フリーソフトだけでこれくらいの撮影をやる方法 (Pixiv Fanbox)
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ちょっと「撮影」の話です。
これを読んだ人が、
自分のモデルを使えば、
少なくとも自分と同等以上のクオリティの撮影ができるようになるための、話です。
前に言った「基本の導入の話」の、「ちょっと先」の話ですね。
他にもお題のネタ貰ってるのになんでこの話を先にしているのかというと、
まぁ、fanboxは「記事の順番」を後から変えることが出来ないので、
やっぱ関係のある記事は近いところに置いておきたいからです。
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で、今回のギャオス、 今までの自分のモデルより、「結構いい感じ」に見えるのではないでしょうか?
その理由の部分を語ってみます。
(といっても、↓メタセコイア上のリアルタイムプレビューで見る分には、別にそこまで変わったようにも
見えないかもしれませんが)
なぜ変わったのか?
一つには、前のしょぼすぎたノートPCから切り替えたので、
・Sculptris自体が軽くなったこと
・Sculptrisがエラー落ちしない、使用できるポリゴン数が増えたこと
などによって、「スカルプト作業のクオリティ自体が上がった」、というのはあります。
が、これ自体は、自分がやってるのはどこまで言っても「マウスのスカルプティング」ですので、
本質的なことは変わってないといえば 変わってないです。
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「なぜマウスでスカルプトしてるのか」についても 解説は出来ます。
ペンタブ自体は持っているのに、なぜマウスでスカルプトやってんのかというと、
多分、究極的には、「左手キーボードが無いから」なのでしょうね。
もしも本気で、ペンタブでスカルプトできるようになろうと思ったら、
更にいろいろちゃんと環境を整える必要があると思います。
そのような環境がないのに、ペンタブでスカルプトをしようとすると、
かえって時間がかかったり、イライラすることが多いはずです。
なぜなら、ペンタブでは右クリックで視点変更とか、ドラッグで視点移動とか、
そういうことがやりづらいからです。
そういうのを補助するために、ホイール付き左手キーボードとかをちゃんと用意してこそ、
「左手で視点操作、右手で書き込む」という、直感的なことができるようになるのでしょう。
そういう構築が出来ないうちは、マウスだけでスカルプトするほうが速いと、自分は思っています。
(もちろんこれは、マウス絵とかが当たり前のように描けるくらい、マウス操作に自信があれば、というのはあると思いますが)
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・・・ということでした。
モデリングの質自体は、ちょっとは底上げされたかと思いますが、
まぁ本質的にやれることがアップしたわけではないです。
でも、やっぱ今回のギャオスは、自分的にも「いい感じの写真」が撮れたと思ってます。
これは、「撮影のやりかたがようやく分かってきたから」だと思っています。
この辺の解説です。
今回何が変わったかと言うと、 ようやく「環境マップ」の使用とかをやり始めたということですね。
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自分がやってるレイトレースの撮影方法について、ちょっと全部晒してみます。
相変わらず「vidro」というフリーソフトを使っています。
(メタセコイア形式から超お気軽にレイトレースが出来るのは、これくらいだろうと思っているからです)
今回本当に全部晒してみますよ。
自分が今回、このギャオス画像を撮影するにあたって使ったMQOファイルが、これです。
こういうのを、まず作っています。
ポーズ変形自体は、メタセコのボーン機能で出来ると思います。
(まぁ自分はマグネットとか格子機能も使いますが)
(で、それ以外に、地面とか背景とか、光を遮断するためのオブジェクトなんかも、置いてありますね)
このファイルをvidroに読み込んでみて、レンダリングしてみてください。
(MQOファイルの読み込み時にエラーが出るときは)
(↓こうやって古いバージョンで保存してみてください)
ここでまず説明が必要なのが、
「マテリアルの設定」ですかね。
これはやらないと駄目です。
Scnene→Materials→Reflectionの項目に、こんな感じの数字を入れて、
あとここにギャオスのノーマルマップのファイルのパスを入れると、
テカテカの質感が正しく出るようになります。
あとは、レンダリング時の設定。
↑ここの、オーバーサンプリングと、グローバルイルミネーションの数字を、
とにかくあげておいてください。 数倍に。
(このレベルのことも自分はよくわからずにやってたのです)
(まぁとにかく、上げるとノイズが抑えられます)
(そのかわりパソコンが悲鳴をあげますが)
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で、実際にレンダリングすると、↓一応 この通りの画像が出力されると思います。
で、要は、
今までの自分が撮影していたような画像は、「このレベルどまり」だったのですね。
(これを色調補正したようなのが、自分が作るっぽい画像だったと思います)
ずーっと、このレベルで止まっていました。
今まではこれで、満足してたのです。
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今回これが変わったのは、ここに「環境マップ」というのをちゃんとやるようになったってだけのことですね。
で、環境マップは、
こういうところでフリーのHDRI画像が配布されているので、なんかダウンロードしてください。
これを、Scene→Volumesのところに入れます。
今回は東京ビッグサイトの環境マップを使ってみます。
(キラキラしてて自分は好きです)
(見出し画像のギャオスは、ヘリポートの画像を使っています)
(ちなみに、レンダリング前に先のpose1.mqoのファイルをちょっと編集する必要があります)
(背景オブジェクトのobj5を非表示にしてから、上書き保存してください)
(でないと環境マップが遮られてしまうので)
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で、レンダリングします。
そしたらこうなるのですよ!
割とリアルさが見違えたと思いませんか?
(CGっぽいというより、ちゃんと存在するフィギュアっぽい ような)
要は、今までの単純な光源じゃなくて、 こういう複雑な光源での撮影をすると、
CGらしさがようやく抜けてくれる、ということかと思います。
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が、これだと背景が、ビッグサイトのまんまで、バレてしまいます。
(別にそれでいいならいいけど)
あと、もっとギャオスをテカらせたいかな?なんて思ったりします。
(映画本編のギャオスは本当にヌルテカですから)
そのへんを加工するために、これ以外にも、いろんな設定で画像を保存しておくのです。
レンダリング終了後に、Viewのところを選ぶことで、撮影画像が変化します。
・Emission
光ってるところ。
これで、鏡面反射成分みたいなのだけ取り出すことが出来ます。
・Transmittance
これで、透明成分がわかります。
で、この透明のやつをネガ反転して、さっきの鏡面反射のヤツに乗算とかでかぶせると、
「全身のテカリ成分だけの画像」を作り出すことができると思います。
そういうやつを、画像に「加算」で乗せれば、
後付でテカリを強化することができたりするようになるわけです。
(ちなみに、自分は こういう行為はズルではないと思っています)
((レタッチではない。 まぁレタッチもやるときはやりますが))
(そもそも光というのは、環境光というのは、いろんな方向からの光の「合成」であるはずです)
(あとから重ねて光を強めるとか、あとから別の撮影結果の光を加算とかしたとして、
それの何かおかしいだろうか?という感じです)
・・・
で、そうやって重ねてたりすると、↓こういう画像が得られるわけです。
(そんなに大した加工はしてません。 すぐ出来ます)
これと比べたらなんか見違えますよね、ということです。
(もちろんリアルタイムプレビューなんかとは更に)
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このレベルのことを、自分はずっとvidroを使っていながら、
最近まで、全然やってきませんでした。 分かってませんでした。
要は自分は 「そういう進歩の無いヤツ」だったということです。
まぁ、難しいよね。
なんか新しいこと覚えようとしたりするのは、ほんとしんどいから。
なんとなくで、そこそこの画像が得られているうちは、それで満足してしまうのです。
(結局それはまさに、今の自分も同じなのでしょうが)
(自分だって動画は作らないし)
(物理ベースレンダリング?ナニソレ?って感じだし)
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まぁとにかく
こんな風にやれば、
メタセコイアでポーズつけたデータから、
フリーソフト、フリーのHDR画像だけで、
もう これくらいの写真が撮れるようになりますよー ということですね。
自分と同等程度の撮影能力なら、すぐに得られますよーということです。
全部解説してしまいました。
メタセコイア上でモデルをただ眺めて楽しむ、
MMD上でモデルをただ眺めて楽しむ、
というのもいいですが、
こういう撮影もできるようになったら、
「うおおめっちゃリアルな写真撮れた!?」とか思えるようになって、
正直テンション上がるかと思います。
一つ楽しみが増えるでしょう。
とにかく、自分の配ってるモデルでもっと楽しんでもらえればいいのです。
・・・
というわけで、このレベルの解説でした。