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トシン島では本番行為を提供する風俗店は法によって禁じられている。そういった店の多くはバックにギャング団がおり、彼らの資金源になっているためだ。

だが完全に撲滅することはなかなかできておらず、今も隠れて営業している店が多いという。

自警団の新人リルテットは、そういった店の一つに潜入し、その営業実態を暴くことにした。


「こ…こんな格好で……」

リルテットは簡単な面談のみですぐに店員として採用される。表向きはごく普通のマッサージ店を装っていたが、一つだけ異質だったのは、裸で施術するということだけだ。


とはいえそれだけでは違法にならない。実際に本番行為が行われているかどうかを確かめなくてはならない。


客の男が個室に入ってくる。

相手も裸である。だがするのはあくまでもマッサージ。

身体を密着させながらも、相手の身体を解すように指圧などを繰り返していくだけである。

とはいえ、男女が裸で密着し続けて、それだけということにはなかなかならない。

相手も裸ということは、それの状態もよく見えるということである。ありえないほどに太く起立したそれは、否が応でも視界に飛び込んできてしまう。


「うーん、マッサージの腕ははいまいちだけど、君は可愛いから許すよ。それじゃ、こっちも使わせてもらうね。」

「ちょっと・・何を…っ!」

それまでずっと受け身だった客が、急に動き出す。男の力で組み伏せられると抵抗ができない。なによりも、身体を守る布が一枚もない。

「く・・・あああっ」

男のそれがねじ込まれる。だが驚くほどあっさりと身体はそれを受け入れてしまった。

「へへ、もうぐちょぐちょじゃないか。そんなに入れてほしかったか。」

「そ…そんな…」

マッサージで身体を密着させているうちに、いつの間にかすっかり準備は整っていたらしい。汗と潤滑液でぬめるそこは、ずっぽりとそれを咥えこんでいた。


「ま…まって…そんな…っ!」

激しいピストンに、細身の躰が翻弄される。

やはり本番行為を提供する店だったのだ。その確証を得ることができた。

だがどのタイミングで切り替えればいいのだろう。今ここで自分が自警団であることを名乗ったところで、裸の自分に何ができるだろう。

何よりも、どれだけマッサージをしても反応がいまひとつだった客が、嬉しそうな顔をしているのが気がかりだった。なんであれこの人を満足させるのが自分の仕事ではないのか……。


そう迷いを感じているうちに、男の動きが急に止まる。

「うっ……」

中に入っているものがどくどくと収縮し、膣内に白濁が吐き出されていった。

出したばかりのそれが引き抜かれると、どろりとした感触が肌を伝う。


「気に入ったよ。また指名するね。リルちゃん。」

シャワーを浴びると、客の男は満足げに帰っていった。リルテットそんな姿をぼーっと後ろで眺めているだけだった。



(これで証拠は掴んだ。あとは問い詰めるだけ。)

まさか中出しまでされるとは想定外だったが、怪我の功名と云うべきか、動かぬ証拠は得ることができた。

ちょうど別の店員の女の子が控室で休んでいたので、少し話を聞いてみることにする。


「あら、新人?」

「リルです。あの…ここって客と本番行為をするんでしょうか」

「あはは、面白い子ね。どういうお店だと思ってたの。裸の男女がすることっていったら一つでしょ。」

「でも、本番の行為を伴う接客は違法だって……」

「あんたねー。店長にそうしなさいって言われた?」

「その…裸でマッサージしろと…」

「でしょ。別に強制はされてないわけ。たまたま店員と客が恋に落ちてしまって、えっちまでしちゃった。そういう事になってるの。」

「そんな……」

たしかに裸で抱き合っているうちに感情が高ぶり、気がつけば自分も受け入れてしまっていた。

「ほら、コンドームとかも部屋に無かったでしょ。あれがあると売春業と見做されちゃうから店には置いておけないのよね。だから持参しなきゃ。」

「う……」

きっちり中出しされてしまったことを思い出す。


「どこの育ちのいいお嬢さんだか知らないけど、変な正義感起こして店を通報なんかしないでよね。こっちは好きでやってるんだからさ。」

「そうなんですか?」

「当たり前でしょ。こんなに楽に稼げる仕事、そうないんだから。それに通報しても無駄だよ。悪いことは何もしてないんだから。」

「確かに…そうですね……」

さっきまで店を取り締まる気満々だったのに、同僚の女性の言葉が深く突き刺さる。たしかに本番行為をするように強制されたことはないし、自分がしたのは単に流されただけだった。だが実際にそれがされているのは事実であり、このまま引き下がるというわけにもいかない。


自分はどうすればいいのだろう。

リルテットはもう少し潜入を続けて様子を探ることにした。

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