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聖女様が背中を流してくれることになった。

彼女はさして恥ずかしがることもなく、服を脱ぎ、慣れた手付きで邪魔にならないように髪を後ろに結び、一緒にお風呂場に入った。

「それじゃあ、最初に身体を洗いますね」

温水のシャワーをまず手にとって、自分にかける。温度を確かめて、温かいことを確認している。なんと気がきく聖女様なのだろう。

だから少しだけ意地悪したくなった。


「わ、私はいいのですよ…!」

聖女様に洗ってもらうなど畏れ多い。まずは自分が洗って差し上げなければ。

半ば強引に椅子に座らせると、スポンジを泡立てて彼女の背後に立つ。

しかしそれ以上抵抗することはなく、されるがままに聖女様は座っていた。

その肩はなんと小さく、背中は狭いのだろう。

この小さな背中で、世の中の罪の多くを背負おうとしている。


鼻先に髪が触れると、ふわっとシャンプーの香りがする。

腕に触れると、柔らかい肌がまるで生まれたてのようにすべすべだった。


聖女様に汚いところなどどこにもないが、それでも洗って差し上げるのが礼儀というものだ。

まずは背中から、少しずつ清めていった。





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