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これも自分の代表作『祭り子』…!


さてさて前回、『モラトリアム少年×少女』から続いての

次は何をやろうかといった所で、この時の赤月にはたくさんの

やりたい事リスト断片的なイラストプロットのストックがありました。


(そういえば今思い出した余談なのですが『モラトリアム少年×少女』

のタイトルは、当時コミッカーズという本を読んでいて、確か『少年×少女』

というタイトルの号があったんですよね。そこからこのタイトルを思いつきました。


以前紹介した『眠り姫』というタイトルもアフタヌーンという雑誌の

四季賞という賞ででそういう作品があって

それが何となく頭に残ってて作品のヒントになりました。

何かを創作しようと思ったら、とにかく沢山の作品に触れるのが

大事だなぁと分かりますね。最近本を読んでないので反省しないと(;'∀'))




話がそれましたが、その沢山のやりたい事リストの中で

田舎の怪しい土地でのエロ漫画がやってみたい!というのがありました。


しかもハーレムが良い…!というので

山の奥の田舎のお話で、男を知らない少女達が

何らかの理由で産まれた時からお屋敷に閉じ込められていて

男に飢えている所に主人公が来て大ハーレムになる…!

というお話を思いつきました。

これは以前お話したように、環境によって強制的に主人公が

モテてしまうというシチュエーションですね(笑)


実はこの『祭り子』が生まれたきっかけも実は

鳴子ハナハル先生なんですよね(笑)

またかよ!って感じですが、当時それくらい衝撃的だったんですよ

鳴子先生は(笑)

エロ漫画の世界の事を本当に何も知らなかったので

最初に読んだ漫画がひよこの刷り込みみたいになってたのかも

しれませんね。


確か鳴子先生のエロ漫画にも田舎の蔵でセックスするお話が

あったんですよね。


まぁ、ただ、田舎の怪しい土地でのエロ漫画というのは

定番ですので、一度やってみたいなというのはあったんですが

鳴子先生が描いてなかったらやってなかったかも。


それはまぁ置いておいて、さあ特定のジャンルの作品を作るぞ!

となった時、昔の自分は…、というか今もかな?

作品を創作する人にとっては定番だとは思うのですが

やりたいジャンルがあったら、それをテーマにした作品を

たくさん読む!というのをとにかくやっていました。


田舎で少女達が閉じ込められているシチュエーションがやりたかったので

とにかくそういう作品を探して読みました。

覚えているのだと、手塚治虫先生『奇子(あやこ)』

これはまんま少女が蔵に閉じ込められて育つお話ですね。

面白いのでお勧めです。普通に有名な作品らしいですしね。


昔風の言い回しや、これに出てくる大地主が天下家なんですが

それを文字って天上家という名前を付けたりしてました(笑)

祭子奇子からきてますしね。

気づいた人いたかな?


後はその当時ニコニコ動画で『ボルゾイ企画』さんという人がいて、

その中のふひきーさんという人が、これまた蔵に閉じ込められた

少女と出会うホラー?だったかな?のノベルゲームをやっていて

それも参考にしました。

そう言えば、ここのコメント欄で「まるで『奇子』みたいだな。」

というコメントを見て『奇子』を読んだような気もします。


でもこのシチュエーションのお話っていっぱいあるんですよね。

「閉鎖空間に閉じ込められて育った秘密の子」って世界中でも定番の

ワクワクするシチュエーションですよね。

実際にこういう事が人類の歴史では沢山行われてきたんでしょうね…。

(恐ろしい…。)


そんな感じで担当さんにネームを送りました。

この時は伏線や最後の落ちをどうするか全く考えずにネームを描き始めていて

お風呂の中で頭を洗いながら必死に考えていたら

最後の落ちを思いついて急いでお風呂を上がって

ラストシーンをメモしてた覚えがあります(笑)


読んだ事がある人は分かると思うのですが、

主人公が自分の幻影を振り払うために屋敷から飛び降り、それを助けようと屋敷から怖くて出られなかった少女達が主人公と一緒に一斉に屋敷から飛び降りて、その下に一生懸命ヒロインが育てていた花があり、それがクッションになって助かる。

というオチで、これはお話が抱えていた問題を全部解決するアイディアで、

自分なりに本当に良く出来たなぁと満足していました。


(そうそう、この皆で飛び降りるというシーンも昔のクレヨンしんちゃんの映画

よくあって、それがインスピレーションになってますね。

初期のクレしんの映画は本当に大好きで死ぬほど見てました(笑)

湯浅監督とかが作ってた時代とかの奴ですね。

こうやって振り返るとやはり夢中になっている創作物がたくさんあると

人はいい物を作れるのかもしれない。だから若いうちじゃないと難しいのかな。

と思ってしまいますね。)


ちなみにお話は少し複雑で説明しきれないので

良ければまだの人は『少女×少女×少女』を読んでみてください。

しょっちゅう半額割引をしているのでその時に買って

読んでみる事をお勧めします…!




この頃は本当に夢中でエロ漫画を描いていました。


何でこんなに夢中でネームを描いていたのかというと、理由の一つに

担当さんのリアクションが毎回良かったというのがあります。

どうやって最後のオチで担当さんを驚かせようかと

毎回ワクワクしながらネームを送っていました。

この頃は読者さんに向けてというよりも担当さんに向けて

お話を描いていましたね(笑)

どうだ…!って感じです。エロ漫画でする事じゃないですが(笑)


でもこういうのがエロ漫画でも許されるんだ!というのが

分かってそのテンションになってたというのもあります。


そして3話ともアンケートはとても良かった記憶があります。

この頃になるとアンケート上位で安定し始めて

毎回どうやって内容のある物を作ろうかと夢中になっていました。

毎回何かのアイディアがしっかりある漫画を描く。

何となくのエロ漫画を描いては駄目。

これは現在でもそうですね。はっきりした企画のある漫画は

やはりエロでも強いです。



そして自分の紙の商業誌で一番売れた代表作

『奴隷兎とアンソニ―』…!


ぶっちゃけて言うと7万部です。(笑)


10万部の壁は厚いな~って担当さんと

話してたのを思い出します。

印税が一割なので入ってくるのは大体700万くらいですかね。

この頃の方が死ぬほど頑張っていたのに

電子配信が始まって、今の方が圧倒的に収入があるのは

なんか複雑な思いがありますね。


本当に自分の時間をすべて使っていたので

贅沢かもしれませんが、一年かけて単行本を出して

こんなもんかぁって正直思っていました。(笑)

手ごたえも相当感じていたので。


本当にずっと漫画を描いてたんですよ、週に一回買い出しに行って

それ以外は外に出ず起きたらご飯以外は寝るまでずっと漫画を

描き続ける生活をしていました。

本当に起きた瞬間に机に這っていって描き始めるんです。

起きてから何秒以内に原稿を描き始められるか挑戦していた

記憶があります。まあそれが楽しかったんですけどね。(;'∀')

今やったらリアルに死ぬと思います。(笑)

冗談抜きで。


カーテンも閉め切っていたので、週に一回外に出ると

曇り空でも外が眩しすぎて目が痛かったのを覚えています。

全然歩いていなかったので足もふらふらしていて

自分でびっくりしていました(笑)

まるで吸血鬼の気分でした。


まぁ、この頃があったから今があるんでしょうけど(;'∀')


今若くて、電子から始めてヒットを飛ばしてる人が本当に羨ましい…(笑)



さて作品のお話に入りますが


赤月は作品を作る時は前作と違う物を。というのを毎回考えるのですが

(同じようなシチュだと書いてる方も読んでる方も飽きちゃいますからね)


前作が『祭子』という、重~い。暗~い。感じの作風でしたので

そろそろ気軽に読めるシチュエーションのエロ漫画を描きたいなぁ

と思っていました。結果、気軽に読める。という点と、しっかりお話がある。

という2つの部分で一番バランスが良くなって読者さんにも読みやすくなった

のかなぁと思います。バランスって大事ですよね。


この漫画はここを見てくれている方は知っている方が多そうですが、

内容を言うと『どら〇もん』のエロ漫画バージョンという言い方が

分かりやすいと思います。(笑)


冴えない主人公の元に、ある日突然エッチな願望を不思議な道具で

何でも叶えてくれる可愛い女の子がやってくる。

その女の子が主人公の欲望を叶えてくれるのには理由があって…


というお話です。


この『奴隷兎とアンソニ―』を描いていた頃はティーアイネットが誇る

世徒 ゆうき先生の漫画に多大な影響を受けていた時期でした。

フェラの等分割コマワリの定点カメラなんかは、

世徒先生の影響でこの頃から始めたと思います。


そしてもう一つの影響と言えばページ数。世徒先生は物凄く売れる作家

さんなのに無駄なページが一切なく、基本的にこの頃は

毎回24ぺージぴったりだったんですよね。


それを見て無駄なページを使わないのもテクニックの一つかなと

短いページでガンガンネームを切っていきました。


最初にシャーロットのキャラデザを担当さんに見せたら

思いのほか反応が良くて嬉しかった記憶があります。


そしてこの頃からネームをまとめて描くというのをやり始めました。

お話が頭の中で出来上がっているのならもう描いてしまってもいいだろうと。

むしろそうほうが効率が良いだろうと。


昔「のだめカンタービレ」の作者さんも言っていたのですが、まとめて描いてしまうのが思考が途切れずに一番効率がいいんですよね。一話ずつ描いていると、描いている間に前回の展開や設定などを忘れてしまいもう一度思い出さないといけなくなるので効率がとても悪いのです。


だから頑張っているというよりも、実は合理的に楽なやり方をするようになった

んですね。これは今も続けていて、続き物のエロ漫画は何話も一気にネームを描いてしまいます。今の『七夏の楽園』も8話分440ページ以上をまとめて描いちゃいましたしね。そのおかげで後は描くだけなので本当に楽なのです。


あと、この頃になると、というか基本的にそうなのですが、

一旦単行本が売れるという結果を出すと、

よほどのネームでない限りは直しなどはなくほぼそのままネームが通っていたので

まとめて描くという事が出来ていました。


担当さんから電話が来ても『ネーム読んだよ~』から、その内容には一切触れず(笑)

延々と世間話や漫画の考え方などのお話をして終わり。というのも良くありました。

今思うと作家が調子がいい時は余計な事を言ってそのペースを崩さないように

していたのかなぁ?とも思います。

ネームを最初から3話くらいまとめて送ったことに関しては嬉しそう驚いていましたね。その驚くリアクションが見たくてどんどん下描きやネームを送っていたという側面が一番強かったかもしれません。

その頃の自分は親の驚く顔が見たくて頑張る子供みたいな感じでした(笑)

実際自分は子供っぽいのでその育成方法は正解だったと思います。



世徒先生にならい基本24pで2.3話まとめてネーム。

更に下描きも1.2話先んじた物をガンガン提出していました。

ツイッターで担当さんが、『赤月先生毎月載せるつもりだw』

とかつぶやいてて、それを見てニヤニヤしてさらにやる気を出していました

我ながら単純でしたね(笑)


あとその頃、いのまる先生という方がいらっしゃって

この方がほぼ毎月載せていましたので

勝手にライバル視していたというのもありました。

雑誌の中で競っていると負けたくなくて頑張る、という効果もあって

それもなかなか楽しかった思い出があります。


さてさてそんな感じで『奴隷兎とアンソニ―』も無事に単行本が発売し

エロ漫画としては大ヒット。

ホッと胸をなでおろします。

(アンケート上位でも確実に売れるかは販売して見ないと分からないので

発売日はやはりいつもドキドキするのです。)


そして赤月にはずっと気になっていたことがありました…


次のやりたいお話…そう、一番最初に持ち込んだ時の原稿…!

フタナリの学園の支配者の女性がそこに来る女の子を次々と犯すお話…。

このネタが赤月の頭の中でここまでずっと膨らみ続けていたのです。



次回『自分の半生振り返り⑧

(美少女クラブ)編』へ…!



今回も長くなってしまって申し訳ないです(;'∀')

書くなら毎回長くても単行本一冊分づつくらいで良いかもですね。

内容次第ですが。


ではでは最後に進捗原稿を載せまして今日はこのくらいで~

皆さん体調には十分気を付けてまた来週お会いいたしましょう。


さようなら~ノシ


















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Comments

Anonymous

I love the little detail of his glasses floating off his face. Very cute. 😁