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こんにちはHIRO JAPAN(@h1i9r8o1)です。


私の場合、日頃の業務でもフェイシャルアニメーションを作成したり、チェックしたりすることが多いのですが、いつも同じようなフィードバックが多いのでセルルック調のアニメのフェイシャルでよくするフィードバックをまとめてみました。


以下のことを意識して制作することで、少しでもリテイクを減らして修正時間より作りこみの方に時間をかけれるようにしましょう!


リテイクが少ないと評価も上がり、帰る時間も早くなるので一石二鳥です!

※アニメのデフォルメ具合で通用しないものも含まれておりますのでご注意ください。


ここではハサウェイうた☆プリなどのようなデフォルメが少ないタイプのアニメを基準に書いています。

もちろんどんなアニメでもまたはリアル系でも通用するものもありますので最後まで読んでいただけると嬉しいです!


====こんな方に読んでほしい!=======

フェイシャルアニメーション担当者

キャラクターの表情に興味がある人

魅力的な表情をつけたい人

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フィードバックをカテゴリに分けてまとめました

視線が定まっていない


何を見ているか、何を考えているかで視線の動きは変わってきます。

視線がずれていると、途端に人形っぽく見えてしまうので目線はしっかり定めるとよい。会話をしているときは相手の目を見るなど視線事態に意味を持たせることが重要です。


☆ポイント

・初期位置からはとりあえず動かす

・しっかりものを見ている場合はスムーズに視線移動させる

・なんとなく見ている場合でも、視線の方向で意味を持たせると〇

 考えたり、思い出したり、悲しかったり、心理学的に目線の方向が決まっている場合もあります

・凝視しているとき以外は、目線と瞼を定期的にピク、ピクっと移動させるとリアリティも増します。(作品のテイストにもよります)


人間にできない動きをしている


瞼を閉じながら眉を上げたり、ゆっくり視線が移動するなど普通の表情として無理な動きをしていると途端に違和感が発生します。


☆ポイント

・視線がゆっくり動く(一点を凝視するとき以外は基本ゆっくり移動はしません。ピ…ピピっと引っかかるような動きになります)

・瞳と瞼、瞼と眉が逆に動く(かなり意識して動かさないとできない動き)

・眉、瞼の動きが不自然にずれているのも違和感が出ることがあります。

・目、まゆ、口などぴったり同じタイミングで動くのも機械的な印象を与えるので好ましくない。(脳に近い部位から先に動かしていくと自然に見える説があります)


逆にあえて人間にできない動きをさせることでアンドロイドや異形のもの感を出すこともできます。


感情がわからない、伝わりにくい

フェイシャル=感情表現なので、これが伝わらないといけません。

結構デフォルト表情のままにする人が多いのですが人形感が出てしまうので目線だけでも動かすと印象が変わります。(表情動かない場合は特に)


☆ポイント

・口は笑っているのに目が全く笑っていない。(その逆もあり)

・セリフや状況との表情があっていない。(怒ってるのに悲しい眉など)

↑感情がよくわからない。場合によってはありな時もあります


・セリフのテンションと表情の強さのズレ


キャラの性格をしっかり把握してアニメの場合は比較的わかりやすく強めに表情をつけると生き生きします(状況による)


口パクがあっていない

デフォルメが強いアニメの口パクは「開き」「中」「閉じ」のパターンの繰り返しでよいので、ずれていても気になりにくいのですが、3Dアニメだと結構気になることが多くあります。


よくあるフィードバックは以下の3点

・口パクのずれ

・開き閉じの連続でパクパクした印象が強い

・セリフのaiueo追いすぎて高速口パク化

これらを基本注意するだけでリテイクも減ります。


☆ポイント

・はじめと終わりがあっていれば途中あまりあっていなくてもそれっぽく見える

・音を聞きながら口パクを入れていくと全体的に少し動きが遅れがちに見えるので2~3フレームまとめて前にずらすとしっくりくることが多い

・「い」や「ん」の口の形だけでもしっかり合わせることで、全体があっているように見える。メリハリをつけましょう

・どうしてもパクつくときは思い切ってキーを間引いてみると自然になることもある


前後のカットを確認していない

作業中は1カットずつ作成するのでうっかりしがちですが、必ず前後のカットの表情をしっかり確認してシーンがつながるように表情をつけましょう。表情がつながっていないと当然リテイクとなります。

表情も含め状況やキャラの感情の流れも一緒に確認しておくことで流してみたとき違和感なく作成しやすいです。

例えば、前のカットの最後に眉を上げ、次のカットの最初にさらに眉を上げるなど不自然に動いてしまうような事故を防げます。

仕事ではカットごとに担当者が変わることがあるので意識しておくとよいです。


☆ポイント

・瞬きのタイミングに注意。前のカットの終わりで瞬きをして、次のカット初めにすぐ瞬きをするとパチパチうるさくなってしまうので確認すること。

・前後のカットと繋げてみたとき違和感なく見れるように意識する。

 

瞬き、歯のかみ合わせのミス

アニメ特有の注意ポイントになるのですが、アニメは2コマ、3コマ打ちが基本になるのでタイミングを間違うと、中途半端に目や歯が開いた状態になりNGになることがあります。

しっかりキーが打たれているか確認しながら作成しましょう。

2コマ打ちの場合は開始フレームが奇数か偶数かで判断しやすいですが、3コマ打ちはきちんと合わせないとミスしやすくなります。


3コマ打ちの例

赤い部分でキーが打ってある1,4,7,10・・・のフレームのみ動画として出力されるので2や5や12など中途半端な位置で瞬きや口閉じのキーを入れてしまうときちんと閉じた状態でどうだ出力されなくなる


絵として整理されていない、中途半端な印象を与えてしまうので注意しましょう


最終的に一枚の絵になるので、絵としてみたとき作画では絶対やらないような形状は3Dでもやらないように調整しましょう

よくある例としていかが挙げられます。


☆注意ポイント

・口を開けたとき歯が中途半端に見えている。半端に見えるくらいなら消しましょう

・横向きの時奥の歯が半端に見える。奥をあげるなどして見えないように修正

・ラインを出して確認した時、線と線の距離が近すぎて太い線に見えてしまう。

 よく歯のラインが唇に近すぎてなる場合が多いです。(唇ラインと歯のラインか近すぎて口の中が真っ黒になってしまうなど・・・)

・目のハイライトが瞼の中に隠れてしまう

・瞬きの途中など、視線が上や下に行き過ぎて怖い感じになっている


関連記事

過去記事でさらにポイントに絞ったテクニックも紹介しています。

合わせてみてみてください!

3Dアニメ(セルルック)の表情について 目編

3Dアニメ(セルルック)の表情について 口編

最後に

・感情がわからない、伝わりにくいのはNG!

・視線に注意!視線は感情を伝える重要ポイント

・人間にできない動はしない

・口パクはしっかり合わせる

・前後のカットは絶対確認!

・瞬き、歯のかみ合わせのタイミングは注意!


これらのことを注意して製作することでクオリティが上がりつつリテイクも減っていくと思います。自由時間を増やすための参考になればうれしいです!


長くなりましたが最後まで読んでくれてありがとうございました。


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