キミのリンコスが眩しくて vol.14最終回 (Pixiv Fanbox)
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聖羅の締めに虚ろな目ながら耐え続けるスズナちゃん。
やはり聖羅の細い腕では決定打にはならない。
「はぁ、はぁ、スズナちゃんはやっぱり強いね。でも、今日は聖羅が勝つんだから!」
聖羅はベアハッグを解き、スズナちゃんの背中にヒザを立てた変形逆エビ固めを極めた。
「スズナちゃん!ギブしろぉ!!!」
「ぎゃああああああ」
「もうダメ!!ギブッ!!ギブアップ!!」
カンカンカーン
「勝者二ノ宮!」
やった!
ついに聖羅がスズナちゃんに勝った!
聖羅は肩で息をしながら笑顔で僕に手を振るがどことなく苦しそうに見える。
あれだけの激闘を繰り広げたのだからきっと全身が痛いのだろう。
「スズナちゃん。ごめんね。痛かった?立てる?」
聖羅は倒れているスズナちゃんに手を差し伸べた。
「聖羅…わたし、さっきひどいことを…」
「いいのいいの。いつも緊張して力が出せなかった私が、スズナちゃんのおかげで本気で闘えたんだもん」
聖羅はスズナちゃんを助け起こし、二人は熱い抱擁を交わす。
「今日は本気で来てくれてありがとう。聖羅ほんとに強かった。」
「でもギリギリだったよ。運が良かっただけ」
「次は負けないよ」
「うん。また闘おうね」
「ところで、カレのところに行かなくていいの?」
「いーの。彼はご褒美係だから(笑)」
「?」
え?俺?ご褒美係って‥?
「大発表!なんと私もデビューが決まりましたー」
「ホント!?やったぁ聖羅!」
「私とスズナちゃんとタッグチーム組んだら最強コンビだね」
「いいねそれ楽しそうー」
まいったな。なぜか二人分のパフェを奢らされることに。
でもまあ美少女同士のプロレスなんてすんごいものを見れたんだから良しとするか。
しかしこうして見るとこんなに可愛い二人がさっきまで本気で闘ってたなんて信じられないな。
「ちょっとーなにジロジロ見てるのよ?あーわかった。スズナちゃんがカワイイから見とれちゃってるんでしょう!もう女好きなんだから」
「えっ?」
顔を赤らめてうつむいてしまうスズナちゃん。
「ちょっ。ちがっ!誤解だ!」
やれやれ、いまいち何を考えてるのかわからん奴だ。
聖羅はめでたくデビューが決まったけど、俺の恋路はまだまだ先が長そうだ…
おしまい。
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なんとか年内に終わらせることができました!ぜひ感想をいただけると嬉しいです。
それではみなさん良いお年を!