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今日の更新は、「現実もたまには嘘をつく148」の"IFストーリー"公開です!


■※注意※

今回の漫画は、「没にしたプロット」を誤って作画したために発生した、いわば本編から枝分かれした"Ifストーリー"です。

描写されている内容は、本編では発生していないできごとですのでご注意ください。



■掲載順

前後の話との繋がりや本編との違いを比較しやすいように、

①【If版】147話(正)→148話(If版)

②【本編】147話(正)→148話(正)→149話(正)

の順で掲載します!

147話部分は全く同じ内容です


それではどうぞ!




①【If版】147話(正)→148話(If版)












②【本編】147話(正)→148話(正)→149話(正)














■没になった理由

※以下では、「If版が没になった理由」についてお話しています。

キャラ目線ではなく、作者目線での内容が含まれますので、いわゆる「メタ要素」が苦手な方は避けていただいた方がよいかもしれません!ご注意ください。






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さて、If版いかがだったでしょうか。

好みはひとそれぞれなので、「If版の方が好き」という方もいらっしゃるかもしれません。


実際、間違って作画したことに気づいた段階で、

If版を正史としてそのまま話を続ける選択肢もありました。

そうせずに描き直しを選んだのには理由がありますので、以下ではそのことについてお話していこうと思います!



◆理由① 147話を受けられていない

147話の引きは、『そういえば~~キスするシーンがあったなぁ』というモノローグがあり、かなり強くキスを意識するものでした。

が、If版では七海の考えの焦点が「デートっぽいことをする」に差し変わっています。

「デートっぽいこと、恋人っぽいことをしてみたい!」というのはデート回全体を通してのテーマではあるんですが、147話からの繋がりとしては弱いと考えました。



◆理由② 単話としての盛り上がりが弱い

七海が薫に「…ドキドキした?」と聞くシーン、実はデート回を考えた時に一番最初に思い浮かんだシーンでした。

このシーンで盛り上がりを作るためにデート回を描いてきたわけですが、If版ではかなり扱いが軽くなっています。


4ページのラブコメとして見た時も、If版の展開は落ち着いていてラブコメとしてのドキドキ感が足りないと思いました。



◆理由③ 149話に繋がり辛い

実は149話で薫父が出てくることは前から決まっていて、「父と二人がどういう形で接するか」は物語を作るうえでの課題でした。

If版だと、観覧車内で二人の「『デート』や『恋人』に関するわちゃわちゃ」が完了しているので、帰り道は自然と落ち着いた会話になることが予想され、父と出会うor父が目撃する際の面白みが薄いと感じました。



◆If版の長所

などと述べてきましたが、実はIf版が(正)より優れている部分もあります。

それは、「二人らしさがより強く出ている」展開であること。


薫と七海は元々「恋人」というより「お互い理解しあい、尊重し合っている関係性」が土台にあるので、(正)の「キスをするしないのドキドキ」よりも、「お互いの弱みを伝えあって受け入れ合う」If版の展開の方が二人らしいといえるかもしれません。


ただこの点に関しては、

七海が「恋人として前に進んでいきたい!」という意識を前面に出したデート回なので、(正)の展開も「恋人として少し背伸びをしようとした二人」としては充分成立すると思っています。



■なぜ没プロットを作画しちゃったのか

というわけで、物語を構成するうえでは(正)の方が良いと僕は判断していたんですが、

「じゃあなんで描き終わるまで没プロットであることに気づかなかったの?」という疑問が当然出てきます。

ので、最後にその経緯をお話しておきます。

かなりややこしいので、興味のある方だけお読みください😌💦



実は、146話終了時点で、

「あれ、(当初考えていた)147話から148話、繋げられなくない?」

ということに気づきました。


ここの課題点は「閉所パニック→薫によるハグ→七海からの『ドキドキした?』」を繋げる際に、七海の行動心理のブレが激しいということでした。


要は、「観覧車怖い!助けて!」というパニック状態から、平常時の関心事である「自分のオシャレを薫がどう思っているか」を気にする心理に、短いページ数の中で戻し切れないと感じたわけです。


そこで、148話のプロットを複数作り、147話とつながるものを探しました。この段階でIf版が生まれています。


ただ、こちらにも問題が。


単純に話としてイマイチだったり、前述の通り前後の繋がりが悪かったりして、

全て納得のいく展開は組み切れませんでした。


そこでやむなく「148話は『If版』で作画して、それに合うように149話を組みなおすか…」と方針を決め、If版のネームを描きました。




ここで冬コミのピークを迎え、週更新の作業は一時中断となりました。


が、冬コミの作画中に、ふと

「あれ、147話をこう変えれば148話(正)とつながるんじゃない?」

と思いつきました。


この147話(正)のプロットは、課題点になっていた七海の行動心理を

「介抱される際に薫にハグされたドキドキと、閉所パニックの名残によって頭がぼーっとしており、勢いで『自分がしてほしいこと』や『気になっていること』を素直に薫に伝えてしまう」と説明するもので、

正に皆さんに読んでいただいた147話(正)→148話(正)の流れです。


「閉所パニックのシリアス感を拭い去れないなら、いっそその要素を残しちゃおう」となったわけですね。


これにより

147話(正)→148話(正)→149話(正)の筋を自分なりに通すことができ、

やれやれよかった…と一安心。


147話は更新日も近く、思いついてすぐに作画に移りましたが、

(148話の更新は年明けてからだし、そっちの詳細プロットは後で詰めるか…)と冬コミの作業に戻ったのが12月下旬のこと。


後はお察しの通り、


「147話とのつながりが改善された148話(正)を描けばいいものを、既にネームになっていた148話(If)を気づかずそのまま作画した」


というオチが付きます。


描いた直後に147話を読み返して、

「あれ、147話(正)と今描いた148(If)、何かかみ合わせ悪くない?」

「そういえば僕、冬コミ作業中に147話のプロット調整したような…」

とミスに気づき、記事取り下げに至ります。


差し替えの理由欄でも述べた「147話(正)と148話(If)のかみ合わせが悪い」というのはある意味当たり前で、

148話(If)は、この世界のどこにも作画されていない147話(当初案)と自然に繋がるためにわざわざ生み出されたお話…というのが、今回の顛末でした。


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僕は創作を「作り物」としてではなく、画面の向こうにある世界や、そこに住む人々を身近に感じられるようなものにしたいと思っているので、

今回、一度公開した話の取り下げや別プロットへの差し替えはかなり悩みました。


でも皆さんから「にいちさんが納得できるのが一番!」とコメントをお寄せ頂き、やはり通して読んだ時に僕が一番いいと思う展開を体感してもらえるよう、原稿を差し替えることにしました。


皆さんには更新をお待たせしたり色々ご迷惑をおかけしましたが、お陰様で描きたかった148話(正)のシーンを描くことができました。ありがとうございました!🙏



デート編も終わり、150話からは新展開。

薫家のお話が始まります。

楽しみにお待ちいただければ嬉しいです✨


それでは!

Files

Comments

かなづきしんじ

改めて続けて読むと確かに繋がりが弱くなるんですね…深い。 毎週先生が苦心されてることもよくわかったので、1読者としては嬉しい限りです。これからも楽しみに待ってます!頑張ってください!!

Anonymous

www ギャルゲーのシステムぽい。現実でリロードできるならいいな。 Hahah. Just like the system of a galge. It would be nice if we could reload in real life too. やっぱ薫のお父さんいい人ね。薫お父さんと七海パパの出会いは楽しみです。www Kaoru's father is a good guy. I'm looking forward to what happens if Kaoru's father meets Nanami's papa. Hahah 本当にお疲れ様でした! Thank you for your hard work!

Anonymous

お疲れ様です。ほぼ同じ話ながら確かな違いがありますが気にならない程度なのによく考えておられますね。 どの話でも差し支えないのにコミケの準備もある中でよく考えられました。係員さんは確信犯だったのか変わりないようで。 薫父と直接会うシーンは無くても薫父が2人のやりとりを聞けたのは安心出来たでしょう。 新展開どうなるか楽しみです。

Anonymous

お疲れ様でした! 失礼な言い方になるかもしれませんが、ものすごく深く深く考えて作られているのですね。 マンガや小説を「作る」技術は持ち合わせていないので理解が深まりました。 マンガにせよなんにせよ、創作するというのは「こだわり」が出ますね。 僕もプログラミングでシステムを組むとき、あれこれとこだわりを入れ込んでしまいます。 先生のように「全体を俯瞰して考える」ようなことまでは出来ませんが。😓 お姉さんの「もう一周回しとこ」が再び見れて満足です!😁

ジェイジェイ

そのまま2周目GOした場合どうなっていたんでしょうねぇ(ニヤニヤ)。 え?そこは脳内補完で・・・、あ、はい(´・ω・`)

Anonymous

見比べてみると、まさにギャルゲーみたいですね! 【選択肢】 ▶︎勢いのまま薫に抱きつく  落ち着いて話す きっと、どちらもあり得た未来。 納得のいく未来をつかめて良かったです。 これからも応援しています!! お身体にはお気をつけください。

Anonymous

当時見ることが出来たのですがIFの世界線の話も好きだったのでまた見ることが出来て良かったです。 今回の作者的裏話など貴重な話など楽しませる為に裏で細かく考えられていて凄いなと思います。

aoki1249588

親父さん、薫が帰宅しそうな時間見計らって外で待ってたんかな…誰かと外出することは知ってたろうけど、楽しい時間の後に1人だと急に寂しくなったりするからそういった事も考えてくれてそう(´;д;`)

Anonymous

お疲れ様でございました。 そして、ご解説いただきましてありがとうございました。 じっくりと拝読させて頂き、楽しみを味わいたいと思います。

ロカ

Ifのアップありがとうございます😊 話の構成考えるのって難しいんですね…まるでギャルゲーのルート分岐ですね。

Anonymous

まずはIFを読ませていただきありがとうございました!!なるほど、と納得です! 確かにIF話は今までの延長のイメージが強く、正とした方は関係性が強く変わってる印象が強いですね! 解説のためにたくさんの資料と説明ありがとうございます!! これだけ他のIFを作られてるってことは、どれだけ前からネーム切ったり話の構想してるんだろうと考えると本当に脱帽です! これからもにいち先生の描く世界を楽しみにしてます!

Anonymous

ifの公開ありがとうございます。 どんなふうにお話を考えているのかがわかるとても興味深いお話でした。

宵咲

なんかギャルゲーの別ルートの話みたいで良いですねw ifは観覧車2週目が本編ルートになるスチル回収のルートだったのだ(?)

Anonymous

噂の148if版公開ありがとうございます。(^_^) 読んたあとの感想は、正式版の方がドキドキする、読んでいて楽しい♫ でした。確かに薫と七海らしい展開といえはif版の方かもしれませんが、いつもラブコメの「コメ」でオチがきて終わる事が多かったので、先生の考え通り今回は148正版の方がよかったとおもいます。理由の解説ががロジックに説明されていて、本編よりそっちの方にとても感心しました。作家さんてすごいんですね。(*゚0゚*)スッゴッイ! これからも楽しみにしています。ありがとうございました。(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+

オリエンタル玉子丼

どの流れも良さそうと思いましたが、下の解説見て、なるほどという感じです。 二人の気持ちとか、次への繋がりとか、毎回このように色々考えて描かれてるというのが、がっちり伝わりました。

Anonymous

If版公開ありがとうございました。 最初は「なんで?」と思ったのですが、 解説を読んで納得しました。 話の展開って、考えると大変ですね。 今後の展開を考えながら作画している にいち先生の偉大さを改めて感じたものでした。 本編の新展開(薫家のお話)も期待しています。

Anonymous

ifの公開ありがとうございます! ちょうど更新メールが来た時は夜勤中で「夜のお楽しみにしとこ〜」とその時は見なくて…だったので公開してくれて嬉しいです。 お話を読んだ時はこの流れもいいじゃん!と思いましたが解説も読んで納得しました。 でも俺は両方とも好きですよ! ifは薫と七海らしいし正式版は2人が恋人らしくなったような感じですね! これからも楽しみにしてます!

Anonymous

心境を聞かせて頂いて有難う御座いました。 作品に向かう真摯さに、更に感激しました‼️

Anonymous

どのように構成を考えられているのかという貴重な舞台裏の話を丁寧に解説していただいてありがとうございます。 「画面の向こうにある世界や、そこに住む人々を身近に感じられるようなものにしたい」と書かれているのを読み、にいちさんの「世界」に強く引き込まれてしまう理由がわかった気がします。 これからもお体に気をつけてがんばってください。応援しています!

Anonymous

Ifの長所にある2人らしさですが特に薫くんらしさがifにあるなと思いますが、149話のように感謝も言えるのも薫くんらしさがあるなと思いました。 コミケ作業がとても大変なんだなと改めて思いました。無理はなさらないようにご自愛ください。 150話からの新展開も楽しみにしています!

めがねハロ

if版公開ありがとうございます。 なるほど、そもそも147話からして違っていたんですね・・・ 自分としては148話は正のほうが好きです。 七海の気持ちが溢れてくるところ、薫がそれを受け止めるところが話的にもすごく盛り上がっていたと思います。 あとif版でのやりとりは、本編ではないですが同人誌のクリスマス回でのやりとりと似ているようにも感じました。 次回からは薫家話ということで、こちらも楽しみにしています^^ ところで観覧車の係員のお姉さんはどこぞのブティックの店員さんのお友達だったりしませんかね・・・(笑)

gh24

まずはif公開と解説ありがとうございます。つながりという意味でもそうですし、笑っちゃって落ち着いてってところも、いままでの二人ぽいなあとおもいました。正版では恋人同士に関係性が変わっているところの変化が大きいので、冷静に考えるとやっぱり正のがしっくりきます。ifも素敵なアナザーですね。