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既に発刊されている歴史書では『サリツェルン・ガルン』は口々に英雄と記されていることが多い。

若かりし頃の彼は武芸に秀でており・豪快な益荒男であったことは言うまでもない。

『サリツェルン・ガルン』の息子である『サーフルエル・ガルン』の連合国軍の侵略においての迅速な改憲・国庫の再分配・再武装命令は見事ではあったと言わざるを得ない。

しかし息子の死後に『サリツェルン・ガルン』が完全に連合国兵を駆逐せず・終戦宣言をし・各地に必要以上の権限を与えてしまったまま崩御したことを見れば『やりっぱなしの王』であったことは火を見るよりも明らかである。

しかし後述するであろう『王の座の大粛清』を引き起こすためにこの行いが計算されていたとしたら・『サーフルエル・ガルン』は未来を見通す力のあった超人であったのかもしれない。

終戦後半年で『サリツェルン・ガルン』は崩御した。

この崩御は即ち中央国・ガルン王朝の終わりを意味していた。

正式な後継として『サリツェルン・ガルン』から指名されていたのは・『サーフルエル・ガルン』の四男である『ツクフェヌク・ガルン』である。

『ツクフェヌク・ガルン』は齢10であり国政や軍政には全く精通していなかった。

そこで『ツクフェヌク・ガルン』の摂政として名を挙げられたのが当時中央国筆頭大臣であった『カーツェルク・フフェ』であった。

彼は『ツクフェヌク・ガルン』の摂政になると同時・上述している狂行を行った。

税金については・自身の家系が商屋であったことにより以前から中央大陸内の商業連合との繋がりが強くあり・自身の事業(衣服の生産)への影響も考え・税率を改変し・商人へ対しての課税率を10%まで削減・代わりに民へ対しての税率を変え人頭税であった税金額を一年に一回から三ヶ月に一回に変更し各領主からの年税も同額で半年に一回に予告なく変更した。(一方的な税徴収へ対し各領主逹は憤りを覚え各領・水面下で武装強化を行い中央国へ対する謀反を企てていた)

更に農家や酪農家へ対しての税徴収も強化され・払えない農家や酪農家は・農産物や家畜を全て徴収された挙句・土地や家を焼かれ鉱山送りにされた。

当然・この税制度改正・強制徴収には多くの民衆達が反発をし各所で暴動が起きた。

「カーツェルク・フフェ」は民衆達の暴動が起きるたび即国軍を動かし・騒ぎの沈静化を図り人々へ対し見せしめを行った。


国家乱行罪で捕まっていた半獣人「レスキ」と長耳族の「ワティア」

この二名は高級娼館『高貴なる香り亭』の大人気娼婦であった。

しかしそれが災いし・『高貴なる香り亭』の上客・宝石屋の「ユスティーベル」の妻「ガネック」は夫の「ユスティーベル」が自分以外の女に目移りしているのが許せなくなり夫が足繁く通う高級娼館の二人へ濡れ衣を着せることに成功する。

無論・各署役人には「ガネック」からの賄賂は行き届いているのだ。

それ故に「レスキ」と「ワティア」がいくら正論を言おうと弁明を述べようとそれ等は審問官達に軽々と打ち消されてしまったのである。

刑は確定され・執行は速やかだった。

刑は娼婦らしく「人々の肉便器になる」ことであった。

この刑の確定には「ガネック」の意見が多分に含まれていたことは言うまでもない。

刑の執行日・男達は歓喜した。

あの大人気高級娼婦を……タダで好きなだけ抱ける!

しかも膣出しもし放題……

あのお高く止まっていた高級娼婦を……

街の中で通りすがって見ることしかできなかったあの女を……抱ける!!

男達は雄叫びをあげ・女達は嬌声をあげる。


刑の執行から1日と半ば経った頃も人々は代わる代わる高級だった女達と目合い続けていた。

「レスキ」「ワティア」もさすがに正気を失い・快楽に身を任せているようだ。

このあとも10日間ほどこの刑は執行され続け刑の執行日からアデマタス大臣の介入が入り刑の執行が終わるまで人々は「レスキ」と「ワティア」と乱交し続けた。

その間に二人は少なくとも延べ3000人ほどの男達に膣出しされたであろうと推測される。

無論・「レスキ」と「ワティア」は避妊ヴァーズの効果が切れていたために望まぬ子を妊娠してしまっていた。

刑の執行から終わりまで「レスキ」と「ワティア」は大人気であった。

それは彼女達が女だからと言う理由だけでなく美しかったからこそである。

宝石屋の「ユスティーベル」も町人に扮しコッソリと何回か乱行をしたことは言うまでもない。

「ユスティーベル」の妻「ガネック」は刑の執行が終わりふと考えた。

「もし……私が仮にあのような目にあったらあれだけの民は群がるのであろうか?」

「ガネック」は自身の皺が少しずつ増えていく手を見ながらため息をつくのであった。

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