禁断の闘い その2 (Pixiv Fanbox)
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紗織の唇は柔らかで甘く、玲香はとさろけそうになる。抱きしめたい気持ちを抑えきれず、紗織の身体に手を伸ばしかけたところで紗織がふいに体を突き放した。
「今はだめ。。続きは試合の後。ね?」
もはや玲香に選択肢はなかった。
翌日、玲香は社長室に向かい、試合を受ける旨を伝えた。金田は特に喜ぶ素振りは見せなかったが、まるでもうすべてが決まっていたかのように手早くイベントの準備を始めた。
試合当日。
人気コンビ同士の対決という好カードの効果で会場はあっという間に満席となった。
第一試合、第二試合、第三試合と進み、いよいよ二人の対決を迎える。
「おまたせしました。本日のセミファイナルは、皆さんお待ちかね!美人すぎる仲良しコンビ同士の無情なる闘いだぁ!」
悪趣味な紹介にムッとしながら玲香は入場口からリングに向かった。
紗織は先にリングインしていて、コーナーにもたれかかりながら玲香を待っていた。
いつも見慣れた真っ白なワンピース。脚の付け根に小さくフリルがついていて可愛らしい。手には花嫁が身につけるようなふわりとした素材のグローブをつけており、まさにリングに舞い降りた天使とも言うべき輝きを放っていた。
対する玲香は、シンプルな青の水着を身にまとい、トレードマークのボニーテールは大きなリボンで結んである。
彼女の凛とした表情や、スレンダーで健康的な魅力をもった肢体もまた、多くの男性を虜にしていた。
リングインした玲香はリングのコーナーに手をかけ、振り返って紗織を見る。
玲香の視線に気づいた紗織は小さくガッツポーズをしてみせた。彼女なりに闘志を見せたのだろうが、ただ可愛らしさに華を添えるだけにしかなっていない。風が吹けば飛んでしまいそうだ。この娘がこれからプロレスの試合をするなど、ここがリングでなければ誰が想像できるであろうか。
選手コールとボディチェックが終わり、レフェリーが握手を求めた。 二人は近づき、両手でお互いの手を握りあった。 「紗織。。わたし。本気でやるから」 「うん。絶対いい試合にしようね!」
カーン けたたましくコングが打ち鳴らされる。 二人はリングの中を回りながら距離をつめていく。
どちらからともなく手4つになり力比べに入る。
続く