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「ここが……」


 涼士郎は智香に連れられ、プールの女子更衣室へとやってきた。

 そこは現在水泳部の部員が使用中なのだが、彼女たちは部活中なので更衣室に人はいない。

 とはいえ、本来部外者が入っていい場所ではない。

 智香はもちろんのこと、もし涼士郎が女子更衣室に入ったことがバレれば大問題だ。

 厳しく説教されるばかりか、周囲の信用を失い下手すれば停学になってしまう。


 それだけのリスクと釣り合う行為があるのだろうか?

 真面目になって考えれば考えるほど皆無に近いが、湧き上がる劣情に理屈は通用しない。

 それに涼士郎が引き返そうとしても、彼女は許してくれない。

 すっかり発情モードになった智香は、エッチのことしか頭にないようだった。


「良かった。今は誰もいないみたい」

「本当にここでするのか?」

「もちろん。だってイケない場所でエッチなことをすると背徳感があって興奮するでしょう?」


 そうだ。彼女は図書室でオナニーをしてしまうほどの変態なのだ。

 水泳部が部活中で人気のない更衣室で行為に及ぶ。それが彼女にとって何のデメリットにもなっていないのだ。

 むしろリスクが高ければ高いほどエッチの快感は増してくると考えているフシがある。

 彼女との火遊びは、得られる快楽に対してリスクが高すぎる。

 普通の人では智香の性欲についていけないだろう。

 自分だけが、彼女の奔放な性を理解することができるのだ。


「ほら、遠野くんのおちんちん硬くなってるよ? イケないことと分かっていても性欲が勝っちゃうんだよね」

「それは……」

「いいのいいの。私も同じ気持ちだから。私のおまんこだって、もうこんなに濡れているの」


 そう言って、彼女は股を開き股間の水着をずらす。

 蜜壺からは愛液がとめどなく流れ出ており、智香が欲情しているのがよく分かる。

 そんなものを見せられたら、涼士郎も黙ってはいられない。ビンビンに硬くそそり勃つ陰茎を露出させ、臨戦態勢に移る。


「ふふ、遠野くんも準備万端だね。良いよ、いつでも挿れて……」


 智香は壁に手をつくと、お尻を突き出しこちらに向ける。

 濡れそぼった肉壷はテラテラと光り輝き涼士郎を誘惑してくるのだ。

 理性を失った涼士郎は鼻息を荒くして彼女の桃尻を掴み、欲望の赴くままに男根を膣内へと突き刺した。


「くぅっ、締まるっ……!」

「んあっ、はぁっ、ふあぁっ……大きなおちんちんがおまんこにぃっ……!」


 水泳部の更衣室で水着姿の智香との情事が始まった。

 涼士郎は立ちバックの体勢でパンパンと小気味よく女性器を突いていく。

 いつもと違う場所でのセックスは格別の味だった。

 室内のこもった熱気が正常な思考を放棄させ、より動物的な交尾に没頭させるのだ。

 今の二人は頭を性欲に支配された野蛮な獣も同然だ。

 涼士郎も智香も、欲望の全てを吐き出すまで止まらないだろう。


「んあっ、あぁあっ、うくっ、んはあぁっ! おおっ、おちんぽズボズボ激しすぎるぅっ! ひあぁっ、おまんこ感じちゃううぅぅっ!」

「丙さんのおまんこっ、熱くてヌルヌルしてて気持ちいいよっ! チンポが溶けてしまいそうだっ……!!」


 サウナのように蒸し暑い室内で、激しい運動をしているのだ。

 普通なら不快感で参ってしまいそうだが、交尾に夢中になっている二人には関係ない。

 性欲に取り憑かれた彼らにとって、蒸し暑ささえもセックスのスパイスにしてしまうのだ。

 涼士郎は我を忘れて一心不乱に腰を振る。この時には既に、ここが女子更衣室だということをすっかり忘れていた。


「すごいっ、丙さんいつもより興奮しているねっ。やっぱり丙さんは背徳的な環境のほうが欲情する変態なんだねっ……!」

「んんっ、あうっ、はぁっ、んあぁんっ! そうのぉっ、私は変態的なエッチが大好きな淫乱女なのぉっ!!」


 自分に正直になった智香は、劣情をさらけ出して淫らに乱れる。

 欲望全開に乱れている彼女につられて、涼士郎も汚れた欲望を顕にする。

 普段は絶対に表に出すことのない獣欲をぶつけることができるのは、智香を相手にしている時だけだ。


 智香の存在が涼士郎を狂わせている。

 そのことを彼自身は気づいているものの、抑える気は毛頭なかった。

 性欲は時に理性を蒸発させ、まともな判断を失わせる。

 更に発情した智香の相乗効果で、どんどん深みへとハマっていくのだ。


 だから二人は気づかなかった。

 更衣室に誰かが近づいていることに。


「今日も練習きつかったねー」

「そうだねー」


「うっ……!?」

「あぁっ……!?」


 部屋の外から何者かの声が聞こえた。

 水泳部の生徒だろう。活動が終わって着替えに来たのか。


「遠野くんっ……!」

「マズいっ、このままだとっ……!?」


 更衣室でセックスしていたことが見つかれば大変なことになる。

 流石の二人も、この緊急事態に動揺が走る。

 生徒の声はすぐ近い。今更ドアから逃げることなんてできない。

 かといって、このまま見つかるわけにはいかない。


「丙さん、こっちへっ……!」

「遠野くんっ」


 そこで涼士郎はとっさに智香の手を引き、二人でロッカーの中へと飛び込んだ。

 そして二人の身体がロッカーに収まったのを確認すると、すぐさま扉を閉める。

 間一髪。次の瞬間、更衣室のドアが開き水泳部の女子部員が数人中へと入ってきた。


「あれ~、中から人の声が聞こえたような気がするけど気のせいかな」

「気のせいに決まってるでしょ。耳に水が入ってるんじゃない?」

「でも前に更衣室に下着ドロが入ったって話あったじゃん」

「アレは窓からカラスが入って盗んでったって聞いたような……」


 どうやら即バレはしなかったようだ。

 生徒たちは涼士郎の存在に気づくことなく部屋に入り、雑談をしながら着替えを始めた。

 幸運だったのは、彼女たちが使っていたロッカーではなかったことだ。

 ロッカーを開けたら交尾中の男女が入っていたでは地獄絵図すぎる。

 とはいえ、このままだといつ見つかるか分かったものではない。

 楽しそうに談笑する少女たちに見つからないように、涼士郎は必死に息を殺してジッとしていた。


「くっ……」


 唯でさえ更衣室内は蒸し暑いのに、ロッカーの中は更に通気性が悪く息苦しい。

 そして狭いロッカー内で智香とともにギュウギュウに詰まっているので、暑苦しくて仕方がない。

 だがここは必死に我慢するしかない。部員たちに見つかったら社会的に死にかねないからだ。


「…………」


 そうやって涼士郎が息を殺して耐えている横で、智香はまったく別のことを考えていた。

 彼女は生粋の変態だ。こんな危機的状況でも頭の中はピンク色の淫乱なのだ。

 智香はおもむろに涼士郎の勃起ペニスをまさぐると、自分の性器に導き膣内へ挿入した。


「んんっ……!」

「丙さんっ……!」


 智香の蛮行に、涼士郎は思わず声を出す。ただ周囲の人たちにバレないように、できるだけ小声で。

 いくら彼女の性欲に順応してきた涼士郎であっても、これだけピンチの状況だと流石に尻込みしてしまう。

 ピンチになればなるほど逆にアクセルを踏んでしまうのが智香の特徴であった。


「ねぇ、今変な声聞こえなかった?」

「変な声ってどんな?」

「えーと、喘ぎ声みたいな」

「なにそれ。風の音じゃない?」


 どうやら部員たちは漏れた声を勘違いしてくれたようだ。

 そりゃあ普通の神経をしていれば、ロッカー内で男女が交尾をしているなんて夢にも思わないだろう。

 常軌を逸した行動すぎて簡単にはバレなさそうだが、だからといってあまり派手な音や振動を立てれば気づかれてしまう。

 できることなら、このまま静かに行為を終えたい。

 しかし涼士郎の儚き願いは、智香の暴虐によって無残に散っていくのだった。


「あうっ、んんっ……!」

「うぐっ、丙さんっ……!」


 智香は窮屈なロッカー内で最大限に動き男根を扱いてくる。

 性に貪欲な彼女の腰振りによって、我慢していてもつい喘ぎ声が漏れてしまう。

 彼女は基本的にマゾではあるが、状況によってはサドの顔を覗かせる。

 今の智香は背徳感で情欲を燃やすエロスの権化である。

 いつ外にバレるかハラハラしている涼士郎を尻目に、欲望の赴くままに肉棒を貪っていた。


「あんっ、あぁんっ……!」


「ねぇ、やっぱり変な声聞こえない?」

「えーなになに、何も聞こえないよ」

「ゆーな耳鼻科行ったほうが良いんじゃない?」

「うーん、そうかなぁ。確かに聞こえたんだけどなぁ……」


 今はかろうじて気づかれていないものの、いずれバレてしまう。

 性の快楽と焦燥感に駆られた涼士郎は、どうにか気づかれないように頑張ってあがく。

 せめて智香の喘ぎ声を止めるために、彼女の口元に手を当てる。

 これはこれで少女を無理やり犯しているみたいで興奮してしまうが、実際には涼士郎が犯されている側である。


「うぅっ、うぐぅっ……!」


「うーん、本当に聞こえるんだけどなぁ……」

「いつまで言ってるの。ほほら、さっさと帰るよ」

「置いてくよー」

「やっぱり気のせいなのかなぁ……」


 涼士郎の必死の抵抗が功を奏したのか、結局少女たちは二人の存在に気づくことはなかった。

 着替えを済ませた少女たちは、談笑しながら更衣室を出ていく。

 ドアが締まり彼女たちの声が遠ざかっていくのを聞いてから、涼士郎はようやくほっと一安心した。


「ふぅ……」


 本当にギリギリだった。いつ見つかってもおかしくなかった。

 極度の息苦しさと蒸し暑さで意識が朦朧としていた涼士郎は、極限のピンチを切り抜けた気の緩みで、これがまだセックス中だったということを思い出す。


「うぅっ、丙さんそんなに締め付けないでっ……!」

「あうっ、んんっ、んあぁっ……ようやく大きな声が出せるねっ。もうイキそうなんでしょっ……いつでもイッていいよっ……!」


 智香も一応自制はしていたようだ。

 さっきまで我慢していた分だけ派手にメス声を響かせる智香は、涼士郎の目から見ても限界が近づいていた。

 室内から部員たちはいなくなったのでロッカーの外に出ていいのに、二人はなぜかここでフィニッシュに向かうらしい。

 なんやかんや閉所プレイを楽しんだのか、快感が頂点まで高まっていた。


「丙さんっ、膣内に射精すぞっ……!」

「あぁあっ、ひあぁっ、うぅっ、あぁんっ! うあぁっ、射精してぇっ! 私のおまんこに精液どぴゅどぴゅらしてえぇっ……!!」


 智香の肉体を抱きながら、涼士郎は腰をガクガク震わせ吐精した。

 灼熱の如き燃える魔羅から、これまた熱々の子種が膣内に迸る。

 濃厚なザーメンを膣奥で浴びて、智香は幸せそうなトロ顔を浮かべていた。


「んあっ、ふあぁっ、んはあぁっ……! おちんぽザーメン気持ちいいっ……膣内で精子がピチピチ跳ねてるのが分かるのぉっ……!」

「くぅっ……丙さんのおまんこ熱いっ……チンポが溶けそうだっ!」


 脳を焼き尽くすほどの怒涛の快楽が全身を貫く。

 不本意ではあるが、更衣室でセックスしなければこれほどの快感は得られなかったであろう。

 口に出すのは恥ずかしいので、心の中で智香に感謝する涼士郎なのだった。


「熱いっ、もう死ぬっ……外にっ、外に出ようっ……!」

「うっ、うんっ」


 中出し射精の愉悦をたっぷりと味わった後、二人はたまらずロッカーから飛び出した。

 いつの間にか、二人とも全身汗だくになっていた。

 涼士郎は生まれたての子鹿のように床を這いつくばりながら、心地よい事後の余韻に浸っていた。


「はぁ、んはぁ……どうだった、遠野くん。こういうエッチも気持ちいいでしょ?」

「まぁ、否定はしないけど……」

「それじゃあ、また機会があったら更衣室に忍び込んでエッチしようね」

「それは断る」


 いくらなんでも、今回のような危険な行為は身に余る。

 こんなことを続けていては、いつか絶対に身を滅ぼすはずだ。

 そう確信しつつも、なんやかんや彼女に付き合うのだろう。

 これが惚れた弱みなのだろうか。

 智香とのこれからを想像し、期待半分不安半分の涼士郎なのだった。

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