【中世女子プロレス】シルヴィアVSマイア【導入編】 (Pixiv Fanbox)
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※2023/3/6 説明書きや一部セリフ回しなど修正。
予告していたシスターと貴婦人の女子プロレスですが、結局はこうゆう感じになりました!お楽しみいただけれ幸いでございます!
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かつて、中世の時代、カスターム帝国と呼ばれる強大な国が存在した。近隣諸国は圧倒的な武力で征服・支配され、ことごとく滅亡、もしうは属領と化していた。
以来数十年間にわたり帝国は栄華を極め、貴族たちは我が世の春を謳歌していた。
しかし一方で、平民たちは貴族たちによる搾取や横暴に苦しめられ、つらい日々を過ごしていた。
その帝国の首都の西外れの壁外に、古ぼけた修道院が有る。
この修道院は孤児たちを世話する孤児院としても機能しており、親を戦争で亡くしたり、生活に困窮したりしたために捨てられた子供たちが身を寄せていた。
この修道院には、シルヴィアという名のシスターがいる。
彼女は修道院長代理としてこの修道院をきりもりしていた。
彼女は孤児たちを愛し、穏やかな笑顔で日々の世話をしていた。
子供たちからは大変に慕われており、彼女は彼らにとって、ただのシスターではなく、母親のような存在だった。
【シスター:シルヴィア】28歳
しかし彼女には孤児院の誰にも知られていない秘密が有った。
彼女はかつて、とある組織に属する暗殺者だった。
そして彼女は組織によって拾われた幼い時分から格闘術を叩き込まれた。
そして彼女は優秀であった。
自分の仕事が、帝国を平和に保つための意義あるものだと信じていた彼女は、その優れた格闘術で、多くの権力者や要人を暗殺していった。
しかし、彼女が暗殺者として活動していた10年の間に組織は腐敗し、組織の利益のためだけに力を振るい、弱者を虐げる。そんな集団に成り下がっていた。
3年前、シルヴィアは25歳になっていた。
組織の在り方に疑問を抱いたシルヴィアは脱走を企てた。
しかし、差し向けられた刺客達に襲われて重傷を負ってしまう。
重傷を負いながらも逃げ延びた帝都西方の修道院。
そこでとある老婆に匿われる。
その老婆は当時の修道院長であった。
修道院長といってもこの修道院にいるのは、彼女と、それ以外は十数人の子供たちだけだったが。
彼女はなぜかシルヴィアをかばい、匿い、自分の親類という事にして修道院に住まわせた。シルヴィアにとって、彼女は命の恩人であった。
それから、シルヴィアはこの修道院のシスターとして暮らし始めた。
幼いころより格闘術の鍛錬と暗殺任務の日々の張りつめた生活を送っていた彼女にとって、この修道院での生活は初めての心安らぐ日々であった。
しかし1年前、修道院長が亡くなった。
そしてその時から、シルヴィアが修道院長代理の立場に付く事になった。
シルヴィアが27歳の冬の事であった。
しかし修道院の財政は逼迫しており、明日の食事ですら賄うことができない状況だった。
彼女は孤児たちのために、どうしても現金を稼がなければならなかった。
そして金に換えれるほどの長所を、彼女は格闘術しか知らなかった。
彼女が稼ぎ場所として、悩みながらも選んだのは、プロレスであった。
帝国では貴族の屋敷や街中に設置された闘技場などで、しばしば王国を代表する格闘技であるプロレスによる戦いが行われている。
シルヴィアは、貴族や悪党たちの代理闘士として、何度もリングに上がるようになった。
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そして、さらに一年が経った
その日、ある人物が修道院を訪ねて来た。
彼女は、孤児院を含む土地一帯を領主から受け取った受領者だという。
シルヴィアは、彼女に孤児院をどうにか残して欲しいと必死に懇願した。
「私には関係ないことね」
貴婦人の冷酷な返答に愕然として立ちつくすシルヴィア。
「フフ・・・アハハハ」
そんなシルヴィアの姿を見て、貴婦人は突然笑い出した。
「一体何が面白いのですか?」
驚いたシルヴィアが貴婦人を問いただす。
「うふふ。嫌ね。私のこと、覚えていないのかしら?」と言い、シルヴィアは思い当たる。
「まさか、あなたは・・・」
「久しぶりね。シルヴィア」と貴婦人は言い、シルヴィアは呆然とした表情を浮かべた。
「!」
「マイア・・・どうしてあなたがここに?」
「どうしてですって?組織が脱走者を許さないのは良く知っているでしょうに」
訪ねてきた貴婦人の正体は、組織から送り込まれた刺客であった。
シルヴィアと彼女は組織での訓練生時代を共にした仲であった。
マイアはそっと一つの封筒を取り出してシルヴィアに差し出す。
警戒しながらもそれを受け取ったシルヴィア」
「・・・これは?」
「招待状よ。断ってもいいけどその時はどういう事が起こるかは、よく考えてね♪
それじゃ、また会いましょう」
そう言い残し去っていくマイア。
シルヴィアは険しい視線で渡された封筒に目を落としていた。
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数日後 とある貴族の屋敷
この屋敷では貴族や商人達の娯楽として、しばしば美しい女性達を戦わせる闘技会が行われている。
屋敷のホール中央にはリングが設置され、周囲を取り囲むように一段高くなった観客席の暗がりには、すでに何人もの貴族や商人が集まっている。
『紳士淑女の皆々様!お待たせいたしました!次の試合は本日メインの大一番です!』
『まず登場したのはこちらの選手だ!』
『淑やかなる美女が、白を基調としたベアトップの闘衣の上に、濃紺のシャツを羽織って入場してまいりました。
胸の前で手を組み、一歩一歩静かにリングに向かっていく。』
バッ
サッ
『初の格闘試合で対戦相手を瞬殺してから一年あまり。
その後も連戦連勝を続けて、無敗の9連勝!
今や帝都西部の裏格闘技界で彼女の名を知らぬものはいないでしょう!
バサッ
今日もその連勝記録を伸ばして10連勝の記録を打ち立てるか!?
美しきバトルシスター!シルヴィア~!』
リングインするとさっとシャツを脱ぎ捨てる。その堂々とした姿に、観客たちからも声援が飛ぶ。
カツン
『そしてそして!そんな最強の戦乙女に、決して劣らぬ本日の刺客が登場だ!』
カツ カツ カツ
『さあ、今度入場してきたのはこちらも妖艶なる美女!
シルヴィア選手とは対照的な黒い闘衣の上に、さらに黒い薄絹の羽織を纏っていおります!』
スッ
『こちらのマイア選手は小領主の未亡人という事で、正真正銘の貴婦人であります!
そんな出自でありながら、ひと月前に商業地区の地下闘技場に初参戦!
デビュー戦で怪力巨女クエスタを瞬殺したその実力は、まだまだ底を見せません!』
パサッ
『妖艶なる貴婦人闘士!マイア~ッ!』
リングに上がり、羽織っていたものを脱ぐマイア。
観客席からはシルヴィアに対してよりも大きな歓声が上がる。
ザッ
シルヴィア「私が勝ったら修道院から手を引いてくれるのよね」
マイア「そういう事ね。まあ、私が決めた事じゃ無いけれど。」
試合ルール
【決着条件】
・ノックアウト10カウント・フォール3カウント・降参ギブアップ
【禁止事項】
・目への打撃・噛みつき
試合条件
■シルヴィアが勝利した場合
→修道院の所有権はシルヴィアの物になる・修道院は存続する
■マイアが勝利した場合
→修道院の所有権はマイアの物のまま・シルヴィアと孤児達はマイアに
捕らえられ組織の本部へ送られる
次回、試合編へ続く!
【中世女子プロレス】シルヴィアVSマイア【試合編①】
※2023/3/6 擬音・セリフの追加・実況の追加。 最近、ちょっと投稿形式を変えていくことを考えていて、できる限り毎週投稿をしていくつもりでございますっ! その時出来ている範囲のキリが良いところまで、という形になりますので分量が少ない時もあるかもしれませんが、「まるっきりなにも投稿が無い!」みたいな事が...
※試合の勝敗の結果がどうなるのか、説明が不足しているので、そこらへんがわかりやすい何かも準備しようと思っております。
やっぱり設定とかを考えこんじゃうと投稿の間が空いてしまいがちです。
これはあんまり良くないなあと感じているので、今後の投稿をもっと定期的に行えるよう考えていきたいところです!本当は毎週金曜日夕方6時!みたいな感じでやっていきたいというのが理想ですねっ!
次回から試合編に入るのでもっと安定して上げれるかなあとは思っております!
ご期待くださいませ!
コメントなどもとてもやる気につながりますのでよかったらぜひ!それではまた次回!