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Content

地球に、邪悪な魔の手が迫る。

大邪神を蘇らせようとするドクターウォール率いる魔物国家が暗躍を開始した。

・・・しかし。

それを防ぐ力がついに地球で目を覚ました!

その名は、秘密組織HUJIYAMAアンド、魔弾超神グレンガイザー!

これは、世界を大邪神の元に服従させようとするジャミーグから世界を守る、魔弾超神グレンガイザーと、その仲間たちの、途中の物語である。


・。


夏のある日。

その日の夜。

都市安全保安局管理部に、何者かが侵入。

「あるもの」を盗んで、去っていった。



「これだ。これさえあれば、俺は最強の力と、野望をかなえられる……!!」



・・・。



勅使河原の携帯にも、すぐにその情報が告げられた。



勅使河原「何!?アレが、奪われたというのか……!?」



それが、今回の事件の始まりだった。




劇場版魔弾超神グレンガイザー「未来へつなげ、星の勇気!!」



・・・。


東雲町、朝比奈家。

実は初登場の朝比奈家の、陽葵の部屋。

そしてそこの、風呂場。



陽葵「……よし!」



そこで、シャワーを浴びている陽葵がいた。



陽葵「勇気、もう宿題は終わった?」



そしてシャワーを浴び終えた陽葵は、長くきれいな髪の毛を拭きながら部屋へと戻った。

どうやら、勇気を部屋に呼んで、夏休みの宿題を済ませているようだった。



陽葵「……勇気?」



しかし。

テーブルで宿題をやっているはずの勇気は、眠ってしまった。



陽葵「コイツ……。」



鉄拳で叩き起こそうと思った陽葵だが、一応今日のノルマ・問題集は終わっていた。



陽葵「・・・。」



それならいいかと、ちょっとばかり休ませてあげようと思い、陽葵は飲み物を取りにキッチンへと向かった。



陽葵「アイツ……。『宿題手伝って!?』って言ったのはそっちなのに。」



口では憎まれ口だが、顔は微笑んでいた。



・・・しかし。

陽葵が部屋に戻ると。



陽葵「勇気?」

勇気「う……あ……?!」



勇気は、うなされていた。



陽葵「勇気、どうしたの?大丈夫?」

勇気「返して……!」

陽葵「え?」

勇気「二人は、どこ……!父さんと母さんを……返して……!!」

陽葵「・・・!」



陽葵は思った。

これは、勇気の心の叫びだと。


陽葵「愛情に、飢えてるんだ……。」


表面上はおちゃらけて、能天気だが。

両親が死んで、寂しさを押し込めて生きてきてるんだと。



陽葵「でも、大丈夫だよ。」



陽葵は、そんな勇気の手を握り。



陽葵「あたしが、ずっとそばにいる。だから、大丈夫。」

勇気「・・・。」



勇気を、抱きしめた。

すると勇気は、寝息を整え始めた。



勇気「母さん……?」

陽葵「え?」

勇気「あ、あれ、陽葵?」

陽葵「起きた?」

勇気「うお、俺、寝てたのか!?」

陽葵「うん、寝てた。」

勇気「わ、悪い!すぐに残りの宿題も片付けちゃうから!」



だが、勇気の手を陽葵は止めた。



勇気「陽葵?」

陽葵「今日は、いいよ。」

勇気「え?」

陽葵「いいよ、甘えて。お父さんとお母さんの夢、見てたんでしょ?」

勇気「・・・。」



見られてたのか。

そんな顔。



陽葵「あなたの寂しさ埋めることはできないかもしれないけど。一緒にいることは、できるからさ。」

勇気「あ、ありがとう、陽葵。」



・・・いい雰囲気。

しかし。



携帯の着信音が、なった。



勇気「うおっ!?」


慌ててそれを取る。


小鳥『兄貴ー、おばんでーす!!』

勇気「なんだ小鳥か。」

小鳥『なんだとはナンスか!どーせ今頃宿題に追いやられてるであろう兄貴のために、ねぎらいの電話をしてあげたっつーのに!』

勇気「気持ちはありがたいが大きなお世話だ!それにほとんど終わってらぁ!」

小鳥『お、それは好都合!』

勇気「好都合?なんで。」

小鳥『実は週末、東雲町夏祭りがあるんすよ!せっかくだから、みんなで行こうかなーって思ってまして。』


勇気「お祭り?そんなのやんのか!」


小鳥『そうっすよー!出店に花火、それにイベント!盛りだくさんナンスから!』

勇気「面白そうだな。ぜひ行こうぜ!!」

小鳥『うっしゃ、決まりっすね!じゃあほかの先輩方にも連絡しときますね!』

勇気「麗夏には?」

小鳥『麗夏は屋台を出すみたいなんで、そっちで聞いてみるっす。』

勇気「わかった。陽葵には俺から伝えておくよ。」

小鳥『よろしくっす!』

勇気「夜更かしすんなよー。」



電話は、切れた。



陽葵「そっか。明日だったんだ……。」


チラシを見ながら陽葵がつぶやく。


勇気「そんな祭りがあるなんて。知らなかったぜ。」

陽葵「行こうね、お祭り。」

勇気「もちろんだ。」



・。



そして、翌朝。

事件は起きた。



町の中心部に、巨大使い魔が出現!

町の人々を襲い始める!

それを察知した我らがHUJIYAMA指令室は、準備万端!


奈々「魔的状況レベル2!使い魔が暴れています!」

勅使河原「魔弾戦士、出動せよ!」



勇気「こぉぉい、ガイザー!!」

冬賀「来い、シノビラー!!」

春斗「来やがれ、キャンサー!!」

陽葵「来て、グレン!!」

小鳥「リルド、お願い!」

麗夏「ソウド、来い。」



6つの光が、空を駆け抜けた。



冬賀「そらぁっ!」


蒼き狼シノビラー。


小鳥「てりゃぁ!」


黄色き犀リルド。


春斗「おらあああ!」


翠の蟹キャンサー。


麗夏「・・・てい。」


白き天馬ソウド。



陽葵「それっ!」



赤き獅子グレン。



勇気「しょいっ!!」


紅の鳳凰ガイザー。

その6体が、瞬く間に使い魔たちをぶった切る!



勇気「これだけか?歯ごたえねぇなぁ。」

冬賀「ンなこと言ってる場合じゃあないだろう。これで魔物なんか出てきた日にゃ、また俺たちが大変な目に合うんだからさ。」

春斗「そうだそうだ。楽な方がいい。」



しかし。

そうは問屋が卸さないのが、この劇場版だ。



ガイザー『!?』

キャンサー『なんだ!?』

シノビラー『何かが来るでござる!!』



直後。

一陣の太刀が、魔弾戦士たちに降り注いだ!!



勇気「ぐわっ!??」

陽葵「な、何!?」



辺りで起こる大爆発!



小鳥「わわわ、なんすかなんすか!?」

麗夏「……見ろ!!」



・・・そこには。

黒くまがまがしい、魔弾戦士のようなロボットが立っていた。



ソウド『あの姿は……魔弾戦士!?』

リルド『なに、あたしたちの真似ってこと!?』

グレン『いや、違う……。あれは……!』

「貴様らの命、貰い受ける!!」



その黒いロボットは、そう言い放ちリルドとソウドに急接近!!



小鳥「え!?」

麗夏「早い……!?」



そして拳に構えた剣で一閃、リルドとソウドは大爆発を起こす!!



ソウド『ああああ!?』

リルド『きゃあああ!?』


倒れこむ2体。

幸い、命に別条はなさそうだ。


冬賀「小鳥!麗夏!!」

春斗「……よくもぉ!!」



キャンサーがそのロボットに向かっていくも、控訴k杖移動する奴の前には攻撃は当たらず、背後に回られる!



春斗「なっ……!?」



そして、背中に剣を一刺し!

キャンサーも、倒れこむ!



冬賀「春斗!」



・・・指令室。


奈々「アイツ……なんて強いんですか!?」

勅使河原「あれは……まさか!」

奈々「え……?知ってるんですか?司令官!」

勅使河原「・・・。」



・・・戦場。



勇気「あいつ……なんて速さだ!」

ガイザー『速さだけじゃない。奴の攻撃力は、我々をはるかに上回っている!!』

勇気「下手に動けばやられるか……!どうする!」

冬賀「だったら、アイツの動きを止める!シノビブリザード!!」



シノビラーが胸から冷凍光線を、周囲にいきわたらせる!!

すると、黒い巨人の足が凍り付く!



冬賀「今だ勇気、朝比奈!」

勇気「ガイザーバースト!!」

陽葵「グレンキャノン!!」



攻撃が直撃!!

…………するはずが、直撃する前に、片手でその二つのエネルギーを押さえつけられていた!



それは。

2人の、女性の力だった。



ルン「スッゴイ攻撃ぃ!」

ロン「だけど、あたしたちにはかなわない、かなぁ!」


シノビラー『そんな……バカな!!』



ルン「じゃあねぇ!」

ロン「クーリング、オフ!!」


そしてそのエネルギー弾が、シノビラーを直撃!



勇気「冬賀!!」

「お前たちに用はない……。用があるのは……。」



巨人は、ガイザーを弾き飛ばしグレンの目の前に!



陽葵「っ!?」



とっさの判断でグレンはその巨人に拳を見舞う!

だが。



「その拳、その力……。俺の望むものにふさわしい……。」

陽葵「なんですって?!」



グレンの腹に、巨人の拳が一発。

その衝撃で、グレンは吹っ飛び、陽葵はグレンから排出されてしまう。



勇気「陽葵!」



すると。

その巨人と女性二人は、陽葵を取り上げようとした。



勇気「陽葵に触るなぁぁぁぁぁあ!!!」



ガイザーがガイザーブレイドを取り出し、巨人に斬りかかる!

だが巨人も剣を取り出し、ガイザーブレイドを受け止める。


すると。

ガイザーブレイドは、折れた!



ガイザー『何!?』

勇気「俺たちの剣が!!?」



そして巨人の手からエネルギー弾が飛び、ガイザーも衝撃で消え去り、勇気だけが取り残されてしまった。

しかも、ダメージで動けない。



勇気「な、なんて強さだ……!?」



そして。

その巨人から。

一人の魔物が姿を現した。



Z「俺はZ(ズィー)。魔物であって魔物でない、はぐれジャミーグだ。」

ルン「あたしはルン。Z様のしもべ。」

ロン「私はロン。同じく、Z様の奴隷。」


勇気「はぐれ、ジャミーグ……?!そんなお前が、陽葵をどうするつもりだ!」



何とか立ち上がって、そのZと呼ばれる魔物と、女性たちの前に立ちはだかる勇気。



Z「ほう。あの巨人・ガイゼルの攻撃をまともに食らって立ち上がったのは、お前が初めてだ。その根性に免じて、今日は見逃してやる。」

勇気「質問に答えろ!陽葵をどうする気だ!!」



Z「俺の、『妃』になってもらう。」



衝撃の発言。



勇気「なんだと…………!!?」

Z「命が惜しければ、俺の邪魔をするな。次は、殺す。」



勇気「陽葵!!」



すると。

勇気の伸ばした手もむなしく、陽葵を抱え上げ、Z達は消えた。



勇気「陽葵…………!」



がっくりと崩れ落ちる勇気。



春斗「ゆ、勇気!」

麗夏「センパイ、しっかり……!」



仲間たちが集まる。



冬賀「勇気、朝比奈は!あの黒い巨人は!?」

勇気「・・・。」



首を横に振る。



小鳥「まさか……!?」

麗夏「ウソだろ……ウソだろ、先輩!!?」

春斗「勇気……。」



勇気は、ショックのあまり、立ち上がることができなくなってしまった。

陽葵の、グレンブレスを置き去りにして。



・・・。



HUJIYAMA指令室。

治療を終えたメンバーは、そこに集められていた。



勅使河原「数日前のことだ。東雲町のはずれにある、都市安全保安局が立てたパワースポットのカモフラージュビルに、一人の侵入者が入り込んだ。……そして都市安全保安局から、人知れず一つのデータが盗まれたということだった。」


勇気「それがあの、ガイゼルってやつだってのか……?」


勅使河原「そうだ。身をもってわかったとは思うが、ガイゼルは君たちのどの魔弾戦士でも敵うことのないとてつもない攻撃性能を誇っている。」

冬賀「そんな魔弾戦士がいたなんて……。」

小鳥「でも、どうしてその攻撃性能をリルドたちに与えなかったんですか?」



涼子「攻撃に特化した分、他の性能をすべて投げ捨てたからよ。」



治療の後片付けを終わらせた涼子も、指令室に入ってきた。



冬賀「先生、どういうことですか?ほかの性能を投げ捨てたって。」

涼子「攻撃に集中した性能を持つ反面、コイツは防御と燃費を全く考えずに製造されたの。」

小鳥「防御を?」


涼子「簡単に言えば、アイツの装甲は紙と同じってこと。」

小鳥「か、紙?紙って、あの紙!?」

涼子「ええ。その紙よ。」

冬賀「そんな魔弾戦士に乗り込んだら……。」

春斗「使い魔の攻撃一発で、お陀仏だな。」


涼子「でもその反面、攻撃とスピードは恐ろしいほどの性能を誇ることになった。」

麗夏「あの太刀筋……悔しいが見切ることができなかった。」

冬賀「ああ。早すぎだ。それに、俺たちの攻撃を受け止めるあの念導力。あれも恐ろしい力だ。」

涼子「魔弾戦士も修理を終わらせたとはいえ、次に奴の攻撃を受けたら、それこそバラバラになってしまうかもしれないわ。」



その事実に、絶句する一同。



涼子「それに。今のあなたたちの場合は、魔弾戦士のコアと操縦席を直結して安全性を高めているわ。でもガイゼルは、そのセーブユニットすら搭乗者の生体エネルギーを吸い取るためだけの装置よ。」

麗夏「まさに、悪魔の発明だな……。」

勅使河原「それを危惧した都市安全保安局は安全性を第一に、魔弾戦士を作ることを固く誓ったんだ。まさか、アイツを盗み出すものがいるとは……!」



一方。

奈々は必死にモニターとにらめっこ、陽葵の反応を探していた。



春斗「・・・どうだ?陽葵の反応は出たか?」

奈々「まだ……。くまなくチェックしてるんだけど……ひなちゃん、まだ目が覚めてないのかも……。グレンブレスはここにあるし……。」



すると。

勇気は、司令室を出ようとしていた。



冬賀「おい、どこいくんだ?」

勇気「ちょっと外の空気を吸ってくる。」



そういうと、勇気は地上へと向かってしまった。



奈々「勇気君……。」

春斗「恋人をさらわれたんだ、仕方ねぇ。」

小鳥「そっとしておいた方が、いいんすかねぇ。」

麗夏「……。」



・・・。


ジャミーグ城。

先ほどの出来事に、こちらもびっくり仰天しているようだ。



ドクター「さ、さっきの東雲町での使い魔は……まさか!」

Z「そのまさかさ、ドクターウォール。」

ドクター「やはり貴様か……Z!!」


Z「久しぶりだな、魔界の空気というのも……。」

ドクター「おぬし、何をたくらんでおる!1000年間牢獄生活だったはずのお前が、10年前に突如脱獄し追って!はぐれジャミーグの分際で!!」


Zは、にやりと笑った。


Z「この世界が地上に出られるとしたら、どうする。」

ドクター「なんじゃと!?」

Z「心の力……。清らかで純粋な心の力を最大限に利用すれば、この魔界が地上とひっくり返ることもできるんだぜ。」


ドクター「そんな馬鹿なこと……!」

シスター「やらせてみたら?」

ドクター「お前まで!?」


Z「使い魔を借りるぞ。俺が言いたかったのはそれだけだ。せいぜい、高みの見物でもしておけ。」



言いたいことだけ言って、Zは帰って行った。



ドクター「地上と魔界がひっくり返る?まさか、そんな……!」

シスター「はぐれ者の妄言だとは思うけど……。まさかね。」



・。



あけぼの学園屋上。

勇気は一人、そこで空を眺めていた。



ガイザー『どうした相棒。一回やられただけで、もうあきらめムードか?』



右腕が、話しかける。



勇気「ガイザー。修理は終わったのか?」

ガイザー『ああ。剣も強度を増して復活した。次は負けぬ。』

勇気「そっか。」

ガイザー『どうした。覇気が感じられないぞ。シャキッとしろシャキッと。』

勇気「そうだな……。自分でもびっくりしてるんだ。」

ガイザー『びっくり?』



体勢を変える勇気。



勇気「大事な人が、いなくなる恐怖。久しぶりに感じちまってさ。」

ガイザー『勇気……?』


ガイザーの声色も、変わった。


勇気「俺は10年前に父さん母さんを亡くしてさ。それからはずっと一人だった。そりゃ、友達とか海姉とか吐いたけどさ。それでもどっか、自分の中にずっとあるんだ、恐怖が。」

ガイザー『恐怖?』


勇気「大事な人がいなくなる恐怖ってやつがさ。」

ガイザー『・・・。』

勇気「陽葵と一緒にいるときは楽しいし、安らぐ。けど、その恐怖が、心の中にずっとあるんだ。消えることがないんだ。」



春斗「だからって、あきらめるわけじゃねぇだろ?」



すると。

春斗や、仲間がやってきた。



勇気「春斗。」

春斗「俺も両親がいなくなってるから、お前の気持ちもわかる。」

冬賀「俺だって、父さんはもう死んじまってる。だけど、こんなことはもう二度と、あっちゃいけないんだ。」


勇気「お前ら……。」

小鳥「兄貴、おびえてるんすね。陽葵先輩にまでどっかいかれちゃったら、もう終わりだって。」

麗夏「だが、センパイには陽葵先輩だけじゃない。私たちも、ちゃんといる。」

リルド『あたしたちだっているよ!』

ソウド『そうです!今度は我々だって負けません!』

キャンサー『柄にもなくうじうじしてるだなんて、勇気らしくねぇぜ?』

シノビラー『拙者たちも、及ばずながら力添えをするでござるよ!』

グレン『勇気。陽葵も、きっと君と同じことを考えていると思う。君と出会えて、彼女はとても幸せそうだ。心から、感謝しているよ。』


勇気「お前ら……。」


仲間たちからの言葉。

それが、勇気の心に響いた。

勇気の目からは、自然と涙が流れていた。



小鳥「わわ、兄貴泣かないで!?」

麗夏「小鳥。今は、泣かせておこう。」

小鳥「で、でも……あたし、目の前で泣かれると困るんすよ~?!」



わたわたとしながらも勇気を慰める後輩二人。



冬賀「この貸しは大きいからな、勇気!」

春斗「当分はジュースおごってもらうからな。」

冬賀「……安くね?」

春斗「そうか?」



それを冗談交じりに見るクラスメイト二人。



ガイザー『勇気。』

勇気「・・・。」


しばらくたってから。

ずっと黙っていたガイザーが、口を開いた。



ガイザー『次は、行けるな。』

勇気「……ああ!!!」



勇気の目には、もう涙はなかった。



涼子「・・・。」



そして。

物陰には。

もう一人、涙を流している人がいたことを、誰も知らない。



・。



Zの根城。

陽葵が、磔にされていた。



陽葵「離せ!離しなさい!!」

Z「離すものか……。俺は貴様をずっと手に入れたかったんだ。」

陽葵「なんですって?」

Z「覚えていないかなぁ、僕のことを……。」

陽葵「魔物の顔なんて、覚えてないわ。」

Z「魔物ねぇ……。君は覚えていないかなぁ。10年前、葬儀会場であったはずじゃないか。」

陽葵「10年前の、葬儀会場ですって……!?」



・・・10年前。

勇気の両親が死んでしまうきっかけとなった交通事故。

それは。



Z「俺の仕掛けた罠だったんだよ!アイツはお前にまとわりつく、邪魔な存在だったからなぁ!!!」

陽葵「!!?」



そのZのもくろみ通り、勇気の両親は事故死。

勇気は遠方の祖父母へと引き取られたのだった。

しかし。

陽葵もそれと同時に、東雲町へとやってくることになった。

それを追いかけようとしたZだったが、そこから牢獄生活が始まったため、これまで手を出せずにいたのだ。




陽葵「どうしてあたしを……!」

Z「どうしてかって?それはな。お前の体の中に、昔に俺が撃ち込んだ発信機が眠ってるからだよ!!」

陽葵「なんですって……?!」

Z「そして俺は、ガイゼルを奪って元の力ともに、この世界をひっくり返す!5000年待ち望んだ夢がかなうんだ!こんなに楽しい子とはねぇぜえええええええ!!!」

陽葵「黙れ……黙れ黙れ!!」



陽葵の目には、涙が。

自分のせいで。

勇気の両親が死んだ。

そんな事実、認めたくなかったからだ。



陽葵「あたしは絶対あなたを許さない……!絶対にあたしがあなたを倒す!勇気のためにも!!!」



だが。

Zは、笑っていた。



Z「残念でした。」

陽葵「え……!?」

Z「今からお前は、俺の嫁だ。」



Zの目から、波動が送られた。



陽葵「あ……あぁ……!!?」


抵抗しようとする陽葵だが、発信機が目をさまし、Zの力を増幅して全身に行きわたらせる!



陽葵「く、っ、うああああ!?」

Z「人間の精神力なんてちょろいちょろい!俺のすべてを覆せる力をもってすれば、こんなもんよ!!抵抗せずに受け入れちまいなぁ!!!」

陽葵「勇気・・・・・・。」



陽葵の目から、光が消えてゆく。

そして、すべてが覆った。



Z「お前の名前は?」

陽葵「……朝比奈、陽葵……。」

Z「お前は俺の、なんだ?」

陽葵「あたしはあなたの……妻……。Z様の手助けをすることが、あたしの運命……。」



Z「ひゃああああああああああああああああああっはっはっはっはっはっはあああああああああああああああああ!!!」




・・・。

翌日。

地震とともに、事件は起きた。



勅使河原「なんだ、この地震は!?」

奈々「し、司令官!大変です!!」

勅使河原「どうした!?」

奈々「東雲町のど真ん中に、巨大な建造物が!」

勅使河原「なんだと!?」



東雲町の中心部。

そこに、地底から巨大な城が出現した!!



勇気「Zか……!」



奈々「魔的エネルギーさらに増大!このままでは、東雲町全土を悪のエネルギーが覆いつくしてしまいます!」



その事実を受け、劾は、命令を下した。



勅使河原「冬賀、小鳥、春斗、麗夏、出動!何としてもあの城を破壊し、Zを倒せ!!」

冬賀「了解!」

春斗「よし!」

小鳥「了解っす!」

麗夏「うむ。」



勇気「あ、あれ、俺は!?」

勅使河原「兄弟には、特別任務だ。」



劾は、勇気の手に。

グレンブレスを託した。



勇気「司令官……?」

勅使河原「命令だ。朝比奈陽葵を、助け出せ。それを完了したのち、冬賀たちとともに戦え!」

勇気「・・・わかった!」



そして。

5人は、出動した。



・・・。



Z「……来たか。相手してやんな!」



すると。

5人の前に、Zの城から二人の女性が姿を現した。



冬賀「誰だお前たち!」

ルン「私達は、Z様のしもべ。」

ロン「わざわざこの城まで来たんだもの。お、も、て、な、し、してあげる。」


冬賀「上等だ!お嬢さん方、昨日のお返しもあるし……。俺が相手になってやる!!」


ルン「あら、素敵な目!」

ロン「とろけちゃう……。」



冬賀が一人で突っ込もうとする。

だが。

小鳥が、冬賀の腕を止めた。



小鳥「一人で行くなんて……先輩、かっこつけすぎっすよ!」

冬賀「小鳥?」

小鳥「センパイ一人じゃ不安っす。あたしも、付き合うっスよ!」

冬賀「おう、サンキュ。」



ルン「あら、お嬢ちゃんもお相手?」

小鳥「ええ。やっちゃるっすよ!」

ロン「すてきぃ~!」



直後。

狼と、犀のあざが空に輝いた!



冬賀「行くぞ、シノビラー!!」

小鳥「リルド!!」



シノビラーとリルド。

2体の巨人が、ルンとロンの前に降りたった。



ルン「あらあらぁ。面白ぉい!」

ロン「とろけちゃう……!」



すると。

ルンとロンは、2足歩行と4足歩行。

トカゲのような本来の姿を現した!!



シノビラー『行くでござる!!』

リルド『暴れちゃうよぉぉぉぉ!!』



トカゲの爪と、クナイとドリル。

4つがぶつかる!!



勇気「二人とも……。」

春斗「勇気、城に向かうぞ。」

勇気「え、でも……。」

麗夏「司令官の命令だ。行くぞ。」

冬賀「勇気!行け!!」

小鳥「ここをあたしらががんばるんだから、しっかり先輩を連れて帰ってきてください!!」



勇気「……わかった。」



城の内部に向かう3人。



シノビラー『冬賀、行くでござるよ!!』

冬賀「ああ!わかってるってシノビラー!!」



2足歩行のトカゲ、もはや恐竜を相手どるシノビラー!

一対のチェーンクナイを使って、その巨体を翻弄!



リルド『いっくよー小鳥!!』

小鳥「うん!ドリルが回るうううう!!」



リルドの6本のドリルが、4足歩行トカゲを相手に組み合う!

パワーなら魔弾戦士最大級の彼女が、トカゲと互角に渡り合う!



冬賀「シノビブリザード!!!」

小鳥「ドリルビーム!!」



冷凍と電撃、二つが合わさり強力な波状光線となる!



ルン「な、なんだい、案外やるじゃん!?」

ロン「いやぁん、素敵!」



だが、二匹はそれを受けてもまだピンピンしていた!



冬賀「一体一体だけじゃ力不足か……。行くぞ小鳥!」

小鳥「はい!準備はオッケーっす!」

『激流合体!!!』

リルドシノビラー『ライジンでござる!!!』



合体超神リルドシノビラーが、トカゲ二匹に迫った!!



・・・。



城の内部。

中腹までトラップも何もなしで来たが。

頂上への、一階下。

そこには、使い魔がわんさかいた。



勇気「使い魔ごときに時間を割いてる余裕はねぇんだ!」



勇気が構える。

だが。

春斗と麗夏が、それを止めた。



春斗「ここまで無抵抗だったのが不思議な話だ。」

麗夏「……一花咲かせてみせるさ!」

勇気「お前ら……。」



春斗「勇気。お前には感謝してるんだぜ。」

勇気「え?」

春斗「お前がHUJIYAMAにいなかったら、俺は今でも一人だったと思う。」

麗夏「それはこちらも同じだ。私は無口で不愛想。小鳥のおかげもあるが、私は先輩のおかげで変われているような気がする。」

勇気「お前ら……。」



春斗「だからちょっとばかし、恩返しをさせてくれよ!」

麗夏「同じく!利子3倍で!!」



直後。

蟹と天馬の光が、空に吸い込まれた。



キャンサー『おらあああああ!!!』

ソウド『せやああああああ!!』



キャンサーとソウドの鋏とチェーンソーが、バッタバッタと使い魔をぶった切っていく。



春斗「くらえええええ!!」

麗夏「センパイの邪魔は、させない!!」



狭い部屋で大乱戦だ。



ガイザー『勇気、先を急ぐぞ。』

グレン『陽葵はすぐそこだ!』

勇気「わかった!」



勇気は、頂上目がけて走り出した。



・。

Zの部屋。



勇気「Z!!」

Z「おやおや、来たか。東雲勇気君よ。」

勇気「お前に名前を憶えられるとは不光栄だね!」

Z「まぁまぁ。同じものを好きになった者同士、仲良くやろうじゃねぇか。」

勇気「……何?」



盃を差し出されるが、勇気はそれを突っぱねる。



Z「俺は朝比奈陽葵という女を愛している!だからあいつを連れ去った。まさか魔弾戦士だったとは知らなんだがね!」


笑うZ。


勇気「お前、何をたくらんでるんだ!こんなでっけぇ城まで立てて!」

Z「教えてやるよ。俺はな。世界をひっくり返してぇんだ!」

勇気「世界を……ひっくり返す?」


Z「俺にはその力がある。だから、その力を増幅して、世界すべてをひっくり返すのさ!!魔物の世界と、この地上の世界をな!!」

勇気「そんなことさせるか!」

ガイザー『お前を倒し、陽葵を助け出す!!』

グレン『言え!陽葵はどこだ!!』

Z「あら?気づいてない?いるじゃん、目の前に。」

勇気「なんだと……!?」



Zの後ろ。

妃の座敷に。

陽葵はいた。

魔物の服で。



勇気「ひ、なた……?」

グレン『その姿は……!?』



唖然とする勇気。



奈々「そんな……!」

勅使河原「なんだと!?」

奈々「あいつの力で、正義の心が邪悪にひっくり返ったってこと……?!」

涼子「勇気……!」



勇気「おい、冗談よせよ。陽葵、何してんだよ!」

陽葵「あなた……誰?」

勇気「・・・!!?」

陽葵「私は朝比奈陽葵。Z様のおくさま。世界をひっくり返す、お手伝いをするのが使命。」


勇気「な、なんだと……!?」

ガイザー『思い出せ!陽葵!!お前は正義の魔弾戦士だろ!!!』

グレン『陽葵!私は……私のことは!!』

勇気「そうだ!グレンブレスをつければ!」



ブレスを陽葵の右腕に。

だが。

まったく反応せず、排除されてしまった。



勇気「グレン!」

グレン『だめだ……!今の陽葵には、正義の心が微塵も感じられない……!』

勇気「てめぇ、陽葵に何をした!!」

Z「何もしてないさ。こいつの心と、ちょっとお話ししただけよ。」



勇気は、拳を握りしめた。



勇気「来い、ガイザー!!!」



Zの部屋で、ガイザーを召還する!!



ガイザー『Z!俺たちと戦え!!』

Z「おっと。お前の相手は俺じゃない。」

勇気「何!?」



すると。

ガイザーの背後から、砲撃が。



ガイザー『ぐわっ!?』



その主は。

青黒い、グレンのようなロボットだった。



勇気「コイツは!?」

グレン『私……!?』

Z「コイツはガイゼルと同等のシステムで作り上げたコクエンだ。お前の相手は、コイツがしてくれる。やれ。」



すると。

コクエンが、ガイザーに襲い掛かる!

その動きは、どこかで見たような。そんな動きだった。



勇気「誰だ、誰が乗ってる!」

ガイザー『まさか……!』

陽葵「ガイザーは、私の敵……。」



乗っているのは。

陽葵だった。



勇気「陽葵……!!」



Z「さぁ、倒せるか?愛しの彼女をさぁ!!ははははははははは!!!!」



コクエンの砲弾が何度もガイザーに降り注ぐ!!

戦うことのできないガイザーは、それを受け、弾くしかできない!



ガイザー『どうすれば……!どうすればいいんだ!』

勇気「このままじゃ、アイツを倒すどころか、陽葵にぶっ殺されちまう!?」



なすすべもなくガイザーは、床に倒れ伏す!



・・・。



冬賀「ドリルレーザー!!!」



そのころ地上では。

リルドシノビラーが、トカゲ二匹を相手に大立ち回り!


ルン「ちっ、手ごわい!」

ロン「思うように動けない!」

小鳥「それそれぇっ!ドリルミサイル!!」


巨体を動かせまいと、ミサイルで弾幕を張る!!

すると。



ルン「おのれぇ……!」

ロン「もう許さない!!」



二匹は合体し、さらに巨大な魔物・ルロンへと姿を変えた!



ルロン『絶対許さなあああああああい!!!』

小鳥「うわ、またでっかくなった!?」

冬賀「化け物め……!」


だが。


春斗「どおりゃああああ!?」



キャンサーとソウドが、壁を突き破って下りて来た。



小鳥「センパイ、麗夏!」

春斗「使い魔は片付けた。勇気は最上階にいる!」

麗夏「ってうわ、なんだこりゃ?!」

冬賀「さっきのねーちゃんたちがこうなった。」

春斗「魔物ってのは非常識だなぁ……。」



ルロンが口から火炎を放つ!!



春斗「とか言ってる場合じゃねぇな!麗夏、こっちも行くぞ!!」

麗夏「おう!」

『電雷合体!!』

ソウドキャンサー『いっくぜぇぇぇぇ!!』



その爆風の中で、二人もソウドキャンサーへと合体!

2体の合体超神が、化け物相手に戦闘を再開した!



・。

最上階。

コクエンは、未だ攻撃を休めるつもりはなかった。



勇気「陽葵……目をさませ!!」



すると。

コクエンの攻撃は止み、ガイザーは力なく倒れこんだ。



勇気「陽葵……!?」

Z「さて。とどめだ。」

勇気「ガイゼル……!」



ガイザーの頭上には、ガイゼルが立っていた。



Z「ああそうだ。死ぬ前に教えてあげるよ。」

勇気「な、何を……!」

Z「お前の両親ってさ。事故で死んだんだよね。」

勇気「それがどうした……!」

Z「夜目にも話したけどさ。それってさ。俺が仕掛けた事故なんだよね。」

勇気「!!?」


勇気の心に、衝撃が走る。


Z「お前が邪魔だったんだよ。アイツの隣にいるのはいつもお前!俺が何百年も前から鍔つけてたってのに、お前は一瞬でそれを覆しやがった!!それが許せなくてなぁ!!お前に絶望のどん底に叩き込んでからぶっ殺そうと思ったんだ!!!」



あざ笑うZ。



・・・。


奈々「そ、そんな……!ヒドイひどすぎますこんなこと!!」

涼子「……!」

勅使河原「あいつは、自分以外の奴が何かを覆すという行為にショックを受け、こんな野望を持ったということか……!」



・・・ガイザーは、拳に力を込めた。



ガイザー『貴様……そんなことのために、勇気の両親を殺したというのか!!!』

Z「ああ、そうだよ。」

ガイザー『そしてそれだけでは飽き足らず、陽葵をさらい、また勇気を悦某させようというのか!!!』

Z「それがどうした?うるせえ奴だなぁ。」

ガイザー『許さん……!!貴様だけは、絶対に許さん!!』



Z「それがどうした!お前、もう動けねぇじゃねぇかよ!!」



ガイゼルが、倒れこむガイザーの腹を蹴る。

それを見ているだけの陽葵。



ガイザー『ぐはっ!?』


だが。

ガイゼルの足を、ガイザーは掴んだ。


Z「・・・何?」

勇気「返せ……!」

Z「は?」

勇気「返せ……!父さんと、母さんを返せ!!!」



陽葵の体が、少し反応する。



今のセリフ。



Z「なぁんだコイツ!死んじまった人を返せるわけねェじゃねぇか!!!」


だが。

Zはその態度が気に入らなかったのか、何度もガイザーを踏みつける。



勇気「……こなくそおおおお!!!」



ボロボロの体だが、相手がガイゼルなら遠慮はいらない。

勇気が、涙を流しながらもZに立ち向かった。



それと同じころ。

陽葵の心は、揺れていた。



・・・10年前。


勇気の両親が死んだのちの、葬式で。

勇気は、見たこともない表情と声で、暴れていた。



「二人は、どこ!?お父さんとお母さんを返して!!」



誰にぶつけていいのかわからない悲しみと憎しみ。

それが爆発したときの勇気の顔。

そして、それを彼は今でも心に深く傷として残っていること。

陽葵は、忘れられるはずがなかった。



陽葵「ゆ、う、き……。」



陽葵の小さな声も、今は誰にも届かなかった。



Z「ガイゼルブレイドぉ!!」



ガイザーの背中が切り付けられる!



勇気「ぐ、がはっ……!?」



勇気の背中。

イルドムーンに受けた傷。

感知することのない傷が、また開いてしまった。



涼子「東雲君!!」

勅使河原「いかん!!」



そして。

陽葵は、それをみてしまった。



陽葵「勇気……!!」


あの時の絶望は、陽葵も忘れたくても忘れられない。

そのさまざまな記憶が呼び戻され、陽葵の目には光が戻った!!!



ガイザー『勇気!大丈夫か!!勇気!!!』

勇気「ま、まずい、傷が開いて……!?」

ガイザー『勇気!!』



Z「じゃ、おさらばだ。天国のままとパパと、仲良くな!!」

陽葵「やめなさい!!!!!!!!」



ガイゼルの前に。

陽葵が立った。



Z「おや、何してんだ嬢ちゃん。お前はおとなしく立ってろって命令しただろ!?」

陽葵「誰が……あんたなんかの命令に、従うもんですか!!」

Z「何!?」



陽葵は、落ちていたグレンブレスを手に取った。



Z「な、何してやがる!!お前は俺の嫁!そうだろ!!?」

陽葵「いいえ!あたしはあけぼの学園生徒会長にしてHUJIYAMA隊員。そして、東雲勇気の婚約者!!!朝比奈陽葵!!!!!!」



さっとものすごいことを口走ったが、陽葵が完全復活だ!!!



グレン『陽葵……!』

陽葵「ごめん、心配かけて。」

ガイザー『ひ、陽葵……!』

陽葵「ガイザー。勇気は、大丈夫?」

ガイザー『イルドムーンにやられた傷口がまた開いている。出血はそこまでではないが、今は無理だ。』

陽葵「わかった。とにかく、コイツを倒すしかなさそうね……!!!」



すると、陽葵は構えた。



陽葵「来て、グレン!!!」



獅子の紋章が光り、グレンが降臨!!

ガイゼルに攻撃を浴びせる!!



Z「ぐっ、このっ!」



当たったら終わりという装甲のため、ガイゼルはそれをよける。



勇気「あ、アレ……?!」

ガイザー『目が覚めたか、勇気!』

勇気「ガイザー、俺は?」

ガイザー『陽葵の目が覚めたぞ。』

勇気「なんだって!?」



勇気は、目の前を見る。

グレンがオゴ着まわる姿を見て、勇気は感動した。



勇気「陽葵!」

陽葵「勇気、なんていうか、誤っても謝り切れないけど……本当にごめんなさい!」

勇気「いいさ。戻ってきてくれたんならな!」



勇気はブレスで通信。



勇気「みんな、心配かけた!陽葵は助け出したぜ!!!」




リルドシノビラー『それは真か!』

冬賀「やったな、勇気!!」

小鳥「じゃ、あとは悪者退治っすね!!」


ソウドキャンサー『ヒヤヒヤさせやがってまったく!』

春斗「なんか、安心したら力が出て来たぜぇぇぇぇ!!」

麗夏「そろそろ、終わりにしよう!!」



リルドシノビラーとソウドキャンサーはトカゲの左右に飛び、それぞれ右腕を掲げた!!



ルロン『何をするつもりぃ!?』



すると。

二体の腕に、激流の水竜巻と何本もの雷が落ちてくる。



冬賀・春斗「「激流雷電光波!!!」」



そしてその二つが一つに合わさり、巨大な雷の渦が発生!!

その圧力が、ルロンをつつみこむ!!



冬賀「今だ!!」

小鳥「了解っす!」


そしてリルドシノビラーはドリルを、



春斗「決めるぜ!!」

麗夏「任せておけ!」


ソウドキャンサーはチェーンを構える!



小鳥「十手大成敗!!!」

麗夏「鋸百裂斬!!!」



そしてその巨体を、力の限りぶった切った!!!



ルロン『うそ……あたしたちが、滅びるのおおおおおおおおおおおお!!????』

冬賀「ジ・エンドだ!!」

春斗「消え失せろ!!」



直後!

大爆発だ!!!



・・・。

城の最上階。

Zは、ガイザーとグレンの猛攻に押され気味であった。



Z「ええいこうなったら!」



ガイゼルとコクエンが、邪悪な力で一つになった。



Z「完成!コクエンガイゼル!!!」


勇気「だったらこっちも合体だ!」

陽葵「任せて!」

『炎熱合体!!』


それに対応して、グレンとガイザーも飛び上がり合体!



勇気「グレンガイザー、ライジン!!!」



炎の巨人・グレンガイザーとなる!!



Z「俺の方が攻撃力もスピードも上だ!傷だらけのお前に、俺が勝てると思うかああああああああああああああ!!!!」



すると。

コクエンガイゼルは、目にもとまらぬスピードでグレンガイザーの周囲を回り始めた。



Z「どうだ!止められまい!!」

勇気「そこだぁぁぁぁぁ!!!!!」



だが。


グレンガイザーは。

そのスピードを、拳で止めた。

装甲の薄いガイゼルの頭には、それだけで風穴が!!



Z「ば、バカな……!何故だ!どうして!!」



勇気「言っておくがな。俺は東雲鳳凰流の剣士だ。お前の小手先だけのスピードなんざ、一回戦えば手に取るようにわかんだよ!!」

陽葵「それにあなたの気は、ばっちり体に叩き込まれてますから!」



頭部を破壊され動きが止まったガイゼルに、グレンガイザーはガイザーソードを一太刀!!

ガイゼルのボディは、ボロボロに崩れ去った。



Z「お、おのれ……!」



だが。

Zは、その体から逃げていた。



冬賀「逃がすかぁ!!」

春斗「その瞬間を待ってた!」

麗夏「全力の、ソウドサンダー!!!!!」



城からZが飛び出た瞬間。

雷撃が、Zの体を直撃する!!



Z「うがあああああああ!!?」



だが、Zは巨大化。

苦しみながらも魔弾超神に襲い掛かる!



Z「俺は最強の魔物だ……!お前らなんかに!!お前らなんかにいいいいいいいい!!!」



だが。

上空から、バーニングキャノンの雨が降り注いだ!!



陽葵「そのお前らに愛を向けたバカタレは、あなたよ!!」



勇気「今度こそとどめだ!!!」

陽葵「あんたの悪行、許すわけにはいかないわ!!」



ガイザーフラッシュが放たれ、あたりは光に包まれる!



Z「ま、まぶしい!?」



すると。

魔弾超神3体は、それぞれ必殺武器を構えた!!



小鳥「一発目!!」

冬賀「忍乱吹雪!!!」



リルドシノビラーのドリルが!!



麗夏「二発目!!」

春斗「鋏一刀切断!!!」



ソウドキャンサーのハサミが!!




陽葵「とどめの、三発目!!」

勇気「親父とお袋のカタキ!!ガイザースラッシュ、魔弾斬りイイイイイイイイイイ!!!!!!」




そして最後の一刀両断!!


Z「お……、俺は、俺はああああああああああああああああああああ!!!????」


必殺技3連発を受け、Zの体は、大爆発だ!!!



陽葵「……光にだかれて!」

勇気「眠れ!!」



トドメの一言とともにグレンガイザーはガイザーソードをしまい、ゲームセットだ!!!



奈々「魔的波動0!魔物は全員グレンガイザーたちによって殲滅!城も崩壊していきます!!」

勅使河原「よくやったみんな!これでお祭りができるぞぉ!」

涼子「よかった。よかったわね、東雲君。」



・。



夕陽の東雲町・勇気の部屋。

そこで勇気は、陽葵に背中の治療を受けていた。



陽葵「これでよし、と。」

勇気「あでっ!?」

陽葵「無理しないでよ、もう。」

勇気「そうはいってもな。今回はそうでもしないとダメだったし。」

陽葵「今回は、その……ごめんなさい。あなたの両親のことも……傷のことも。」



深々と頭を下げる陽葵。



勇気「気にスンナって。アイツが全部悪い。それだけだ。」

陽葵「勇気……。」

勇気「今度墓参りするときにでも、伝えておくよ。」


陽葵「勇気。」

勇気「ん?」

陽葵「あたしはもう、絶対あなたのそばを離れないわ。寂しいときやつらいとき、いつもそばにいてあげるから。」

勇気「な、なんだよ改まって。」

陽葵「あたしは、あなたが好きだから。」



・・・突然の告白で、顔を真っ赤にする勇気。



勇気「な、ななな、何言ってんだよ陽葵!照れるじゃんか……。」

陽葵「言いたかったの。愛情をあげたかったから。」



二人の影が、重なった。



・・・そして、その外では。



春斗「筒抜けだってこと、知らねえのかな。」

冬賀「……わざとやってたらブッ飛ばしてるさ。」

小鳥「でも、二人ともスッゴイっすねー!」

麗夏「大人の階段、登ってる。」



窓全開だったのもあってか、全部聞かれていたことを、追記しておく。



・。


それから数日後。

東雲町のお祭りが開催されたことも、追記しておこう。

浴衣姿の女性陣、甚平姿の男性陣。

町のみんなもひっくるめての、大お祭りだった。





麗夏「さぁさぁ、次はこのもんじゃを……。」

冬賀「もう、食えん……!」

麗夏「さぁさぁ。」

冬賀「殺す気かー?!」


奈々「ねぇねぇ春斗君、リンゴ飴だよリンゴ飴!」

春斗「あ、ああ、わかったから引っ付くなぁ!?」

小鳥「とか言いつつ、満更でもない顔してるじゃないっすか!」

春斗「う、うるせえ!?」

奈々「それそれー!」

春斗「お前も悪乗りするんじゃねー!」

小鳥「あっははー!楽しいっすねー!!」



陽葵「楽しいね。」

勇気「おう。」



陽葵も浴衣で、いつものロングではなく、髪を結えていてちょっと大人っぽかった。



勇気「また、みんなでやりたいな。お祭り。」

陽葵「うん!」



そして。

花火が、夜空に上がった。

これからもがんばれ!

HUJIYAMAと、魔弾戦士たち!!



劇場版魔弾超神

おわり。


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