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お世話になっております。


平日夜の映画館に久しぶりに行きました。ここ何か月か3巻の原稿があったので即帰って原稿していたのですごくうれしい。


今の自分にすごい「刺さった」映画でした。

公式サイト:https://haken-anime.jp/


以下ネタバレ感想と隙(あらば)自(分)語(り)オタクです。


新人の斎藤監督と復帰作で期待されている王子監督の熾烈な「覇権」争いアニメ業界お仕事ムービーです。

斎藤監督は王子監督の作品を見て心を動かされ公務員から転職した、初監督作品で憧れの存在に挑むアツい展開です。


紆余曲折あり一話の上映会が皆が拍手をしてくれたシーン、まさに私はツイ4に推し百合の初回掲載のことを思い出しました。

斎藤監督がストレスから不安になり行城Pにちょっと当たってしまうシーンとか、私も編集さんに「これ本当に面白いのか分かんないです…!」、とか泣きついて励ましのカツアゲをしてたな…とか思い出した。(励ましてくれました)


劇中の行城Pは厳しいです。「面白いって言えば満足ですか?」的な事ピシャリと言い放っててうわ漫画家に言ったら白ハゲ漫画描かれるぞこいつ!ってピリつきました。


行城P曰く、「面白くなくても売れるものがあり、売れなくても面白いものがある、私の意見なんて意味がない」みたいなこと言ってました。それはそう。でも面白いって言ってくれよ…味方なんだからよ…(甘え


最初はいい勝負なのに斎藤監督の方が現場が上手く回らず自分もだめだめで世間の評価が落ちてきて、かたや前作の評価が高い上に今回のアニメもずっと評判がいい王子監督。でも王子監督もものすごい魂を削ってアニメを作って、その周りも必死で作品を届けようと帆走している。


天才のライバルはノリでぽいぽい名作作っちゃうような嫌味なやつであれよ!!なんでそんな前作の成功に追い立てられながら「描いたものは描くことでしか乗り越えられない!」とか地道な事言うんだよ…!天才と言われてる人も泥臭く頑張った結果にその評価がついてきてるだけなんですわ…ああムカつく。ということは私の努力が全然足りないってことじゃん。尊敬するしかないじゃん王子監督。悔しい~~~!!!頑張るしかねえ~~~~ウワアアアン!


地味に好きなシーン、多分20代半ばぐらいの神作画スタッフの並澤さんが、爽やかイケメンでアニメをあんまり見てこなかった市の観光課職員・宗森さんのことを「リア充だ…」と表現したところ、相手にリアル「しか」充実してない奴ってこと?と誤解されるシーンです。曰く、宗森さんからすれば並澤さんはリアル「以外」を充実させている仕事、とのこと。わぁ、やめてくれそういう全面肯定。大好きになってしまう。

ここ10数年でオタク文化がかなりメジャーになって、「オタク」となじられていた人間が逆にリアルが充実した人間を指して言っていた言葉がさも蔑称のような意図で伝わっている(実際「リア充」という言葉でそういうケースは見たことないけど)のが、

どんな「区別」でもありえることだなと思いました。ひがみ根性からくる誉め言葉のようで、スクールカースト上位の人たちから「オタク」と呼ばれていたように、「自分とは違う存在【リア充】」と一言で区分けしたことで相手を誤解させてしまうの、ハァア人間~~~!

「普通の人なんていない」という王子監督のフリがこのシーンにもきいてると思います。こういう立場が変わると捉え方・見え方が変わるの大好きです。


そして仲間と全然折り合いがつかず誰も味方がいない、踏んだり蹴ったり、雨にも降られるし出先作業用のiPadも雨で水濡れして故障!仕事道具を持ち上げて地面にたたきつけようとするもできない!(ここラピュタのパズー思い出した)

あああー!打ちひしがれるシーンだ~~~い好き!!挫折を描いてこそ共感!!!主人公は絶対一旦自業自得で絶望して!!!それを頑張って向き合って直していく姿が尊いので!!!ダメな自分にとことん向き合ってこ~~~~!!


そして自分では考えつかなかったことで突破口が見えるのも大好き!!!!!私もいつも壁にぶち当たって泣いて辛くなったらスーパー銭湯行ったり筋トレしたり映画観に行ったりするもん!自分の絶望は案外ちょっとしたことで世界が広がると光が差すよなぁ…


そして斎藤監督が「王子監督の作品を見て、子どもの頃の自分がこれを見たらもしかしたら人生が数センチ、数ミリでも違ったかも」、「過去の自分のような子供たちに届けたい」ってシーンがあるんですけど、もう大号泣しました。


私もそうだよ~~~~~~~~~~!!!(応援上映み)


私も今の自分から過去の自分に届ける様な気持ちでやろう!とRHYMESTARの曲聞きながらネームしてそう思ったよ~~~~!!!


オチもいちいちアニメの台詞と劇中の様子がリンクしててうおお…王子監督…斎藤監督…と胸が熱くなりました。いろんな人が本気で一丸となって戦ってくれたらどんなにいいだろう。いやきっと漫画家の私の知らない所で色んな人が本気で仕事をしてくれている。思い入れを強要しちゃいけないけど、しっかり仕事をしてくれていると信じたいです。


劇場を出て、今自分の現状はもしかしたら、1話は好調だったけど2話3話と調子が落ちてきて、周りから自分へのディスしか聞こえなくなっている斎藤監督のシーンなのかもしれないと思いました。

仕事でごたついて連携が取れなくて、信頼感が薄れ、自分の言い方が悪くなったりして、周りから全然期待してもらえてる感じがしなくて自分が頑張ればいいや…と自棄になって友人に愚痴ったり、すごくすごく悔しくて情けないとわかっているのにこの一週間ずっと腐っていました。


でも斎藤監督は自分の作品がつまらないとは一言も言いませんでした。最高です。

アニメは沢山の人がマスに向けて作るものだから違うかもしれないけど、私の漫画は過去の自分に向けた作品が多いし、だからこそ過去の同人誌を見ても絵が未熟で展開やコマ割りが下手くそでも心から大好きだと言える作品ばかりです。


女の子で、百合オタクで、独特の拗らせをしている自分自身の経験や近しい人の話から色んなネタを生み出しているんだから、そんなに多くの人に刺さるわけがない。斎藤監督は若い女性監督だから、代打の監督だから、と頑張ってるけど頑張るだけならだれにでもできるもんね~的なことを身内のスタッフ陣に言われていました。私も(もしかしたら今、身内に期待されてないのかもしれない)と不安になるときがあります。


でも逆に私は個性の塊!唯一無二!的な存在ではないので、似たところで刺さる読者さんはきっといるし、第三者だけど読んでいて楽しいと思う読者さんもきっといるはずと信じて、自分の未熟な部分を直してさらにもう一歩成長できるよう努力するしかないな~という気分にさせてもらいました。


7/8発売の3巻が売れなければ4巻で終わりです。でもいつ終わったとしても絶対に、過去の自分みたいな人の背骨を串刺しにするような作品にして見せよう!という気になりました。あと昼職でやってるITドカタも少し忙しくなったのでそっちも味方を頼って頑張ります!


ありがとうハケンアニメ!是非もう一回観に行きたいです!


最後に、宣伝動画制作とLINEスタンプと同人誌はもともとやりたかったことなのでご心配なく!3巻読んだら感想いただけると嬉しいです~!


読んで下さりありがとうございました。

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