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 ゴールデンウィーク。

 それは新生活で疲れた人々を癒す細やかな長期休暇だ。

 夏休みに比べれば圧倒的に短いその期間を、学生たちは思い思いに過ごす。

 部活動に打ち込むも良し、勉学に励むも良し、レジャーを楽しむも良し、のんびり過ごすも良し。

 それぞれが自由を謳歌する中、普通の男子高校生遠野涼士郎は果たして何をしているのか。

 今回は彼らの様子を覗いてみよう。


 ×××


「…………」


 人々が行き交う駅前で、涼士郎が手持ち無沙汰に突っ立っていた。

 しきりに自分の身なりを整えたり、周囲を確認したり、時間を気にしたりと落ち着かない様子だ。

 なぜ彼が駅前にいるかというと、これから来る智香を待っているからである。

 何を隠そう、涼士郎はこの日彼女とデートの約束をしていたのだ。


「遠野くん、この日時間ある?」


 ゴールデンウィークに入る前の4月下旬、涼士郎は智香にある質問を受けた。

 これはデートのお誘いだ。そう直感した彼は、慌てる心を必死になだめて冷静を装う。


「その日? 空いてるけど……どうかしたの?」

「実は……遠野くんに付き合ってほしいことがあるの」

「付き合ってほしいこと……?」


 これまでも数々のお願いを聞いてきた涼士郎だが、恥じらいを見せる彼女の表情は何度見てもドキッとしてしまう。

 こんなしおらしい表情で頼まれたら、断ることなんてできるはずがない。


「良いよ。どうせ暇だし、俺で良ければ付き合うよ」

「本当? ありがとう、遠野くん!」


 何をするかは分からないが、彼女の笑顔を見れただけでも儲けものだ。

 そんなこんなで、涼士郎は智香と初めてのデートをすることになったのだった。


 そして現在。

 涼士郎は約束通り待ち合わせ場所に着いていた。

 これまで女性経験のなかった涼士郎は、当然女の子とのデートも経験していない。

 正真正銘の初デートに心が浮き立つのは仕方のないことだ。


(丙さんまだかな……)


 こうやって、相手を待っている時間もデートの醍醐味だ。

 涼士郎は携帯でネットを見る余裕もないほどテンパっていた。

 智香とは日頃から会話してるし、それ以上の関係を気づいているのに何故落ち着かないのか。

 それはデートという言葉の響きに、必要以上に動揺しているからだろう。

 彼だって思春期の少年なのだ。同級生の女子と外で会うなんて、一大イベントのようなものだった。


「……あ、遠野くん。もう来てたんだ」

「丙さん……」


 涼士郎が期待と不安が入り混じった複雑な気持ちで待っていると、そこへ智香が現れた。

 待ちに待った彼女をひと目見て、少年の思考が一瞬止まる。

 見慣れた制服姿とは違う普段着の彼女に、涼士郎は思わず見惚れていた。

 智香らしい落ち着いた色のワンピースだった。決して派手ではないものの、隣りにいて安心感がある。


「予定の10分前だけど、遠野くん待った?」

「いや、俺も今来たところだから……」


 30分前から居たなんて無粋なことは言うまい。

 ジロジロ見つめている涼士郎の視線に気づいたのか、智香は顔を赤らめながら自分の服を見る。


「服、変かな……? こういうの初めてだから、どういう服を着ていけばいいか分からなかったんだ」

「きっ、気にすることないよ。丙さんらしくて似合ってると思うよ」


 服に関しては涼士郎がどうこう口出しできるものではない。

 彼だってデート用の私服なんて持っておらず、普段着ている服を着てきたのだ。

 こんなことなら、もっとファッションに気を使っていれば良かった。

 そう後悔していたものの、彼女の反応が悪くなかったので一安心しているところだった。


「それで、丙さん。今日はどこに行くんだい?」


 浮かれた精神を振り払うかのように、涼士郎は智香に本題を振る。

 今日この時まで、涼士郎はデートプランについて何も聞いてなかったのだ。

 ショッピングに行くのだろうか。映画館だろうか。カラオケだろうか。それともどこかへ遊びに行くのだろうか。様々な妄想をしつつ今日まで過ごしていた涼士郎だった。さながら遠足前日の小学生のように。


「うん……とね、今日は遠野くんと遊びに行きたいと思って……良いかな?」

「嫌だったらここまで来てないよ。丙さんの行きたいところに行こうよ」

「う、うん。それじゃあ……」


 涼士郎に背中を押され、智香は恐る恐る歩き始める。

 その後を涼士郎もついていく。この後何が待っているかも知らずに。

 忘れていたが、彼女は普通の女子高生ではない。丙智香である。

 彼女とデートをする。その言葉の意味は、考えなくても想像できるだろう。


 ×××


「今日いい天気で良かったね」

「そうだね」


 雲ひとつない青空の中、涼士郎と智香は肩を並べて歩いていた。

 場所は市内にある公園だった。市民に親しまれる憩いの場は、ゴールデンウィークの日中とあってか人はまばらだった。

 人の声よりも風に音がよく聞こえる園内を、二人の男女が歩いている。


「…………」


 色々とデートの妄想をしていた涼士郎だったが、公園デートは予想外だった。

 若い男女が初デートの初手で公園を選ぶのは渋すぎではないだろうか。

 そう思いつつも、彼女が行きたいところに行くと言った以上断れない涼士郎だった。

 何故智香はデートの場に公園を選んだのか。涼士郎が彼女の真意を図りかねていると……。


「思ったより人が少ないけど、これはこれでやりやすいから良いかな」

「丙さん……?」


 智香が不穏なことを言い始めた。

 やりやすい?

 彼女にとって、公園という場はあくまで手段であって目的ではない。

 たかが公園で散歩をすることが智香のやりたいことではないのだ。


「今までは屋内でエッチなことをしてきたから、たまには外でエッチをしたいと思って……。公園は開放感があって良いと思うよね?」

「マジすか……」


 智香と公園。彼女の素朴な雰囲気とお似合いな場所だとは思った。

 しかしそれは外面の話であって、内面とはまた別の話である。

 彼女の解釈によれば、公園はエッチをするには刺激的で都合が良いというわけだ。

 なんでもエロ方面に考えだす思考回路は、思春期の男子学生をも上回るのではないだろうか。


「公園って言っても、真っ昼間から? 少ないとはいえ周りに人もいるんだけど……」

「だからこそやりがいがあるでしょ? 背徳感があって気持ちいいよ?」

「…………」


 そんなコンビニ行ってくる、みたいに気軽に言われても……。

 自分もそれなりに性欲がある方だとは思っていたが、彼女と比べるとまだまだのようだ。

 何より背徳的な行為への倫理観が欠如しているのが凄まじい。その一点だけでも自分とは違う価値観で生きているのだと痛感してしまう。


「ほらほら、誰かに見られないうちに奥の方へ行こうよ。林の中なら簡単には見つからないよ」

「わっ、分かったから引っ張らないでくれ……!」


 そんなに外でエッチがしたかったのか、涼士郎の腕を引っ張って林に入っていく智香。

 その様子を誰かに見られたとしても、女性側が男性を強引にエッチに誘っているとは誰も思わないだろう。


「ここら辺なら良さそうだね」


 智香が連れてきたのは、歩道から外れた林の中だ。

 ここなら、わざわざ踏み入ってこないと見られはしない。

 彼女はこの日のために下見をしていたのだろうか。

 そうだとしたら、彼女の情事への並々ならぬ情熱には毎度驚かされる。


「……本当に外でするんだね」

「そうだよ。遠野くんは外でエッチをするの嫌かな?」

「嫌じゃないよ。ちょっと驚いただけ」


 ここまで来た以上、とうに腹はくくっている。

 それに青姦という初めての経験に胸が高鳴っているのも事実だった。

 気づくと愚息は硬くなり、股間に雄々しくテントを張っている。


「……ふふ、遠野くんのおちんちんは相変わらず元気だね」


 智香は嬉しそうに言うと、慣れた手付きでズボンのチャックを下ろして性器を露出させる。

 そして股間の前にしゃがむと、ギンギンに勃起した逸物を躊躇することなく口に含んだ。


「今、準備するね……ちゅぷっ、んんっ、んぐっ、んぶうぅっ……!」

「丙さんっ、いきなりっ……!」


 突然のフェラチオに、涼士郎は隙を突かれて情けない声を出してしまう。

 しかしそれも無理からぬ事である。欲情したペニスに強襲を受けて、余裕でいられる男なんて居やしない。


「ちゅぷっ、んくっ、じゅるっ、ちゅぷうぅっ……ふぅ、これで準備万端だね」


 智香の唾液でコーティングされたペニスは、新緑の間から差す陽光に照らされテラテラと光り輝いていた。

 軽くファーストタッチを終えて本番へと至る二人は、こみ上げてくるリビドーを抑えられないでいた。

 智香は自ら下着を下ろすと、木に手を付きお尻をこちらに突き出す。ワンピース越しにも彼女の美尻はくっきりと強調されていて非常に魅力的である。


「私の方はもう濡れてるから、遠野くんのおちんちんをちょうだい」

「分かった」


 ワンピースを捲くって股間を露出させる。

 彼女の言う通り、女性器は既に愛液で濡れていた。

 全く触っていないのにこんなに濡れているとは、智香も発情しているのだろう。

 涼士郎は勃起ペニスを取り出し、濡れそぼった膣口にあてがう。

 そして欲求の赴くままに腰を突き入れ、膣内に益荒男をぐぐっと挿入した。


「んぐっ、あぁっ、ふあぁっ……入ってきたっ……!」

「くぅっ……締まるっ……!」


 智香の膣内は相変わらず締まりが良い。

 強烈な刺激が愚息に襲いかかり、得も言われぬ快感が全身に伝播する。

 室内でも屋外でも、至福の快楽に変わりはない。むしろ外のほうが開放的で野性味が増すだろうか。


「あぁっ、んぐっ、ふあぁっ! 遠野くんのおちんちん大きいっ……やっぱりおちんちんは最高ぉっ!」


 一方の智香も、青姦を存分に楽しんでいるようだ。

 こころなしか、普段よりも声が大きいような気がする。

 野外でのセックスということで、より獣欲が強化されているのかもしれない。

 というか、


「そんなに大きな声を出したら、誰かに見つからないかっ……!?」

「んあっ、んんっ、んはぁっ……だってぇ、気持ちよすぎて勝手に声が出ちゃうんだもんっ……! あうっ、んくっ、んあぁんっ……!」


 ここが公共の場であることを気にしてないのか、智香は声を張り上げ淫らにヨガっている。

 むしろ、誰かに見つかるのを望んでいるみたいだ。

 背徳的なエッチは魅力的だが、同時に諸刃の剣でもある。もし青姦していることがバレれば大変なことになる。

 しかしそれでも尚、抗えぬ愉悦への衝動があった。

 智香の声量を気にかけた涼士郎であったが、結局止めず劣情に流されてプレイを続行した。


「あっ、ぐっ、んんっ、んあっ、んあぁんっ……!」

「丙さんの膣内、熱々ヌルヌルで気持ちいいっ……! 腰が止まらないよっ……!」


 公園の一角に響く、生々しい男女の交尾音。

 いつバレるか分からない。そんな危険と隣り合わせだからこそ、二人の肉欲は燃え上がっているのだ。

 初めての青姦だったが、これはこれで良いものだ。涼士郎はいつもと違う快感を堪能していた。


「くぅっ……もうダメだっ、イキそうだっ……!」

「あうっ、んんっ、ふあぁっ……私もイッちゃいそうっ……!」


 独特な空気に当てられて、射精が近くなっていた。

 涼士郎は無我夢中になって腰を振り、膣内に大量のザーメンを吐き出した。


「丙さんっ、射精るよっ……!」

「私もっ………イクっ、イクイクイクうぅっ……!」


 晴れやかな新緑の下、自然の息吹を感じながらの射精は爽快だった。

 社会の喧騒から離れ、野生に戻ったかのような感覚だろうか。

 それを感じたのは智香も同じなのだろう。彼女は快感で蕩けた恍惚とした表情で絶頂を味わっていた。


「あうっ、んんっ、んはあぁっ……お外でエッチするの気持ちいいっ……!」


 智香は身体を震わせながら満足そうに微笑んだ。

 彼女が楽しんでくれたなら、涼士郎としても嬉しいばかりだ。


「……ふぅ、結局誰にも気づかれなくて良かったね」


 射精を終えた涼士郎は、愚息を手早くズボンに収めて後始末をする。

 事後だからといって気を緩めてはいけない。どこに他人の目があるか分からないからだ。


「青姦……想像以上に刺激的なんだね。こんなに良いものがこの世にあったなんて……」


 涼士郎の隣で、智香はまだ余韻に浸っていた。

 彼女を一人にしておくといつまでも浸っていそうなので、涼士郎は声をかけて目覚めさせることにした。


「丙さん、そろそろ行かない? 運動したらお腹が空いてきたよ」

「そっ、そうだね。次のプレイに移らなくっちゃね」

「次のプレイ……?」


 涼士郎の間の抜けた声が周囲に響く。

 青姦は終わったが、二人のデートはまだまだ続く。

 日が暮れる頃には、果たして涼士郎は立っていられるだろうか。

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