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辺境の地にあるリンツ島には、島への訪問者、特に権力者や富豪に対するもてなしとして、若い娘を夜伽として差し出すしきたりがある。一晩限り寝屋を共にして、男に満足してもらう。

村の便宜を図ってもらうため、また近親姦によって血を濃くしないための古くから続く因習だった。

とりわけ男と交わりを持ったことのない生娘に夜伽をさせるのは、客人に対する最大級のもてなしとされている。

この日、島を訪れた赤髪があの「飛行島」の主だとわかると、長老が差し向けたのは巫覡の末裔、エマ・イングラムだった。

すでに両親を亡くしており親族もいない。美しく、年頃の生娘。まさに客人の贄とするには相応しい存在だったのだ。


「これが……しきたりですから。」

宿屋の閨で半裸になって、エマはその美しい体を晒す。

「はやく、済ませてください……。」

決してこちらを見ようとはせず、小さく震えていた。その瞳には涙が浮かんでいた。

その顔があまりに悲しそうだったので、せめて気持ちよくしてあげようと決意する。

優しく唇を合わせると拒絶の反応を示されるが、構わず舌を割り込ませ、その穢れのない美しい体を貪った。

確かに彼女は生娘だった。

 *

エマの身体を一晩中愛し続け、その喉から嬌声が高らかに溢れ出るようになった頃には、すでに朝陽が昇りはじめていた。

睫毛に溜まった涙を拭ってやり、もう一度だけ口づけすると、くたくたになった身体はすぐに眠りに落ちる。

朝起きると、宿屋にエマの姿は無かった。

嵐の国の傭兵部隊によってリンツ島が侵略されたのはその次の日のことである。

事前にそれを察知していた赤髪は、飛行島から呼び寄せた飛空艇団によってそれを殲滅する。

もし侵攻を止められていなかったなら、エマも他の娘たちも、傭兵隊の慰みものにされていただろう。

確かに村民たちの生命と財産を守ったのだ。

それであの晩の対価は支払った、と思っていた。

……後日、お腹の子を認知してほしいと言われるまでは。

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Comments

せれす

エマちゃん……リンツ島の住人ひどい!(いいぞもっとやれ 高解像度なのもめちゃありがたいです!(:3⊂3)

nekotoraya

田舎の島の因習は恐ろしいですね🙀 解像度高めにしてみましたー!