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・・・世界を守る魔導ディスク。

それを狙う邪導国家キャッスルが、ついにこの人間界にやってきた。


だけど。

それに立ち向かうのは、あたしたち4人のマジカルガールズと、4体の魔導王。


今までも激しい戦いをしてきたけど、今回はなんと劇場版!

スケールもでっかく、大暴れしてやるんだから!!

なんてったって、魔導が未来を切り開くもんね!!!





劇場版女神魔導師ガイアース「おもちゃの国の勇者たち」





・。

それは、ある秋の晴れた日に始まった。



真「うっふっふ~。」


その太陽の日と同じくらい、にっかにかに笑っている人間が一人。

そう。

我らが主人公・大地真だ。


泉「真ったら、めっちゃくちゃご機嫌ね。」

真「なんてったって!今日は、パジャマパーティーだもの!」

舞「そうですね。久しぶりですものね、パジャマパーティー!」

真「そうそう!イズミンだって本音では結構楽しみにしてるくせにぃ!」

泉「そ、そりゃそうだけどさ。」


その傍らにいる二人が、藍原泉と、天王寺舞だ。


『真。』



すると。

真の胸に装着されているアースブローチから、不思議な声が。



真「なに、ガイアース。」



その声の主は、真の相棒・ガイアースだ。



ガイアース『……先ほどから聞くパジャマパーティーとは、いったい何なのだ?』

泉「誰かの家にお泊りして、一緒にご飯食べたりお風呂入ったりおしゃべりしたり……。ね、舞。」

舞「小さいときはよくやりましたよね。」

真「三日連続っていうのもあったよねぇ~!」

舞「昨日は泉さん、今日は真さん、明日は私の家って。」


ガイアース『そうか。楽しそうだな。』



そして。

一緒に歩いているのは、真と泉、舞だけではない。

仲間になった、刹那も一緒だ。



真「刹那!」

刹那「え?」

真「刹那は初めてだけど、遠慮しなくていいからね!すっごく楽しいから!」

刹那「うん、わかってるです!」


そんなことを言いながら帰路に就く4人だったが。


『あれが魔導師……。マジカルガールズ……。』


その4人を除く、不気味な影がいた。



刹那「!?」

真「刹那、どうしたの?」

刹那「な、なんでもないわ。」



そののぞいていた影は、いつの間にか消え失せていた。



・。


そして、それと同じころ。

「ここ」とは違う、どこか別の国で。



『時は来た。すべてのおもちゃたちよ。』

『子供たちの前から、姿を消せ!!!』



不気味な声が、何かをたくらんでいる声が響いた。



・。



その日の夕方。

真の家には、泉、舞、そして正義と愛が、やってきた。



泉「こんばんは。」

舞「お邪魔します。」


大輔「いらっしゃい、二人とも。」



・・・平和なひと時。

しかし。


町では。

子供たちの手から、

おもちゃが、

次々と消えていった。



・・・。


そんな事とはつゆ知らず。



真たちはトランプをしたり、夕飯を食べたり、まくら投げをしたりと、楽しい夜を過ごしていた。

しかし。

それと同時に、

おもちゃは消えてゆくばかりだった。



美幸「あら、うまいわねぇ!」

刹那「そ、そうですか?」


泉「うぅ……。」

舞「泉さん、先ほど話した怖い話がよほど怖かったんですか?」

泉「たまねぎのせいよ!」


その間も。



真「あたし、カレーって辛いからカレーっていうんだとずっと思ってたんだー!」

泉「真ってば……!」

舞「うふふふ。」


その間も。

おもちゃは消え続け、ついには町からおもちゃは、消えてしまった。



・・・。

真の家のキッチン。



美幸「悪いわね、片付け手伝ってもらっちゃって。」

泉「いえいえ。」

舞「これくらい当たり前です。」



一方。

真と刹那は、テーブルの片づけをしていた。



真「いやー、おいしかったなぁ今日の晩御飯!」

刹那「ふふ、真ったら食べ過ぎよ?」

真「でも刹那だって、いっぱい食べてたじゃない?」

刹那「うん。みんなで食べるのって、なんだか楽しい。」


真「でしょ?!これがパジャマパーティーなんだよ!」

刹那「・・・うん。」



泉「ねぇ舞、今度のバザーで売るもの、もう決めた?」

舞「ええ。小さかった頃の服とか、絵本とかを出す予定です。」

真「いーなー二人とも。あたしってばいざとなるとなかなか決められなくて……。ねぇ、刹那は?」

刹那「私は……占い道具くらいかしら。」

真「へー、売らないんだ?」

刹那「ええ、占いの。」

真「へ?」

刹那「へ?」

泉・舞「「・・・。」」



・・・。



『次のニュースです。本日夕方から、各地でおもちゃが突然消えるという怪現象が続出しています。この怪現象は、現在もなお続いており、至急関係各所が原因を追究していますが、未だ原因解明には至りません。』

『おもちゃがきえちゃったー!』

『おもちゃがなくなったー!』



そのニュースが、真の家にもようやく知れ渡った。



泉「町中のおもちゃが消えたって……。」

舞「一体、どういうことでしょう?!」

刹那「もしかしたら……!」

真「キャッスルの仕業!?」


4人は、家を出ようとした。

すると。


美幸「みんな、お風呂沸いたわよー。」

真「あ、お母さん!シャンプー切れちゃったから、ちょっと買って来るね!」

美幸「あら、あたしの使っていいわよ?」

泉「ああすみません、シャンプーはみんな、お気に入りのがあって!」

舞「すぐ、戻ってきますから!」


すると4人は、家を出ていった。



・・・。



おもちゃがなくなったと騒ぐ人々で、町中がごった返していた。

そんな中の町のとあるおもちゃ屋。

そこへ、4人がやってきた。



真「ねぇ、どうしたの?」

子供「あのね、僕のおもちゃが、全部なくなっちゃったの!」



真が子供を慰めていると、おもちゃが消えてゆく現場を目撃した。



泉「おもちゃが……消えていく!」

真「大丈夫!きっと魔導師たちが、おもちゃを取り返してくれるよ!だから中ないで!」

子供「本当……?」


真「うん。だから泣かないで。」

泉「間違いなさそうね。」

舞「キャッスルの、仕業……。」

真「だとしたら、許せない!」



すると。

帰路についた4人の目の前に、消えたおもちゃたちが!



真「あ、あれ、見て!」

泉「アレが、消えたおもちゃたち?」

舞「しかし、何故こんなところに……?」

真「とにかく、これを持って帰ろうよ!」



真が不用意に近づいたその瞬間。



刹那「真、危ない!!」

真「え?!」



パラレルワールドのマジカルゲートが、開いた。

そして、おもちゃたちは吸い込まれてゆく!!



『待っていたぞこの世界の魔導師ども!お前らの持つ魔導力、利用させてもらう!!』


そして吸い込まれていくのは、おもちゃたちだけでなく、4人も同様だった!



泉「こ、これは!?」

舞「しまった!これは罠です!!」

真「な、なんで、あたし達の魔導力を!?」

刹那「だ、ダメ!このままじゃみんな……!」



そのゲートの吸引力はすさまじく、4人もどんどん吸い込まれてゆく!



刹那「このままじゃみんな吸い込まれてしまう……!こうなったら!」



すると刹那は、真の体に魔導力を込める。



真「刹那?!」

刹那「真だけでも逃げて!」

真「で、でも!」

泉「あたしたちはなんとかするわ!」

舞「最悪、すぐに帰ってきますから!」

刹那「魔導力、テレポート!どこか安全なところへ!!」



すると真は。

刹那の魔導力によって、どこかへと飛ばされた。



真「み、みんなあああああああああああ!!?」



・。



ワープゲートへと吸い込まれた3人は。

謎の巨大な書庫のような空間にいた。



泉「こ、ここは……!」

舞「いったい……!」

『ようこそ、魔導師の諸君。』



すると。

3人の目の前に、巨大なブリキ人形が。



トイバロン『手荒な歓迎を許してくれたまえ。私の名前は、トイバロン。』



泉「トイバロン……。」

刹那「聞いたことがあるわ。あなた、トイワールドの住人ね!」

舞「刹那さん、トイワールドというのは?」

刹那「人間界、キャッスル、それとほかに無数にあるパラレルワールドの一つ。いわゆる、おもちゃの国よ……。」

泉「でも、どんなおもちゃの国に、どうして魔導力が必要なのよ。」


トイバロン『人間界、いや、全パラレルワールドの支配のためだ!!』

刹那「なんですって!?」

舞「どうして、そんな……!」


トイバロン『復讐だ。人間に、すべての生命体に、復讐するのだ!!』


泉「復讐だなんて……!そんなことのためにあたしたちの魔導力を、使わせるわけにはいかないわ!」

舞「そのとおりです!私たちの魔導力は、正義のために使う力です!」



トイバロン『おとなしく利用されればいいものを……。』

刹那「それに、私利私欲のために使うのは魔導力じゃない。邪導力よ!!」

トイバロン『わが力にならぬのであれば……このおもちゃの国で死ぬがいい!!』



すると。

泉と舞、刹那は、それぞれトイバロンの魔力で不思議な世界に飛ばされてしまった!


トイバロン『愚かな奴らだ……。まぁいい。奴らが死んだら、魔導力だけ抜き取ってやる。そして……。』



トイバロンは、おもちゃを一つ、ワープゲートで送った。



トイバロン『もう一人の魔導師も……今のうちに手を付けておくか。』



・。



真「あでっ!?」



そして、真はテレポートによってどこかの部屋に飛ばされていた。


真「こ、ここは?!」


慌てながら下を見ると。



正義「だ、誰だ……!いきなり頭上に降ってくる酔狂なやつは!」



なんとそこは、夏ごろお世話になった、かつてゼクスライザーとして戦っていた真たちの先輩でもある神奈正義の住む部屋だった!



真「せ、先輩!?」

正義「うお、誰かと思ったら、真じゃねーか!どうしたんだ藪から頭上に。」

真「刹那ってば、どうしてこんなところに……?でも好都合だ!世界中が大変なんです!」

正義「なんだと?」



・。

かくかくしかじか事情説明。



正義「なるへそ。だいたい事情は分かった。とにかく、異世界に飛ばされた3人を救出するのが最優先だろうな。」

真「なので、いったん家に戻ってからどうにか対策を考えようと思うんです。」

正義「わかった。俺に何かできるかわかんねーけど、手を貸すぜ。」


真「でも……みんながどこに飛んでいったのかもわからないし、どうすれば……。」



すると。



『まこと……。』



真「あれ、先輩、呼びました?」

正義「いや?」



『まこと……。』



真「で、でも、声が……。」



正義「ん?」



正義は、気が付いた。



正義「真、腰のところになんかぶら下がってるぜ。」

真「え?!」



そこには。

うさぎのぬいぐるみが、ぶら下がっていた。



『まこと……!』

真「うさぽん!」

正義「う、うさぽん?」

真「昔あたしが遊んでいた、ぬいぐるみです!」

正義「そのうさぽんが、どうして喋ってるんだ?」



うさぽん『本当に心で繋がった人となら、おもちゃもお話しすることができるんです。』

正義「それはすげぇ……。」

うさぽん『真。友達は、トイバロンのいるトイワールドに連れていかれたわ。』

真「トイワールド?」

うさぽん『お願い、トイバロンを止めて!』

真「うん、もちろん!」



正義「え、いいのか?そんな簡単に信じちゃって。」

真「うさぽんはあたしの友達。友達が困ってるなら、助けてあげなきゃ!」

正義「そうだな。」



真のその当り前な考えに、正義もあっさり賛同した。

自分も、同じだから。



真「じゃあうさぽん、先輩、行くよ!」

ガイアース『……真。』


しかし。

ガイアースが、語り掛ける。


真「どうしたの、ガイアース。」

ガイアース『外へ出るんだ。敵だ!!』

真「え!?」



真は外靴を履いたままだったので、二階の正義の部屋からベランダをつたって外に出る。

するとそこには、カンフー胴着を着たカンフー人形が立っていた!



・・・。



泉「こ、ここは……!?」



そして。

トイバロンによって泉の飛ばされた空間は、おもちゃの戦闘機や宇宙船が飛び交う宇宙戦争の空間。

その宇宙円盤から、光線が飛ぶ!



泉「な、なんなのぉぉぉ!!?」



・・・。



舞「い、いったい?!」



舞が飛ばされたのは。恐竜時代。

そして舞の目の前に、おもちゃとはいえ、実物大の恐竜が!



舞「わ、わああああああ!!?」



・・・。



刹那「どういう、こと……!?」



刹那が飛ばされた先は、中世の城のような、巨大なチェス盤だった。

そのチェス盤から、兵士が実体化してゆく!



刹那「?!」



真「あいつ……キャッスルのマクア?!」

ガイアース『いや。邪導力を全く感じない。奴は別の存在だ!』



するとそのカンフー人形は、真を見つけて襲ってくる!



正義「真!」

真「うわっと!?」



繰り出されるヌンチャクによって、真はどんどん追い込まれていった!



真「よぉし!」

真・泉・舞・刹那「「「「こうなったら!!」」」」



そして、4つの空間全てで同時に4人が叫ぶ!!



「「「「レナニシドウマ!!!」」」」



そして4人はそれぞれ光に包まれる!


真は炎。

泉は水。

舞は風。

刹那は光。

それぞれの属性の魔導力を体に受け、4人は魔導師として変身を遂げた!!



マジックフレイマー「ピンクの勇気は愛ある証!炎の魔導士・マジックフレイマー!!」


そして、真がマジックフレイマーに!


マジックアクアー「ブルーの知性は希望の証!水の魔導師・マジックアクアー!!」


泉がマジックアクアーに!


マジックウインダー「グリーンの優しさは守りの証!風の魔導師・マジックウインダー!!」


舞がマジックウインダーに!


マジックセイバー「パープルスターは正義の証!星の魔導師、マジックセイバー!!」


刹那がマジックセイバーに!

それぞれ変身した!!

そしてそれぞれが、それぞれの敵に立ち向かう!



マジックフレイマー「ヌンチャクが怖くて……ヒロインやってられるかあああああ!!!」



カンフーロボットのヌンチャクを、魔導力ヒートクローラーとフレイムキックを使って、すぐに破壊する!

そしてカンフーロボットに目にもとまらぬ突きを繰り出す!



マジックフレイマー「おりゃおりゃおりゃあああ!!」

正義「うわぁ、すっげぇ……。」



・・・。



マジックアクアー「もう!とんだ宇宙戦争ね!」



宇宙船からの砲撃はやむことを知らず、アクアマグナムで応戦する泉をマジックアクアーを追い詰める!



マジックアクアー「……そうだ!」



泉の体が、水に包まれた!



・・・。



マジックウインダー「魔導力!ウインカーテン!!」



暴れる恐竜を風の魔導力で抑え込む舞だったが、恐竜はなおも暴れる!



舞「どうしたんでしょう……!何か、おかしいです!」



・・・。



そして、マジックセイバーの目の前には、チェスの2グループの歩兵が揃っていた。


キング『この兵士30体すべてを、お前は倒せるかな?』

マジックセイバー「……できるかどうかじゃなく、やってやるです。」


そして、兵士たちが、セイバーを取り囲んだ!!



・・・。



トイバロン『なんだ……?人間の世界に、まだ一つ消えてないおもちゃがある……。』



トイバロンは、全次元をモニターで監視していた。

そして、うさぽんを見つけた。



トイバロン『そちらのうさぎはこちらによこせ!私の元へご招待だ!』


すると。

トイバロンの手が、ワープゲートごとうさぽんの元へ!


・・・。



正義「なんだ!?」



するとうさぽんは、トイバロンの手によって連れ去られてしまう!



正義「うさぽん!!」

うさぽん『こ、これを!』



するとうさぽんは、正義にあるものを渡した。



正義「こ、これは……!?」


それは、見覚えのある、車のおもちゃだった。


うさぽん『それを使って、真を助けてあげて!その中には私のエネルギーの一部が入ってる……。私の代わりに、真をおもちゃの国に連れてって!』

正義「うさぽん……!」



正義はそのおもちゃを握りしめ、うなずいた。

それと同時に、うさぽんは消えていった。



・・・。

トイバロンの部屋。



うさぽん『ここは……。』

トイバロン『来たかうさぽん!』

うさぽん『トイバロン!』

トイバロン『なぜあの魔導師に知らせたうさぽん!僕の計画を邪魔する気か!』

うさぽん『そうよ!子供たちを悲しませるようなまねは、絶対させない!』



トイバロン『何を心にもないことを!お前だって、「僕と同じ」癖に!!』

うさぽん『……!』



・・・。


輝町。


マジックフレイマー「どりゃああああ!!」


真は、カンフー人形の猛攻に防戦一方だった。


正義「待ってろよ真!今すっげぇお土産、持ってくるからな!」



そして正義は、家への道を走っていた。

車のおもちゃを、握りしめて。


・・・。


宇宙空間。

宇宙船の光線の爆風に包まれた泉!

宇宙船のパイロットは、泉を仕留められて笑顔になる。

・・・だが。



マジックアクアー「探し物は、なんですか?♪」



その声に、パイロットがびびる。



マジックアクアー「見つけにくい、物ですか?♪」



泉は、魔導力アクアブースを使って。

いつの間にか宇宙船の、コクピットの横にいた。

びびるパイロットに!



マジックアクアー「鬼ごっこは、おしまいよ!!」



トドメのアクアバレットをぶっ放した!!



マジックアクアー「ゲーム、セット。」



・・・。

原始時代。


マジックウインダー「もしかして!」


なおも暴れつづける恐竜を、再び舞が風の魔導力で包み込む!



マジックウインダー「魔導力!エメラルドツイスト!!」


そして恐竜を、初級魔導を使って舞い上げ、


マジックウインダー「続けて!魔導力、ウインライブ!」


癒しの風で、恐竜の足についていた「棘」を、吹っ飛ばす!


マジックウインダー「これが刺さっていたかったんですね。でももう大丈夫!」


恐竜は、おとなしくなり眠りについた。



・・・。

チェス空間。


マジックセイバー「せやあああ!!」


刹那が魔導力で高速移動、歩兵たちに目にもとまらぬ蹴りを連発!

歩兵たちは、数秒の間ののち、吹っ飛んだ。



マジックセイバー「あと一人……!」



マジックセイバーは、とてつもない戦闘力を持つ反面、魔導力の燃費が悪いのが欠点。

若干息が上がり始めている。


キング『この俺が相手になってやる!』


キングが、巨大な斧を振りかざし刹那に突貫!


マジックセイバー「……早い!」



そしてその動きは、巨体に似合わず素早かった!

刹那はそれを、何とか回避しているといった状況だが、パワーもすさまじかった。

さすがはキング。



キング『どうした!逃げてばかりではこの俺に勝てんぞ!』

刹那「そう、ですね……!」



すると。

刹那は、にやりと笑った。



キング『おりゃあああ!!』


キングが壁に追い詰められた刹那目がけて突貫!

だが!


刹那「魔導力!!」



刹那は、キングの背後にテレポートした!



キング『何!?』

マジックセイバー「せぇい!!」


そして背後からの蹴り!

キングの反撃も、二度目のテレポートで回避!!


キング『ど、どこだ!?』

マジックセイバー「あなたの頭の上よ!」

キング『お、おのれぇぇぇぇ!!』



キングの攻撃を、すべてテレポートで回避していく刹那!

ちょっとずるい。


キング『何!?』


そして!

今度は、キングの斧ごとテレポート!


キング『……!?』

マジックセイバー「魔導力!!」

キング『!?』


そしてキングの頭上には、その斧と、無数の星が巨大な隕石として固められていた!!



マジックセイバー「ハイリングプレッシャー!!!」



そしてそれを、キングの頭上に落っことす!!



マジックセイバー「チェックメイト、です!」


文字通り、キングを打ち取った刹那は、シャレをきかせてこうつぶやいた。



・・・。



輝町。

なおも打ち付ける拳と拳!



マジックフレイマー「意外に、やる!!」

ガイアース『真、このままではらちが明かない!魔導力を一転に集中させて、瞬間的に爆発せるんだ!』

マジックフレイマー「わ、わかったよ、ガイアース!」



すると真は距離を取り、身を構える。

そして。



マジックフレイマー「はぁぁぁぁぁ……!」



目をつむり、魔導力を込める。

それを気にせず、カンフー人形は迫る!!



だが。

真は、手を前に出して、カンフー人形の拳を受け止めた。



マジックフレイマー「魔導力!!バーンダイナマイト!!!」



そしてカンフー人形は、真の手に込められた魔導力の圧力に耐え切れず、彼方まで吹っ飛ばされた。



マジックフレイマー「……よし!」

ガイアース『見事だ、真!』

正義「真ぉぉぉぉぉぉ!」



すると。

正義が、戻ってきた。



マジックフレイマー「センパイ、今までどこに?」

正義「そんなことより、うさぽんがトイバロンにさらわれた!」

マジックフレイマー「え!?」

正義「幸い行先はうさぽんが教えてくれた。今から突入すっぞ!」

マジックフレイマー「で、でも、次元の壁をどうやって?!」


正義「コイツさ。」



正義の後ろには、一台の車が。



マジックフレイマー「それって、先輩の家の……。」

正義「ああ。自家用車だ。」

マジックフレイマー「・・・?」

正義「だが、ただの自家用車じゃない。世界一の自家用車だ。とにかく乗れ。」



促されるまま、真は乗り込む。



マジックフレイマー「センパイが運転するんですか?先輩まだ無免許じゃ……。」

正義「ま、見てなって。久しぶりだからなぁ。びっくりして舌噛むなよ!」

マジックフレイマー「え!?」



すると。

その車が、正義の運転で自家用車とは思えないスピードをふかし、道をかっ飛ばす!!



マジックフレイマー「あ、あわ、あわわわ!!?」

正義「1年ぶりか……!行くぜ!チェーンジ!!!」



すると!

その車が上空へ飛び上がって、

人型に変形した!!

そしてそのロボットこそ!



正義「チェーンジ!!ゼクスライザー!!!」



・・・そう。

ゼクスライザーだ!!



マジックフレイマー「ぜ、ゼクスライザー!?でも、どうして?!」

正義「うさぽんが預かってたんだよ。どっから仕入れたのかは知らねーが、ゼクスのおもちゃをな。」



さっき手渡された車のおもちゃ。

それが、この世界でも販売されていたゼクスライザーのおもちゃだったのだ!

そのおもちゃのエネルギーと本物を合わせることによって、奇跡的にゼクスは復活したのだった。



マジックフレイマー「うさぽんが?」

正義「さ、与太話はあとだ!コイツにお前の魔導力を注いで、ワープするぞ!」


ゼクスの目の前には、閉じかけているワープゲートが。


マジックフレイマー「あ、はい!」



真が魔導力を込める。

すると。

真の魔導力が、ゼクスを経由して増幅!

ワープゲートを、開放する!!



正義「さぁ、かっ飛ばすぜ!!」



そして、再びカーモードへと変形したゼクスは、その中を翔けていった。




・・・。


トイバロン『ぜ、全滅……!?』



そして。

刺客がすべて倒されたことを知ったトイバロンは、激昂した。



トイバロン『おのれ魔導師どもがあああああああああああああ!!!』

うさぽん『トイバロン……。』



正義「ついたぜ!」



それと同じころ。

ゼクスが、おもちゃの国・トイワールドへとやってきた。

思いのほか早く着いたようで。



正義「ここがおもちゃの国、ねぇ……。」

マジックフレイマー「早くイズミンたちを探さなきゃ!」



トイバロン『その必要はない!!』



すると。

真の前に、トイバロンの虚像が!



マジックフレイマー「!?」

トイバロン『わざわざお前の方からこっちに来てくれるとはな、好都合だ!ほかの魔導師達も見ろ!!』



バラバラの3人の前にも、同じ映像が!



マジックウインダー「あなたが、トイバロン……!?」

マジックアクアー「ついに現れたわね!?」

マジックセイバー「……!」


マジックフレイマー「子供たちのおもちゃを、返しなさい!」

トイバロン『ふざけるな……どうせ子供たちはすぐに飽きて、おもちゃを捨てる癖に!だから、捨てられる前に、消してやったんだ!!』



その発言に、たじろぐ4人。



トイバロン『教えてやろう……。この国はな、おもちゃを大切にしない、捨てられたおもちゃたちの国なんだよ!!』



マジックフレイマー「え!?」

マジックアクアー「!!」

マジックウインダー「!?」

マジックセイバー「?!」



トイバロン『これで終わったと思うな……。僕たちを捨てた子供たちの世界を征服してやる!そうすれば、もう捨てられることもないからね!!』


マジックフレイマー「そんな……!」


トイバロン『いや……。今度はぼくたちが復讐する番だ!世界中の子供たちをおもちゃに変えてやるんだ!子供たちに復讐するんだ!!はははははははは!!!!』



すると。

トイバロンは、消えた。



マジックセイバー「トイバロンの目的が、わかったけど……。」



マジックウインダー「世界中の子供たちに対する、復讐だなんて……。」



マジックアクアー「逆恨みもいいとこだわ……!オモチャを大切にする子供だって、いるはずなのに!」



正義「ひでぇ話もあるもんだな……。」

マジックフレイマー「でも、あたし……。」

正義「?」

マジックフレイマー「あたし、うさぽんを押し入れの中に、押し込んでた……。」

正義「……。」

マジックフレイマー「謝らなきゃ、うさぽんに!」

正義「うし。とにかく、トイバロンを止めるぞ。」



・・・。



うさぽん『トイバロン、いますぐやめて!子供たちへの復讐だなんて、間違ってる!』


トイバロン『黙れ!お前だって、子供たちへの恨みがあるはず!!』

うさぽん『え?あたしは……。』

トイバロン『一人だけ、いい子ちゃん面するなああああああ!!!』




トイバロンは、魔力でうさぽんを自分の体に取り込んだ!!



トイバロン『いいだろう魔導師!!僕が直々に相手をしてやるぅぅぅぅぅぅぅ!!!』



すると。

4人が、一か所にテレポートさせられた。



正義「あれ、俺は!?」



・。

薄暗い広場。



マジックフレイマー「みんな!」

マジックセイバー「無事だったのね!」

マジックアクアー「ここは、一体……?」

マジックウインダー「わかりません。でも……!」

マジックアクアー「まがまがしい空気ね……。」



直後!

地面が割れ、トイバロンが姿を現した!!



マジックフレイマー「トイバロン……!」

マジックセイバー「今度は本物ね!」

トイバロン『よく来たな魔導師……!これ以上僕の邪魔はさせない!ここをお前たちの、墓場にしてやるぅぅぅぅぅ!!!』



トイバロンの体から、ミサイルが降り注いだ!!



・・・。



正義「……どーっすかなぁ。ゼクスだけじゃあ、さすがに力不足だろうし……。」



すると。

正義の目の前に、カメのおもちゃが。



正義「そうだ……。今のゼクスはおもちゃだ……。ひょっとしたら!」



・・・。



トイバロンの体に魔導師たちが肉弾戦による攻撃を繰り出すが。

トイバロンには、全く通用しない!



マジックフレイマー「魔導力!フレイムランス!!」

マジックアクアー「魔導力!チェーンブレイカー!!」

マジックウインダー「魔導力!ブラストガン!!」

マジックセイバー「魔導力!セイバーチェーン!!」



4人がそれぞれの魔導力を放出して攻撃するが、それすらもトイバロンには通用しない!

爆風の中からトイバロン御手が、セイバーとアクアーに伸び、吹っ飛ばされる!


マジックフレイマー「!?」


それのフォローに入るフレイマーも、その拳でアクアーごとふっとばされる!

セイバーはウインダーが受け止めるが、ミサイルの嵐に見舞われる!!



マジックフレイマー「トイバロン……!子供たちに復讐なんてやめて!」

トイバロン『うるさい!お前たちに何がわかる!!』



その拳が、再びフレイマーとアクアーに飛ぶ!!



トイバロン『僕たちは子供が大好きだったのに。友達だと思ってたのに!どうして僕たちを簡単に捨てたんだあああああああああああああ!!』



そして次はミサイルが、ウインダーとセイバーにも飛ぶ!



マジックウインダー「ウインカーテン!」



その攻撃を受け止めながら、4人は再び一か所へ戻る。



マジックウインダー「確かに、おもちゃを大切にしないですぐに捨ててしまうのはよくないとは思います!」

マジックアクアー「それを恨みに思う気持ちもわかるわ!でも、だからって!」

マジックフレイマー「子供たちに復讐しようだなんて、間違ってる!」

マジックセイバー「復讐なんてむなしいだけ!身を滅ぼすだけよ!!」


魔導師4人が説得を試みるが!


トイバロン『うるさい!だまれえええええええええええええ!!!』


トイバロンはそれを聞き入れず、なおも暴れだす!

そして、マジックフレイマー・真を締め上げる!



トイバロン『これは僕一人だけのモノじゃない!子供に捨てられたおもちゃたち、みんなの主なんだ!!』


マジックアクアー「フレイマー!!」


トイバロン『僕の体をよく見ろ!』

マジックフレイマー「え?!」

トイバロン『僕の全身は、子供に捨てられたおもちゃたちでできているんだぁぁぁぁ!!』



その体の中には。

大量の、

おもちゃがいた。



『どうして捨てたんだ……!僕たちを!』

『あんなに仲良しだったのに……!』

『大事に遊べば壊れなかったのに……!』



そしてそのおもちゃたちは、そんな、嘆き悲しみの声で満ちていた。



マジックフレイマー「みんな……。」

トイバロン『僕の心は、子供に捨てられた、怨みでできているんだあああああああ!!!』

『共同魔導力!!!』



だが。

そのトイバロンの体に、

水、風、星。

3つのエネルギーの塊が激突した!



その攻撃のショックで、拘束から脱出したマジックフレイマーだったが。



マジックフレイマー「……!?」



トイバロンの体の中に、うさぽんを見つけてしまった。



マジックフレイマー「うさぽん……!?」



そしてそのフレイマーを救出し、いったん距離を取る魔導師達。



マジックセイバー「フレイマー!」

マジックアクアー「大丈夫、フレイマー!」


マジックフレイマー「うさぽんが……いた……!」

マジックウインダー「え……?」



すると。

トイバロンの体から、無数の大砲が出現!!

そこから、先ほどとは比べ物にならないくらい数えきれないほどのミサイルが降り注ぐ!!



トイバロン『邪魔者は消えろおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』



それを何とか避ける魔導師達だが、よけるので精いっぱいで反撃すらできない!



トイバロン『僕たちの恨みを、思い知れええええええ!!!』



マジックアクアー「これじゃあ、話にならないわ!」


だが、その攻撃のおかげで地面には水たまりができ、



マジックセイバー「攻撃をやめさせないと!!」


雲の隙間にはおもちゃの月が浮かび、


マジックウインダー「そのためには!」


爆風がにより、風が生まれていたた!



ウインダー・アクアー・セイバー「「「4人の力を合わせよう!!」」」



すると、3人の魔導師が魔道具に召喚ディスクをセット!!



マジックアクアー「マジカルスピィン!!」


攻撃を潜り抜けて、アクアーは水面に!


マジックウインダー「マジカルアロー!!」


ウインダーはその雲の上に!


マジックセイバー「マジカルシュートっ!!」


セイバーはその上の月に!

魔法陣を描く!



マジックアクアー「ドーマ・ヨデイ・マーキュリー!汝出でよ、水の超魔導王スーパーアクアース!!」

マジックウインダー「ドーマ・ヨデイ・ジュピター!汝出でよ、風の超魔導王スーパーウインアース!!」

マジックセイバー「ドーマ・ヨデイ・ネプチューン!汝出でよ、星の魔導王セイバース!!」



そしてその上で呪文を唱え、魔導王3体を召還する!!



マジックアクアー「アクアース!スーパーチェェェェンジ!」

マジックウインダー「ウインアース!スーパーチェェェェンジ!」



そしてそのうち2体は、スーパーチェンジ!



エンブレムモードから、魔導王は人型へと変形した!



マジックセイバー「ウラヌス・セイ・フリーズ!いでよ流星招来の杖、セイバーカイザー!!」

マジックアクアー「ヴィーナス・アク・フリーズ!いでよ激流一掃の銃、スーパービートカイザー!!」

マジックウインダー「サターン・ウイン・フリーズ!いでよ疾風怒濤の弓、スーパーシルフィ―カイザー!!」



そして一気に、必殺武具を召還する!!



マジックアクアー「一閃炸裂!スーパースプラッシュフォールン!!」

マジックウインダー「一発必中!スーパートルネードタイフーン!!」



風の弓と氷の弾丸、その二つをくらったマクアは、動きを拘束される!!



マジックセイバー「一星入魂!フィニッシュアステロイド!!」



とどめの流れ星が炸裂!

トイバロンの体が、浄化されてゆく!



マジックウインダー「効いています!あと一撃……!」

マジックアクアー「今よ、フレイマー!」

マジックセイバー「えっ……!?」



だが。

フレイマーは、動いていなかった。



ガイアース『どうした真!』

マジックフレイマー「うさぽん……。やっぱり、うさぽんもあたしのこと、恨んでたんだ……。」

ガイアース『真!!』


マジックアクアー「真!」



すると。

トイバロンを抑え込むのを魔導王に任せた魔導師たちが、真の元へ。



マジックアクアー「何してんの!しっかりしてよ!?」

マジックフレイマー「うさぽんが……トイバロンの体にくっついてたの!子供たちに、怨みを持っている中にいたの!」



その顔を見て。

マジックアクアー・泉は、顔をしかめた。



マジックフレイマー「あたしのせいで……。あたしが、あたしがうさぽん捨てたから!」

マジックアクアー「……!」



直後。

アクアーが、フレイマーのほほを叩いた。



マジックウインダー「泉さん!?」

マジックアクアー「落ち着いて!!今のあなたは誰?……大地真じゃない。マジックフレイマーでしょ!?」

マジックフレイマー「……!」


マジックアクアー「魔導師がおもちゃを取り返すって。あの子と約束したんでしょ?!」


その約束は、

町で見たあの子との、約束だ。


マジックアクアー「だったら、魔導師として、今すべきことをして!中途半端は、許さないから!!」

マジックフレイマー「泉……。」


言葉は厳しいが、泉は。

真の手を、しっかりと握りしめていた。



マジックウインダー「真さんは、うさぽんのことが、大好きなんですよね。その気持ちは、いつか絶対届きます。私は、信じてます。」


それは、舞も。


マジックフレイマー「舞……。でも……あたしはうさぽんを……!」

マジックセイバー「大丈夫。」


刹那もだ。


マジックセイバー「人は何度でもやり直せる。それを教えてくれたのは、真。あなたよ。」

マジックフレイマー「刹那……!」

マジックアクアー「さぁ、立って。」

マジックウインダー「今からでも遅くありません!」



真は、フレイマーは、立った。

そして目の前には。

浄化されかけている、トイバロンが。



ガイアース『行こう、真!』

マジックセイバー「うさぽんを……真の大切な友だちを、助け出そう!!」

マジックフレイマー「……うん!!」



マジックフレイマーは、手に持った炎の剣を、握りしめた。

そして、大地に魔方陣を描く!



マジックフレイマー「マジカルバーン!!」


直後。

魔法陣が描かれ、マジカルゲートが完成!


マジックフレイマー「ドーマ・ヨデイ・マーズ!汝出でよ、炎の超魔導王スーパーガイアァァァァァァァァァァス!!!」



そしてその中から、スーパーガイアースが姿を現す!!



マジックフレイマー「行くぞ!ガイアース、スーパーチェエエエエエエエエエエエンジ!!!」


そして真が乗り込み、エンブレムが人型に変形した!!



マジックフレイマー「アース・ガイ・フリーズ!いでよ灼熱烈火の剣。・スーパーバーンカイザァァァァァァ!!!」



直後!

大地から引き抜けられたスーパーバーンカイザーを手に持つスーパーガイアース!



マジックフレイマー「うさぽん……!想いよ届いて!!一刀両断!!スーパーバニシングクラァァァァァァァッシュ!!!」




そして、魔導力によって浄化されていたトイバロンの体に、最後の炎の魔導力を叩き込む!!

・・・そして、トイバロンの体は、消え去った。




・。


しかし。

大地から、突風が吹き荒れる!!



マジックセイバー「な、何!?」

トイバロン『そうはさせない……!そうはさせんぞおおおおおおぉぉぉぉ!!!!』



その風は、どす黒い竜巻を発生させた!!



トイバロン『僕の恨みは……いや、僕たちの恨みは!これくらいで消えはしないぞおおおおおオオオオオオ!!!』


どす黒い竜巻は、次第に体を形作っていった!


トイバロン『さぁ立ち上がれ、世界のおもちゃたちよ!そして僕に力を貸してくれ!!邪魔な魔導師を倒し、子供たちに復讐するために!!』



そしてそれは、おもちゃの国すべてのおもちゃたちだった!



マジックアクアー「な、何よ、これ!?」

マジックウインダー「国中のおもちゃが、集まって行きます!」

マジックセイバー「子供たちへの、怨みの心が暴走してるのよ!」



そして。

その竜巻が終わったときには。


全身がおもちゃで形作られた、超巨大なトイバロンが出現した!!



その巨体は、身長200メートル級である。

その威圧により、魔導王は吹っ飛ばされた!!



トイバロン『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』



その巨体から繰り出される攻撃により、地面に亀裂が走る!!



マジックアクアー「こんな相手、どうやって倒せばいいの!?」

マジックウインダー「これじゃあ、やられるのを待つだけ……!」

マジックセイバー「トイバロン……!」



何とか立ち上がる魔導王だが、もはやかなう気がしない体格差だ。

すると。

フレイマーは、ガイアースから降りる。



マジックフレイマー「あたし、うさぽんに謝ってくる!!」

マジックアクアー「え!?」

マジックウインダー「真さん!?」

マジックフレイマー「だって。今のあたしにできることは、それしかないもの!!」



そして、真は走り出した!

だが、体にへばりついたと思った直後。

トイバロンの超巨大な手が、フレイマーに迫りくる!



マジックセイバー「真!」



そして!

その攻撃にふっとばされたマジックフレイマーは、アースブローチを外されてしまった!

そしてフレイマーは、変身が解除され、真へと戻ってしまう!



そこへ再び、トイバロンが攻撃を!

「フレーミングノヴァ!!!」


トイバロン『何!?』


しかし!

トイバロンに、どこからか一撃が繰り出された!




トイバロン『魔導師じゃない……誰だ!!』

正義「俺だ!!」



マジックアクアー「あ、あれって……!」

マジックウインダー「まさか……!」



そこには。

ゼクスライザーが、立っていた!!



正義「やいトイバロン!怨みを持つのは勝手だが、それで子供たちに八つ当たりを使用なんざ、不届きセンバン!このゼクスライザーがお相手いたそう!!!」



ゼクスライザーが懐かしき前口上をあげる!!

そして、その周囲には!

スザク、セイリュウ、ビャッコ、ゲンブが!!



マジックアクアー「そ、それ、どうしたんですか先輩!!?」

トイバロン『お前……それは、まさか!?』

正義「ご名答!お前の国の、おもちゃだぜ!ちょっくら改造させてもらった!!」


……恐るべき魔改造。


マジックウインダー「ちょ、ちょっくらって……。」

正義「真!後ろめたいことがあるなら、さっさと謝って来い!俺たちが援護する!!」

マジックセイバー「先輩……!?」



すると。


正義「いっくぜぇ、スペシャルヴァリアブルフォーメーション!!!」


ゼクスとビャッコが、合体!!!



正義「くらえぇ、アグニパイルドライバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」




直後!!

ゼクスフィクサーとなったゼクスから、電撃の拳がトイバロンの脳天に!!



トイバロン『うおおお!?』



その攻撃と根性を見て、刹那達も立ち上がる!!



マジックセイバー「……負けて、られないです!!」

マジックアクアー「ええ!」

マジックウインダー「センパイ、行きましょう!!」



すると!

セイバースが飛び上がり、



マジックセイバー「魔導力!マグナムスパーク!!!」

正義「来たな!雷よ落ちろおおおおおおおお!!」



ゼクスフィクサーの電撃と雷に、セイバースの魔導力をプラス!!

トイバロンの目をくらませる!!



トイバロン「お、おのれぇぇぇ!!」



すると。

ゼクスフィクサーが分離してしまう。


正義「あちゃぁ……。やっぱ本物じゃあないから強度は最悪か。よし、次だ!!」


超高度へ飛び上がっていて落下しかけたゼクスを、スーパーウインアースが受け止める!


マジックウインダー「センパイ、行きますよ!!」

正義「よっしゃ!」



するとゼクスは、次はセイリュウと合体!

ゼクスドラグナーへと姿を変える!!



正義「戦い方は前に見てるから知ってるぜ!お前の弓と俺の弓、合わせるぞ!!」

マジックウインダー「はい!!」



すると!

スーパーシルフィ―カイザーとドラグナーアーチェリー。

二つの弓から、矢が放たれる!!



正義「スプラッシュ、アロォォォォォォォォォォォォ!!!」

マジックウインダー「一発必中!!」



二つの矢が放たれる!!


トイバロン『甘いな!!』


だが、その矢をやすやすとよけるトイバロン!



マジックウインダー「甘いのはそちらです!魔導力!ハイパーイリュージョンミラー!!」



だが!

光の鏡が無数に作りだされ、そのよけた矢が跳ね返り、トイバロンの足を地面に抑えつけた!!



トイバロン『な、なにぃぃぃぃ?!』



そして。

ゼクスドラグナーは分離し、次はゼクスゲイザーだ!!



正義「さぁ、遅れるなよ泉!」

マジックアクアー「そっちこそ!」



するとスーパーアクアースはスーパービートカイザーから一撃を放つ!!



そしてその水と氷の弾丸目がけ!



正義「いっけぇ、グラウンドファイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」



無数の弾丸をプラス!

トイバロンの体をけん制し、


正義「今だ泉!」

マジックアクアー「魔導力!ハイパーサーペントクラップ!!!」


トイバロンの体を、高密度のエネルギー波と龍で締め付けた!



マジックアクアー「頼むわよ、真!!」

トイバロン『お前達ごときに……!僕は無敵なんだぞぉぉぉ!!』



その猛攻にも負けずに、トイバロンは暴れようと動く!

その衝撃で、真は再び吹っ飛ばされる。



真「うわわっ!?」



だが。

顔をうずめてその先が!


真「うさぽん……!うさぽん!」



真は、見つけたうさぽんを抱き上げた。



うさぽん『真……?』

真「ごめんねうさぽん!大事にしなくて……ごめん!!」


うさぽん『え?』

真「ホントにごめんね……!」



真の目から、涙が。

その涙が、うさぽんの胸に。



うさぽん『あったかいね、真の心。』



すると、うさぽんは立ち上がった。



うさぽん『真は、あたしを捨ててないよ。』

真「え?!」

うさぽん『思い出して……。』



・。



それは、真が5歳の時の、ちょうど同じころ。

フリーマーケットに出すものを選んでいるときだった。



美幸『ねぇ真。』

真『え?』

美幸『これもう遊ばないんだよね。だったら捨てちゃう?ぼろぼろだし。』


しかし真は。


真『ダメ!』

美幸『真?』

真『うさぽんを捨てるなんて言わないで!だって友達だもん!!』



・。



うさぽん『ね。真は、あたしを捨てなかったよ。』

真「うさぽん……!」


トイバロン『嘘だ!!僕はそんなの認めない!子供はみんな、おもちゃを捨てるんだ!』


真「そんなことない!」



魔導力でトイバロンを抑えつける魔導王!



マジックアクアー「子供たちみんなが、そうだとは限らないわ!」

マジックウインダー「おもちゃを大切にして、ずっと仲良しな子だっているって、信じてください!」

マジックセイバー「あなたにおもちゃを消された子たちは、みな悲しくて泣いていたわ!」


正義「それに、俺を見ろよ!俺のこのおもちゃたちだって、この町で出会った奴らだぜ。こいつらの中にだって、仲良しで居続けたい奴だって、いるんじゃないのか?」




・・・トイバロンは、動きを止めた。

しかし。



『でも、ぼくは捨てられたよ!』

『ぼくだって!』

『俺だって!』

『あたしだって!』



おもちゃたちは、再び暴れだそうとする。



真「それでも!オモチャを大切にしようとする子だっているの!お願い、信じて!」

うさぽん『無理よ真。言葉で言ってもだめ。それほど、この子たちは嘆き悲しんでいるの。』


真「でも!」

うさぽん『子供たちの気持ちを、言葉じゃなく伝えられたら……!』

真「言葉じゃなく?」

うさぽん「そう。もっと、気持ちが……気持ちが伝われば……!」



真「でも、どうやって……。」



・・・。



正義「そうだ、できるじゃねぇか!!」

真「え?!」

正義「お前はなんだ?真!」

真「あたしは……そうか、魔導師!」

正義「お前は魔導師だ!お前の心にある魔導力、そして、すべての世界の子供の心にある魔導力。それをアイツにぶつけてやるんだ!!」



真「そうか!」


すると。

アースブローチから抜け出た魔導ディスクを、うさぽんと一緒に持ち、真は呪文を唱える!



真「ジーク・ガイ・ハート……!ドーマ・ヨデイ・ハート……!」

うさぽん『ジーク・ガイ・ハート……!ドーマ・ヨデイ・ハート……!』




真「みんな!世界中のみんな!みんなのハートの魔導力を、ちょうだい!!!」



・・・。



すると!

黒い空の上に、たくさんのハートが生まれてきた!!



マジックウインダー「は、ハートです!!」



そして、そのハートが、空を埋め尽くした!!



マジックアクアー「こっちにも……!」

マジックセイバー「こんなに、たくさん……!」



真「すごい……!これが世界中の、ハート……!」



もはやこれは、ハートの天の川だ。



真「みんなみて!これが、世界中の、おもちゃを愛する心のハートだよ!」


しかし!


トイバロン『……ええい、こんなものはまやかしだ!みんな、だまされるなぁぁぁぁぁ!!』



暴れだしたトイバロン!

すると、


うさぽん『真!』


真がトイバロンの体から、地割れの下へと放りだされてしまう!!



マジックアクアー「真!!」

マジックウインダー「真さん!!」


だが。

落下するの真に、スーパーガイアースが語り掛ける!


ガイアース『真!魔導力だ!!!』

真「うん!」



真が魔導力を込める!


すると!

真の手に、

みんなのハートが凝縮した、白き魔導ディスクが!!



マジックセイバー「アレは……!?」



真「レナニシドウマ!!!」



真のその姿は、白く輝く、天使のようだ!!



マジックエンジェル「白き翼は心のしるし!白き魔導師!マジックエンジェル!!!」



その背中には、白き翼が!



マジックアクアー「マジック、エンジェル……!」

マジックウインダー「綺麗……。輝いてます!」


正義「……やったな!」


マジックセイバー「真……!」



スーパーガイアース『行け、真!!』

マジックエンジェル「想いよ届け!魔導力!エンジェルトゥルーハート!!!」



すると!

マジックエンジェルの手から繰り出されたハートが、トイバロンの体を包み込む!!



『何?この暖かい光は?』

『どこか懐かしい……。』

『心が、癒される……!』

『思い出すなぁ、子供たちと遊んだ時のこと。』

『楽しかったなぁ。』

『あの時と、同じ気持ちだ……。』



すると。

トイバロンの体を覆っていたおもちゃたちが、どんどん浄化されていく!



マジックウインダー「おもちゃたちが、どんどん帰って行きます!」


マジックアクアー「子供たちを憎む心が、すっかり癒されたのね……。」


マジックセイバー「ええ。よかった……。」



しかし。



トイバロン『まだだ……!まだ僕の心は、癒されない……!!』



トイバロンの憎しみだけが、トイバロンの体と分離した。



トイバロン『憎しみが……!?』

スーパーガイアース『今だ真!』

マジックエンジェル「うん!!」



マジックエンジェルが、スーパーガイアースの中へ。



マジックエンジェル「あとはあの憎しみを、断ち切れば!!」


正義「俺も手伝うぜ!俺にもまだ、ゼクスフレイバーが残ってる!!」



すると。

ゼクスが最後に、スザクと合体。

ゼクスフレイバーとなる!!



マジックエンジェル「もう一度、エンジェル・ガイ・フリーズ!いでよ白銀天使の剣・エンジェルカイザー!!」



すると、スーパーバーンカイザーが変化した天使の剣・エンジェルカイザー燃え上がる!!



正義「フレイバーブレード!!!」


ゼクスフレイバーも、剣を構える!!


正義「火炎!!両断!!!」

マジックフレイマー「一刀両断!!ラビングハートクラァァァァァァァァァァッシュ!!」



そして、縦と横、それぞれの一文字斬りが重なり、十文字となる!!

聖なる炎に斬り裂かれた憎しみの心は、きれいさっぱり、浄化された!!!




・。



そして。

おもちゃの国は、再び青空を取り戻した。



真「君が、トイバロンのホントの姿なんだね。」



トイバロンは、クマのぬいぐるみへと姿を変えた。



トイバロン「僕も、思い出した。捨てられる前の子供たちと遊んだ、楽しかった日のことを。」



トイバロンも、子供たちと、遊んでいたのだ。

その子が、大きくなるまで。

ずっと。



トイバロン「楽しかった……。本当に楽しかった!」

真「きっとまた、新しい子と友達になれる。そしたらまた、楽しいよ。」

トイバロン「うん。」


トイバロンの顔は、すがすがしかった。


トイバロン「もう一度……もう一度だけ、信じてみるよ。」

真「うん!!」



・。



こうして。

おもちゃの国は、本当の平和を取り戻したのだった。



・。


真の部屋。



美幸「ほら!早く起きなさーい!朝ごはんできたわよー!」

真「はぁい、今行くよぉ……。」

美幸「はいはい。早くしてね。」


美幸は、下に降りていった。


舞「……ギリギリでしたね……。」

泉「まさか朝になってたなんて……!」

正義「うわぁ、愛と優里奈に怒られる……!」

刹那「センパイ、すぐにテレポートで……ふわぁぁ……。」



魔導師4人と先輩1人は、あくびで朝を迎えた。



・・・。



『昨日、各地で一斉に姿を消したおもちゃたちは、今朝になって、無事姿を現しました!』



子供「魔導師……ありがとう!」



人間界でも、平和が訪れていた。



・。



それから三日後。

神奈町で行われる、フリーマーケット。



真「さぁさぁ!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!安いよ安いよー!!」

舞「ま、真さん……!?」

泉「かえってお客さんよりつかないわよ……!?」


真「あ、そっか……。や、安くないよー!高いよ高いよー!」

泉「そうじゃないでしょ!?」

真「うぐ……。」



刹那「……。」



すると。

小さな女の子が、トイバロンのぬいぐるみをじーっと見ていた。



刹那「それ、欲しいの?」

女の子「うん。」


真「くまちゃん、好きなんだね。」



その子は、クマの服を着て、クマの靴を履いていた。



女の子「うん。」



真は、その顔を見て。

3人とも、顔を見合わせた。



真「この子のお友達になってくれる?」

女の子「うん!」

真「じゃあ、あげる!」

女の子「あ……。」

真「はい!」



女の子は、満面の笑みで。



女の子「ありがとう!!」



トイバロンは、新しい友達と、出会えたのだった。




・。




そして。

フリーマーケットのお片付け。




舞「全部売れて、よかったですね!」

泉「あたしの洋服も、大事にしてくれるといいなぁ。」

真「うん。あの、テディベアもね!」

舞「ところで真さん。さっきからずっと気になっていたんですが……。」



真の指は、絆創膏だらけ。



舞「その指は、どうしたのですか?」

泉「そうそう。何事?」

真「え?あ、ああ、その、いや……あはははは……。」



泉「何よ、教えなさいよ~?」

舞「何があったんですか?」


突っ込む二人とかわす1人。

そして、


ガイアース『ははは……。』

刹那「なれないことするからよ……。」



知っている2人は、笑顔だった。



・。



そして。


真の机のうさぽんは、傷が縫い合わされていた。




ありがとう。

真の耳に、そんな声がした気がした。




劇場版女神魔導師ガイアース

おわり。




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