夜縛エクストラ!第二話‼️ (Pixiv Fanbox)
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エクストラストーリー、第二話公開です[>=<]!
予定よりかなり文章が長くなり第一話と同じくらいになったため、これを第二話とし、以前第二話「後編」とするとしていたものを第3話といたします。(第3話は変わらず来月前半公開を予定してます)
※作品内イラストにつきまして
第一話では全てのイラストがラフ画でしたが、今回からは絵によってはペン入れをした正規クオリティ画となっています。ただ、これはかなりの制作時間コストがかかるため、かわりに、重要度の低いイラストに関しては(流し見でよいもの)簡素なラフイラストとしています。イラスト毎にクオリティが違いますがこれは意図したものになります
※閲覧可能プランにつきまして
エクストラストーリーは以前よりお伝えしていました通り、最新話のみがミルクコーヒープラン以上での閲覧可能となります。そして準最新話以前のものはアーカイブ扱いとなり、特濃ミルクコーヒープラン以上でのみの閲覧に変更されます。是非最新話のうちにお読みくださいませ。なお、来月にすぐに3話が公開予定なため、第二話のアーカイブ入りは10月末まで伸ばします。これらのシステムは多少御面倒かとは存じますが、 本来アダルト企画であるエクストラをお安くお読みいただくための試みですので何卒ご理解いただきたく思います。
それでは、第二話スタートです。
第一話では暴君クォーツォの七罪・ティムに敗北し、メイド戦闘長・波切夜涼秘がもうひとりの七罪エヌシーに捕らえられ、それから数日。クォーツォから日本の七罪・生徒会長プエラの敗北・コレクション化を伝えるメールとプエラの石像が送られて来て、動転した副会長シェロが単独プエラの安否を確かめにいこうと単独行動を開始。
その直後からのスタートです。
生徒会長プエラの敗北を皮切りに、日本サイドの敗北の連鎖が始まってしまう…?
ヴァンパイアの戦いは美女を奪い合い、力を誇示して相手の希望をを折る、そんな戦いであるとまだまだ知らない晴臣。日本、超劣勢ーーー❗️
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第二話「敗北の連鎖は始まる。苗床と化す女」
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富士山に調査に向かった、波切夜先輩が消息を絶っているーーー
プエラの石像の調査を女子達に任せ、晴臣が自室に入った後の、生徒会室。
由愛は現在置かれている、現在のプエラの件とは別の情報が頭をよぎった。
クォーツォの襲来でメイド隊たちは大きな被害を受けた。
彼らは今元学園の各体育館を医務室代わりにして治療を受けている。
そして波切夜先輩は、その闘いに加わる事さえ無かった。その数日前に、クォーツォが潜伏していると考えられる地方を周り、調査をする最中、富士山のふもとからの彼女の連絡を最後に消息を絶ってしまったのだーー
今や暴君クォーツォによってもたらされた問題が日本ただ一人の吸血鬼である晴臣のまわりに強くのしかかってくる。
そして、それは晴臣の周りに集う日本の女神達に対しても同じだ。
晴臣の、女神仲間たちの助けになりたい。
生徒会長時期候補として、晴臣の幼馴染として、自分にできることを成したい。
由愛は決意を新たにしていた。
(クォーツォは珍しいゾンビである私を狙っているらしい…けど私はどうなろうが恐れはしない。)
今既に敵の手に落ちているプエラ、そしてそれを心配するシェロに比べたら、私は…
ゾンビサキュバスと類される自分の身体には、他の女神以上の回復力が備わり、晴臣からの魔力も今は十分蓄えられてらいる。
今は、自分が仲間を守らなければならない時なのだ。
しかし、プエラを案じるシェロが、やはり気掛かりでーー
そして、その不安は現実となった。
「やられましたね…」
共にシェロが待機する応接間に由愛、女乃と共に来たぬっぽんはため息混じりにつぶやく。
シェロの姿は、既にそこにはなかった。
「とりあえず、屋敷と元学園全校に捜査を依頼します。
…やれやれ、こう言うのもなんですが、シェロさんの戦闘能力は、せいぜい私と同等くらい。つまりバウトでは残念ながら糞ザコの部類なんですよ。それがわからないシェロさんでは無いはずなのに…何か策があって飛び出したのか、そうであってほしいですね。」
ぬっぽんは呆れ顔だが、真剣な目をしている。
莉音「このままじゃあ、クォーツォさんの横にあるワイングラス置きが2つになっちゃうねえ〜。いや、高飛車なシェロちゃんならワイングラス置きより足下の「平伏スツール」とかにされちゃうかな💓?その方が征服感でるからねー」
ちゃちゃをいれるように恐ろしい想像を言葉にする、莉音。
あっけらかんとした表情で部屋の外から声をかける彼女はプエラの石像に頬を擦り付け、今や情け無い姿に成り果てた(レプリカではあるが)プエラの秘部を摘み、弄んでいる。
莉音「あーあ、生徒会長たら、唯一私よりランク上の七罪だったのに。こんな脱落の仕方、気が抜けちゃうなあ💗不戦敗で私が実質ナンバーワンになっちゃったかもなのですˉ̞̭ ( ・◡ु‹ ) ˄̻ ̊」
ぬっぽん「ふざけないでくださいね笑。今は日本七罪の序列どころではなく、下手をすれば私達そのものが壊滅させられかねないんですよ?勿論あなた自身も。危機感を持ってください!」
莉音「もう〜エッチな配信者さんは口うるさいのです(・ω<) ✨」
ぬっぽん「(´-д-)-3はー、まあいいです。しかしプエラさんの処女が破壊されていた場合、冗談抜きでプエラさんは2度とヴァンパイア界に関われなくなり、日本の七罪はひとり消失します。浦夜くんにもその状況がわからないそうなんで、多分クォーツォが魔力の流れを遮断し情報が伝わらないようにしているんでしょう。しかし…
そんな事になれば、シェロさんはさらに危険です。クォーツォからみたら、シェロさんのような七罪は捕獲してコレクションにし、浦夜くんに見せつけるには恰好の獲物ともいえます。戦闘力は引く捕らえやすい上にこちらの頭脳戦力を簡単にロストさせられるんですからね。
( ̄^ ̄) …そういえば以前まだ学園に男子がいた時、裏サイトで「七罪たちに望むえちえちシチュ!」というスレッド立てたら、男子が「ああいう傲慢女子はぜひ跪かせて征服してやりたい!」とか書いてありましたねえ。ぬっぽんの動画でもたまに七罪一人一人をピックアップした動画やってましたが、「あのご尊顔が支配に屈服する顔が見たい💗」というコメントに、かなりのレスがついていて……
(°〆°:)あ、コホン、すみません。」
莉音「あははっ✨あなたも大概だねー。まあ、あなたはバウト力は弱くても簡単には落ちなさそうだよねー、暴君クォーツォも手を焼きそうなのです。:
ぬっぽん「それはどうも。まあ、シェロさんにあなたやゾンビ化後の由愛さんほどのバウト力があれば、まだよいのですが…。」
由愛「ゾンビ化する前の私だって、なんとか自衛するくらいのバウト力しかなかったから。今だって、魔力が尽きたらみんな以上に何もできなくなるわよ。ゾンビサキュバスってそういうものなの。」
女乃「あのさ、😩今は自分たちの弱点言い合ってる場合じゃないし!💦副会長ピンチなんっしょ?私はまだあの子とはあんまし仲良いわけじゃないけど…やっぱクォーツォとかいう変な奴のコレクションになんて、なってほしくないしさ!」
女乃もたまらず話に割って入る。
ぬっぽん「とりあえず、シェロさんは今判断力が正常ではない可能性が高いです。すぐに探すため手分けしましょう。また、手数も欲しいですので、現在動けるメイド隊の数把握もする必要があるので、ついでに元学園校舎にも足を運びましょう。」
由愛「なら、そっちは私が行くわ。私の友人の葵も、怪我で医務室にいるはずだから、シェロを探すついでに、話を聞いてきたいの。波切夜先輩の事もあるし。」
莉音「うふふ、気をつけてよーみんな❤️こうしてバラバラになって、気がついたら単独で敵に敗北💗拉致られていたりして、いつのまにかクォーツォさんのお部屋に飾られてたりしないようにね?😏✨
そうなったら莉音はライバルが減ってトップの座は固くなるけど、
₍₍ ◝(●˙꒳˙●)◜ ₎₎そんな勝ち方は望まないのです」
女乃「あんたね!(`o´)だ、大丈夫だし💦と、とりあえずあちしは学園のみんなに副会長の事、聞いて回る。さ、気をつけて行こうだし![>=<]」
ーーーーーーーーーーー
由愛
15分後
元榊原学園体育館にて
葵「クォーツォのメイド隊は、かなりの戦闘慣れをしていたように見えた…手強かったよ」
由愛の友人である葵がクォーツォ軍襲撃の状況を語る。
由愛は戦いで怪我を負ったメイド隊の医務室となっている体育館を訪れていた。
メイド隊に正式に任命された者達は晴臣の屋敷の結界と晴臣が無意識に放出しているヴァンパイアの魔力で常に体を治癒され続けている。
不死でこそないが、それに近い生命力を得ており、幸い、回復しきれない程の重体となったものはいなかった。
葵「この程度でみんな済んだのも、生徒会長が駆けつけてくれたおかげだけどね」
由愛「その生徒会長の戦いの一部始終を、詳しく聞けないかしら」
葵「すまないね…私が見たのは戦いの一部に過ぎないんだ…。生徒会長が敵メイドの副隊長らしき人物を圧倒的パワーで軽くいなし、その後クォーツォと、その前に立つ七罪と思われる2名の女子とぶつかり合った…そこまでなんだ…。
私にはまだ体力があり、加勢を考えてはいたんだけど…」
葵はすこし渋った顔をする。
「その直後、背後から現れた長身のメイド…いや、メイド服を付けた四つ這いの妙なやつに、背後から思わぬ攻撃を受けてさ。
マジで強かった。一撃で気を失い、そして起きたらもう…このベッドさ」
由愛「そう…けど無事でよかった。メイド隊の教官で戦闘長の波切夜先輩がいなかったとはいえ、あなたは先輩の技を限りなく習得している。その葵が…敵は本当に手強いわね」
葵「あ、ああ…」
なんだか煮え切らない様子の葵。由愛は少し怪訝そうにするが、葵は話題を変える。
葵「と、ところで、ステラなんだが、あいつも今寝込んでいるんだ。幸いあまり前線には出なかったから酷い怪我ではないんだが」
由愛「ええ、ステラも見てから帰るわ。シェロ…副会長を探さなければならないし。あなたはしばらく安静にしていて。
葵「すまない。副会長に関しては、あたしも後で聞き回ってみるよ。」
由愛(たしか…葵と生徒会チームを組んでいた桐魔かりすさんも、この近くで見張りを行っていてくれているらしいけど…会えたら聞いてみようかな。)
桐魔かりすは、イギリス遠征の際に現地のヴァンパイア七罪と揉め事を起こしてしまい、状況悪化を招いてしまった前例があった。心配は尽きないが、まずは少しでもシェロの情報を集めなくてはならない。
もう一度、シェロの携帯に通話してみる。
由愛「だめね…こういう時、晴臣との間に少しだけできるようになった「テレパシー」を、他のみんなともできるようになれたらと思うけど…」
気を取り直し、由愛は駆け出した。
残された葵は、由愛の後姿を見送りながら、クォーツォメイド隊戦の、自分を背後から襲って来た長身メイドの攻撃を思い返していた。
あの妙な四つ這いの敵…
メイド…というにはあまりに奇怪な姿をした敵だった。まるで地獄から抜け出してきた囚人、いや魔物のような…。
その一撃は鋭かった。いや鋭過ぎた。ゆえにほとんど覚えていない。逆にそれが違和感であった。
殺傷より意識剥奪を優先した攻撃。それこそ、自分が習得した波切夜の技にも似たものがあるからだった。
葵「どうしてあんなバケモノみたいな奴があんな技を…。たしかに教官は今、行方不明なんだよな。まあ、あの人が簡単にやられるはずがないから、気のせいとはおもうけど。
なんにせよ由愛には余計な事は言わないべきだ。なんたって、由愛は、あいつはあまりに…
いざとなると、自分を顧みなすぎる…」
由愛は、いざ仲間のためとならば、強く激しい正義感を顕にする。
そのために友人となった対校派を守るため、格上の生徒会長にも挑み、敗北してなお再戦、最後まで前線で身を張り続けた。自分は同行しなかったが、海外でのトラブル時も、率先して仲間を守ったという。
とても勇気があり、そしてあまりに無謀。そんな悩ましい、美しい友人。
その強くも儚さを併せ持つ女神。その後ろ姿見送りながら、葵は形容し難い希望と不安を同時に感じていた…。
------
由愛はその頃、学園敷地内で桐魔かりすを探してみるも、彼女は見つからないでいた。
由愛「桐魔さんの携帯番号は知らないし…しかたないわね。それより、一応「女神傭兵」として仕事を受けていたはずの彼女の姿が、学園のどこにも無い。彼女は元生徒会チームだし、もしかしたらシェロが声をかけて連れ出した可能性も…」
…やはり止めなくてはならない。
シェロだけならばともかく、桐魔も一緒となれば、クォーツォ軍への刺激がより大きくなる可能性がある。つまり、2人が危険な領域へより深く近づく事になる。
由愛「クォーツォは既に直接攻撃を仕掛けてきているし、プエラの件で明らかな挑発もされてる…。
でも、何があっても全面戦争だけは。それだけはだめ。
今のメイド隊たちのダメージを見るに、きっとイギリスの時の比ではない被害が出るわ。」
しかし、既に2人の七罪が敵の手に落とされている可能性がある。
ひとりは生徒会長プエラ、そしてもう一人は、…「憤怒」。
由愛「もし、《あの子》までクォーツォの手に落ちているなら、尚更よ…」
シェロたちの行動も行き先も自分には分からない。だが、シェロならば今ある情報からして、ある程度行き先を絞っているはず。それは、自分にも想像がつく。
波切夜先輩が消息を絶った、あの場所…富士山。
やはりあそこが怪しい。
(今から追いつけるかはわからないけど、私はフットワークなら自信がある。やってみるしかない。
だけど、シェロを止めるだけでは解決にはならない。生徒会長の安否を確かめ、かつクォーツォとの全面戦争を回避する方法があるとすれば…私がシェロに変わってクォーツォのアジトに潜入する…それが1番適任だわ。)
由愛「幸い私はクォーツォに気に入られてる。ゾンビという貴重な「戦利品」として。ならば逆に、それを利用する手だってあるわ…。
まずは、正面からぶつかる前に、敵の手内を探る必要がある。…そのためには」
それは波切夜先輩も得意とする、「潜入捜査」。ただし、おそらく隠密行動のみでプエラを助け出す事は難しい。もしクォーツォ一味に見つかろうと、
戦利品として有用な自分ならば敵も迂闊に私の命まではとれないはず…捕まったとしても、それを利用して敵の内部に潜入すれば…!
少なくとも、
今、シェロに無茶をさせるよりいいはずだ。
ただ、彼女達を止めたとして、私がかわりに潜入するなどと言えば、彼女は賛成するはずがない。
由愛「流石に、素顔丸出しで行くわけには行かないわね…。変装。別人になりすますのよ。シェロにも分からないように。
通りすがりの、悪を許さない正義の女神戦士なんてどうかしら。昔から、ちょっと興味あったのよね⭐️
(^///^)💦えへへ」
由愛は新体操部の部室ロッカーに来ると、一枚のレオタードを手に取る。
それは、アピール用にしてもあまりに大胆な、布地の細いレオタード。
いや、レオタードというより、もはや紐に近い。
以前、部活の先輩に、新体操女子の最終手段といわれて渡されたもの…今思えばあれは皮肉だったのかもしれない。こんなレオタードでは、体のあちこちが隠れきらない。どう考えても変態…いや、頭のおかしい人の着る服。
由愛「たとえ晴臣にも絶対みせたくないわ、こんなの。ま、まあ、あいつには今更、と思えなくないけど💦」
生徒会とのバウトを思い出す。たしかにコスチュームは酷かったが、ほとんど裸で戦っていたようなものである。それに比べたら大して違いはないし…
むしろ、あの時もあの恥ずかしさがあったからこそ、奮い立てた。魔力も高まった。
晴臣にも、ついには自分で懇願した。自分を保つため、強くあるためには、《興奮》が欲しい。
わかっている。
自分はもともと、弱い。
締め付けるような刺激に、そして痛み、晴臣に見てもらいたいレオタード姿を、部活でみんなに見られる羞恥、後ろめたさ…
なぜか興奮してしまう。
罪悪感…
けどこれがゾンビの力を保ち、暴走を食い止めてくれた。
悔しいけれど、私は…
由愛「わ、悪かったわね。へ、変態💦じゃなくて…これもゾンビが戦うための…みんなのための力になる事なんだから!」
ひとり部室で言い訳する自分が、恥ずかしくなる。
しかし、今はこのレオタードの大胆さが意味良い。
変装としても、多分シェロにも気づかれない。
また、これは、敵を「魅了」できる。
この大胆さならば敵が男でも女でも、必ず注目させ、隙を作る事ができる。
これでも、自分の身体のスタイルが、最大の武器のつもりだ。
恥ずかしくなんてない。
私は元、「色欲の由愛」。これは私の、仲間を守るための勝負服。
そう言い聞かせた。
由愛「あとは、顔を隠すのよ」
由愛はさらに、棚に置かれた、レスリングマスクを手に取る。
これは生徒会長と戦う際に、被る選択肢にあったマスクだ。
口元が隠れた、本格的なレスラーマスク。アピール用なため、頭頂部には髪を通す事ができるぴょんとした可愛いテイルのようなものがついている。
由愛「これは、私が私ではない正義の女神ヒロインになって、日本を守るためのスタイル…そう、勝負服よ!」
由愛はマスクを被り、その頭頂にある2本のテールに、細く結った髪を通した。
ここに、女神のヒロイン潜入捜査員が誕生するーー
ーーーーーー
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かりす「はあ。足が疲れたわ。これでは私のストリート技、特に足技や絞め落とし技に影響が出てしまうじゃないの。
副会長なら生徒会権限とやらを駆使して一気に移動できなかったの?使えないわねえ」
悪態をつく、ゴスロリ服を着たまま富士山までやってきた桐魔かりす。
その横で、彼女より遥かに辛く息を乱して富士川のふもとにやっとたどり着いた副会長シェロエッタ。
「しかたが…ないのよ。今回の行動は他の七罪や浦夜晴臣には知られるわけにはいかない機密行動なんだから。生徒会権限も使えない。公の移動手段で来るしかなかったんだから。」
メイド隊長の波切夜涼秘が消息を断つ前、彼女からの最後の連絡では、この富士山が怪しく、調査に入る、と言っていた。
唯一の情報だが、今はこれに頼るしかない。メイド波切夜涼秘に何かあったのならば、その消息も会長と同じく調べればいい。今はとにかく、敵のアジトを掴む事からだ。
勿論戦いは覚悟しなければならないが、最悪の場合、自分が捕虜になってでも…プエラのところにいく。
「桐魔さん。あなたはいつでも帰っていいわ。何度も言っているけど、あなたにはもしもの時の護衛を頼んだけれど、どのみち正面から行って勝ち目は薄いのよ。
……? 桐魔さん?」
かりすはいつのまにか、そこには居なくなっていた。
ドスン‼️
直後、左方からかりすの声と、女らしき悲痛な悲鳴が聞こえて来る。
かりす「ほうら、早く逃げなさい💗でないと、骨までイクわよおお‼️」
メイド「いぎいいいいい❗️いひっ許し…ぎへっうああ…」
どこの国籍かも分からないような目をした女性、
外国人かもしれないが、言葉は魔法で翻訳されている。ならばやはりクォーツォのゆかりのもの…。
桐魔かりすは完全に絞め技に捕らえている。
シェロ「クォーツォのメイドみたいね。やはりステルス潜入はむりだったわ。」
やはり、自分が投降して捕虜になるしか潜入も道はないか、そう考えるシェロ。
直後、敵メイドと思われる女性は気を失った。
かりす「あら、やりすぎたわね。さっき堂々とヴァンパイアに仕えるメイド警備隊だとか言放っていたから、もっと骨があると思ってたのに。クソ雑魚ねえ。」
シェロ「多分、ここに入り込んだ時点で私達に拠点を掴まれたとふんだんでしょう。」9
私達が多少なりともヴァンパイアから魔力を受けている事は敵にもわかっているはず。だからバレないなんて不可能な事だった。
ガサッ‼️
シェロ「‼️」
その直後、更なる追手が後方より現れる。
新手メイド「はあ…使えない奴さ…ダメな45番。」
シェロが振り向くと、そこにはメイドがもう4名立っていた。
ひとりだけ、少し色合いが変わったメイド服を着ているのを見るに、役職持ちかもしれない。
シェロ「くっやはり。メイド隊は666人いると言われている。まだまだ控えているのでしょうね。」
少し服の装飾が違うメイドが少しめんどくさいように、頭の後ろをかきながら口を開ける
「ああ?666人?んん、違う違う。(ーー;)
そりゃあ三流の国の臆病ヴァンパイアがつれてるメイドの最大数だろー?
ヴァンパイアは皆、メイド数の少なさを自分は手間がかからない男アピールして競ってるぞー?
我らの主は、精鋭を88人だけつれてるだけ…。あー、もっとも、そこの45番みたいな雑魚も多くて苦労してるけどさあ。あ、ワタシは一応、副隊長ね」
めんどくささ全開で、服装はともかく背筋がしゃんとしていなく、いかにも「インキャ」とか言われる者という感じだ。
両手に大きな「除草剤スプレー」らしきものを持った異様な出立ちのそのメイドは、以前クォーツォメイド隊とぶつかって負傷した日本のメイド隊のメンバー達からも目撃報告があった。
シェロ「あなたがメイド服隊長…たしか、こちらの七罪「暴食」のプエラとの戦闘で軽くいなされ、その上腰を抜かしていたと聞いたわ。それが本当ならば、大した小物だわ」
メイド服戦闘長「ながはっ💦…くそ、いうなー!
。゚(つД`)゚。こないだの失態…気にしてるんだよ。ああっけどお、違うから。アタシが小物なんじゃなくてえ、あのゴリラみたいな七罪がヤバすぎただけでえ。だれか優しく慰めてくれよう。うふうー」
挑発したつもりだが、変わった返答が帰ってきただけで、激怒した様子はない。
まわりのメイドたちも悲観混じりに嘆く服戦闘長をなだめていた。小声で呟いている
護衛メイド「はあ…また始まったよーめんどくさ…」
気まずい空気。
シェロ「桐魔さん、思ったより隙があるわ。今のうちに後退を…」
かりす「あらあ?あなたはどうぞ、お逃げになって?
私は……ふふ❤️
富士川でヴァンパイア配下とのストリートファイトなんて、最高じゃなああい💗‼️」
かりすは自ら護衛メイドの1人に飛び掛かっていった。
シェロはため息をつく。
シェロ「ああ、やはりあなたは扱いにくいメンバーだわ…!」
シェロも、カバンからテニスラケットとボールを取り出す。
あらかじめテニスウェアで行動していた彼女は、ボールを投げ上げ、サーブを構える。
シェロ「いくわよ。「傲慢」のシェロエッタ。生徒会長の元へ、必ず辿り着く。」
🌙🌙🌙🌙🌙🌙
かりすはメイド3人を相手する。
流石は彼女、その強烈なストリート技は、以前よりも更に磨きがかかり、クォーツォメイド隊3名相手にも優々として立ち回り、次々と技を決める。
かりす「魔法とあのチビの薬に敗北したあの日、私は更なるストリートの頂上を目指す事を誓ったのよ。あなた達相手ごときでは満足できない程にねっ」
メイド副隊長「あー、アレはまずいねえ…これは下手したら七罪に支援要請するか…いやーでもなーあの人こわいしー」
わざわざのっそりした口調で全てを口に出すメイド副隊長。
シェロ「不用心す ね…それでも、今やるべき事は変わらないわ。桐魔さんがメイドを3名引き付けてくれたおかげで、私の前にはあなたのみ」
シェロはボールを宙に投げると、目にも止まらぬスピードでサーブを繰り出した。
パァン‼️
副隊長「ゴホォ!」
見事、直撃する。
頭にあたり、轟音が鳴り響く。
シェロがバウト用に特注した攻撃用ボールは女性の肌を決して傷つけないようにしている代わりに、重さがあり、相手のみぞおち等弱点に極めれば戦闘不能、もしくは怯ませる事ができる。
今回の場合、かなり効いていた。
シェロ「その程度では、プエラ会長の前で何もできないはずだわね。やはり恐るべくは七罪のみ。メイド隊なら、私でも十分渡り合える」
エヌシー「それはどうかしら」
シェロ「‼️」
気がつくと、そばの繁みには女が1人立っていた。
手には鞭をもち、優雅に立つその姿は、明らかにメイドとは一線を画していた。
それどころか、今はシェロにも感じられるようになった「魔力」その量が、尋常ではない。
シェロ「七座⁈」
エヌシー「ええ。私はエヌシー・ポワンヌ。クォーツォ様に使える七罪よ。残念ながら、私達に見つからずにここを通過する術など無いわ。それくらいは知っていたでしょう?日本の七罪の中でも知性に優れると言われている「傲慢」ならばね。」
シェロ「くっ」
桐魔の方をみるが、いつのまにか離れてしまっている。
エヌシー「なかなか厄介な猫を連れているようだけど。あなたの連れには、魔法で認識位置をずらして方向感覚を狂わせ、別のの七罪が対応に向かったわ。合流は、あきらめて?」
にこり、と笑う七罪エヌシー。
どうやら、彼らには日本のヴァンパイアや七罪の情報がかなり収集されているようだ。
比べてこちらは…偵察に向かった強力な戦力、波切夜涼秘さえ失って、何も得られていない。
だから、会長の、プエラの安否さえ、こうして自らで調べに動くしか無い状況に陥っている。
メイド副隊長「エヌシーさま💦あ、ありがとうございます…い、いたあー(íoì)💦額にテニスボールをぶちこまれまして…」
エヌシーは何も言わず、ただ一瞬蔑むような顔をして、シェロに視線を戻す。
無視されてアワアワしている、いかにも小物といった対応の副隊長。
シェロ「流石はヴァンパイアの魔法…しかし、ここで捕まるわけにはいかないわ!」
エヌシー「ふふ、私は貴女の相手なんてしないわ。安心して。貴女はメイドなら自分でも渡り合える…と言っていたけど。
大丈夫、あなたの相手はあくまでメイド『だけ』よ。」
シェロ後ろに、気配がある。1人、メイドがまたあらわれたか。
しかし、そこにら異様な姿が。
シェロ「⁉️…な、何?こいつは…!」
そこにはメイド…のようなコスチュームを無理やり体に貼り付けた、後ろは丸裸、顔や股間には巨大な【蟲】のようなものが張り付いている、異様な出立ちの女が立っていた。
思わず吐き気を覚える程に、《奇怪》な服装。
いや、服というべきなのか。
なぜならば、女性として隠すべき部分がまるで隠れていない。張り付いた蟲のようなものが、胸の先端…局部に何か管のようなものを差し込んでいる。また、メイドらしきエプロンはしているが、それを卑猥に貼り付けたのみの、メイドどころか人として、あまりに羞恥や尊厳を無視した服装。
しかも四つ這いである事が余計に異様さを醸し出している。
エヌシー「あら、あなたにはショッキングすぎたかしら?あくまでそいつはメイドよ?新入り補欠の…ね。
まあ…たしかに、人間以下の存在だけど…?なにせ「元捕虜」なのよ、その犬。
つまり、ただの奴隷。メイドなんて元々奴隷だけど、さらにその下の底辺。だから、人の振る舞いは許可していないわ。」
シェロ「捕虜?奴隷?どういう…」
捕虜…つまり。この女は元は日本側の戦力だというのか。しかし、肌が褐色を超えて青黒く染まった、まるで人間ではなく「悪魔」かなにかのような姿、それが日本人には到底見えない。
エヌシー「元がいったいどんな生き物だったのか…と考えているようね。ふふ、不必要よ?だって、もうその生物は二度と日本に戻る事の無い、クォーツォ様の忠実な家畜になったのだから。その体は人間からクォーツォ様の裏世界の魔法で変異させられて、今はもう魔物みたいなものかしら。
そうねえ、あなた達日本の言葉で合うものを探すとしたら…
怪人?」
くすりと笑うエヌシー
エヌシー「それの戦闘員ネームは《メイド・オン・デス》。
《死に跨った女》という意味よ。快楽に負けて精神を破壊され、完全な洗脳支配を受けたメイド怪人…主人の命令に簡単に股を開く雌犬。
ただの家畜よ。ふふ、気に留める必要も無い存在という事?
それとも、だれか思い当たる人物でも?」
シェロ「……っ」
一瞬、最悪な予感が頭をよぎる。
この女、四つ這いだが女性にしてはかなりの長身…。
また、女性らしい肉体のなかに、鍛えられた筋肉が垣間見える力強いボディ。
そう、自分の最強の幼馴染、プエラにも近い。
シェロ「まさか…まさか…」
ふるえるシェロ。
エヌシーは見抜いていたように、少しニヤついたが、優しい笑顔へと表情を変える。
エヌシー「ああ、大丈夫。
その戦闘員は《元七罪》だったりはしないわ。安心して?その家畜はもっともっと品性の無い日本側のただの卑しい鼠よ。でもまあ…元七罪のアレよりはマシな姿かしらねえ。
ちらり、と蔑身の視線をシェロに送る。
エヌシー「あなたが今、気にしたのは日本最強の七罪「暴食」の事かしら?ふふ、…大丈夫よ?彼女なら、全然大丈夫」
含み笑うエヌシー。
言いたくてたまらなそう、といった感じだ。
シェロ「私の幼馴染を…どうしたの!答えなさい‼️」
ついに激昂してしまうシェロ。
エヌシー「彼女なら…しばらくはワイングラス置きだったけれどその後クォーツォ様に直ぐに飽きられ、今はたしか…ええと、廊下の置物飾りを経て、屋敷の一枚の扉の【ドアノブ】に魔法で変えられていたかしら。勿論、石化したそのままの…裸の姿でね。クリトリスはまるで男性の性器の様に肥大化し、そこを掴むの。あ、ちゃんと金属化してあるから割れたりはしないわ♪
あとね…鍵穴は、「膣」(ヴァギナ)よ。」
※(イラストは採録・シェロの抱いたイメージです。陰毛はおかしいですがご容赦ください)
頭に浮かぶのは、世にも惨めな幼馴染の姿。
シェロは、歯を食い縛る。
鍵穴がもしそこならば、そこに何かを差し込まれたら、彼女のあそこは…!
シェロは、自分が生まれて初めて、なりふり構わない感情に囚われかかっているのがわかる。
それは、怒。
エヌシー「ああ、そうそう。
扉といっても」
シェロの中で何かが限界を迎える。
1番いいたそうな言葉を嬉しそうにはく、エヌシー
エヌシー「トイレの、ね」
💥ブツーーー
シェロ「うっうわああああ‼️‼️‼️」
シェロの中で、何かが切れた。
あまりの侮辱。
最強を目指し続けていた誇り高い彼女に対し、それはあまりにも許せるものではなかった。
手に持つボールを投げ上げ、一瞬でエヌシーに対し振りかぶる。
その顔はまさに鬼の形相…
エヌシー「ああ…これが最高の瞬間❤️…傲慢は沈着冷静と聞いていたけど、とんだばかだわ」
次の瞬間、怒りに憤慨しながらも鋭いシェロのラケットサーブは、虚しく空を切った。
シェロ「⁉️」
ボールには当たらずに。
ラケットのスイングで思わず回転してしまうシェロの、その視界には、ボールを手につかみ、立っている怪人メイド《メイド・オン・デス》が映る。
シェロ「くう…うっ!」
倒れかかりそうな体を立て直すと、サーブという置き場を奪われた怒りでシェロは怪人に掴みかかる。
シェロ「かえせ‼️プエラを…かえせえー‼️」
しかし、怪人は再び視界から消え、直後、視界が塞がれる。
そして、シェロを圧迫の激痛が襲う。
怪人メイド・オン・デスに、体を締め上げられているのだ。
鍛えられた長身がシェロの細身に巻きつき、体重と圧迫を容赦なく仕掛けてくる。
ミシミシと、骨が音を立てるようだ。
強い…私では到底敵わない。
この敵は一体何者?
捕虜…しかし、こんな体格で力強い日本の女神がいたとは思えない。それこそ、会長にタメをはるかのような…
ハッとなるシェロ
いる。
1人だけ。体格も、実力もプエラにさえ並び立つ猛者が。
しかもその人物は、この富士山のふもとで消息をーーーー
だが、次の瞬間。飛び上がった怪人が長く鋭いネイルをつけた手を縦に一閃。
シェロは頭の特徴的なリボンからシャツ、スカートから下着まで、全てを一刀のもと切り裂かれる。
一瞬で全裸にされたシェロは、さらに数撃の打撃を浴びせられる。
腹に、背中に、脇腹に。爪による斬撃は、あえて殺さぬよう、痛みを感じるよう、撫でるようにシェロ乃体を這う。
一瞬の連続攻撃。それで一気にシェロの体は動かなくなった。
シェロ「げ、ゲフ…アア…あ…」
痛みにうめくシェロを、髪を掴んで引っ張り起こす、メイド・オン・デス。
これが、本当にあの人物ならば…
何があろうと主人であるヴァンパイアを、浦夜晴臣を裏切るはずがない。
シェロ「あな…た…何を…して…はやく…戻りなさい…はや…く…」
エヌシー「ああ、そうそう。」
ちなみに、言葉での説得や、情を持っての説得は無理よ。そういう物語でヒーローやヒロインの優しさを際立たせるような演出とか、そんな夢が通じるようなものと違うのよ「コレ」は。完全なる洗脳と服従。そういう干渉不可能な形態。
ふふ、貴女もこれからこうなるのだから、すぐに分かるわよ?彼女の今の気持ちが。まあ、その頃には、あなたのプライドも幼馴染を好きな気持ちも、全てが完全に変容してしまっているだろうけれど。」
直後、エヌシーは、少し気分を害したような表情になる。
エヌシー「女なんて…みんな家畜になるべきよ。偉大な方の専用家畜に。
勿論、貴女たち日本の雌なんて、遥か格下。
全員捕らえて洗脳した暁には、そいつと同じ姿で顔も見えない、話さない、『体系』以外全て個性の無い、醜い兵隊として、ただの忠実な下等戦闘員として全員私の前に整列するのよ。
日本の女の洗脳と征服。戦闘員化。私はその役を任されているの。貴女と同じ七罪の頭脳、ブレインなとしてね。
ただ、暴君であるあの方は貴女たち七罪をコレクションだなんて、有意義なものにしようなさってる…そんな価値などないのに。困ったご趣味だわ。
けど…最後には必ず、貴女たちは全員単なる洗脳奴隷戦闘員として私の僕になるのよ。
まずはあなたから。頭脳派の、戦闘員2号?」
戦闘員….2号?
こんな…こんな醜い姿にされる?
女性としての美のかけらもない、個性を全てマスクで封印し、顔や恥部には虫をつけられ、見分けもつかない、からだの『体型』でしか分からないような、戦闘マシーン。
言葉一つ発さない、その権利さえない奴隷。
こんな惨めな姿に…
わたしが….される?
いや….
でも、体が動かない。
勝ち目なんて…全く無い。
悔しくて、情けなくて。
…怖い。
シェロ「いやあ…なり….なりたく…ないい…」
目から溢れる涙。あまりの情けなさと、痛さと、怖さ。
怖い。生まれて初めての、恐怖。
ずっと、プエラに助けてもらっていた。守ってくれていた。
しかし今は助けに来てくれない。それどころか、彼女はトイレのドアノブなんて、無機質な物体になってしまった。何もできない。守ってなんてくれない。
だって彼女も惨めに成り果てたのだから。
弱い私は、もっとそうなる。
完全に、そうなる。
逃げられない。
来なければ良かった。
みんなに、助けを求めていれば…
会長以外気を許す相手なんていない、プライドの塊。そんな自分だったから、悪いんだ
私が、悪いんだ。
たす…けて。
エヌシー「あらあら、えぐえぐと泣いて…あなたは傲慢でプライドが高いと聞いていたけど。幼馴染に守ってもらえなきゃ、ただの弱く女々しい女の子だったのね。…まあ、女なんてみな、皮を剥けばそんなものだけれど。どうやら、貴女のような弱者には、私の《あの力》を…使うまでもなかったようね。」
メイドオンデスはそのままシェロを持ち上げ、首を絞める。
口から泡を拭きながらも、我を忘れてただ、イヤイヤと恐怖するシェロは、子供のようだった。
もはや、幼馴染を助けようという感情さえ、彼女からは完全に消失していた。
プエラは来てくれない、裏切られたなどと、無責任な考えさえ浮かぶ。
壊れかけた心が、彼女自身にもわかっていた。
エヌシー「そこのメイド副隊長。これからこの女を洗脳します。まずはこの魔法札を…あら?いない。
…全く、あの子達は皆、メイドオンデスを恐れるのよね。ふふ…それとも、私が怖いのかしら。困ったものねえ。」
エヌシーは、メイドオンデスに命令する。
エヌシー「そのちょうどいい太さの木に磔にするわ。上下逆さにね。体を抑えなさい。」
まだどうにかもがくシェロのみぞおちに一撃をくらわせ、完全に昏倒させるメイドオンデス。
エヌシーは懐から札を取り出す。そこには「変」と筆文字がかかれていた。
動かなくなったシェロを上下逆に磔にし、木の幹を背中にして手を回させ、木に触れる手足にこの札を貼り付けると…
魔法が発動し、みるみるうちにシェロの手足が木と一体化するように変化していく。
エヌシー「これは変質の魔法よ。あなたの体を木に変え、一体化する。安心して。全身を木に変えるのは、まだすぐには許してあげる。
しかし…困ったわ。クォーツォ様は七罪をその場で料理する前に必ず連れてこいと言われているし…ここで洗脳するのは問題ね。ここで何らかしらするには何が理由がないと。…そうだわ!」
嬉しそうにひらめくエヌシー。
エヌシー「木に磔たのだから、アレを使い…この子に『仕込み』を行いましょう。そして…ふふ、これは名案だわ。そうと決まれば、この木をさらに変質させる。生殖能力を持つ、触手にね。
さあ、目を覚ました貴女は、地獄の光景を目にするでしょうね…さようなら、「傲慢」。
🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑
どのくらい時間が経っただろう。頭が痛い。
お腹が痛い。
シェロは、張り裂けるような腹の痛みと吐き気で、我に帰る。
口には、木の根のようなものが押し込まれている。
そこから、何かの液体と、ジャガイモひとつ丸々くらいの巨大な丸い固形物が送り込まれ、飲み込まされている。
吐き気は、それによるものだ。
それだけではない。下半身の方には…
シェロ(おっお尻⁈い、いやあ…!?なん…で⁈)
生まれて初めての感覚。尻からはまだ一度も検査のカメラさえ入れた事がないシェロは、そこに何かが逆流して送り込まれている感覚に、更なる吐き気を覚える。
それだけではない。この異様な感覚は…
まさか、し…
エヌシー「子宮も膨らんでいるのよ。ふふ。
口、肛門、膣。全てからこの魔法で魔物化した樹木の卵を産みつけさせてもらったわ。」
シェロ「……」
目の前が、真っ暗になる。
私は、失った?
処女をーー?
昔、幼いプエラと、互いに開いたばかりの膣内を見せ合い、芽生え始めた恥ずかしさを前に笑っていた。ふたりの処女膜にある小さな穴の形を、プエラは星の形。私は三日月…
これを将来男なんかに捧げるなら、いつか2人で…
そんなプエラも、恋をしてしまった。
そして、私は、
わたしは、こんな、ところでーー
エヌシー「安心しなさい?もし魔法媒体である処女膜を破壊されていたら、貴女は魔法を魔法と認識できないし、ヴァンパイアに関する記憶も失っているはずよ。違うでしょう?
そう、処女膜は無事よ。子宮の中の卵子もね。」
シェロ(!!よ…良かった…うう…)
ただ子供のように、涙が溢れた。私はまだ、もしかしたら…大丈夫
エヌシー「ただし。『子宮の中』はもう終わっているわよ。」
ギクっとなるシェロ。
磔にされて見にくいが、自分の腹部が膨張しているのがわかる。
これはつまりーー
エヌシー「あなたの胃・腸・子宮全てに、魔物樹木の卵を模した、魔法卵を産み付けたのよ。これは、クォーツォ様が貴女を、そして日本の全ての女を支配するために入れ込んだカード。その恐ろしさはすぐに分かる。」
腹が、張り裂けそうに痛い。
赤ちゃんを作るための大事な場所が、異物をいれられ醜くふくれ、悲鳴をあげているのだ。
悔しい。
かなしい。
惨めだーー
しばらくして、腹の卵が胃や腸、子宮内で互いにぶつかり、さらに巨大化し、ボコボコをはらを突き破りそうになっているのが分かる。
しかも、その痛みが、おかしい。
いたいのに、なんだかそれが心地よくさえ感じて。
さっきから、ずっと感じていた。
悔しいのに、体の感覚だけは、まるで天に登っていくような。
私の、心を無視して。
もう、だめだーーー
シェロの頬を諦めの涙が伝うと同時に、体がビクンと震える。
痛みと腹が侵される感触が波となり、全身を突き抜ける。
シェロ「なっなにかあ…っ
はへっく、くりゅう…っ」
白目を剥きくけるシェロは、アヘアヘと呻く。
ビクン‼️
次の瞬間、シェロの体が大きくつっぱる。
この感覚は、昔プエラと性器を見せ合い、互いのものを優しく愛撫しているうちに突如、押し寄せたものと似ている。
そう、自分は、
絶頂したのだ。
しかも、プエラでもなく、敵の魔法、こんな気持ち悪い屈辱的な状況下で。
既に完全にプライドなど砕け、ビクビク放心状態のシェロの股間からは、みっともなくオシッコが流れる。
それは突き出た腹に当たり、体を伝うって顔まで流れてくる。
絶望ーーー
もう、何もかもどうでもいい。
この砕けたプライドは、戻らない。
あの怪人のような、何も考えないただの奴隷にでもなればいい。
自分は今日、死んだ。
幼馴染と引き剥がされ、2人とも、終わったのだ。
もう、逃げたい。
いなくなりたいーー
エヌシー「ああ、ただし、内緒よ?貴女の処女膜を傷つけずに子宮内に卵を送り込んだ方法は。
女性を魔法で支配する場合、子宮内に魔法陣を形成するのが一番いいのよ。ただし、処女膜を破れば全て水の泡…。だからこの方法を知っているヴァンパイアは、敵ヴァンパイアの女を寝取れない場合も強制的に洗脳支配する事ができる…。あなたは無事よ?まだ何も終わってはいないのよ。無くしたのはプライドだけ。ふふ、そのまま、仲間のところへ返してあげる。そして、存分に広げてもらうのよ。彼の方の中の…
て、もう聞いていないようね。弱い女。
…私もね、もともとは日本人だったのよ?けど、今はあの方の国にいる。地図にもない、裏世界の楽園。私は弱くないわ。貴女たちのように、見た目の麗しさだけは立派な女神がさなんて、最後には負けて奴隷になる。でも、私は、私だけは、決して…」
エヌシーは目の前に直立した戦闘員を見る。
全裸より見っともない格好で、起立直立している無様な家畜兵隊。乳首は陥没しているが、少し頭を出している。クリトリスも蟲の頭部口元から、少しだけ頭を出している。
エヌシー「奴隷のくせに、戦闘員なのに、快楽だけは感じているのね。なんて卑しい。
メイドオンデスは、ただ命令を待つ。
エヌシー「そこに平伏しなさい。家畜。日本流の土下座よ。そのまま尻を天高くかかげ、それを大胆に振りながら、私の靴を舐めるのよ犬のように。与えるように。」
すぐさま、はっはっと犬のように荒い息で戦闘員は手をついてしおらしく土下座した。頭を擦り付け、てを頭の前で揃える、日本人特有の奥ゆかしいシルエットの土下座。
そしてその後無様に尻を高く上げながら、巨大なそれを、惨めにぶるんぶるんと振りはじめる。
そして、舌を伸ばすのではなく、しゃぶりつくように、舌で男性の一もつを舐めるかのように、エヌシーの靴を舐め始めた。しかもその表情は…高揚し、火照り、口元は嬉しそうに笑っていた。
まるで、惨めさに狂っているかのように。
エヌシー「おまえの中の本心・本性…そして願いは、そんな風に飢えているのね。その舐め方。本来は愛するものを舐めるための舌を、こんな汚い靴に…哀れだわ。なんて末路。」
だが、突如、立ち上がる戦闘員。
エヌシーは、少しはっとする。
自分よりも気配察知に優れているのだ。メイドオンデスは。
エヌシー「…‼️守れ!私を‼️」
エヌシーが叫んだ瞬間。
💥パアアアン
上空からの強烈な衝撃が、エヌシーを襲った。
もっとも、それは奴隷であるメイドオンデスが身を呈して背中の肉を壁にして守ったのだが。
しかし、その場には留まれず、衝撃で吹き飛んでいくメイドオンデス。木に叩きつけられる。
バン‼️
エヌシー「くっ!なんて威力!…貴女は?一体!」
その視線の先には…
一本の木の伸びた枝の先。
大開脚でその上にたつ美しいシルエット。
観るものを魅了してやまないであろう、はちきれんまでのボディ。
メイドオンデスや暴食のプエラたちの様な、鍛えられた体と違う、女性らしいふくよかな体。
それを、ほんの少しの紐と布だけがかくしている。
乳輪さえ妖しくも魅惑的にのぞかせ、その花園…膣には花びらがかすかに見えるほどに食い込んだ紐のような鮮やかな色のエロティックコスチューム。
マスクの色も派手で、それはさながら、日本の官能物語に登場する正義のヒロインといった出立ち。
たなびく、頭頂の2本のテールに結った髪を織り込んだ、大きく開かれた目だけが見える、ヒーロー系の頭部マスク。
体を美しくくねらせ、木の頂上から背を見せて飛び降り、夕日の前で振り返る美しきその姿。
まさしく、正義のヒロイン。
かすかに目は開いているシェロ。生気はほぼ無いながら、その姿を見る。
シェロ「……」
???「ごめんなさい…間に合わなくて。今は…眠って。
あとは…この私に任せなさい」
バッと身体を翻し、月を背に、尻を見せつけセクシーポーズを決める。
???「月夜に舞う女神のシルエット!
美と魅了の技が悪を砕き散らす!
その名は❗️
ミューズマスク❗️
愛とともに、ここに見参‼️」
そして、戦闘ポーズをセクシーにとる、ミューズマスク。
ミューズマスク「善意の美を汚すものよ、新略の火も悪意も、この胸で包んで封じてあげる‼️」
シェロ「みゅ…ミューズ…」
そのまま気を失うシェロ。そばに降り立ったミューズマスクは、木からシェロの手足に貼られた魔法のお札を剥ぎ取る。
すると、シェロの手足はみるみるうちに元に戻っていく。
あれだけ膨らんでいた腹部も、嘘のように小さくなってゆく。
舌打ちをする、エヌシー。
ミューズマスクは、ほとんど元の姿に戻ったシェロをマスク裏から取り出した布を被せ、柔らかめの繁みに寝かす。
そして立ち上がると、対峙する二人を気丈な視線で睨む。
エヌシー「正義の戦士…ね。ふふ。まあいい、その子への《仕込み》は既に終わってる。それと、いっておくけれど。」
ミューズマスクと合う、睨み合う視線。
エヌシー「その子も含め、ウチのあのメイド服隊長も、そしてそこの奴隷怪人も
人生、一度でも敗北したら、それで終わり。分かる?次なんでないのよ。一度負けた女は、奥底に負け癖がついてしまってね。病魔のように蝕まれる。
気づいたら、また負けて、また負けて。いつしか周りからも、無意識に負けると、敗者だと認識され…負けに溺れていく。
しまいには、また負けないと、自分ではなくなる。そこに存在価値すらなくなってしまう。
勝てないなら、負けた方が価値がある、喜ばれる生き物なのよ?女はみんな。
だから、私は負け知らずなのよ。永遠に。そして、貴女はどう?」
ミューズマスク「………敗北は、決して恥ずかしい事では無いわ」
エヌシー「ふふ、そーお。
けどぉ。負け惜しみね。私には見えるの。「敗北」が。
あなた、負けた事があるわね?正義のヒロインさん。それは永遠のトラウマになり、貴女をまた同じ敗北へと誘う。
分かる?…結果は決まっているわ。」
魔法の風が、流れる。
エヌシー「あなたも、バカ(洗脳)にしてあげるーーー」
続‼️‼️‼️‼️
🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙
対峙する正義のヒロイン、対するは暴君の七罪とその戦闘員!
緊迫の戦いが、今始まる!😌
第3話は、ミューズマスクとエヌシーの対決!
しかし、メイドオンデスがさらに立ち塞がる!
そして、一見体が元に戻ったシェロだが、その体にはあるものが仕込まれていて…
晴臣勢、超劣勢!
このまま、敗北連鎖が始まってしまうのか?
そんな事はない!
勝ってくれ、僕らのミューズマスク‼️
(Twitter等では既に負けると公言済み笑)
いつもながら急いで書いた誤字だらけで文法めちゃめちゃの文章で申し訳ないです。(-∧-;)
残念ながら、漫画しか描けない作家ですので才能が(íoì)…読みづらいですね…すみません。
また、今回メイドオンデスさんが、エヌシーの靴を尻を振りながら嬉々として舐めているイラストを、残念ながら時間の関係でイラストにできませんでした。[>=<]こちらは後に補完としてイラスト化したいです。
次回予告‼️
🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙
メイドオンデス恐るべし!
日本の希望、ミューズマスクの攻めがセクシーに決まるも、メイドオンデスは怯まない。その正体とそこから発される衝撃の自白!
さらにエヌシーには更に隠された力があり…
そこに現れたのは、史実には存在しない、魔法に支配されたハイパーエリカ❗️
ミューズマスクの美しきセクシーボディが、猛攻の前に破壊されていく‼️
次回、夜縛エクストラ
第二話
「貴女を馬鹿にしてあげる。ミューズマスク、華麗の敗北‼︎」
女神の尻で…お仕置きよ💗
🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙🌙
絶対みてくれよな!
(お楽しみに!)
(^q^)✒️✨✨