肉厚グローブ (Pixiv Fanbox)
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「恵!」
彼の叫び声に気づくのが速いか、
視界が真っ黒に覆われた。
パンッ!
『ぶっ・・・』
肉厚の赤グローブが、湿った顔面を打ち放つ。
火傷したようにジンと熱い。
パンチの衝撃が身体の芯に響き、酩酊するように身体の平衡感覚を奪った。
何度も打たれたダメージで足元がよろつき、リング上でたたらを踏む。
『顔面ガラ空きとか余裕あるじゃ~ん笑
こんなに打ってるのにまだパンチ欲しいの?? このドスケベ女❤️』
っ・・・
こいつ・・・
ガードさえおぼつかない、グロッキー状態。
対戦相手にとって、これほどに絶好なチャンスは無いはず。
だが、追撃の手は無い。
嫌でも分かってしまう。
これほどまでに速く、正確な技術。この実力差。
こいつはいつでも、簡単に、私をリングに転がせるだろう。
しかし、そうはしない。
今のパンチだってそうだ。
力を調整し、私がダウンしない程度にダメージを与え続ける。
じっくり心と身体を責めるような、粘っこいボクシング。
踊る私を嘲るような、残酷な目が笑っていた。
『10オンスのやわらかグローブで正解だったわ〜笑
こんな遊べるオモチャ、すぐ壊しちゃったら勿体ないもん。
・・・面白いおまけ付きだし❤️』
じっとりと、私のセコンドに視線が注がれる。
どんな時も、一番側で私を応援してくれた、かけがえのない存在。
この人に、私の勝利を一番に見届けて欲しかった。
それなのに____
『じゃ~もう3発、イってみよっか!
気持ちよくなってるとこ、
そこの彼氏さんにいっぱい見て貰お?❤️』
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いつもご支援ありがとうございます
見切り発車的に描き始めて、途中ボツにしようかと思ったくらいに迷走しました・・・
ただその分、塗りや他のところで追い上げて、そこそこ良い絵になってくれたように思います。
自分が最終的に表現したいものがちらりと見えたような!?
それへの足掛かりが得られたような!?
そんな気がします。(1%くらいですが...