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 ──魔術とは、偉大なる真理に到達する為の階。

 多くの人間の命を屠れる? 自然現象を操り効率的に何かを壊す?

 そんなものは魔術の一面に過ぎないし、ただ生を奪うだけならば、もっと効率的な手段が幾らでも存在する。

 そもそも生命と言うのは、先行する印象よりもずっと苛烈な“現象”なのだ。弱肉強食と言う言葉は字面とは大きく意味合いが異なるし、自然界の生物は社会を構築している人間など相手にならないほど攻撃をぶつけ合わせ、殺戮を当たり前の本文として繁殖や防御すら攻撃の手段の一面がある。


「そんな風に殺伐たる世界に、我らは自由意志を持って生まれました。他者を攻撃して悦に入り、逆に何かを奪われた記憶を振りかざし残酷こそ世の真理と叫ぶ。どちらも低俗、低劣、低能……明確に間違っています。刃物が調理器具に変わったように、投具が遊戯につかう玩具に落ち着いたように、破壊の力を平穏の為に役立てるよう転嫁する……それこそが、我ら魔術師の目指すべき役割と私は考えています」


 アルザーノ帝国魔術学院の講師であるイルマエルマ=バグベアーの言葉に、システィーナ=フィーベルは目の端に涙を浮かべるほど共感し、感動を覚えていた。

 非常勤講師であるグレン=レーダスの指導を受けるようになってから、システィの魔術理解は非常に優秀なものとなってはいたが、彼の露悪的な物言いや現実的“過ぎる”観点はまだ潔癖さを残した学生のシスティにとって、時に心苦しさすら感じさせるものだった。

 そんな彼女にとって、イルマエルマの物言いは極めて心を強く動かすものであり、グレンに受けていた様々な影響が「くそったれぇぇぇぇっ!」と無駄なグミ射ちをするかの如く洗い流されていく。

 そんなキラキラした目をしているシスティを、親友であり幼馴染でもあるルミア=ティンジェルは苦笑を浮かべて見守っている。素直な分、影響を受けやすいのはシスティの良いところであり問題点でもあった。


「……えー、そういう訳でして、フィーベルさんとティンジェルさんが、今回の私の魔術実験、及び新たな魔術の詩作にもっとも適していると判断致しました。どうか私の理想の為に、協力をしてもらえませんか?」

「はい、喜んで! ルミアも、それでいいわよね!?」

「はいはい、システィお嬢様の命令には逆らえませんから~」

「ちょっ、ちょっとやめてよ、その言い方!」


 システィとルミアがわちゃわちゃしているのを、イルマエルマはジーッと見つめている。

 その眼には確かに情熱が宿っているのだが……その性質は、熱く語っていた理想のそれとは、少々方向性が異なっているようにも端からは見えた。



 イルマエルマの生家であるバグベアー家は、王家に仕える人材を何人も輩出している名家であり、“とある理由”からルミアは、彼女の親戚たちもいずれも優秀な魔術師なのを知っていた。

 その為、イルマエルマが望めば王属の魔術師にもなれたはずなのだが、彼女は母校であるアルザーノ学院に就職し、黙々と魔術実験を行っている。

 抗議に関しては可もなく不可もなしといったところ……だがバグベアー一族でも屈指の魔力量の持ち主であり、時には一族始まって以来の天才と呼ばれてもいるらしい。

 ルミアからそれらの情報を受け取ったシスティは、初日こそかなり緊張していたのだが……主だった協力はシスティの得意とする電撃系の魔法の行使であったり、どちらかと言えば古典に類するような精神論を描いた論文の読み返しや翻訳であったりと、思っていたよりも簡素かつ単純なものであった。


「なんだか、思っていた感じと違うわね……」

「人の精神に働きかける魔法と聞いてるけど……変わったことって、これくらいだものね」


 研究室にいっては、直接的に繋がりがあるか分からないような種々の作業をして、寮に帰った後はこうして、システィとルミアに抱き合って眠るようにという謎の指示。

 フィーベル家に居た頃にこのくらいのことは何度も経験済である為、今さら恥ずかしがることも無い。ルミアの発育をからかったりもしたが、それでも最初の数日だけでその後はすやすやと安心して眠れた。

 そうして子供の頃以来、二人で添い寝するのが当たり前になり、うっかり教室でルミアがバラしそうになって慌ててごまかしたくらいしかトラブルもないまま、実験は最終段階を迎えることになる。


「これまでの協力ありがとうございました、システィさん、ルミアさん。これでようやく、私が試作中だった魔術……“洗脳魔術”が完成しそうです」

「せ、洗脳!?」


 想像していたよりもずっと不穏な単語が飛び出し、システィとルミアは目を丸くする。

 しかし、イルマエルマは特に慌てる様子もなく、すぐにフォローの言葉を発した。


「洗脳と言ってしまうと言葉は悪いですが、分かりやすく言えば他人の闘争心を奪う魔術……もっと言ってしまえば、人の心を強制的にリラックスさせる魔術だと考えてください」

「……そんなことが可能なんですか?」

「この魔術は、複数の属性魔術を組み合わせたものです。薄い霧の魔術を発生させ、そこに微弱な電撃魔術を行使すると、相手の精神に干渉できる……というのが、今日までの二人のご協力で判明したことでした。私たちの思考は、どうやら電気に似た形態を取っていると考えられ……正に、破壊の力を平和に転嫁するものです」

「確かに、もし敵対勢力との戦争になったとしても、これが使えればその場で和平が可能ですね……でも、悪用すれば恐ろしいことになってしまいませんか?」


 例えば相手の闘争心を奪っていきなり不意打ちを仕掛けるとか、あるいはもっと恐ろしい方法で、洗脳した相手に自決させてしまうとか……悪用しようと思えば、幾らでも危険な運用ができてしまう気がする。

 ルミアの案じるような顔に、イルマエルマは否定の言葉を投げかける。


「それは難しいでしょう。人間には本能というものがあります。生きたいとか、食べたいとか、寝たい、えっちしたいとか、そういう原始的な欲求はこの魔術で消すことはできません。闘争心を奪って不意打ちは出来ても反撃は苛烈なものになるでしょうし、命を奪う命令は体が拒否をするでしょう」

「なるほど! 本当に、争いを回避することができる素晴らしい魔術じゃないですか! どこかの非常勤講師にも聞かせてげあげたいわ!」


 今は彼の事情や過去なども知って納得しているが、ニヤニヤしながら「魔術は人殺しの道具」とグレンにドヤられたことをシスティは今でも引きずっている。この完全平和利用可能な魔術を知れば、この世の悲惨をすべて見てきたという顔をしている彼は「ダニィッ!?」と戦慄して震えだすことだろう。

 ルミアの方はそれでも何か危険な運用ができるのではと疑っていたが、パッと思いつかなかったので粗探しになってしまっているだろうと気分を変え、指摘は胸の中に飲み込んだ。


「それでは、最終段階として二人にこの魔術の実験体をしてもらおうと思います。そこに寝てもらって……リラックスした気分になれたら、申告してもらっていいですか?」


 寝そべれるように背もたれを付けた椅子を用意され、システィとルミアは並んで横になり、互いの顔を見つめ合って何となく笑う。思えば協力して何かをするということは、最近はしていなかった気がして、何処か寂しく感じていたかも知れない。

 そんな二人の頭に、甘い匂いのする霧がふわりとかけられ、そこにぱりぱりと電気の輝きが幾度か走った。

 肌がピリピリしないかと心配していたのだが、電気が走る度に二人の気持ちは落ち着いていき、とろとろと眠気のようなものが意識を覆っていく。


「これ……すごい効果、です……ものすごく安らいだ気持ちで……ふあぁ……眠ってしまいそう……」

「システィの言う通りです……んっ……緊張も警戒も和らいで……警戒も……? ふにゃ……」


 二人はとろんと半目になって、眠る時は一緒というのが習慣として復活していたことから、互いに手を伸ばした状態で、だらんとそれを落としてしまう。

 完全に弛緩しきった二人の少女、その頭を覆っていた甘い霧はいつの間にか桃色の雲のようにもくもくと膨らみ、互いの頭を覆っているものは連結して大きな塊になっていた。

 電気が走る度に二人の体が同時に痙攣し、涎をとろっ……と口の端から零しながら、笑顔までも同期していく。


「……そう、この魔術では本能にまでは干渉できません。けれど、常態化してしまっていることならば、日常風景として新しい意味付けをすることは可能なんですよ……ふふふ、システィさんとルミアさんは、最初からお似合いだと思っていたんです……♥」

「おに、あい……わたし、たち……♥」

「システィと……わた、しがぁ……♥」


 ……そう、イルマエルマの語った理想は本音であり、彼女は破壊を伴わない方法で戦争を回避することを前提とした魔術を研究し、いくつか成果を出しているのも真実である。

 しかし、その根幹……主だった目的の方を、実験の協力者に明かしていないだけだ。


「戦争ほど、この世に下らないものはないです……可愛い女の子同士を傷つけ合わせ、時に失わせるなどナンセンス。女の子は女の子と結婚し、幸せに結ばれるべきなのです♥ ああ、システィさんとルミアさんの組み合わせは最高ですね……金髪と銀髪の幼馴染とか、そそる、そそります……♥」


 イルマエルマは重度の同性愛フェチであり、女の子は女の子と結婚するべきなのと、大真面目に主張するタイプの嗜好の持ち主であった。

 これまでも様々な魔術実験に有望な生徒たちを協力させては、女同士の強い連帯を植え付け、時に貴族の家から出奔させるということまでしている、実は非常に性質の悪い魔術師なのである。

 今回の洗脳魔術に関しては、その完成形といっても良い成果であり、最終的にはこれをアルザーノ帝国全土に秘密裏に使用し、すべての女子を百合嗜好にしてしまおうという、国を滅ぼしかねないことまで考えているヤバイ女なのであった。

 ちなみに、こんな魔術を完成させて、これまでも幾度も犯行を繰り返しているが、あくまでも「美しい少女同士を結び合わせる」のが趣味であり、本人はむしろ婚期を気にするノーマル嗜好だというのだから逆に闇深い。それがあるせいで、自分のやっていることが国家転覆につながると直結していない部分もある。

 ともあれ、その段階まで行くにはまでもう少し調整などが必要になる為……今は、システィとルミアを結びつけることが先決だ。


「さあ、システィさん、ルミアさん♥ 貴女たちは、昔からずっとくっ付き合って眠っていて、最近になってそれが復活したでしょう……? それは互いを意識してしまって恥ずかしくなっていたのが、気持ちを自覚したことで再開したのに違いありません……ほら、だって傍らに互いがいるとこんなに落ち着くでしょう?」

「そう、かも……♥ ルミアが、側に……いると……心が、温かくなる……♥ 私の、大切な人……私の、最愛の……親友……♥」

「ふ、あぁぁ……システィ……♥ うれ、しい……♥ そんなことを、言われたら……わ、私……嬉しく、なっちゃうよぉ……♥」

「あなたたちは、私の研究室に通う前から恋人同士でした……そうですね♥ ふふふ、もっともっと気持ちを深く交わしてきてください……♥ そして、私に報告すること……いいですね?」


 ぱちりとイルマエルマが指を鳴らすと、桃色の霧は晴れ、二人は数時間熟睡したようなスッキリした気持ちで目を覚ました。

 そうして、椅子の上から降りようとするのだが……自然な動きでシスティが先に降りて、ルミアに向かって手を差し伸べてみせている。


「ありがとう、システィ……♥ いつも、その優しさに助けられているわ♥」

「何を言うのよ、ルミア♥ 可愛いあなたが怪我をしてしまったら、大変でしょう♥」


 二人はあまりにも自然な仕草で抱き合い、額をこっつんと合わせあう。

 イルマエルマはエビぞりになって「ほぉぉぉっ♥」と絶叫しかけたが、洗脳魔法を自分の頭にもかけて無理やり気持ちを落ち着かせた。


「精神に干渉する魔術ですから、もしかしたら何か変わったことが起きるかも知れません。念のために、私の元へと数日は報告に来てくださいね? これまで研究に協力して頂き、ありがとうございました」

「はい、分かりました、イルマエルマ先生……それじゃあ、帰りましょう、ルミア♥」

「うん、システィ……♥ 今日は、ちょっと我慢できないかも……♥」


 ルミアに首筋の匂いをすんすんと嗅がれ、システィは赤面しながら実験室を出ていく。

 イルマエルマはそれを見送った後、小さく「しゃっ!」と腕をガッツポーズにしてみせていた。

 こうして、清らかな友情を結んでいた……そして、互いに口にすることは少ないが、同じ男に惚れていたはずのシスティとルミアは、完全に百合カップルとして精神改造を施されてしまったのである。



 ──もう実験は終わったのだが、システィとルミアはくっ付き合って二人で眠っていた。それを中止する理由など、どこにも見当たらないからだ。

 むしろ二人は、フィーベルの家に居た頃から付き合っていたと脳内変換されてしまっている為、これまでくっつきあって眠るだけで互いに手を出していなかったことに驚愕すらしていた。


「ルミア……んっ♥ ルミアのここ、随分と成長したわね……♥ 昔はつるつるで毛の一本も生えていなかったのに、今はこうして触ると……しょりしょりっていう感覚が気持ちいいわ♥ ずっと触れていたい……♥ あぁっ♥ とろとろの蜜が出てる♥ 可愛い、可愛い♥」

「あ、んんっ……♥ きゅ、急にあそこを触るのはダメだよ、システィ……♥ システィの側で寝てるだけで、しっとり濡れて来ちゃってるのがバレちゃうから……ううん♥ 本当はシスティの側にいる間は、ずっとあそこが濡れっぱなしだたの……触って、可愛がって、私を愛してぇ……って♥」


 ルミアの指もシスティの股間へともぐりこみ、こちらはまだほとんど生えていない陰毛を撫でるように秘所の周りを指でなぞり、円を描く。時おり陰唇の縁や陰核の先端に指が触れ、その時だけくちっ、ぬちっ……と淫らな水音が部屋の中に響いた。

 対してシスティは、自分の秘所を優しく愛撫されている興奮もあって、ルミアの膣へとそっと細い指を挿入してしまう。つぷっ……と沈み込むそこは抵抗と同時に指を咥え込み、ここはシスティ専用♥ でもきちんと段階を踏んでね♥ と甘く囁いているようだ。


「あっ、あぁっ……♥ ルミア、好き……好きなの、ルミアぁ……♥ ずっと、ずっと好きだった……♥ 出会った時から、途切れることなく……ルミアだけが、好きだったのよ……♥ ルミアの中、狭くて……熱くて……あんっ♥ はぁぁっ……触れてるだけでも、気持ちよくなる……♥」


 システィからの情熱的な告白に、ルミアは少しだけ胸が痛む。

 何故ならルミアもシスティに恋をしてきたのは間違いないが、仲良くなる直前……システィと間違われて誘拐された際、グレンに助けられたことで彼を恋うていた時期がほんの極小ながら(※実際は現在に続くまで気持ちは継続していたのだが、洗脳魔法で芽生えた恋心に圧殺されている)存在しているからだ。

 命の恩人に対して殺意に似た感情を抱き、システィへの想いの不純物だと切り捨てたルミアは、脳内でグレンを巨大な岩盤に叩きつけて埋め、「へぁぁぁっ!?」という脳内悲鳴と共に完全に忘却した。


「私もだよ……システィと同じだけ、ずっと恋してきたの……本当だよ♥ あっ、あっ……♥ システィの指、咥え込んじゃう……は、恥ずかしいのに、これ私のって占有しちゃうよ……♥ んっ♥ んんっ♥ システィのここも、濡れてきてる……ねえ、挿れてもいい? 私の指……♥」


 システィから受けている手マンに蕩けながら、ルミアは下着から一度指を引き抜くと、愛液でてらてらと輝いている指をぴちゃっ……れるっ……と舐めて見せる。

 その煽情的な姿に、システィは想い誤ってルミアの初めてを貫いてしまわないように注意しながら、こくん……と小さくうなずいて見せた。

 ぐじゅっ♥ じゅぶっ♥ じゅく、じゅっ……♥ くちっ、ぐちぃっ……♥ じゅちゅっ……くちゅっ……♥

 互いの秘所を指でゆっくりと広げ合う音が部屋の中に響き、二人の興奮と性感を高めていく。今日、初めてことに及んだはずなのに、ずっと昔から知っているような高揚が二人の胸の内を満たしていく。


「ああ……♥ ルミア、ルミアぁ……♥ んっ、んくぅっ……♥ 苦しいはずなのに、気持ちいいわ……はっ、あぁぁっ……♥ ぴちゃっ……れるっ……♥ ルミアの耳、小さくて可愛い……私で、満たしてあげる……私だけを聞いて……私だけを感じてほしいの……ちゅぴっ、くちっ……じゅるるっ……♥」


 システィの真っ赤な舌がルミアの耳の中に挿入され、幾度も出し入れされて銀色の橋を引く。ルミアは囁かれる愛の言葉と刺激で「んっ♥ んっ♥」と幾度も絶頂に導かれ、慎重にGスポットを刺激しているシスティの指をぷしっ♥ ぷしゅっ♥ と吹き出す潮で濡らしていく。


「システィ……こんな悪いこと、どこで覚えたの♥ 一緒に暮らして育ってきたのに、ちょっとショックだなぁ……♥ 私に秘密で、えっちな勉強とかしていたの♥ お仕置きが必要かも……はむっ、じゅるるるっ♥ あむっ、んちゅっ……じゅぅぅぅっ♥ ふふっ母乳が出たら最高なのに……あむっ♥」


 システィからの濃厚な耳攻めに対抗するように、ルミアは鼻先をぐりぐりと押し込んで上着をはだけさせ、システィの胸を露わにすると、既にぴんと上向きに勃起している先端に吸い付き、ころころと口内で転がし、柔らかく唇や歯で噛んで刺激する。

 ずっと親友の胸の大きさにコンプレックスを抱いていたのもあり、ルミアの思わぬ反撃(お仕置き?)に、システィの中のルミアを想う気持ちが暴走してしまい、胸の谷間にぎゅっと愛しい少女を抱きとめて、むわっ……と香る汗の匂いの中に閉じ込めてしまう。

 システィの側にいるルミアは、当然ながら彼女の体臭を快いものと受け止めていたが、ここまで強力にそれを感じ取ったことはなく、じゅじゅっ♥ じゅるるるっ♥ と谷間に溜まった汗を啜り取りながら、鼻を夢中でふんふんと鳴らしていた。


「はぁ、はぁ……ルミア……♥ ずっと、こうやって抱き合っていると……♥ なんだか、コリコリしたものがお腹にあるのを感じない……? ルミアのお腹は柔らかいのに、ここだけ何か弾力の違うものを感じるわ……んっ♥ なんだかえっちな手触り♥」

「あぁぁぁっ♥ システィ、それは……子宮、だよ♥ 赤ちゃん、部屋……♥ いずれ、システィのカワイイ娘を妊娠する為の場所だからぁ……♥ んっ、はぁぁ……♥ システィのここも、ぽっこりってお腹に出ちゃってる♥ 妊娠、したいんだね♥ 私の子ども……♥」


 同性で赤ん坊を産むことなど出来はしないのだが、今の二人は完全に頭が快楽で茹ってしまっているので、百合妊娠上等で甘い会話を楽しんでいる。

 二人の指がぬちっ……ちゅくっ……と秘所から抜かれ、とろりとしたものを纏ったままで、互いの子宮を優しく撫で合う。体外からのポルチオ刺激……女の子の芯を捧げ合う行いは、二人の体に強い快感を呼び起こし、遂に二人はほぼ同時に「あぁぁっ♥」「ん、はぁぁっ♥」と絶頂を迎えた。


「はぁ……ん、あぁぁっ……♥ ルミアと、一緒に……一緒に、達したいわ……同時に、イキたいの……ねえ、ルミアぁ……♥」

「ふふふっ……システィお嬢様の、仰る通りに……♥ ほら、見てシスティ……♥ システィに触れられて、どろどろに濡れちゃった私にあそこ……♥ お、おマ〇コ……♥ ここを、ね……システィの大事なところに、キスさせてほしいの……♥」

「あんっ……♥ そんなの、絶対に気持ちいいじゃない♥ 我慢、出来ないぃっ……♥ シたい♥ シましょう、ルミア♥ 私のルミア♥」


 二人は互いの秘所をくちり……重ね合い、指を恋人繋ぎで結び合うと、ゆっくりと腰を揺らし始める。

 自分の一番敏感な部分を、相手に任せているという感覚。敏感な箇所同士が擦れ合って、それこそ電気が流れているような快感が伝わってくる共感。手の先から伝わり合う、絶対に消えることのない互いへの行為。


「ふあぁぁっ♥ あんっ、あぁぁんっ♥ ルミア、ルミアぁぁっ♥ ルミアと、せ、セックスしているわ♥ 初めては、ルミアと……♥ 絶対に忘れない♥ こんな幸せなこと、忘れられるはずがないのぉぉっ♥ ふあぁぁぁっ♥ とろとろのルミアのおつゆがっ♥ 私のお大事の中に流れ、こんでぇぇっ♥ あぁぁぁぁっ♥」

「システィ♥ システィ♥ システィはこれで、私のものだよ♥ もう絶対に離さない♥ どんな過酷な運命が待っていたってぇぇっ♥ システィを手放したりしないんだからぁ♥ あぁぁっ♥ 私、幸せぇぇぇっ♥ セックス、セックス最高だよぉぉっ♥ 好き、好きぃぃぃぃっ♥ 愛して……んはあぁぁぁぁぁっ♥」


 互いが絶頂した時に、お互いの膣内にとろとろと流れ込む愛液と潮。

 まるで射精をしているような感覚に、二人の絶頂を止まらなくなり、体の中までも愛しい少女に占有されたのだという感覚で支配されていく。


「ルミア……ずっと一緒にいてぇ……♥」

「システィ……永遠に、離さない……♥」


 ……二人はその夜、固く抱き合ったままで眠り、途中で幾度もムラムラしてはセックスを行った為、その日だけで四回も体を重ねて、互いの体で見ていない個所など一つも無くなってしまっていた。



「──ルミア、改めてお願いしたいの。私と、結婚を前提にお付き合いをしてほしい」

「システィ……私の方から、言うつもりだったのに……♥ はい、喜んで……♥」


 濃厚なセックスの話を聞き終えたので、一旦洗脳を解除したイルマエルマであったが、彼女の想定を超えて二人は目の前で告白して正式に付き合ってしまった。

 二人が付き合っていたなどの洗脳による情報は消えても、二人がレズセックスを終えたのは事実として残っており、それが恐らく二人の心情を変化させたのだろう……あるいは二人とも、最初から素養はあったのかも知れない。


「実に嬉し、いや、喜ばし、いやいや、最高……もとい興味深い結果にはなりましたが、お二人とも、レーダス先生についてはいいんですか?」


 イルマエルマは二人をくっつけるに辺り、どう考えてもイルマエルマしてんだとゴミカスにしか見えないグレンに二人が恋していることも前提として入れており、その部分がどうなったかが気になって思わず質問してしまう。

 すると、システィは「はぁ?」と言いたげな冷たい表情に変わり、ルミアに至っては能面のように無だった。


「なんであのロクでなしの最低講師の話が急に出るんですか。あんなM字ハゲ候補生みたいな男、どうでもいいです」

「話題に上げるのもくだらない……隅っこの方で『百合がナンバー1だ』とかドヤってればいいと思います」

「そ、そうですか……」


 別に男性への差別意識は無いイルマエルマは、二人の豹変ぶりにちょっと引いてしまい、今度飲みにでも連れて行ってあげようと密かに思う。

 二人の関係の理由になった講師をもう気にすることもなく、手を仲良く組み合ったシスティとルミアは研究室を出ていく。

 けれど、付き合いたての興奮に支配されている二人は、廊下を曲がったところで誰もいないことを確認し……システィの方が壁に手を突いて、秘所を恋人に弄られ始めるのだった……。




今回の攻め(?)役

※イルマエルマ・バグベアー

・アルザーノ帝国の貴族バグベアー公爵家の次女であり、一族最強の魔力を持つ魔術師。アルザーノ帝国魔術学院の正式な講師であり、主に研究職をメインとしている為に講義については可もなく不可もなくという感じだが「戦争を暴力無しで終結させる魔術的手段」については帝国一の才能を持つ。

・しかし、その実態は「女の子同士が傷つけあうのはナンセンス」「可愛い女の子は戦争じゃなくてレズセックスで対戦しろ」的なイカレポンチ思想を持つ、グレンとは別種の“ロクでなし”。これまでも生徒同士を結び合わせてきた結果、御家騒動なども幾度も引き起こしている問題児である(出力される研究成果が「停戦」に特化している為、誰もイルマエルマが原因とは疑っていない)。

・システィとルミアについても「銀髪×金髪で幼馴染なのに、付き合ってないとかギャグでしょ?」くらいの感覚で今回の事件を引き起こした。その癖、本人はノーマル性癖である為、洗脳したり操作した少女たちの所業にドン引いたりもする。お前のせいなんだぞ!?

・なお、実はグレンからは「魔法を殺し以外の目的で使用し、かつ成果を上げている」ということでひっそりと評価が高く、もしも本編での宣言通りに飲みに行く機会が発生した場合、ワンチャン結婚まで行く可能性があったりする。しかもその場合は、精神的充足から生徒を毒牙にかけることがなくなる。イルマエルマは同性愛を好む以外は、典型的なアルザーノ帝国の魔術師の思考の為、本当に低確率ではあるが……。

・ちなみに同性愛嗜好に目覚めた時点で、次代の復活の可能性が断たれる可能性がある為に、レ=ファリアはルミアを器の候補として外しており、何気に(短期間かつ結果論ではあるが)世界を救ってみせていたりする。

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Comments

屋根が高い

Web小説系列は、最初から百合路線のものを除くと、メチャクチャ界隈から警戒されてるからでしょうかねー…前科が、あり過ぎる!