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マールは学園寮のルカの部屋に遊びに行くところだった。

春休み期間、学園は人が少なく、ガランとしている。

その途中、校門の入口あたりでうろうろしているヴィレータの姿を見つけた。天使仲間であるヴィレータとリスティは、ルカ繋がりで何度か交友がある仲である。


「ヴィレータちゃん!どうしたの?」

「あの…。ご主人さま……いえ、ルカさんにお届け物があったのですが、場所がわからず……。」

「へー、プレゼント?中身は?」

「いえ、通販の品物らしいです。中身はわかりませんが、事務所の寮の方に届いていたので…。」

「そうなんだー。あたし、届けようか?これからルカんとこ遊びに行くところだったんだよねー」

「…わかりました、ではお願い致します。」

ヴィレータから受け取った小さな箱は、大きさの割には意外と軽い。ラベルには「PC機器」と書いてある。

「ぴーしー機器?なんだろ」

ともかく届けてしまおう。マールはルカのいる部屋に向かった。



(あれ………ルカ、泣いてる?)

異変に気づいたのは扉の前に来たときだった。微かに声が部屋の中から漏れてくる。耳を済ませると、苦しそうに息をしているような感じだった。

(調子悪いのかな。)

「あっ・・…あああっーーー!」

(・・・!)

いきなり大きな声が響いたので、びっくりして尻餅をつく。急いで扉を開けようと思ったが、鍵がかかっていることに気がつく。

(そうだ、窓の方にいってみよ)

ルカの部屋は寮の三階にあるが、空を飛べるマールにとっては何の障害もない。近くの窓から外に出て、ルカの部屋の裏に回り込む。

そこで見た光景は驚くべきものだった。

(あ……あれって・・・・・!)



マールはひとり、自分の部屋に戻っていた。

手元には潰れてしまった箱。びっくりして尻餅をついたときに、踏み潰してしまったのだ。とりあえず中身が無事かどうか確認するために包装を開けると、出てきたものは不思議な形状をしたものだった。

「これ…さっきのアレだよね……。」


ルカの身体に突き刺さっていたもの。

先程目にした光景が脳裏に焼き付いている。あのはつらつとしたルカが悩ましげに身体をくねらせながら、自分の手でそれを出したり入れたりする。その表情は恍惚としており、苦しいというよりはむしろ気持ちよさそうに見えた。

今手元にあるこれは、あれと形状が微妙に違う。というかより一層に禍々しい形をしているものの、目的が同じであることはすぐにわかる。男性のアレを模した棒。しかしこんなに大きいのは見たことがない。

「こんなの……本当に気持ちいいのかな。」

手で持ってみると、柔らかいのに芯はしっかりしている、手にずしりと重量感のある代物だった。

ぱんつの上からぎゅっと押し当ててみると、じわりと気持ちよさが拡がる。


「あ……これ…いいかも」

ただ上からぎゅっと押し付けて、少し擦るだけで、痺れるような感覚が伝わる。

「ん……」

ぱんつの上からだともどかしくなってきて、脱いで直接そこに当てる。

そしてついに気持ちよさの源を突き止めた。おしっこの穴のちょっと上のあたりに膨らんだところがあり、そこにぎゅっと押し付けるとびりびりとした感覚が強くなった。

「こ……ここ…っ」

道具の先端でそこを何度も往復するようにこすり付けていると、段々とぬらぬらした液体が出てきて滑りが良くなってきた。

初めて味わう感覚。いや、今までも運動のときなどに時々びりびりと感じることはあったが、その原因までは突き止められなかった感覚。しかし今ははっきりとわかる。ここを刺激すれば気持ちよくなる。

だんだん手に入る力が強くなって、前後に動かす速度も早くなる。そして気持ちよさが頂点に達したかと思われるときに、手がぬるりと滑った。


「あ…ああっ!・・・あ…っ・・・・・!」

一瞬、何が起きたのかわからなかった。全身を貫くような激痛が走り、呼吸ができなくなる。先端をこすりつけていただけだったその道具が、深く身体に突き刺さっていた。

「あ……か…はぁ……っ!」

その刺激の強さに耐えきれなくて、全身を震わせながらマールは失神した。


「ん…っ!!ああっ……!これっ……」

あの日から、すっかりマールはこの道具がやみつきになってしまっていた。

最初こそ痛みがあったものの、だんだん痛みは無くなっていき、逆に気持ちよさが増大していく。


色々と試しているうちに、気持ちいいところは全部で三箇所あることに気がついた。1つは入り口の上にある小さな豆のようなところ。その道具が二股に分かれているのも、そこを刺激するためだとわかった。入れる前に、まずそこを擦るとだんだん濡れてきて入れやすくなる。

2つ目は一番奥のところ。指では届かなさそうな場所も、この道具なら奥まで簡単に届いてしまう。手で何度も出し入れすると奥の壁にコツンとあたり、そのたびに全身が震えるほど気持ちがいい。豆のようなところを弄るよりもずっと深い気持ちよさだった。

3つ目は少し入ったおなか側の上のところ。ここを軽く振動させるようにして刺激すると、頭が真っ白になりそうになる。この道具はちょうどそこにイボイボな突起があって、刺激しやすくなっている。さらにスイッチのようなものを押すと、微振動を始めて強制的に刺激される。

この道具は、三つの気持ちいいところを同時に刺激してくる、恐ろしいほどよくできたアイテムだった。

「ああっーー!あああーー!あああっ!!」

透明な汁を吹き出しながら、背中を仰け反らせて絶頂する。

でもそれで収まることがない。この道具を抜かない限りいつまでも刺激は終わらず、連続で絶頂を続けてしまう。


最終的には喉がカラカラになり、クタクタになるまでイき続け、そのままベッドで寝落ちてしまうこともしばしばだった。



そんな日が続いたため、マールはげっそりとした顔で元気がなく、目に隈を作ってしまっていた。ただ座っているだけでおまたがむずむずしてきて、あの道具を使いたくなる。


「マールさん。ちょっとお話があります。」

新学期が始まったというのに教室で居眠りをしていると、ルカが笑顔で近づいてきた。その笑顔はまるで母親のように慈しみがあり、そして威圧されてしまうほど怖い笑顔だった。


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