推し百合4巻表紙制作過程 (Pixiv Fanbox)
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お世話になっております。
同級生の推し作家に百合妄想がバレた結果4巻絶賛発売中です。
本記事は若干内容のネタバレとなりますのでまだ読んでない方は読んでから見てください!!(ダイマ
まずはラフ案を2個制作しプレゼンしました。
編集さんにはどちらでもいいと言われたので、おさまりのいい上デザインにしました。最終巻なのでめちゃくちゃ自由。
書いてある通りですが学校から外に出て色々してる回が多いので「外の世界」を考える様な表紙にしたいな~~~とネリネリしてます。
学生時代の恋愛って学生という決まった期間の華やかさを自覚していて、もしも卒業したら自分たちの関係は?と不安になるのはあるあるだと思います。2巻でのばいおがやってたやつですね。
お互いの気持ちを確認して・違いを認め合いながら・言葉を尽くして、これから先もずっと一緒に生きていくロミジュリのイメージです。
次にラフを詰めつつ鳥のモチーフ入れようかな~~~とイメージしてます。
鳥のモチーフは原典「ロミオとジュリエット」バルコニーのシーン終盤から着想を得ました。
散々思いを伝えあった二人ですが、ジュリエットは乳母に呼ばれて戻らなくちゃいけない。
離れがたいロミオが「ぼくは君の小鳥になりたい」とジュリエットにメロメロしてたら「わたしもよ。あなたをわたしの小鳥にしたい。でも、かわいがりすぎて、殺してしまうかも。おやすみなさい、ロミオ。ほんとうにもう、わたし、行かなくちゃ。」ってベランダの明かりを消して乳母のもとへ行っちゃうくだりがあります。
引用:あすなろ書房 シェイクスピア名作劇場/②ロミオとジュリエット(斎藤洋訳)
このシーン、ロミオは完全に熱に浮かされてて、ジュリエットはちょっと現実も見えてるのが対比で面白いんですが、この「相手に閉じ込められたい」という欲をのばらと一緒にいた頃のひろみに取り入れています。
「このまま」のばらと一緒にいたいという甘えが中学の頃です。
好きって気持ちだけで庇護のもと一緒にいたい的なやつです。どんな感情も否定はできませんが、1個年上なだけののばらには少々荷が重いかもしれない。このまま付き合ってたらまた違う変化をしてたかもしれないけど…
ジュリエットは「このままじゃあなたを可愛がり過ぎて殺してしまう」といってまた会う約束をして離れるので、ジュリも好きな相手と閉じこもるのではなく外の世界に一緒に飛んでいくイメージのモチーフにしたかったので番の鳥にしました。
コミックスの扉絵の一対の鳥のデザインも上品で綺麗なので見てね!!
デザイナーさんに依頼したのはこんな感じ。
帯で隠れるぶん見えるのは5本の薔薇にしたかった…5本の薔薇の花言葉は「あなたに出会えた喜び」です。店頭で見つけていただいた方本当にありがとうございます!
裏表紙の2ページは自分で決められるんですが1ページは自分で選びました。「もう溺れていた」はディカプリオ版映画ロミオ+ジュリエットのパロディなので絶対入れたかった!! 当該映画は近代的なギャングの抗争ものという不思議世界観で面白いので是非観てほしいです。
そして最初に描いたのがこちら。手を腰に回すか肩にするか迷ってバランスを見てました。 結果清潔感を優先して肩にしました。腰にすると「私のカノジョ」感が出てムカついたからです。立花、おまえも西園寺の彼女だからななんだそのはにかんだ笑顔は
当時のツイートが出てきた。私、自分への陰湿な悪口やめてほしい(自省)
とにかく表情が気に食わなかったので直しました。たぶん鼻のハイライトの長さのせいでホームベース型な輪郭が強調されて違和感があったんだと思います。
あとはジュリの口を開いて顔を少し小さくしました。薔薇も表紙用に描き起こしてます。自分で赤ペンを入れて細かい部分を詰めていきます。
ロミ先生は美少女!
ロミ先生は美少女!!!
ロミ先生は17歳の美少女!!!!!!
と自己暗示しながらこうなりました。
ロミ先生はイケメンすぎると解釈違いというか……10代のあどけなさが残る綺麗な女の子で雰囲気が中性的…みたいに…したくて…元が美人系の顔なので17さい!17さい!と意識してやっとこの顔になった感じです。
西園寺も美人系の顔なので好きが詰まっている…よく考えたらオリキャラだから当たり前だった。
というわけで完成がこちら。
爽やか!!青春!!!百合コミック!!!!!!!!
ちなみに薔薇の花束を1輪、折り返しで隠した配置にしたのはデザイナーさんです。
11本の花束だと「あなたは私の宝物」って意味になるらしい。ヒュウ。いいですね。
デザイナーさんが意図的にされたのかどうかは分からないですが色校で折り返しの位置を見た時一輪隠れてるのはこれはこれでギミックとしておもしろいかも、とそのままにしました。
だらだらとめちゃくちゃ長い解説になってしまった…
最終巻だから許して…
読んでいただきありがとうございます。