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「やっぱり…勇気を出してお願いしてみよう」


キュアはひとり小さく拳を握りしめる。

お願いすれば彼が『友情覚醒』してくれることを知っている。

闇の王子としての力を一時的に授かる儀式。

だがそれは身体を重ねることが含まれるので、ジューンブライドで初めて出会った時は恥ずかしくてお願いできなかった。


でもクリスマスで再会して、またお願いできるチャンスがやってきた。


前に幾度か友情覚醒したことがあるというコリンに話を聞くと、意外とあっさりとしていてすぐに終わるらしい。

だが他の人にとっては単なる力を授かる儀式でも、自分にとっては特別なことだ。

それは好きな人と身体を重ねることなのだから。



渾身の勇気を出してお願いすると、あっさりOKをくれた。

しかし心の準備はできていない。もちろん、入念に身体を洗い、普段あまりつけない香水を振りかけるなど、できる限りの準備をしている。でも心臓がドキドキして破裂しそうだった。


ベッドに横たられると、服をすこしはだける。キスなどはしなかった。少し残念だったが、でも構わない。これからもっと凄いことをするのだから。

もうとっくに準備ができているそこをまじまじと見られて、恥ずかしくて死にそうになる。そして、太くて大きなそれが侵入してくる。


「ん……んっ……!」

少し苦しかったが、それ以上に幸せな気持ちが大きい。

彼とゼロ距離で繋がっている。二人の間に何も隔てるものはなく、いちばん大切なところで彼のそれを受け止めている。それがこの上ない至上の喜びで、それだけでもう意識が飛んでしまいそうだった。


「私……幸せです……!」

もしかしたら彼はこれまで数多くの女性を抱いてきたのかもしれない。でも今は、今だけは自分だけのものだ。意識の全てが自分に向けられている。独占している。その愛を一身に受けている。まさに一つに繋がっている。


「はぁん……んっ……ん…!」

彼のそれが優しく奥をノックするたびに、昂ぶりがひときわ強くなっていった。

だんだんとそのペースが速くなっていって、終わりが近づいているのがわかる。

終わりたくない。いつまでもこうして繋がっていたい。でも、それを受け止めるのも待ち遠しい。


お願いする日付はよく選んでいた。一番結ばれやすい時期を選んだのだ。願わくばこの一時だけならず、生涯の絆となれるように。

その時、左手の小指に赤い糸が見えた。普段は不幸の印である青い糸しか見えないのに。

赤い糸が、自分と、彼を結んでいる……!これは運命の証…!


「んん…はぁ……っ!!!」

そして待ち受けていたものがやってきた。彼の愛の証が、身体の一番奥に注がれる。その熱さと、身体の昂ぶりと、この上ない喜びで、そのまま意識を失ってしまった。



気がつくと独りでベッドに眠っていた。

ハっとして辺りを見回すが、誰もいない。

あれは夢だったのだろうか。自分の願望が見せた妄想の夢…?

赤い糸なんて見えるはずがない。自分と彼が結ばれる、そんな運命なんて……。


だがまだ胎内に残るほのかな余韻は、その幸せを確かに留めていた。


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Comments

カイビャク

遂にキュアが参戦ですね~。 こうなるとこの赤い糸がどこまで続くか、気になってしまいます……。

Dgr007

繋がった……ということは某光巫女さんや某魔障さんをも出し抜いたってことですよね…キュアちゃんやりますねぇw