Maya Pencil+4 セルルックモデル制作の基本編 (Pixiv Fanbox)
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ここではMAYAのpencil+4を使用してセルルックモデルのキャラモデルを作るための基本的な設定や注意点を解説します。
まずは好きなキャラを作成しましょう!
ここでは私が作った葬送のフリーレンの3Dモデルを例に進めていきます
アニメ公開記念でこんなファン動画を作成しています
作成したモデルの完成イメージを確認できますのでまずは是非見てみてください!
セルルックモデリングの基本
・3キーオンの状態のモデルを作成する
※3キーを押して滑らかになるといってローポリにしすぎるのはNG
シルエットがわかるくらいにはポリゴンは割りましょう。
アニメーションする部分は特に意識する!
・トポロジはシンプルにかつシルエットを重視
無駄に細かく割りすぎると時間がかかるうえ歪みやすいです
・布の裏面は作らない(厚みを付けない)
※厚み付けるケースもあるが今回は工数削減と動かしやすさ重視
・とがった部分や溝が丸くならないように注意する(毛先や毛の股など)
▲左側の毛先は先端割を追加しています
毛先はしゅっと流れを意識しましょう!
・折り目ツールを利用し、エッジをシャープにする。
サポートエッジでシャープにするのもよいが、トポロジのシンプル化とセットアップ工数削減のため折り目ツールを活用しています。
折り目エッジ、選択エッジを使い分けるポイントとして自分の場合は
凸はサポートエッジ、凹た溝に折り目を使用することが多いです
※シルエットがシャープになりすぎたり、折り目の先端がくにゃっと曲がってしまうこともあるので使いどころを選びます。
▼キャラモデリングのコツは以下の記事も参考になると思います!
・カメラの設定
カメラは望遠気味に設定してモデリングすることをお勧めします
アニメは結構望遠気味にキャラをとらえることが多いので作成の段階でも高めに設定することがおすすめです(50~100くらい)
セルルックモデルでのおすすめの作り方
※用途によって作り方は様々ですのであくまで一例として
・顔の影(鼻や二重影)や瞼ラインなどは板ポリで作成
顔の影は表示非表示や形状を変えることが多いのでモデルで作成がおすすめです
テクスチャで描いた場合表情が動いたとき変に伸びてしまうので基本はNG!
ラインをpencilのラインで表示させるという手もありますが、キャラが小さく表示したとき線が太く見えてしまうので好ましくありません。(減衰設定で調整は可能だが設定が複雑になるので今回はなし)
▲二重のラインとまつ毛をモデルかpencilかの比較。右ちょっと闇堕ち感アップしてしまいました・・
ちなみにまつ毛も基本はpencilラインなしにしています
・瞳と瞳ハイライトは個別にオブジェクト分ける
白目は口の作りに似た感じで空洞になるような作りにします
▲この作りにしたほうが表情を作るとき瞳を小さくしたりハイライトプルプルさせたり動かしやすくなります(デフォルメが強いデザインのキャラは大抵この方法で作られます。)
・顔のパーツオブジェクトは「交差無効」「シャドウの投影なし」が基本
顔に交差すると不自然にpencilラインが出てしまうので基本交差無効設定のpencilマテリアルをアサインするとよいです。
※部分的にマスクテクスチャを使用して制御することもあります。
▲ラインの関連機能の中で設定可能
▲影モデルやラインの影が落ちるとおかしいので設定します
瞳にハイライトの影が落ちるなど不自然な影は出ないようにします。
・ハードエッジ、折り目エッジ、選択エッジを使い分ける
オレンジ線がハードエッジ、太線が折り目エッジ
MAYAの場合はハードエッジにpencilラインが出るように設定できるので
折り目でシルエットを整え、ハードエッジでラインを足しとして使い分けて設定します。
テクニックとして、折り目エッジは左右対称にしてハードエッジを非対称にするとトポロジは左右対称だけどラインの入り方が左右非対称という、セットアップ時に効率よくなる作り方をしています。
・影のバランス
アニメにもよるのですがセルルックのモデルでは基本ライトによる影は少ないほうが良いと思っており、ペンシルマテリアルの影幅は狭めにすることが多いです。
※キャラの設定画などを基準に参考にします
影幅を狭くするとほぼ影がない状態になるので情報が現状では足りません
情報量を増やすために固定影を追加していきます。
固定影を描きこむ際に意識するポイントとして、動いたときに影として不自然にならない位置に描きこむようにします。
首の下や袖口などは半端にライトが入るくらいならしっかり塗りつぶしたほうが絵が安定するのでよくやります
服のしわの凹んだ部分などモデルの形状に沿って影を描きこみます。
注意したい点として影を多く書き込みすぎるとセルルックアニメとして情報過多になってしまうのでバランスを考えて描きこんでいきます。
リファレンス画像をたくさん集めて、どのくらいの情報量が平均値か参考にしつつ影を入れていきましょう。
※演出などで細かい影が必要な場合、別途寄り用のテクスチャを作成するという手もあります。
ここでは公式の立ち絵をベースに進めています。
以下影を描きこんだ状態になります。
UVの展開時、固定影を描きこむ領域はなるべく広くとれるようにする。
アップになった時、解像度が低く見えてしまうのが一番もったいないので気を付けましょう!
つまずきポイント
・サブディビジョンONでレンダリングできない!
pencil+4のメニューから「レンダリング設定ノードを追加」をクリックすると
サブディビジョンがかかった状態でレンダリングできるようになります
・折り目エッジにラインがレンダリングされない!
①オブジェクトのアトリビュートエディタを開き
スムースメッシュ>サブディビジョン方法のチェックをはずす
MayaCatmull-Clarkに設定
②同じくアトリビュートエディタのMayaCatmull-Clarkコントロール
【エッジ硬度の伝播】にチェック
※カスタムポリゴン表示オプションの設定を変えると、MayaCatmull-Clarkコントロール【エッジ硬度の伝播】にチェックが自動的にはずれてしまいます
・透明のオブジェクトに重なるとラインが消えてしまう!
ペンシルマテリアルの透明度を100%
ライン関連機能の以下のアイコンをクリック
PencilLineFunctions内の「エッジの検出設定」の「すべての陰線を可視線として描画」にチェックを入れる
表示された!
・レンダリング結果が汚い!ガタガタ!影ぼさぼさ!
▲ライトの設定の解像度とフィルタサイズをあげればOK!
▲エッジのアンチエイリアシングを高精度以上にすればOK!
以上、Pencil+4 セルルックモデル制作の基本編になります!
長くなりましたが、今後の制作に役に立てればうれしいです。
ミミックモデルにはなりますが、ペンシル設定したMAYAデータもDLできますので参考にしていただけると嬉しいです。
ラインの設定、考え方をさらに深く解説した記事もありますので
興味ある方は是非こちらの記事もご覧ください!
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