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「──こーりんの奴、私のことをが心配だーなんて、いつまで子供扱いなんだよ。そのおこちゃまを恋人にしてる癖にさぁ」


 霧雨魔理沙は不機嫌だった。

 こーりんこと骨董店“香霖堂”の主・森近霖之助から、お小言をもらってしまったからだ。

 霖之助は見た目以上に年を重ねている半妖である為、幻想少女たちの中でも実年齢が少女よりである魔理沙には、どうしても年下への気遣いや老婆心が働くものだ。

 魔理沙はそれがどうにも嫌で、対等に見られていない気がして、何とか恋人に収まるところまで漕ぎ着けたのだが……今度は身内として過保護に扱われてしまっている。

 外の世界と違って、幻想郷の価値観は明治前後で止まっている為、魔理沙くらいの年齢になれば誰かの婚約者であったりすることも珍しくないが、元々は霖之助の師匠筋である霧雨家の娘であるのも手伝って、霖之助はとても優しく魔理沙を諭す。

 しかし、大人扱いをこそ望む魔理沙としては、まっとうな助言が地雷になってしまうことも多々あり……こうして夜の幻想郷に繰り出すことになったのだ。


「大体、異変とも言えないような妖怪の悪戯なんだろ? 人間も妖怪も関係なく、女を二人襲って無理やりくっつけて番にする……女同士とか気持ち悪いと思わないのかね?」


 妖怪と人間の恋愛には寛容な魔理沙も、生まれた時から男女での恋愛、その先に婚姻が当たり前と頭にある為、同性愛には思い切り偏見がある。

 幸いなのか不幸なのか、魔理沙の周りには同性愛嗜好のものは妖怪も人間もいない為、最近の夜を騒がす妖怪に関しては、ただの悪戯者としか捉えていなかった。

 相当強力な妖怪も、打ち倒されて無理やり他の女妖怪と番わされているという噂もあるのだが、幻想郷においては弾幕ごっこで格上相手とも平気で勝負が成立する為、理解不能の行動を起こす件の下手人については、無意識に力の弱い妖怪だと決めつけていたのかも知れない。

 霖之助は正に、そういうことを年長者として魔理沙に注意していたのだが……若い上に恋に狂っているお年頃の魔理沙には、素直に聞き届けられようはずも無かった。


「うーん、それらしいのは見当たらないな。意外ともう霊夢辺りが退治しちゃったんじゃないか? そうなると、こーりんと喧嘩して飛び出しただけになるから、非常に気まずくてまずいんだが……」


 いっそ夜明けまで待ち、甘味でも土産に持って戻ろうかと、姑息なことを考え始める魔理沙だが、そんな彼女は夜の道を一人であるく、幼い少女の姿を捉えた。


「おお、ちょうどいいところに救い主がいるじゃあないか。迷子を保護して帰ったとなれば、こーりんもむしろ私を褒めるしかなくなるってもんだ」


 魔理沙は少女の前にたとんと降り立つと、少女は提灯を片手に首をかしげて見せる。魔理沙は「怪しいものじゃない、ただの魔法使いさ」と指で魔力の星を描いて軽く飛ばして見せる。


「キレイ……お姉さんは、魔法の森に住んでる魔女さんだよね?」

「お、知ってるのか? その通り、幻想郷の何でも屋、霧雨魔理沙とは私のことさ」

「うん、ずっと博麗の巫女様と仲良しだなって、見てたの」


 確かに霊夢と魔理沙は友人関係であり、魔理沙が追う側のライバル関係でもある。しかし、このくらいの年頃の子供がそんな関係を気にしているのは、いささか奇妙にも感じた。

 ともあれ、この子を保護して香霖堂へと戻れば、魔理沙が夜に飛び出したことへの言い分も立ち、人助けということで褒めざるを得ないだろう。里まで送ってやることもできるが、ここは妖怪の噂を利用させてもらうことにする。


「こんな夜中に、チルノより小さな娘が出歩くなんて、妖怪に喰われちまっても知らないぜ? 最近はこのあたりに、ヤバい妖怪が出るって噂だ」

「どんなウワサなの?」

「あん? そうだな、吸血鬼と従者が夜の散歩をしていたら、弾幕ごっこで負けて身分と種族を超えた番にされちまったとか、鬼が面白がってうろついてたら、地底の妖怪と番わされたとか……まあ、そんなでたらめに強い妖怪なんている訳ないが、噂はそんな風に語ってるなぁ」

「あの吸血鬼さんとメイドさん、とってもお似合いだったの。つがいになった方が、この後は寿命差でも楽しめて、お得だものね。あと、地下の妖怪さんじゃなくて、橋姫さんだよ。とっても幸せそうだったんだから」


 ……少女は何故か魔理沙の適当な噂をかなり細部に至るまで補完してみせる。

 何よりも、吸血鬼や鬼といった比較的里でも恐れの対象になっている妖怪の名を口にしているのに、少女はまるきり怯える様子がなくニコニコとしていた。

 この段になってようやく、魔理沙も少女に不穏なものを覚える。


「……お前、どこの生まれだ? 名前は?」

「生まれはいつだったかなぁ? 紫様が月に攻め込んだ時にはもう、幻想郷で暮らしてたと思うけれど……名前は、雪洞葵だよ──種族はね、青行灯」


 ……青行灯とは、百物語を行った時、最後の話が終わると怪異を起こす為に到来するとされる妖怪だ。

 魔理沙は、それこそチルノやこいし等を相手に、妖怪は見た目でないと学んでいたにも関わらず──目の前の少女が、強大な妖怪である可能性を失念していた。


「こ、こいつ……な、なんだ、体が動かない……!?」

「逃げちゃだめだよ、お姉さん……お姉さんにも、素敵な恋人を用意してあげようね……男の人との恋愛なんて、二度とできなくしてあげる……♥」


 ぼう……と葵の放つ光を浴びた魔理沙は、体が急に重くなって身動きが取れなくなってしまい、するすると少女は着物の裾をたくし上げていく。

 青行灯の股間には──とてつもなく長く、大きな、くちなわめいた肉竿が備わっていた。


「お、お前、男だったのか!?」

「ちがうよ、両方ついてるの。最近の妖怪さんは、あんまり両方ついてないねぇ……だから弱っちいのかな」


 ニコニコと微笑みながら、葵は肉竿を晒したままで背伸びして、ちょん……と唇までチン先を伸ばしてくる。

 万が一こんなもので貫かれたら……気持ちいいとか悪い以前に、くし刺しになって死にかねない。


「や、やめろぉっ! くそ、卑怯だぞ! せめて、弾幕ごっこで勝負しろ!」

「どうして? あんなの博麗の巫女様と神主が、人間のために用意したお遊びじゃない。本当に強い退治屋さんや妖怪さんなら、力ずくで何とかしてみせるべき……ちがうかなぁ?」


 喋り方は幼い舌足らずなものなのに、口にする優勝劣敗の理は完全に古強者のものだった。

 紫が月の都へと乗り込んだのは、1000年前だと以前に月絡みの事件で聞いたことがある。つまりこの少女妖怪は、こんな見た目で打ち倒したというレミリア・スカーレットどころか、白玉楼の主よりも年上ということになるだろう。

 必死に体を動かそうともがく魔理沙だが、涙目になるほど体に力を込めても、指一本動かすことも叶わない。

 本気で危機を感じて、何とか説得の方法を考えていたが、気付けば葵に背後へと回られてしまっていた。


「や、やめろっ! なにすっ……」

「わたしの力は“百を司る能力”……百回はパコってあげるね、お姉ちゃん♥」


 能力を口にした時、葵は“~程度の能力”と言わなかった。

 この系統の能力に、魔理沙は覚えがある。守矢の祭神たちの能力──。


「いぎっ!? あっ、あががっ……ひぃぃぃぃっ!?」


 体にかかる重さが更に上昇し、魔理沙の足がガクガクと震え始める。

 魔理沙ドロワーズをズラした尻穴には、ぴったりと葵のデカチンが添えられていて、万が一にでも足を滑らせれば、そのまま直腸の奥までチ〇ポでブチ抜かれてしまうだろう。

 霖之助との行為にまだ及んでいない魔理沙は、半狂乱で悲鳴と懇願を口にする。


「ま、待ってくれ! お願いだ、見逃して……! わ、私は、まだ恋人とこういうことしてないんだっ! だから……」

「……恋人って、男の人? 女の人?」


 当然相手は霖之助なので男なのだが、この妖怪の特殊な趣味については理解している。

 魔理沙は「お、女だ! 女の子だよ!」と勢いよく答え──。


「ふぅん……お姉ちゃん、わたしみたいな、両方ついてるのは初めて見るのに……女の子と“こういうこと”するつもりだったの?」

「あっ……」

「うそつき♥」


 まるで肩を何か強い力で押されたように足がぐにゃりと曲がり、尻穴の中に葵に肉竿がぶち込まれた。

 喉からは勝手に「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥」と絶叫が迸り、ごちゅんっ♥ と尾てい骨にまで衝撃が届く。


「あぎゃっ……♥ はへぇぇ……♥ わ、私の尻……お尻、ごわれるぅぅっ……♥」

「なに言ってるの、お姉ちゃん……♥ こわすのは、これからだよ♥」


 両手を万力のような力で拘束されて、激しく少女の肉竿で突き上げられる。

 まるで突かれた分だけ噴き出しているように、ごちゅっ♥ ごちゅっ♥ と衝撃が脳天まで突き上げる度、あそこから愛液が迸って、脱がされたドロワとスカートをマン臭に染めていく。


「いぎっ♥ あひぃぃ~っ♥ ぐ、ぐるじぃぃっ……♥ も、もっと、優しくぅぅっ……ひっ、ひうぅぅっ♥」

「優しく、されたいよねぇ♥ もっとおだやかに、気持ちいいことがしたいよね♥ でも、男の人とするのって……こういう感じだよ? お姉ちゃんの恋人も、きっとケダモノみたいにごつごつって、いたいことしてお姉ちゃんを泣かせるんだね……♥」

「いひぃぃぃぃぃ~っ♥ いやっ、いやらぁぁぁっ……たすけ……誰か、助けてぇぇぇぇ……♥ ひぐっ♥ ひぎゅぅぅぅぅぅ~っ♥ 助けてほしい? 優しいこーびがしたいよねぇ……お姉ちゃんが本当に頼れるのは、誰かなぁ♥」


 魔理沙の脳裏から、既に霖之助の姿は消えている。

 尻穴を無理やり拡張するような激しい交情を前に、似たような状況になると言われた霖之助のことを、救いだなんて思えなかった。

 その薄い胸を強い力でぐりぐりと押しつぶされ、がりっ……と背中に血がにじむほど歯型をつけられる。

 自分はこのまま、この見た目だけは愛らしい、強くて恐ろしい妖怪に、犯されながら食い殺されるのだ……そんな恐怖に囚われた魔理沙は、息も絶え絶えに彼女にとっての、力の象徴の名を呼んだ。


「れい、むぅぅ……んほぉぉぉぉっ♥」

「くすっ♥ 巫女様が一番頼れる相手なんだね、お姉ちゃ──」

「──【陰陽玉】!」


 白と黒の双同の球体が左右から襲い掛かり、ごつーん! と葵の脳天に炸裂する。

 葵はぬぽぉっ……と魔理沙のアナルから雌珍棒を引き抜くと、頭をふりふりしながら「いたた……」と呻いて、闇の中に紛れて消えていった。


「魔理沙、無事!? 大丈夫!」

「れ、霊夢……霊夢ぅぅぅっ……!」


 泣きじゃくりながら巫女の体に縋り付く魔理沙。

 優しく背中を撫でられる内、その胸に宿っていた霖之助への恋心は、すっかりと自分と共にいてくれる最強のライバルへのモノにすげ代わっていく。

 霊夢が魔理沙を撫でる手に、何とも罪悪感を覚えているような戸惑いが見えること。

 そして、博麗の巫女も何故か尻をかばうようにもじもじと身をよじっていることに、魔理沙はまるで気付かない。

 闇の中で、くすりと邪悪な笑みが漏れた。




今回の攻め役

※雪洞葵(ゆきほら あおい)


種族:青行灯  二つ名:百を合わせる碧い燐光


職業:(強制)恋愛コンサルタント  能力:百を司る能力


人間友好度:最高  危険度:最大


住んでいる場所:幻想郷の何処か


・幻想郷の夜道に出現する、いわゆる夜道怪の一種。提灯を掲げた、チルノよりも幼い少女の外見をしており、一見すると道に迷った着物姿の幼子に見える。

・その正体は幻想郷でも最古の存在の一柱であり、妖怪扱いこそされているが、本来は神の一種であったと考えられる。龍神との主神争いに敗れ、少女の姿で彷徨い続けているという胡乱なウワサすらある。

・百を司る能力を持ち、百という数字に絡めたことは何であろうと引き起こせる反則的な力を持つ。例えば百に連なる重みを相手にかけて圧殺する。百回まで相手の攻撃を完全に無効化する。百単位で時間を巻き戻すなど。

・紫のことを様付けで読んでいる辺り、一応は妖怪の賢者へのリスペクトくらいはあるらしい。その割には、巫女様と呼んでいた霊夢をアナルレイプした疑惑があるが。

・人間友好度が最高なのに危険度が最大なのは、女性同士を強制的につがわす……“百”合を徹底しようとするから。別に男性に悪意は無いが、善意もまた、無い。

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