エクセルギャラクシーファイト 第一章第3話完全版 (Pixiv Fanbox)
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高次元生命体・サウザンドレイク。
彼の謎の暗躍により、ジャルマーと邪竜族の存在が滅ぼされずに生存する世界線が作られた。
その一団が、本来とは違う世界への侵攻を開始し、宇宙は混乱と本来の歴史への危機が迫る。
しかし、本来とは違う世界へ進出したのは、悪い奴だけではなさそうで……。
御子『ドーマ・ヨデイ・コメット……汝出でよ星のエクセルガール!!』
真梨香「え、え、え!?」
いわゆる初代エクセルガールの世界に、なんとセイバーが現れたのだ。
第一章 第3話「太古復活地球守護本能生命体」
無数のシェルナイトを前に、一人立ちはだかるセイバー。
絶対不利だろと思った真梨香たちだが、
ゲンム『うーん、やっぱいませんねー。』
御子「こんなところで時間をかけるわけにはいかない!」
中から変な声がしたと思ったら足を踏みしめ駆け出し、
御子「どけえええええ!!」
パンチ一発、目の前の一体を簡単につぶした。
『ちっ、奴にはシェルナイトの攻略法なんて手に取るようにわかるか……。』
御子「次っ!」
今度は足でシェルナイトの頭部を的確に潰した。
コイツは無人の機動歩兵。
メイン動力部か指令受信アンテナを内蔵している頭部をつぶせばなんとでもなるのだ。
が、そうは順調にはいかない。
御子「なんだ!?」
セイバーの前に現れたのは、見慣れない機動歩兵。
それは、この世界の人間ならば知っている、
真梨香「サイバーグ……!」
ドクター「キエエエエエ!?ありゃなんじゃい?ありゃなんじゃい!!?」
『さて……骨董品と思いましたがこの世界では現役の戦力……見させてもらいますよ。』
侵略兵器・サイバーグの、ベータだ。
初見のセイバーには、正直分が悪い。
ゲンム『え、モビルスーツ?水泳部?!!』
一人変なリアクションをしている者もいるが、実際そう言う風貌をしていなくもない。
そんなβ軍団の単眼から、
御子「っ、魔導力・コメットドーム!」
光線が発射される。
慌ててそれをシールドで防ぐセイバーだが、
御子「くっ、四方を囲まれていては!」
出現した無数のサイバーグβに、まだ残存しているシェルナイト。
それらが一斉放火を続け、セイバーのドームをじり貧で推し狭めてゆく。
理沙「マズいわ……シールドがどんどん削られて!」
真梨香「―――あーもう待ってらんない!」
もう我慢なんて出来る回と言わんばかりに、その軍団の中に赤い光が突っ込んでいった。
希空「あー、もう!」
瀬里亜「まぁ、先輩としては待った方なんじゃないっすか。」
彼女の待て記録タイム、今回は39秒。
40秒目に、走り出していた。
御子「くそっ、どこか一か所でも陣形を崩せれば!」
ゲンム『あー、麗奈か香奈がいればなー!』
真梨香「―――エぇぇぇぇぇクセルぅ、シャイニングフィストオオオオオオ!!!」
なんて言ってたら、一区画が朱い光に一掃された。
御子「!?」
ゲンム『わーお刺激的ぃ―。』
その主はもちろん、
真梨香「どこの誰かは知りませんが、加勢します!」
元祖で本家で本舗な一番最初のエクセルガール、真梨香だ。
真梨香とセイバーが背中合わせに敵を見据えるが、
御子「ああ、助かる。」
真梨香「……?」
真梨香は、セイバーとは初めて会うのに、初めてじゃない不思議な感覚に陥った。
その理由は簡単、
鈴「なんだかあの人、おねえちゃんに似てますね。」
希空「……んなことない。」
瀬里亜「そっすかー?」
こういうことだ。
御子「いろいろ聞きたいことはあるが、まずはこいつらを蹴散らしてからだ!」
真梨香「オッケーです!」
一瞬でも自由に慣れればこっちのもの。
まずセイバーが目の前の砲撃舞台を、
御子「セイバーチェーン!!」
星の鎖で沈黙させる。
それと逆方向の連中を、
真梨香「エクセルネイバスター!!」
火炎弾で真梨香が蒸発させる。
サイバーグなら真梨香の方が経験の差がある。
シェルナイト相手だと、
真梨香「カッターい!?」
まだ慣れてないようだが。
御子「奴らの装甲をうかつに殴るな!関節の隙間化、目や胸のセンサーを狙え!」
真梨香「先に言って―!?!」
御子「とはいうものの……。」
一体一体撃破していっては時間が無いしキリが無い。
なんて言っていると、
ゲンム『ほいほーいオマタ―。』
御子「……どうだった。」
ちょうどいいと言ったタイミングで、内部からゲンムが外に出て帰ってきた。
ゲンム『あっちの方の地面に謎の転移ゲートがアルヨ。それさえ破壊すればこの無限増殖は止まるアルヨ。』
御子「……よし。」
それを聞いたセイバーの中の御子は、今まで温存していた魔導力を集中。
サイバーグの相手をしていた真梨香に声をかけると、
御子「デカいのをぶっ放す、うまく避けろよ!!」
真梨香「え、ちょ、ま!?」
かけた瞬間に魔導力を解放した。
御子「魔導力!マグナムスパーク!!!」
自分自身を中心にエネルギーの爆弾を白化させるかのような特大攻撃魔導。
それをぶちかまされ、
真梨香「わ、わああああああああ!?」
真梨香ともども、機械師団はぶっ飛んでいった。
ゲンム『おー、きれいさっぱり大掃除―。』
御子「・・・やりすぎたな。」
きれいさっぱりしすぎて、現地は「サイバーグたちが破壊したのか御子がやったのか」わからなくなっていた。
御子「つい魔導界のテンションでやってしまった。」
ゲンム『ま、やっちまったモンは仕方がないんだモン。』
御子「……お前の園テキトーさをもう少し見習いたいものだ。」
なんて言っていたら、
真梨香「―――ぶっはー!!?」
真梨香も瓦礫の中に埋もれていた。
ガバッと起き上がったと思ったら、今度はセイバーに詰め寄って行く。
まぁ、無理もない。
真梨香「なんですか、さっきのは一体何ですか!?!」
御子「す、すまない、急いでいたもので……。」
いきなりあんな大技に巻き込まれれば文句の一つも言いたくなる。
が、今はそうも言っている場合ではない。
希空「おい、一旦変身を解いて、状況を説明してくれ。」
御子「おっと、そうだな。」
ゲンム『ナイス助け舟。いいねぇ、僕が説明してあげるぶねー。』
瀬里亜「・・・ん?」
理沙「なんだか、声が一人分多いような……?」
今ここが、紫な連中が一堂に会した瞬間だった。
・・・一方。
今戦闘があった世界とは全く違う世界。
そこに今、
麗奈「うおー!?なんだいこの量は!」
セイロン『うーん、一人では無理なんだい。』
エクセルガールサファイアラピスが一人、文字通り無理難題を片付けていた。
それは、
麗奈「うじゃうじゃ出やがってこのオタマジャクシがぁー!!?」
無数に出現している巨大オタマジャクシの掃除だった。
セイロン『しかし、コイツらには生命反応が見受けられない。生き物の形をしたなにかというわけだな。』
麗奈「冷静な分析どーもー……。」
エクセルガールサファイア。
色々有りすぎて説明は省くが、地球を守るエネルギー生命体を身にまとって戦う戦士の妹の方だ。
姉の方は今、別の事件のせいでこの世界にはいない。
今いるのは、
セイロン『こういう時ヒャッコか先輩がいればねー。』
麗奈「何で一番こういう時使えないアンタが残ったのよー!」
セイロン『こうなるなんて思っても見なかったわけで。』
麗奈「ま、そりゃそうだ。」
こっちでも変な事件が起きるだなんて誰も予想はしていないわけだ。
ドーウン事件も終わり、最近は平和に部活してたらこれだ。これじゃあまた成績が下がる。
というか、
セイロン『その成績をつける機関も崩壊しかねないなコレ。』
麗奈「くっそー、お前ら全員滅してやるぅ―!」
なんて言いながら手に持った長いロッドをぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる回転させてオタマジャクシをまるでミキサーにかけるかのごとく振り回す。
更にそこに、ラピスエネルギー・水流を混ぜ合わせ……?
麗奈「これでどうだ!!」
巨大な水の洗濯機を作り出し、オタマンを一掃する。
オタマンは一掃できたのだが、
麗奈「ぜー、はー……。」
セイロン『お疲れ。』
麗奈「おかげさまでね。」
セイロン『で、良い知らせと悪い知らせがある。どっちから聞きたい。』
麗奈「・・・悪い方で。」
なーんだか、すごく嫌な予感がするし、水も滴る不気味な影が二つくらいある。
セイロン『敵、まだ残ってるぞ。』
麗奈「―――ですよねー。」
目の前の影、それはガルエーンをも超えた、ガルエンダー。
オタマジャクシが長い間を駆けて人型に進化した最強形態だ。
それが目の前で、肩で息してる自分に迫ってるんだからもうどうしようもないよね。
のっしのっしと迫るそれは、軽く絶望感も漂っている。
麗奈も万事休すか、と思ったその刹那。
麗奈「……?」
何かが来る。
そんな予感がして、
麗奈「そうだ、良い知らせってのは?!」
セイロン『おお、忘れてた。いいか、聞いて驚け。』
動きの止まったサファイアラピスにガルエンダーが攻撃を仕掛けようとした、その時。
『バイパースパイラル!!』
『マジカルスピィン!!』
二人分の声が、どこかから響いた。
一つは空の果て、無一つは、今自分がいる水浸しの地面から。
ヒャッコ『いえーいただいまー!』
麗奈「え、え??」
セイロン『……増援だ。』
波音「ドーマ・ヨデイ・スプラッシュ、汝出でよ水のエクセルガール!!」
クラス「せいやぁ!!」
突如ガルエンダーの前に現れたのは、青い蛇とでっかい「水」のエンブレム。
増援だって言われても見知らぬ何か過ぎて、麗奈は目玉を丸くする。
麗奈「ねぇヒャッコ、あれ何!?」
ヒャッコ『色々有って、次元を超えて仲間を連れて来たよー!』
麗奈「そこ端折るなよ。」
ヒャッコ『うんとねー、お達しどおりに次元を超えたらまずおっぱいのちっちゃいお姉ちゃんが居てね。』
真澄(おい。)
本人からのツッコミはスルーして、戻ってきたヒャッコがまず状況説明。
ヒャッコ『そのおっぱい小っちゃいお姉ちゃんが、おっぱいでっかいお姉ちゃんになったの!』
麗奈「・・・ん?」
ヒャッコ『で、またもう一回次元を超えたらもーっとおっぱい小っちゃいお嬢ちゃんがいてね。』
波音「はいはーいあとで殴るよー。」
ヒャッコ『そのお嬢ちゃんが、この水のエンブレムを召還して、ここまで戻ってきたのー。』
麗奈「なるほど、さっぱりわからん。」
要は、ヒャッコが別次元へ行ってエクセルガールクラスとエクセルガールウンディーネを連れてきた。
読者的にはそれで何とか理解できるだろう。
そして、呼ばれた方の二人は。
波音「っあー、次元超えて来たからエクシードじゃなくなっちゃったっすね。」
クラス「魔法だなんて非科学過ぎて何を言ってるのかさっぱり理解できませんが……戦えないわけではないのでしょう?」
波音「ええ、ちょっとだけ弱体化してるだけっす。」
クラス「ちょっと、ね。」
波音「ええ、ちょっとだけっす!」
準備運動を終え、そう言うと「水」が装甲をパージ。
セイロン『うーわ、変形したわ。』
ウンディーネが本来の姿、しかもエクシード前の姿で地面に立った。
クラス、ウンディーネ、そしてサファイアラピス。
麗奈「とにかく、助けてくれるんなら行きましょう!」
波音「オッケーっす!ここはあたしらに任せんしゃーい!」
クラス「くれぐれも、わたくしに後れを取らないことですわ!」
バイパー『わーい、ブルーチームだー!』
スーパーブルーチームが、ここに結成された。
・・・ところ戻って、こちらは御子が飛んできた時空。
今ここで、御子は世界に起きている異変を説明していた。
理沙「つまり今、宇宙のあちこちで歴史が狂い始めて、御子さんたち魔導戦士と、仲介役でこの地球を守る正義のエネルギー生命体さんがあちこちの宇宙を回って、御子さんのお姉さんを探している、と。」
御子「すごく簡単に言うとそうなります。」
真梨香「うわーメイドだメイドだー!」
瀬里亜「あ、あの、サインお願いしてもいいっすか……?!」
御子「波音みたいなしゃべり方だな。」
瀬里亜「え?」
御子「あ、いや、君みたいな後輩を一人持っていてね。」
瀬里亜「ほー、そりゃあいつか会ってみたいっすね。」
で、もう一方は。
希空「これが……?」
ゲンム『そうデース。』
鈴「まぁ、珍妙な姿かたちをしていますわね。」
ゲンム『これは世を忍ぶ仮の姿―。』
ゲンムの不条理な存在に頭を悩ませていた。
本来の姿がどうなのかは、知ってる人だけ知ってればいい。
今のゲンムは、完全にこの姉妹をおちょくっている。
しかし、話は状況説明だけでは終わらない。
ゲンム「で、だ。」
御子「諸悪の根源は、今ここにいるみたいだな。」
瀬里亜「え?」
鈴「!!」
鈴が突如念力集中。
その先にいたのは、
御子「―――貴様がサウザンドレイクか。」
『お初にお目にかかりますね、エクセルガールのカタガタ。』
鎧に身を包んだ謎の存在が突如目の前に出現。
突然の謎の存在に構える5人と1人と一匹だが、
『初めまして、そしてさようなら!!!』
突如巨大化。
先ほどの戦闘の余韻残る線上に、再び魔の手が迫る。
御子はふたたびアライザーを構えようとするが、
御子「くっ、まだエネルギーが回復しきっていない……!」
ゲンム『げ、そりゃマズいっすよ姉御。』
このままでは奴に潰される……そう思った矢先、
真梨香・理沙・瀬里亜「「「エクセルチェンジ!!」」」
赤、青、黄色。
3つの光が突如煌めいて。
真梨香「御子さんの説明だけじゃイマイチよくわかんないけど、アンタが諸々の悪い奴だーってことはわかった!」
理沙「それだけわかれば十分よ。」
瀬里亜「おーし、さっさとぶっ倒してやるっスよ鎧野郎!」
『ほぉ……元祖の皆さんがお相手ですか……。』
エクセルガールへと変身した真梨香、理沙、瀬里亜。
3人を見て感嘆の声を出すサウザンドレイクだったが、
『いいでしょう。かかってきなぐはぁ!?!』
言葉を言い切る前に、真梨香と瀬里亜の膝が同時に炸裂した。
真梨香「さっきからうっさい!」
瀬里亜「ちょっとどっかヘ!」
「「飛んでけぇ!!」」
悪の言葉など聴いている場合じゃあないという事だろう。
思いっきり吹っ飛んだサウザンドレイクに、
理沙「エクセルアイスシュート!!」
残ったりさが後方から思いっきり冷凍光弾を発射。
サウザンドレイクの鎧を一部凍結させるが、完全凍結とまではいかない。
御子「くっ、あれほどの凍結エネルギーでもダメなのか!」
希空「いや、所詮あれは目くらましだ。」
御子「え?」
希空「アイツ等の本気は、こっからだ。」
そう言われた御子が見上げる戦士3人は、サウザンドレイクに一撃ずつ見舞った。
が、これでは到底勝てるものではないはずだが……。
『それだけですか、息の合ったコンビネーションでしょうがそれだけでは……?!』
思いっきり攻撃を受けたが余裕を崩さないサウザンドレイクが、驚きの声を上げる。
その理由は、
真梨香「来て!レインボークラウン!!」
恐ろしくヤベー状況を目の当たりにしていたからだ。
真梨香の頭部に神秘の王冠が装着され、理沙と瀬里亜がその中に光となって消えてゆく。
その中から生まれたのは、
御子「あ、あれは……!」
真梨香「―――エクセルレインボー!!」
3人合体の超形態・エクセルレインボーだ。
彼女は合体と同時に思いっきり跳躍。
猛スピードでサウザンドレイクの懐に入り込み、
『ぐはぁ!?』
思いっきりの右ストレートをぶちかました。
先ほどのキックなんて比じゃない勢いと威力がサウザンドレイクにぶつけられ、彼は思いっきり上空へ吹っ飛ばされた。
『ぐっ……エクセルレインボー……予想以上の強さですね……。「今のまま」では分が悪いか……。』
ドクター「キエエエエ!?どこへ行くんじゃああああ?!」
『一時撤退です。予定を変えましょう。』
ドクター「あ、ちょ、待って、あの未知のメカを解析したキエエエエエエエエエエエエ!?」
そうつぶやいたサウザンドレイクは、その場に置いていたドクターを捕まえて、
真梨香「待てぇー!?」
理沙「ダメよ、追ったら、ランダムに次元のはざまに吸い込まれるわ!」
瀬里亜「それじゃあ、どこへ飛ばされるかもわかんないんすね?」
理沙「ええ。」
エクセルレインボーも、追撃を断念するしかなかった。
御子「今、アイツと一緒にいたのは……!」
ゲンム『知り合いかい?』
御子「ドクターディクション……逃げたな……!」
鈴「・・・?」
・・・とにもかくにも、この世界での異変はひとまず収まった。
だが、まだ他の世界でも騒ぎは続いている。
御子「というわけで、急だが私はまた別の世界へ行く。」
鈴「お姉さまを、探すんですか?」
御子「ああ。姉ちゃんを見つけなければ、麗花はブレイズになれないからな。」
ゲンム『エネルギーは大丈夫かえ?』
御子「もう十分だ、いつでも転移できる。」
というわけで、あっという間にサヨナラだ。
御子はそう思っていたが、
真梨香「―――あ、あの!」
御子「?」
真梨香「あたし達も、連れて行って下さい!」
希空「おい。」
真梨香「だって、あたし達以外のエクセルガールもみんな頑張ってるんでしょ?だったら、あたし達だけ黙ってみてるわけにはいかないよ!」
理沙「だけど……。」
御子の迷惑になるかもしれないし、この世界の防衛もどうなる。
そう思っていた真梨香以外の一行だったが、
御子「―――そう言うと思っていた。」
真梨香「え?」
御子「いや、むしろそう言ってもらわないとな。」
瀬里亜「え?え?」
ゲンム『おー、予定調和だぜー。』
突如空が暗くなる。
また敵襲か、と思ったら。
ライム『呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃジャーン。』
直美「はーい、連れて来たわよー。」
巨大な空飛ぶ家が、幼女と変な存在と共にこんにちは。
瀬里亜「え、え、なんすかあのでっかい空飛ぶ家!?」
御子「今お前が喋った通り、空飛ぶ家だ。」
瀬里亜「いや、そうじゃなくて?!」
なんで空飛ぶ家がここに来るんだよと思ったら、その中から一人が顔を出す。
真澄「これが……十数年前の世界って奴なんですか……?」
麗奈「みたいっすねー。あたし等にとっては異世界ですけど。」
青い髪したポニーテールコンビが、その窓から顔を出すと。
希空「……?」
鈴「まぁ、あの方は誰でしょう……?」
真澄「げっ、若いころの師匠たち!?」
クラス『うわ、姉さんの大先輩もいますわ?!』
一人はスっごく蒼い顔をして、すぐさま引っ込んだ。
波音「おーい御子さーん!」
御子「波音、そっちは大丈夫だったか!」
波音「オッケーオッケー。先輩と後輩のおかげっスー。」
瀬里亜「うわ、家から人が出てきたっス!」
なんだか、聞き慣れたフレーズが自分以外から聞こえたので。
波音「んー?」
瀬里亜「んー?」
当事者二人は、目を合わせた。
麗奈「っかー、忘れてたわこの家が未来から来たって話。」
直美「もう、忘れないでよね。あたしがこの家で未来から来たんだから、この家はタイムマシンみたいにどこでも行けるわけ。」
ライム『制御は私だけどねー。』
小っちゃいままの直美=満が、麗奈の膝上に抱っこされてすごい複雑な顔をしているのは、誰も気づいていない。
真梨香「あ、あれは……。」
御子「先ほどの戦いで十分実力派理解した。……サウザンドレイク打倒のために、お前たちの力も借りたい。」
宇宙をまたにかける謎の存在・サウザンドレイク。
奴を倒すための力は、徐々に今、集まりつつあった。
つづく。