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リト族。それはハイラルに存在する鳥に似た姿をした人類。俗に言う獣人の一種だ。

比較的一般人である俺はある日帰り道に不思議な門をくぐり抜け、このハイラルのリトの村に迎えられた。


村に住む人々は俺が知る限り、人間とほぼ変わらない。

むしろ羽毛で覆われている分、人間よりも体温が高めで防寒対策もばっちりだ。

特徴的なのは手だろうか?手が鳥の羽の代わりになっているのか、その身体は肉厚でどっしりとしており、しなやかで筋肉質だ。

そして月明かりに舞う彼らの淡い光沢を纏った姿はとても美しかった。

俺もこんな風になれたら、普通すぎる人生とお別れできるだろうか。


「少し、聞いてもいいですか?」

そう言って俺は近くにいたリトの男に話しかけた。

その男はこちらを一瞥すると、また夜空を見上げた。

「俺が見てわかることならな」

タカのように鋭い眼をした(タカがこの世界に存在するかわからないが…)男はぶっきらぼうに答えた。

その横顔には何か使命感のようなものを感じる。やはり魔物が存在する世界の戦う男はこうも格好良いのだろうか。


「トライフォースって、本当にあるんですか?」

俺は突然こんなことを聞いてしまった。

「……何か叶えたい願いがあるのか?」

「いや、あの… せっかくこの村に迎え入れて頂いたのに、自分では何も出来ていないのが心苦しくて 」

「……ふむ」

タカは数秒黙った後、ゆっくりと語り出した。

「トライフォースが実在するかはわからない。しかし、俺達リトの村では魔物から村人を守るために古くから戦士を育てる風習がある。この弓は俺の家系に代々伝わるもので、それを使いこなすため俺は幼い頃から修行している」

そう言うと彼は背中の弓を手に取りこちらに見せてきた。

「だが、過去にも同じようにハイリア人がリト族に迎え入れられたという伝説は残っている。何か偉大なことを成し、彼はリトの姿を得たと」


「……彼、とは?」

「名前は伝わっていない。ただ、ハイリア人ならその伝説を知っていても不思議ではない。」

そう言うとタカはその場を去っていった。

もしかしたら自分はこの世界でかなり重要な存在なのかもしれない。

しかし自分自身には何もない。だからこそこうして毎日修行(?)に励んでいる。

「伝説……か」

思わずそう呟いたが、俺は何も出来ないただの一般人だ。

だが、それはあくまで前の世界の話。

この世界では自分に出来ることを探さなければ生きていくことすら難しいだろう。

(ここは村だけど、木の上だしな)

改めて村の周りを見渡すと、この木はかなりの高さがある。

ここからなら周辺の地形がよくわかるだろう。

そう思い、俺は足をかけた枝に手をかけて飛び降りようとしたその時だった。

(……っ!?)

思わず声をあげそうになり慌てて口を抑える。

(なんだ?今何かいたような……?)

さっきは気づかなかったが木のウロに何かある。石で出来た…魔物の像?

『魔物とは失礼なガキだ。だが俺の運命とやらも、まだ捨てたもんじゃないな』

頭の中に直接響いてくる怪しげな声。

『俺は命と力を司る神。お前は何を祈っていた?莫大な金か?それとも永遠の命か?』

その不気味な声はどこか懐かしく、なぜか俺は彼の声に強く惹かれていた。

「俺は力が欲しい。魔物の出るこの村で生きていくために」


そう答えると声の主は満足したように笑い始めた。

(こいつ、なんなんだ……?)

『…勇気でも知恵でもなく、チカラか。ブフフフ…お前とは相性が良さそうだ。それじゃあ取り引きといこうか』

何か自分の中の大事なものが吸い出され、別のものに変わっていくゾワゾワとした感覚。


『お前の望むチカラをお前の…と交換してやる。せいぜい楽しめ』

そう言うと石像は黙ってしまった。

俺の望むチカラ、それはやはりリト族のしなやかで強靭な肉体を得ることだろうか。

そう思うとまるで射精したときのような快楽が全身の神経を電流のように走る。

「っ……はぁ……んぐっ!?んぅう…っ」

まるで内側から焼かれているように身体が熱い。

何かが股間から漏れて地面に滴るのも気にせず、俺はその場で耐えきれず悶え喘いだ。


股間から始まった衝動は徐々に全身に広がり、身体全体が燃えるように熱くなる。

「んぐっ!?んぁああっ!」

思わず声を上げてしまうほど強い快感が身体中を駆け巡る。何度目かもうわからない。

(あつい……身体が燃えてるみたいだ)

それに耐え切れず服を脱ぐと、筋肉が肥大し、元々あったであろう弱々しい身体はもうそこにない。

指先の骨格も変形し、太くゴツゴツとした手へと変わっている。

「ぐうっ!?くわぁああっ!」

若干の痛みと共に皮膚を食い破るように前へ前へと突き出していく口。

せり出した口は黒く硬質化し、クチバシへと変化していく。

(ああ、また股間から垂れている。何か大事なものが漏れ出しているんだ)

そう思った俺は皮膚の下がゾワゾワと何かが這い回る感覚と共に、その思考もまたかき消されていく。


肥大した太ももと反比例して細くそして固くなっていく太もも、そして足。

鋭い爪を持ったそれが地面を蹴り上げると、次の変化が始まった。


全身がザラザラとした鳥肌を形成し、毛穴という毛穴をこじ開けて羽毛のようなものが少しずつ少しずつ俺の身体を覆っていく。

「……っ!」

身体中の感覚が研ぎ澄まされる。普段一人で処理していた以上の高揚感と快楽。

自分は今この瞬間、進化している。人間を卒業し、獣人へと変化しているのだ。

滴った水たまりに映り込む自らの姿。白濁色が混じったその鏡に写っているのは人間だった頃の自分とは全く異なった存在。


(……これが、俺?)

しかし頭の先からつま先まで全身を覆う羽毛と鋭い嘴、そして強靭な足腰で分かるだろう。もう自分は人ではない。


そして、それはやがて全身に広がりその外見も明確に表れていく。

(すごい……)

しかしその変化に戸惑いや後悔などは全くなく、むしろその感覚は満足感となって俺を包み込んでいく。

そんな興奮と共に身体から力が抜けた俺はその場にへたり込んでしまう。だがそんな身体を二本の逞しい腕が支えてくれた。


「本当にこんな事が起こりえるのか。大丈夫か?」

(誰だ?)

思わず声の方に振り返るとそこには一人の男が立っていた。そう、タカだ。

「心配するな、これでお前も立派なリト族だ。」

(俺が、リト族に?)

俺はタカが持ち上げてくれた手を見てみる。太く逞しいその腕には巨大な翼が生えており、タカと同じリトの身体だ。

(頭が…痛い…)

俺の…俺の名前は… あれ、俺の名前が思い出せない。 俺は、誰だ?


(『お前の望むチカラをお前の”記憶”と交換してやる。せいぜい楽しめ』)


「リク、お前は今日から村の一員だ。」

(ボクは……リク?)

リク。それがボクの名前……?

最初は戸惑うばかりだったが、徐々にリト族として暮らしていくことが当たり前になっていく。


ボクの羽毛は太陽の光を受け、黄金を纏って輝いている。

いまボクは幸せだ。


終わり。

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*俺:今代リンク憑依一般人。ファンタジーが好き。ケモナーのあなた。

*リト族:美味しそうな名前をつける、鳥に似た姿の亜人種族。

*タカのような:実際頭がタカです。名前もタカです(適当)

*ハイリア人:耳ながエルフっぽい種族。勇者はウサギになったりオオカミになったりするエロ種族。

*トライフォース:△△△。しょっちゅう試練を与える諸悪の根源。

*リトの力:リーバルトルネード

*命と力を司る神:いったいドコの悪魔像なんだ。望むと気前よく精力を付与してくれそう。命とチカラって完全にエロ神さまじゃん。

*時系列:多分BOWとかTOKよりも更に何百年か先のゲームオーバー話。


鳥には本来竿はありませんが、私の趣味です。

この世界の彼らには内蔵式の雄竿があるってことにしてください。


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