い掛けて追尾してくる。その勢いとスピードたるやさながら追尾レーダーを備えたミサイルの如くだ。
接近する彼女にカウンターを放つもものの見事に捌かれて更なる接近を許した上に返される拳でこちらがダメージを負わされた。
ならばとインファイトを仕掛けてみるがそれが失敗だった。
インファイトこそが彼女の独壇場であり、凄まじい威力の拳が次々と叩き込まれる。
当然こちらも拳を返すが彼女の勢いは衰えるどころか逆にどんどんとヒートアップし、彼女自身も獰猛な笑みを浮かべながらこちらを全力で殴り潰しにくる。
バクッ!
「ぶへぇっ…⁉︎」
5ラウンドまで粘ったが強烈な右ストレートと共に一気に崩れてしまった。
ゴッ!ガッ!ガスッ!グシャ!!ドゴッ!バゴッ!ゴスッ!ドムッ!ボコッ!
凄まじいラッシュの嵐が私の顔面を、ボディを襲い、穿っていく。
ガードしようとするも予測不可能な拳は最も容易くガードを掻い潜り、私のボディに突き刺さり、なんとかガードが間に合ったとしても彼女の剛腕の前に弱った私のガードなど紙切れの如く破られ、顔面に拳をめり込ましてくる。剛腕を浴びせられ続けた私の瞼は腫れ、ボディはアザだらけになり鼻からは血が流れ出ている。
(ヤバ…い……)
久方ぶりの強敵。しかも常軌逸した強さのファイターを相手に私はなす術もなく殴られ、蹂躙されていく。普段とは真逆の展開に不本意ではあるが興奮すら感じてしまった。
バキグシャァッ!
「ぶほぉっっ⁉︎」
満身創痍の身体に渾身の右ストレートが突き刺さり、口からマウスピースが飛び出してリング外に吹き飛び、錐揉みしながらリングへ倒れ伏した。
立ち上がろうと頭では考えるのだが、身体が痙攣して上手く動かせない。
カンカンカンカーンッ!
薄れゆく意識の中、けたたましい試合終了のゴングが鳴り、地下リングの医療スタッフ達が担架を持って駆けてくるのが見えた。
悔しいが今回は完敗だ。だが、不思議と不快感はなくまた彼女と闘いたいという気持ちの中、私は完全に意識を手放した。
差分↓
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結構前にご依頼頂いたイラストです。
素敵な小説を書いて頂きましたので、添えて公開させていただきます。
いつも本当にありがとうございます!
銀髪の子は自キャラ、黒髪の子は名護遥ちゃん。
これは彼女たちの初めての闘い、ファーストコンタクトですね