イラスト構成要素解説【踊り子蛍】 (Pixiv Fanbox)
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この記事ではこれまでに制作したイラストを一枚に焦点を当てて、どのような要素で構図が出来ているかなどを図解していきます。
今回はこのイラストをピックアップして構成要素と濃淡について解説を行っていきます。
下記事に制作過程を載せているので合わせて読んでみてください。
【PSDデータ配布】「蛍」イラストメイキング【作業タイムラプス公開】
「原神」キャラクター「蛍(女性主人公)」のイラストメイキング記事です。 ↓PSDデータ ※撮影ミスによってラフまでのタイムラプスが撮れておらず、仮塗作業からのタイムラプス公開となります。ごめんなさい。 ■大ラフ 中東風衣装アレンジの蛍をメインとした設定としました。 背後にニロウを配置して二人で踊っている様子...
①構図(イラスト構成要素)について
下図:大まかな要素図解
メインの要素はメインキャラクター【蛍】とサブキャラクター【ニロウ】です。
近景(遺跡風の建物)はこのキャラクター達のシルエットを際立たせるために配置しています。
遠景はゲーム内フィールドをモチーフにしており、森っぽい印象で制作しています。
画面右下に全体の印象を邪魔しない程度にちっちゃくサブキャラクター二体を配置しています。
下図:手前要素の主な構成
手前の要素はとにかくキャラクター達の顔付近に情報量を集めました。
キャラクターの顔には目線が集まりやすいので情報量の粗密を操る際は【密】になる部分をキャラクターの顔周りに設置することをおススメします。
このイラストではランプや壁面の模様などを使って情報量を足しています。
(メインキャラクターの顔周りの装飾にもかなり情報量を与えています。)
下図:奥行き要素図解
奥行きの要素は主に空と森です。
イラスト上部の要素がわかりにくくならないようイラスト下部に要素を集めています。
空の色はイラストにミステリアスや神秘的な印象を与えたかったので夕暮れ時に差し掛かったような空色にしました。イラスト全体の色合い的にも黄色が差し色としてほしかったという理由もあります。
②キャラクターと背景の濃淡関係について
下図:イラストを彩度0にした状態
下図:濃淡の暗い所と明るい所の関係
上図は濃淡の暗い所と明るい所を図示したものです。
メインキャラクターには濃い濃淡が使われていないため、近景(遺跡風建物)をかなり暗めの濃淡にしてキャラクターたちが目立つようにしています。
近景を暗くしたためバランスをとるために遠景の空はだいぶ明るめの濃淡にしています。
③視線誘導効果について
下図:視線誘導の役割を持つ要素図解
視線誘導は二段階に分けて設定しました。
1段階目はキャラクターの顔の配置と脚の向きによって設定しています。
2段階目は装飾鎖を使ってキャラクター以外の要素を見てほしくて設定しています。
■まとめ
この記事では大まかに「要素の配置」と「濃淡のつけ方」、「視線誘導」についてまとめてみました。イラストを描いていて「なんだか見栄えがしないなぁ…」と感じる際はこの二つの観点でイラストを見直してみてはいかがでしょうか。
■余談
このイラストは普段制作するものより圧倒的に要素が多くて、制作途中でわけが分からなくなって何度か完成を諦めかけました。
まったくまとめられる気がしていなかったのですが、そんな時に一番助けになったので自身でまとめてきた今までのイラスト要素図解記事でした。
過去の自分に助けられるとは夢にも思いませんでしたが、心底「記事に残しておいてよかった…」と思いましたね。
今後もなるべく記事に取り上げていきたいと思います。良ければ読んでくれると嬉しいです。
この記事は以上です。ここまで読んでくれてありがとうございました。