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俺は下級豚戦闘員F108、周りの仲間にはトッパって呼ばれてる。

前はサラリーマンで営業してたけど、ブヒブー様たちオインカーズの先輩方に捕まって豚戦闘員に改造して頂いた。

オインカーズの組織は悪い組織なのは周知の事実、でも俺等オインカーズの普段の仕事を知らない奴は多いよな?

せっかくこうやって端末をもらったし、元は小説を書いたり文字書きとしての趣味を持っていたから書いていこうと思う。



05:00

朝の5時、眠い目を擦りながら無理やり目を覚まし、寝床を飛び出す。

「おいトッパ!早く並べ!」

先輩は俺よりも巨体だ、もちろん俺と同じ豚面だが目の周りに白抜けた模様が入っているのが特徴で、良く世話になってる。

一応B985ってコードはあるけど、俺たち新人は先輩って呼んでるんだ。

「はいッス先輩!」

先輩がB、そして俺がFというコードの頭文字からも分かる通り、古株だったり下級戦闘員の中でも功績を立てていくとAからFの中で位が上がっていく。

そうはいっても、結局は下級であるからお察しだ。

元気に返事をし列に並ぶ。

もちろんブヒブー様と組織に絶対の忠誠を誓う敬礼をした上でだ。

この忠誠を誓うときが一番満たされた感覚になる、もちろんブヒブー様に褒めて頂いた時よりは下がるが、人間だった頃より幸せだ。

ちなみに朝の点呼は短く敬礼をしながらブヒっと返事をするだけ。


ただこの後が一番大変だ、着用したスーツのチェック。

本当にこれに厳しい先輩方がいるんだが、絶対ブヒブー様はそこまで気にしていないだろう。

シワ一つあっても先輩に怒られ、地獄のスクワット。

もちろん勝手に勃起してしまうチンポをおっ立てての。


最初の頃は本当に恥ずかしかった。ブヒブー様に見られながらならまだしも、ここにいるのは仲間だけなんだ、虚無感しかない。

でも心とは別に頭は性欲バカになってるから「ブヒィ!ブヒィーッ!」って鳴き声をあげながら、必死に射精しようと動いてしまう。

もちろん許可なしの射精はできないし、当然ここでは射精できない。

それが俺たちオインカーズ、下級豚戦闘員のルールだからだ。



06:00

点呼が終われば食事の時間。

豚へ変えられた俺たちの食欲を満たすために他の戦闘員ではない、雑用係ともいえる内務員が大量に食事を準備している。

人間の時は小食だったが、今ではかなりの大食らいになった。

基本メニューとしては主食(丸パン?とご飯のような何か?が選べる)に対して一肉二菜。健康的なメニューに聞こえるが一人に対しての量が多い。

10本足の鳥?とか、謎の塊肉とかおかしな材料が多いらしいが、気にしていたら食べられない。

俺たち下級は固定メニューだが、地位が上がったり、ブヒブー様に褒めて頂けた日はメニューが増えるし、怪人の方々は基本的にビュッフェ形式らしい。ちょっと羨ましい。


当番が敬礼し大きな声をあげる。

「「ブヒブー様に絶対の忠誠を、ブヒブー様に栄光あれ!いただきます!!」」

決まり文句となっている忠誠の言葉を唱和し、さっそく飯をいただく。

今日は朝からメインがハンバーグ(のようななにか)か、当たりの日だ。


みんなが一斉に食べ始める、この下級専用の食堂ではマナーにうるさい人はいない、というかそんな暇もない。

だって飯が旨すぎるんだ、味付けなんてほとんどないはずなのに、とても美味しい。

こんな飯を食べてる状態でも身体は他の雄豚の臭いに発情し、勃起しっぱなしなのがおかしくてフゴフゴと笑ってしまう。


前だったら考えられなかった異質な生活だとは思うが、慣れてからは毎日が楽しい。


「ブヒブー様に最大の感謝と敬意を捧げます。ごちそうさまでしたッス。」

食事を終えたら再度スーツのチェックをし、身支度を整える。


朝の6時半ごろには今日のスケジュール確認。

俺が所属する班は午前中はアジトの清掃と訓練、午後には事務作業と強奪品の仕分け仕事があるようだ。

ブヒブー様の為に今日も一日頑張るぞ!



07:00

朝は訓練、昼はデスクワーク、夕方は雑務というローテーション。

俺はまだまだ下級戦闘員の中でも下っ端の新入りだから、実戦訓練はほぼ無い。

自室を掃除しながら一度だけ出撃するブヒブー様のお姿を拝見した時のことを思い出す。

凛々しい横顔、その短くて太い手足、俺達戦闘員とは異なるきめ細やかな玉のような肌。

一目見るだけで頭が馬鹿になるぐらい興奮したし、同じ空気を吸ってると思うと緊張したがやっぱり嬉しかった。


そして実践だとしても、相手が一般市民や民警ならば楽だ。

この身体は見かけによらずパワーが出るし、スーツの機能なのか『ブタ』になったからなのか、俊敏とは言わずとも動き回るのに苦はない。

当然殴られれば痛みはあるが、人間だった頃と比べると痛みの感じ方に雲泥の差がある。


しかしヒーローや他組織のヴィラン、つまり異能を持つ者たちは無理だ。

彼らを見ると身がすくみ何もできなくなる。

上司や仲間の号令で俺も飛び出しては行くが、殴られ吹き飛ばされると立ち上がる気力が起きない。

恐怖に身体が動かなくなるのだ。


逆に敵であるヒーローたちは怖いもの知らずなのか、果敢に攻めてくる。

たまに反撃して怪我を負わせてやることだってあるが、まぁ致命傷にはならない範囲でならすぐに治るとはいえ、怖くないんだろうか。


だが戦闘員にとって求められているのは肉壁に、そしていつかブヒブー様の盾になることだと先輩がいっていた。

あの時も怪人様を守った先輩がヒーローに殴り飛ばされ、身をもって壁になっている間に仲間たちは退却することができたんだ。

帰ってこれなかった仲間、そしてあの光景を思い出すたびに、自分の弱さと勇気のなさに打ちひしがれる。


俺もいつかあんな風になりたい……




08:00

今日はどんな任務だろうか?

今日もブヒブー様のお顔を拝見できたら嬉しい。

そんなことを考えつつ寝床を出るとすでに先輩たちは既に揃っていたようで、慌てて敬礼をして列に並ぶする。

「おはようございます先輩!」

「おうトッパ、遅いじゃねぇか、昨日はお楽しみだったか?といっても、俺たちはシコれないんだけどな!」

ブヒブヒと鼻を鳴らし、笑いながらセクハラをかましてくる先輩。

でも不思議と嫌な気分はしない。むしろもっとして欲しいくらいだ。

「はいッス!もう最高っスよ!昨日なんか夢の中でブヒブー様が俺のチンポを踏んで下さったんス! しかもその後、俺のこと犯して下さったんッスよ!マジ感動したッス~!」

なんてアホな軽口を叩きながらも、思い出すだけで股間が熱くなる。

もちろん先輩には見えてしまっているだろう。

「お前ブヒブー様にケツ掘って頂いたのかよ!?夢とはいえやべぇな!」


冗談交じりではあるが、ちょっと本気で羨ましそうにしているのがわかる。


ピシっと整えられたスーツの股間部分がひと目で分かるぐらいに怒張してる。

普段はかっこいい先輩も、こうなってしまうと一匹の豚ということなんだろうか。


だがそうこうしているうちに他の仲間たちも起きてきたようだ。

先輩と言葉で慰め合うぐらいはしたかったんだが、規則が第一だから仕方ない。

今日も1日頑張ろう!



11:00

午前の仕事が一段落したから昼食タイムだ。

食事はビュッフェ形式で好きなものを取っていく形式だ。栄養バランスとかはあまり考えてない奴が多い。

だが俺はちゃんとバランスよく野菜も肉も穀物も全部食べてる。

俺達下級豚戦闘員にとって食事はとても大事な行為であり、身体が資本だからだ。

ただ野菜はほとんどそのまま、生のキャベツとかニンジンをそのまま齧ってる感じだったが…。


味付けも塩コショウを振っただけや、サカナのマークやらトリのマークがついた謎の調味料で味の付いたものが多い。

確かに食べられればなんでも良いのだが、なんか違うんだよなぁ……。

そんなことを考えていると先輩がやってきた。

「おうトッパ!ちゃんと野菜は食べなきゃダメだぞ!」

そういって先輩は何かの葉っぱのようなものを渡される。

「これはなんですッスか?」

「あぁこれか?これはなブヒブー様の好物だ!」

よく見てみると色んな形をした葉っぱ。スプラウトとかベビーリーフとかいうものらしい。

「あの……ブヒブー様の好物って、なんか想像と違ったッス… こう、フォアグラとかステーキとか…」

だってこれは完全に雑草だ、とてもじゃないがブヒブー様の食事とはとても思えない。

「あぁ?何言ってんだお前!ブヒブー様は結構おしゃれな食事が好きなんだぞ!

当時の料理長がブヒブー様の健康を気遣ってオシャレって理由付けして無理やり導入したんだ」

またまた冗談で言ってると思ったが目がマジだ。

ブヒブー様、意外と健康に気を遣う方だったのか。

「でもこれどうやって食べるんです?」

「普通に生で食べたり、塩かけたり… 上級の方たちはドレッシングとかがあるらしいが、俺等には胡椒があるだけ有り難いからな」

そして先輩も自分の分をとってくると、目の前でワイルドに鼻を突っ込んで貪り始めた。

俺も指で摘み一口食べると、葉っぱのシャキシャキ感や不思議な風味とほのかな苦みが絶妙にマッチして、意外にも美味しかった。


それに先輩も満足そうだ。

まぁ満足そうと言っても豚の顔だからブヒブヒいってるだけなんだが、なんとなく雰囲気で察する。

なんだろう、人間だったときよりもマトモな食事をしているような気すらする…。

あとでブヒブー様に感謝のお祈りを捧げねば。



13:00

食事が終り午後の仕事開始前になると、すぐに全員集まり点呼が始まる。

俺は今日一緒に組む仲間の名前を確認する。今日はD2310(ニサト)か。

元はスーパーデラックスパワードックとかいうフザけた名前のヴィランだったらしいが、ブヒブー様の不興を買い、ブタとして教育されたらしい。

バカだからなのか、ニサトはブヒブー様にあまり忠誠を示さないと噂で聞いた。


だがブヒブー様も好きにさせていて、むしろその様子を見て楽しんでいる節すらある…と自分は思っている。

担当教育係のB390(サク)さんは何をやってるんだろうか。


何にせよ俺はニサトが昨日の襲撃で守ってくれたし、変な義理堅さがあったため、仲良くなれそうな気がしていた。

(バカだけど、ブヒブー様を敬愛しているのは本気のようだったし)


「F108、D2310!点呼ォー!」

先輩が雄たけびを上げながら吠える。

「ブヒーーーッ!F108、E2310、点呼応答ォ! ブヒブー様に栄光あれ!! 持ち場へ急行するッス!」


俺の番が来たので敬礼をし、そのままニサトとその場を後にした。

まぁ訓練と言っても今日はただの雑用だ。主に力仕事が多いがたまに料理担当をするやつもいるらしい。

そんなことを考えつつも俺は他の戦闘員たちと一緒に仕事をこなしていた……のだが、そんな時上司から号令がかかる。

「よし、それでは本日は強奪訓練を行う!ブヒブー様に栄光あれ!」

「「ブヒブー様に栄光あれブヒ!!」」

俺達は大声でブヒブー様を讃える言葉を言うが、グハイはいつも通りだ。

「おい!ニサト、お前またブヒブー様に反抗的な態度をとってるんじゃあ無いだろうな!」

先輩がいつものように詰め寄っていくと、グハイもいつものように返した。

「あーーーめんどくせぇー! おい先輩!俺は俺の意思で俺の形で最高にかっこいいブヒブー様に忠誠を誓ってんだよ! それに先輩には関係ないだろうが!」

「なんだとテメェ…… ブヒブー様のお名前を簡単に出してんじゃねぇぞ!」

今にも殴り合いが始まりそうな雰囲気だ。

俺は止めに入るべきか悩んでいると、上司から叱責が飛ぶ。

「おい!そこ2人!私闘は禁止されているぞ!!射精禁止期間が増えることは覚悟しろ!」

その言葉で慌てて敬礼をする先輩と俺だったが、ニサトは納得できないのか先輩を睨むも、嘆かわしそうにする上司が改めて号令をかける。

「それでは諸君、ブヒブー様に栄光あれ!! 強奪訓練開始ィッ!!」



16:00

ボロボロになりながらもその日の仕事を終え、宿舎へ戻るとすぐに食事が始まる。

今日のメニューは肉とシチューだ。ミルクは牛型戦闘員や元ヒーローたちから絞り出したモノだろうか…? 肉は培養肉だろうか、それとも……考えないでおこう。

少しげんなりしたが、そんな事気にしていたら戦闘員はやっていけない。

想像を振り払いながら、猛烈に減っていた空腹を鎮めようと搔き込む。

「「ブヒブー様に栄光あれ!いただきます!!」」


やっぱりこのミルクは元ヒーローから搾り取ったものなのかもしれない。



19:00

食事を終えると皆思い思いの時間を好きに過ごしていた。

……しかしなんか様子がおかしいような?いや雰囲気というか気配が違うような?ん?何かおかしいぞ……?

俺は気になって集まっていた先輩達をじっくりと見まわすと、あることに気がついた。

先輩たちの股間の膨らみがおかしい。なんというか不自然だ……。

いや待て、この状況は異常だ!これは見覚えがあるぞ!?

「先輩ッ!ちょっとそれ見せてくださいッス!!」

先輩の手から強奪すると、そこには見知ったものがあった。

ブヒブー様のお姿!!これはお写真か!!!??

あぁブヒブー様、この疲れ切った身体に染み渡るそのご尊顔!!!

感動に打ち震え、喜びを噛み締める俺だったが先輩はそんな俺を見て笑っていた。

いったいどういうことなのだろう?

だがそんなことはどうでもいい、自分も欲しい!!

「先輩!これはどこで手に入れたッスか!?」


「これか?そりゃ購買でブヒブー様にお願いする権利を買って、ブヒブー様に土下座してお願いしたんだ。めちゃくちゃ光栄なことだよなぁ…」

間抜けにも股間のブツをを怒張させながら先輩が嬉しそうに、そして自慢するようにブヒブヒと鼻を鳴らしている。


そんな馬鹿な!ブヒブー様のお写真なんて、どれほどの貢献度が必要なんだ!?

そのことに気づいた俺がしょぼくれていると先輩が写真を1日だけ貸してくれると言ってくれた。

「トッパ、お前にも1日だけ貸してやるよ」

よくよく話を聞くと、同じ班の仲間たちは順繰りに1日貸出を利用していたらしい。

だからいつも先輩の料理の種類が妙に多いのか…。

喜び勇んで受け取った写真を手に自室に戻った。



21:00

俺の唯一の楽しみであるブヒブー様へのお祈りの時間にも、新たな風。

そう、ブヒブー様のお写真である。

俺は3畳程度の部屋に備え付けられたデスクに向かい正座をする。


「ブヒブー様!今日も無事に1日過ごすことが出来ました!これも全ては貴方様のお陰でございます! なのでこのトッパめをどうかいつか、貴方の足で踏んでくださいませブヒ!」

写真を前に四つん這いになり、頭と股間を床にこすり付け全力で祈る。

「どうかこの卑しいトッパめにご慈悲をッ!どうかこのトッパめのチンポを踏んでくださいブヒッ!!」

そう叫びつつ腰をヘコヘコと振り、射精のない虚しい行為を繰り返しながらも、

そこに満足感と充足感、そして快楽を見出していく。

「ブヒッ!ブヒィ!!ブヒブー様万歳ィィイイ!!!」

雄叫びをあげながら今日も俺は何度も何度も、無為な絶頂を迎え、まどろみの中に意識を沈めていくのだった。


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