【戦禍】性奴隷・孕み袋となった女達 3【輪姦】 (Pixiv Fanbox)
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2話 >https://x-model888.fanbox.cc/posts/2189896
◆ 商人への課税率を軽減し・一般市民や下層民へ対しての課税率の増加
ガルン王朝の最初期である『統一王ゲッツェル・ガルン』のとき・商人へ対しての課税率は諸費経費を除きその差額から出た利益額のうち35%が税金として徴収された。
また人々は農家や酪農家でない一般市民は年に一度
成人で200000N(ナーゼ)(この額は酒造店に勤めたものであれば一月ほどの給金・農家の手伝いであれば約二月分の給金に匹敵する額である)
子供で50000N
を近場の役人へ納付していた。
(農家や畜産家は収穫物や畜産の一部を国へ渡し税金としていた。それらは農園や牧場の規模から区分等級が分けられ大規模農場と小規模農場とでは国へ譲渡する収穫物の量は変わった。また畜産家も同じである)
この税手法は中央大陸では古く・記録によれば第一期にまで遡る。
人頭税ではあるもののわかり易く・額もそこまで高額でないため納付できる者は納付していた。
(納付が敵わない者は鉱山送りになったり都落ちをし隠遁生活を選択した者もいた。中央大陸で戸籍表や一族の系譜が数多く残っているのはこの税制度のためであると思われている)
当時は大陸統一をし・戦乱は収まり人々は日々の新しい目標に邁進していたために・ガルン王朝末期よりも大陸の雰囲気は混沌としてはおらずむしろ明るく温かみのある雰囲気が大陸全土に満ちていた。
中央大陸は長きに渡る歴史の中で王制を貫き通し続けてきた。
それは良い面も多くあれどしばしばと暗い側面も顔を覗かせてきた。
何世代にも渡り平安を維持し続けられた王朝は少なく・『統一王ルクシアムン・ファベル』に至っては一代と保たずして当時の中央大臣「クィアメッド(卵頭)ファバステン」に誅殺されている。
この誅殺に至る経緯は少々複雑で長いため本記では割愛するものとする。
(統一王ルクシアムンの伝記については三期末期の歴史家ペトリアレド・イェルファーナが執筆した『堕落』が最も歴史に忠実であるため・興味がある方は読まれると良い)
ガルン王朝は突出して良い税制度を導入していたと言うわけではなかったが領主や民からの大きな反発はなかったためガルン王朝3代目王の『サーフルエル・ガルン』の頃まではほぼ同じ税率で保持されてきた。
しかしタクウ大陸とゲルク大陸の連合軍がサスーナル大陸へ侵略し・中央大陸はタクウ大陸とゲルク大陸との間に12年戦争が勃発。それに伴い3代目王の『サーフルエル・ガルン』は中央国憲法の一部改憲を行い・各領主達へ軍備の再強化・再武装・領主の私兵団の設立を可能とする旨の命を出した。(この際に中央国は大陸から毎年集めていた税金を一度各領主達へ再分配し軍備の強化費などに充てさせている)
しかし・急ごしらえの軍ではタクウ・ゲルク連合軍には善戦できず次々と領地を侵略されていった。(この時の連合軍の侵攻において特筆すべき点は近海の別大陸からの挟撃と次々と侵攻先で略奪を行い速やかなる補給を行ったことである。しかしこの行為によりゲルク大陸に近いカラッツェなどは一時的に不毛の地と呼ばれるまで荒廃してしまう。略奪行為には凄惨な強姦もついてまわり・中央大陸の女子供は穴という穴を連合軍兵に蹂躙され・その結果望まぬ子を妊娠した女性が続出した。カラッツェの街や村々の木々には連合国兵に犯された女子供の死体が吊るされていた・臨月のときに犯された妊婦はさまざまな弄ばれ方をされ・吊るされた死後に母であった肉塊の股から産まれ落ちた者もいた)
今回から何回かに分け・カラッツェの村々の惨劇を記す。
カラッツェはサスーナル大陸北に位置し・領主はガリエド・ウォラースであった。
ガリエドの統治は見事なもので中央国からの制約はあれど・ユフタスやゲルク大陸との交易の玄関口として栄えていた。(交易の主としては外来船団との商談による輸入品と輸出品の交換である)
しかし交易の玄関口だからこその不幸というべきか・ゲルク・タクウ連合軍の強襲に一番早く遭う羽目となってしまったのだ。
この際ゲルク・タクウ連合軍は強襲の直前まで商船団のフリをしており・完全なる奇襲であった。
カラッツェの港町ラブールは瞬く間に略奪の嵐に合うこととなる。
その際に押し寄せた連合軍兵達にラブールの女性達は犯された。
犯された女達のうちの一人……カシア・ルネス。
カシア・ルネスはラブールの飲み屋「ダッヴィン ルラ クリン(ダッヴィンの微笑み)」で働いていた看板娘だ。
ラブールの町の男達や交易者達はカシアの愛嬌や美しさが目当てで「ダッヴィン ルラ クリン」へ通った。
無論・「ダッヴィン ルラ クリン」にて提供される看板料理の「カレイド ルラ メケド メチョール(カレイドと言う魚の香草蒸し焼き)」や「ダッヴィン ルラ ベネストー」(ダッヴィンの涙という名前の酒)を楽しむことも念頭には置かれていたが・兎にも角にも男達は美女を眺めながら食す飯や酒を楽しみにしていたのだ。
カシアは男性から言い寄られた回数は数知れずではあるが・彼女はその好意の全てを断り続けてきた。
彼女には秘密があった。
そもそも彼女もこの街にはとある人物を訪ねて来ていたのだ。
その人物とはラーズメイ(占い師)の「ティルナ・シルメ」のことである。
ティルナはサスーナル大陸やゲルク大陸では高名な占い師で有名である。
ティルナの元には様々な人々が占いをしてもらうために通った。
領主・領主の妻・国家大臣・商屋の主人・兵士・傭兵・年頃の男女・病気がちな親を持つ子供等……その依頼者達は種族や年齢を問わず多岐にわたった。
カシアもそのうちの一人だった。
ただ中々ティルナが捕まらずに占いをしてもらうまでに一年半ほどかかっていたのだ。
カシアはティルナに占いをしてもらう際に彼女と対面したのだが・カシアはティルナに一目惚れしてしまった。
カシアは同性愛者だった。
自身が生を受け今までに至るまでに異性を好きになったことはなかった。
男性の持つ独特な雰囲気がカシアは好きになれなかったのだ。
カシアはティルナにとあることを伝えようとした。
が・聞く前にティルナからこう言われた。
「今月中にこの町を離れることだ・といきなり言われても困るかもしれないが・私の実績を知っている君であれば私の言葉の重みをよく感じられるだろう?平陽の月は変わり・寒実の月が近づいてくる・君の聞きたい答えはクーマシーの地にある・クーマシーの地に着き・ヤエドと言う土地を目指しなさい・さすればまた迎合の時を迎えられるはずだ・肝要だからもう一度言うが・今月中にこの町から出るのだ」
ティルナは一方的にそう言うとカシアの前から姿を消してしまった。
カシアはティルナの言う通りにしようとしたが・クーマシー行きの船の手配が中々つかなかった。
この時点で今月も残すところ6日……カシアは焦った。
遠き土地クーマシーには長い航海を乗り越えなければならないため・小規模な商船ではクーマシーまでの航路を無事に乗り越えられないのだ。
それこそ大規模な商船や軍船でもない限りは中々に難しい航路であった。
そんな中やっとクーマシー行きの船が見つかった。
ルドレファール大陸から来た大型の商船「モーデル センコー 」号だ
「モーデル センコー」号はサスーナル大陸を途中経由しながら「グンド ウェール」を航海しクーマシーへ行くようである。
カシアは「モーデル センコー」号船長の「ガリアル・ラーチェン」と交渉をし・蓄えの一部であった25万Nを支払い「モーデル センコー」号に乗船させてもらうこととなった。
交渉の際も下卑た船員の男達はカシアの体に艶かしい視線を送り作業の合間にチラチラと見る者・舌なめずりする者・作業員同士で目配せし下卑た笑いを浮かべる者達でさえいた。
カシアはこの視線が不快であった。
「これだから男は……」
彼女は今まで幾度となくこのような視線にさらされてきた。
あの汚らわしい視線……毛むくじゃらの汚い腕……いつも女性に対して下卑た笑みを浮かべていて……
カシアは男性のこう言った部分が非常に苦手であった。
船の手配も着き荷物もある程度まとめたカシアは「ダッヴィン ルラ クリン」の店主モシアル・ソノニーに店を辞めたい旨を伝えた。
モシアルは俗に言う悪徳な店主とは違い・給与の支払いもよく・普段より儲かった月には自身の店で働く従業員達へ特別に賞与なども出していた。
モシアルは従業員達に好かれていたのだ。
男性のことを心の内では嫌悪しているカシアでさえ・モシアルのことは性別モシアルとして割り切るくらいには好いていたのだ。
モシアルはカシアからの話を聞き・少し困惑した顔をしていた。
それは来月の初頭に来ると言われている・ゲルク大陸からの大商船団のことがあるからである。
モシアルは強かな面も持ち合わせており・カシアの集客効果をよく理解していた。
それは狡賢さなどとは違い・この世を生き抜くためには必要な計算力なのだ。
モシアルはその際にこの店に立ち寄るであろう大商船団の船員達をカシアに接客してほしいと考えていたのだ。
モシアルはカシアに伝えた。
「カシア申し訳ないのだが・せめてもう一月だけ待ってもらえないだろうか?もしかしたらカシアも聞いているかもしれないが・来月の初頭にゲルク大陸からの大商船団が来るそうなんだ。ほぼ確定と思ってもらってかまわない。
カシア・君はここの店員達の中でも一番人気がある。私は皆には言わないし・君にも初めて伝えるが・君へ対しての給金は他の従業員より高く支払っている。ここでこのように告白するのは恩を着せるとかそう言う意味ではない。君がこの店にとってそれだけ大事な存在だからだ。
君は優秀な人材だと感じているからこうやって話している。その大商船団の者達がここを気に入れば彼等はここに通う。これから幾度となく。そのためにはマチェールやルミレッタでは役者不足だと私は感じている。君のような美人でなければとっかかりにならないんだ。飯が美味いとか酒が美味いとかそう言うことは二の次で・君のような人でなければいけないんだ。
君が予約した船には私が話をつけるし・君には客室代を私から返還する。それに来月末までここに勤めてくれれば……来月は100万N支払おう。君の働きに。予定を遅らせてしまうこと・それに君の新しい旅路のささやかな出立金になればと思ってこの額を提示させてもらおう。」
モシアルの言と目に濁りはなかった。
カシアにとってはある種の恩人でもあるモシアルに……そしてその額に……彼女の決断は揺らいだ。
「そうですか……わかりました。私も急な申し出で困らせてしまっているかと思いますし・たしかにモシアル貴方にはお世話になっていますから・来月末まで……ここに勤めます」
彼女は決断を曲げその上にまた新しい決断を下した。
そして件の日に。
ゲルク大陸から大船団が来た。
その数は聞く人によって数は違えど・大体大型船40隻にも及ぶ大船団だった。
その船団をみたとき・人々は震えた。
船団が自身へ対して実りをもたらす存在だと
船団が新しい奴隷を運んできたと
船団がまとまる様が不気味に見え恐怖を運んできたと思った者も……
皆死んだ。
大商船団から降りしきる矢とヴァーズの嵐・ラブールの港にいた人々や船に向かい飛び交い人々を肉塊へ船を木片へと変えていく。
その異音と地響きを感じたカラッツェの衛兵隊はすぐに武装をし異常の元凶へと向かった。
そこには火と悲鳴と煙に木片・先ほどまでは港だったと思われる場所があった。
煙に巻かれ周囲が見えない中・何が起こったか理解できていない衛兵隊は・武器をその場に置き人命救助にあたったのだ。
そして近場から角笛の音が鳴り響くが・それは訓練のときに聞いた音色ではなかった。
明らかに他の音色だ・異音と言っても過言ではなかった。
その異音のあとに港の石畳がある場所に木製の何かを打ちつけたような音が鈍く響いた。
そしてまた鳴り響く角笛の異音・そしてさっきとは明らかに違う音も混じっていた。
「オォォォォ!!」
「ウッウッウッウッ!!」
雄叫びだ。
低く唸るようにそして辺りに自身達の存在感を示すようにその音はわざとらしく鳴り響く。
そして異音と異音が重なるほどにその雄叫びや唸りは数を増し・圧倒的な兵力を感じさせるほどの力強さにまで増していた。
煙の中から聞こえてくる雄叫びに唸り声に叫び声・そして近づいてくる大量の足音……
衛兵隊の衛兵達はこのときようやく真実を理解した。
「どこかからか強襲されているんだ」
しかしその理解は遅かった・理解できたときには煙の中から出てきた死を運びし者達が不敵な笑みを浮かべ・立っていた。
衛兵隊は手当てしていた者達を庇いながら剣を抜いた。
それを見た強襲者達・死を運びし者達は大笑いをした。
「何がおかしい!」
衛兵隊の一人が叫んだ。
すると笑い声は一斉に止み・負傷者の叫び声と衛兵隊の息遣いのみが聞こえてくる。
「フゥッフゥッフゥッ」
剣を握る手が強ばり表情も強張る。
死を運びし者達の中から一人が前へ出た。
角兜を被り・上半身には赤い鎧を装着している。そして衛兵隊を舐め回すように見た後・強襲者は声高らかに叫んだ。
「バディット・ウォール!!」
この声明は一騎討ちを意味した。古からこの大陸付近で使われてきた・戦闘儀礼の一つ「バディット・ウォール」
戦士を戦士と認め対等に決闘し合うための合言葉。
衛兵隊達もこの言葉を理解していた。
衛兵隊の隊長であった「アセット」が前へ出る。
それと共に残りの衛兵隊へ向けて言い放つ・
「時間は稼ぐ・だが時は今も流れている……お前たちは要救助者を救いながら戦略的な撤退をしろ・こうなった以上完全に国軍を動かさなければいかん・ドゥガ(馬鹿の意)!!ボーッとするな!今すぐ行動を起こせ!アラル・ラデルフルを使い・領主ガリエドに現状を伝えろ・犬死だけはするなよ」
強襲者は手に斧や戦鎚を持ち不敵な笑みを浮かべ圧している。
実際には圧しているわけではなかったとしても・圧倒的な戦力差にそうとしか捉えられないのだ。
衛兵達は救助者を抱え・下がる。
そして一騎打ち「バディット・ウォール」は開始された。
一合目
赤鎧の強襲者は・右手に金の斧を持ち・左手には尖頭がたくさんついた棒状の武器を持っている。
構えは・左前姿勢・右手は脱力し腰より低い位置で斧を持ち・左手の尖頭棒は頭上より高く斜めに構え・左足は前へ出しやや踵を浮かしている・右足はやや開き構え両足の比重は50対50である。
衛兵長アセットの構えは右前中段・両手で中剣を握り胸の位置でやや開き構える・右足が前で右足の方に重心がかかっている。
一合目
衛兵長アセットが先に動く。
中剣を一度中段へ戻しやや前傾姿勢になりながら・瞬時に赤鎧の男の喉元へに向けて・突き込む
赤鎧の男は左肩を入れながら尖頭棒を突き込まれた中剣へ叩き込み・脱力して構えていた右斧を・肩を入れながら鞭のように腕をしならせ衛兵長の首元へ向けて反撃する。
やや死角から出てきた斧を体制を直しながら・左腕で防御するが・その金斧は衛兵長の予想より遥かに切れ味がよく・板金鎧を腕ごと切断した。
「ガアァァァアアッ!!(なんたる切れ味!盾も構えず腕で受けたが誤算であったか。コイツ・何者なんだ)」
切断された腕は下には落ちず・板金鎧の腕部の繋がった部分にそのまま残された状態である。
切断面からは血が止め処なく出ておりその血は石畳を赤く染めていく。
周囲の強襲者達は沸く!!
「ウフーーーッ!」
「ギャレラ!ギャレラ!(殺せ殺せ)」
赤鎧の男は笑みを浮かべている。
二合目
二合目は赤鎧の男から攻撃が始まった。踏み込みながら右手で持つ金斧で斬撃を加えていく。
衛兵長アセットは・右手のみでそれを防ごうとするが・斬撃が強力で防ぎきれず剣を握る手が緩んでしまう。
三合目
赤鎧の男は緩んだ手を見逃さなかった・左手で持つ尖頭棒で剣を叩きそのまま衛兵長の剣を叩き落としたのだ。
それに慌てた衛兵長はバランスを崩して仰向けに転んでしまう。
終合
バランスを崩した衛兵長アセットの上に馬乗りになった赤鎧の男は笑いながら言った。
「終わりだ・お前の名は?」
衛兵長アセットは息絶え絶えで答えた。
「アセット……アセット・マルベイラ」
赤鎧の男は続けて言う。
「アセットお前勇敢だったよ。仲間を逃すなんてな。俺の名はラグナル……ラグナル・コードソン。いずれ覇者となる男だ。アセット・シーメに召されんことを」
周囲が沸く。
「ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!ギャレラ!」
アセットは笑う。
それを見てラグナルも笑う。
この二人は死を前にしてここにいる誰よりも解り合っていた。
ラグナルは・両手で尖頭棒を逆手に持ち・アセットの顔に叩きつけた。
何回も何回も。
鈍く響く音。皮膚が骨が押し潰されひしゃげ・砕ける音。ラグナルは返り血を浴び・鎧だけではなく顔まで赤く染まっていく。
叩けば叩くほどに飛散する脳髄が石畳に様々な模様をつくりあげる。
「ウオォォオオオ!!」
「ウッウッウッウッウッウッウッウッウッウッ!!」
「アァァァァァァアアアアア!!」
「アフーッッ!!」
様々な声や唸りがこだまする。それは一種の音楽のようであり・戦場という場所でしか聞けない名曲であった。
ラグナルはトドメを差し終えると金斧を使い・アセットであったモノの首と胴を切断し・左手で切断した首を天高く掲げ右手で金斧を前へ出し叫んだ!!
「ヴォーーーールッッ!!(進軍!!)」
それを聞いた死を運びし者達は堰を切ったかのように雄叫びを上げながら・圧倒的な力を持ち略奪・殺戮・破壊・強姦を開始した。
港が強襲されているときの異音は「ダッヴィン ルラ クリン」にまで響いていた。
モシアルは何かが変だと感じ・カシアを含め当日開店準備を進めていた全従業員に対してこう告げた。
「何かが変だ……あんな音はてんで聞いたことがない。まずいことになっているのかもしれない。皆一度家に戻って荷物をまとめてきなさい。
準備が整い次第・ここへ再度集まってほしい。私は一度港の方へ行ってみる」
モシアルはそう言うと港の方へと走って言った。
カシアの同僚のマチェールはモシアルがいなくなると口を開き
「やだー・なんか弾けるような音がしたけど……」
と言いそれに対してカシアは
「もう冬実の月に……もしかして……」
と言い店を出て家の走り出した。
カシアはなんとなく察しがついていた。
何かが起きたことを。
でなければあの高名な占い師が月々の話をいきなりするわけがないのだ。
私は誤ったのかもしれない・選択を。
カシアが家に向かって走る中その方向とは逆方向に走る者達がたくさんいた。
異音がした港へ様々な人が興味本位で集まっているのだ。
カシアはその人々を見て内心なんて愚かなと思った。
しかしもっと愚かなのは自分だとも思った。
あのときにあの決断をしなければ……「モーデル センコー」号に乗りクーマシーへ行っていれば……
悔やんでも悔やみきれなかった。
今は自分の中での最善を尽くすしかない。
カシアは家に着くと大急ぎで「ぺネップ」(リュックのような物)に必要最低限の物をまとめて足早く家を出た。
数日前まで引っ越ししようと思い荷物をまとめていたのが功を奏したのか・荷物をまとめるのに時間はかからなかった。
家を出てすぐ「ダッヴィン ルラ クリン」の方を見た。
すると叫び声や雄叫びが聞こえてくる。
カシアはあっちに戻ってはいけないと本能で感じた。
カシアは走った・何度も人とぶつかったがぶつかったことを気にしている人なんて誰一人いなかった。
いつもなら男性は道を譲ってくれたのに……
そんなことを歯牙にかけれる余裕を持つ者などここには誰もいなかった。
しばらく走り衛兵隊の小屋まで来た。
しかしそこに衛兵隊員の姿はなく・ラデルフルの小屋にも何もおらずもぬけの殻であった。
カシアは思った。
「衛兵隊員の奴等……命が欲しくて逃げたのね……」
しかしカシアは衛兵隊に怒りの感情を沸かす暇なく脅威に晒される。
恐ろしい兜に様々なところを覆っている板金鎧。人を破壊し生を奪う道具を両の手に携える男達。
死を運びし者達だ。
衛兵隊の小屋に向かってきている。
カシアは小屋の中の寝具台の下に息を殺し隠れた。
しばらくすると小屋の中に死を運びし者達が入ってきた。
「見てみろ・誰もいない」
「用心しろ・誰か隠れているかもしれないぞ」
「こりゃあ完全に奇襲が成功したな」
「おっプトー(チーズのような食べ物)じゃねぇか・勿体ねぇ」
「兵舎だろ・ここは!拾い食いなんかして毒でも仕込まれてたらどうする?」
「いやぁ・それはないね。それが出来たならここの持ち主達だって民を見捨てて逃げるような真似はしなくてよかっただろうに」
「ここの大陸の奴等は頭が悪い。女は上玉が揃ってるがここのうすボケた男達には勿体ねぇよ」
足音と話し声はどんどん近づいてくる。
カシアの鼓動は早くなった。
「ふぅーっ!いいね・見てみろよ?この寝具台。意外に儲かってるんじゃねぇか?
この大陸は」
「じゃないとわざわざ侵略する意味がないだろう?誰がわざわざ貧しい場所を攻めるんだ」
「まぁ・その通りだな」
死を運びし者達は話しながら・カシアが隠れている寝具台の上に座った。
寝具台が軋む音を発した瞬間カシアは小さく声を漏らしてしまった。
「おい・今の」
「あぁ?」
「お前屁をこいただろう?」
「なに?するわけねぇだろ!何重に装備つけてると思ってんだ・つける前にはクソもナニも全部出してきちまってんだぜ?今更屁も何もでねぇよ」
「そうか・ならいいんだ」
カシアは安堵した。
が次の一言でカシアはまた怯えることとなる。
「なぁ・なんかメスの香りがしねぇか?」
「スン・スン・あぁ・たしかにするななんかこう甘い感じの」
寝具台に座っている男は鼻で臭いを吸いながら寝具台に鼻をつける
「ここだ」
「ここから甘いメスの香りがする」
「ここの兵士が娼婦でも抱いたんじゃないか?」
「いや・違う・温かいし臭いが濃い」
そう言うと男は寝具台を手で掴み・持ち上げ・吹き飛ばした。
「キャアアアァァァァァァァッッ!!」
カシアは驚き叫び一目散に兵舎を飛び出した……が外で他の死を運びし者達に捕まってしまった。
カシアは男達の屈強な腕に身体を掴まれ・反射的に身を捩らせて抵抗した。
害虫を追い払うように激しく振った手が一人の男の頬に当たる。
はっと思わずカシアは動きを止めて男の顔を見た。
「っとぉ……やるなぁ・姉ちゃん。野郎共の拳よかよっぽど痛ェ」
男が気持ちの悪い笑みを浮かべながら実際は何ともなさそうに自分の頬を撫でてみせる。
背筋に悪寒が走り・カシアは再び激しく抵抗したが相手は複数の屈強な男。すぐに手足を抑え込まれ何の抵抗もできなくなった。
男の一人がカシアに覆い被さり首筋に顔を埋めるようにしながらカシアの金髪から
漂う甘い香りを深く吸い込む。
「いっやぁっ……!!」
激しい生理的な嫌悪感に襲われたカシアは自分でも信じられないほど強い力で全身を跳ねさせ男を拒絶する。
抑え付けている男達も予想以上に強い力で暴れるカシアに対し手足を抑える腕に力をこめ直す。
馬乗りになって女の甘い香りを心ゆくまで堪能することを邪魔された男は軽く舌打ちをしてからカシアの左頬を平手で殴った。
カシアは一瞬何が起きたのか解らなかった。
顔から徐々に滲み出てくる熱と強い痛みでようやく頬を叩かれたことを自覚する。
放心したような表情のままカシアの両目から二筋の涙が零れ落ちた。
理不尽な暴力。それに抗えない自らの非力。忠告に従わなかった後悔。
そしてもはや何をしてもこの状況から逃げ出すことは敵わないという絶望感。
カシアの頬を流れ落ちる様々な感情が入り混じった涙を男達は高値で売れる宝石を掘り当てたかのような欲望に塗れた笑みを浮かべながら見ている。
馬乗りになった男が再びカシアの首筋に脂っこい鼻を押し付けて甘い香りを肺一杯に吸い込む。
「ん~んぅ♪ あぁ~たまんねェ・イぃ~イ匂いだぁ……」
言いながら男はカシアの白く細い首にザラついた分厚い舌をゆっくりと這わせる。
粘ついた唾液の筋が首筋に残り・カシアは蚊の鳴くような悲鳴を上げる。
同時に何粒も涙が目から零れる。それを見た男は勿体ないとばかりにカシアの頬を
流れる涙を首からそのまま這わせて舐め取った。
「あぁ~美味ぇ。ホント可愛い女はどこ舐めても甘くて美味いなぁ」
「オイ・じっくり楽しんでんじゃねぇよ。順番がつっかえてんだぞ!」
「待てってお前らも自分の番になったらたっぷり楽しめばいいだろ?おっともう一粒ぅ」
「うっ……うっ……」
怖気の走る行為。それを享受するしかない自分。
悲しくて・悔しくて・涙はどんどん溢れてくるが男はそれを流れる傍から舐め啜る。
満足そうに口を拭うと男は周りの仲間に命じる。
「おい・此処じゃ全員で輪姦すにゃ狭い。裏にラデルフル小屋があった。そこで楽しもうぜ。」
カシアの両腕に男達が腕を回しカシアは兵舎の裏のラデルフル小屋まで連れ込まれていった。
カシアは藁の山に突き飛ばされるように倒された。
下穿きごと服を下ろした男がカシアの服を乱暴に掴み・破り剥ぐ。
カシアはまた悲鳴を上げて暴れそうになったが・未だ頬に残る痛みがそれをさせなかった。
酒場で幾人もの男性客を魅了した衣服の下に隠された大きく白い胸の膨らみが露になる。
それを見ていた男達は軽快に口笛を吹いたり・歓声を上げて悦ぶ。
小屋に取り残されたままのラデルフルはそんな人間たちの行為に何の興味もなさそうな瞳で鼻息を鳴らしながらで兵舎の方を眺めていた。
カシアは激しく顔を赤らめて歯を食い縛った。
まだ誰にも見せたことがない自分の胸をこんなところで……
昂ぶった様子の男は股間の一物を隆起させたままカシアのスカートも乱暴に
引き裂いた。
そのまま後ろからカシアの両腕を片腕だけの力で拘束し・カシアの肉付きの良い尻を
自分に向けさせると・空いた方の手に潤滑油代わりの唾をつけてカシアの秘部に雑に塗り付ける。
「うっ・い・いや……や・めっ……」
言う間に男は下着をずらし無理矢理にカシアに膨れ上がった陰茎を突き入れた。
「ッッ!? ……あァっ……!? あ・あぁ……あ……」
自分でも聞いたことのないような声で呻くカシアをよそに・男は乱暴に腰を振り始めた。
下半身に肉を打ち付ける感触が伝わるたびに熱を伴った痛みが身体の中心から頭の中まで響く。
太ももには純潔を失ったことを証明するように血の筋が伝わっている。
(うそっ……こんなっ……簡単に……乱暴に……)
女として最も大事なものがいとも容易く奪われた事実を飲み込めないままカシアは感じたことのない痛みにまた涙を流していた。
「一人ずつじゃまだるっこしくて待ってらんねェよ。上の口でもシゴいてくれや。」
カシアの視界を塞ぐように別の男が目の前に立ち・すでにいきり立った陰茎をカシアの唇に擦り付けた。鈴口から垂れた粘液が唇に纏わりつく。
カシアは固く口を結んで顔を背けることで拒絶しようとしたが・先程男に叩かれた頬をほんの軽い力で叩かれた。
先刻の恐怖が蘇り・カシアは泣きながら力なく口を開くしかなかった。
「よしよし・素直だなぁ。物分かりが良い女はイイ女ってなぁ……噛むんじゃねぇぞ?
可愛い顔ブン殴られたくなかったらな」
「ひっ……うっ……うぅっ……」
カシアは長い苦痛の中で自らの選択の間違いとその代償の大きさについて考えたが・
いずれ考えることの無意味さに気付き・暗い海の底に沈んでいくように思考を停滞させていった。
まだ長く続くこの苦難が少しでも早く終わってくれるように——
To be continued 🔷