TIPS【目】 (Pixiv Fanbox)
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▶︎「いいね!」がもらえるイラストは何が違う!?
「目は口程に物を言う」という言葉を調べてみると「情のこもった目つきは、言葉で説明するのと同等に、相手に気持ちが伝わること」と書いてあります。これは何も現実世界に限った話ではなく、イラストでも同じことが言えると思いませんか?
あなたがキャラクターイラストを見るときをよ~く思い出してみてください。
ほぼ100%、目からチェックしていませんか?
目を中心にイラスト全体を見て「かわいい」「上手い」といった感想を考える人がほとんどだと思います。
あなただけでなく、ほとんどの人がそれだけ注目しているということは、逆にその部分を強化すればイラストの評価が上がるとは思いませんか?
あなたが描く「目」はどうですか?
100人の目に留まるクオリティで描けていますか?
1000人の注目を惹きつけるだけの魅力を出せていますか?
今回はわたしが調べたプロのイラストレーター、アニメーター、漫画家のテクニックの中から、注目を集める目の描き方についてピックアップした内容を紹介します。
▶3つのステップで「目」を強化しよう!!
みんなの注目を集める「目」を描くためには次の3つのステップが必要です。
ステップ➀:目の高さ
ステップ②:目のシルエット
ステップ③:目を盛る!!
なぜこの3つのステップが必要なのか?それは「違和感を無くしつつ注目度を上げる」ためです。「目」は一番最初に注目されるパーツだからこそ、違和感があるとすぐにバレます。違和感=マイナス評価なので、今回はできるだけ「違和感を無くしつつ注目度を上げる」描き方を紹介しています。
そして、この3つのステップを流れるように実践できたとき、あなたは新しいアビリティをゲットしているはずです!
▶あなたのイラストを格上げするアビリティ!
「目」のアビリティをゲットしたら、今までよりも上手く描けるようになります!
具体的には…
・注目を集める目が描ける!
・目のクオリティが安定して失敗が減る!
・いろいろな目の違いを理解して、描き分けることができる!
などなど、さまざまなメリットがあります。
当たり前ですがキャラクターには必ず「目」がついているので、腐ることが無いアビリティです。ゲットしておいて損は無いはず!
▶ステップ➀:目の高さ
今まで目の高さを意識したことがありますか?目の高さは、顔を描くとき最初に注意すべきポイントです。なぜなら、目の高さで顔の角度がわかるからです。
もう少し具体的に言うと、顔が下を向くと目の高さは下がり、顔が上を向くと目の高さは上がります。つまり、目の高さと顔の角度は連動しているということ。
逆に言えば、目の高さと顔の角度がズレていると違和感の原因になります。さっきも言った通り、違和感=マイナス評価になりやすいので、目の高さは重要なんです。
▶ざっくりと3つのパターンを使い分けよう
顔の角度はざっくりと「正面」「フカン」「アオリ」の3つのパターンを覚えれば大丈夫です。「これは38…39度かな?」なんて細かく角度を考える必要はありません。さすがに見ている人もそこまで細かくチェックはしません。
とりあえず、「これは下を向いている顔なんだな」「これは上を向いている顔なんだな」と見ている人に伝わりやすいイラストを描くために、ざっくりと3つのパターンを覚えておくと便利です。
▶ステップ②:目のシルエット
次に大事なのは目のシルエットです。つまり、まぶたがどんなカタチをしているかが重要だということです!
シルエットと聞くと「はいはい、目の描き分けに必要なんだね」と思う人もいるかもしれません。確かにツリ目、タレ目、パッチリ目など、キャラクターの描き分けに目のシルエットを使い分けている人も多いですね。でも今回は違います。
目のシルエットが重要なのは、目のシルエットが顔の角度によって変化するからです。つまり、パッチリ目でも顔の角度によってシルエットが変化するし、ツリ目でも顔の角度によってシルエットが変化します。
ツリ目のキャラクターだからといって、すべての角度で同じツリ目のシルエットを描くと違和感の原因になります。だから目のシルエットは重要なんです。
▶「正面」のシルエットをベースに調整しよう
目のシルエットは大きく分けて「正面」「フカン」「アオリ」の3つのパターンで変化するので、角度に合わせてどう変化するのかを解説します。
基本的に「正面」のシルエットをベースにして考えて、顔が下を向くほどフカンのシルエットに近づき、上を向くほどアオリのシルエットに近づくと考えると覚えやすいと思います。
▶「正面」は上に丸いシルエット
目のシルエットの線は見ている角度と垂直になるほど丸く、平行になるほどまっすぐになります。ぜひ鏡で確認してみてください。
「正面」の場合をチェックしてみましょう。上まぶたが垂直とは言わないまでも、かなり角度がついています。だから上まぶたの丸いカーブがよく見えるはず。
逆に、下まぶたはかなり平行に近いですよね?だからシルエットはまっすぐに近づきます。厳密に言えば「まっすぐではない」のですが、まっすぐに描いた方がイラストとして伝わりやすいので下まぶたはまっすぐに描くことをオススメします。
▶「フカン」は下に丸いシルエット
今度は顔が下を向いた「フカン」のシルエットを考えてみます。顔が下を向くということは、キャラクターを上から見下ろす角度です。「正面」とは違い、上まぶたがどんどん「フカン」の角度と平行になっているのがわかるはず。つまり、上まぶたはまっすぐに近づくということです。
逆に下まぶたは「フカン」の角度と垂直に近くなっているのもわかりますよね?角度がつくことで、下まぶたの丸いカーブが見えるようになります。
▶「アオリ」は外に下がったシルエット
最後に顔が上を向いた「アオリ」のシルエットを考えてみます。顔が上を向くということは、キャラクターを下から見上げる角度です。上まぶたは「アオリ」の角度とほぼ垂直になるので、丸いカーブが見えるようになります。
逆に下まぶたは「アオリ」との角度が大きすぎるので、目を隠すような状態になります。
注意点は「シルエットは外側に下がる」ということです。なぜなら、人間の顔は目の下に「ほっぺ」がありますよね?「アオリ」の角度では、ほっぺの丸みで外側に下がるシルエット見えるわけです。
このように「正面」をベースにして、顔が下を向いたら「フカン」に調整、上を向いたら「アオリ」に調整するというように、顔の角度に合わせて微調整すると違和感を減らすことができるということです。
▶ステップ③:目を盛る!!
違和感のない目が描けたら、最後は目を盛ります。なぜなら、目を盛ることで目の印象を強くすることができるからです。みんなの注目を集めましょう!
目を盛るコツはシンプルで「黒い部分を増やす」ことです。具体的には
➀線を太くする
②線を増やす
の2パターンです。どちらも「黒い部分を増やす」ことで注目度を上げています。
例) 目 と 目
同じ文字でも太字は目立ちますよね?
例) 目 と 「目」
カッコをつけた方が目立ちますよね?
上まぶたのまつ毛の部分を太くして黒い部分を増やしたり、まつ毛がシルエットから飛び出すような表現をすることで線を増やして黒い部分を増やしたり、このあたりが一番多く使われているテクニックです。
番外編:”盛らない”のに目の印象を強くする方法
「目を盛ると逆に違和感がある」なんてときはどうしたらいいのか?男性キャラの目をガンガン盛ったら、オカマっぽくなって困ることもあるかもしれません。
そんなときは「目以外で黒い部分を増やす」方法を取るのがオススメです。例えば、まゆ毛を太くするだけでも目の印象は強くなります。
上の画像を見てもらえればわかると思いますが、同じイラストでもまゆ毛を太くする、眉間のシワを描いて線を増やすといった工夫をすることで力強い印象になっていますよね?
大切なのは「黒い部分を増やすこと」です。
他にも目の近くに黒子(ほくろ)や刺青などを描くことで黒い部分を増やすといった表現もあります。ぜひ一度マンガなどで探してみてください。
▶実際に効果を比べてみよう!
例として3つの比較画像を用意しました。各ステップができている、できていないとどんな違いがあるのか?実際にあなたの目で見比べてみてください。
その違いがあなたにとって無視して良いレベルなのか?無視しちゃダメなレベルなのか?一度考えてみると、今後のイラストにとても役立つと思います。
比較➀:目の高さ
ステップ➀で紹介した「目の高さ」について比べてみましょう。
今回は「フカン」のイラストです。顔が少し下を向いています。
左のイラストに比べて、右のイラストは「正面」を向いているような印象を受けませんか?これは「目の高さ」が高すぎることが原因です。
頭は髪の分け目が分かるくらい前に傾いているのに、顔は正面を向いているという違和感を感じるイラストになっています。
でも、コレくらいの違和感はプロのマンガでもよくあります。わたしも個人的には及第点という感じで、確かに違和感はあるけど、そこまで責め立てるようなレベルではないと思います。
比較②:目のシルエット
ステップ②で紹介した「目のシルエット」について比べてみましょう。
パッと見るとそんなに悪くないように見えます。でもよく考えると、右のイラストは目がかなりほっぺに食い込んでいるのが分かります。これだと「正面」を向いたときはどんな目のシルエットになっているのか・・・??
これは「目のシルエット」が違うことが原因ですね。
イラスト単体ではそこまで悪く感じませんが「少しうつむいて微笑んでいる顔」を描きたいと思っていたら「なんか違うな・・・」と悩んでしまうかもしれません。
これは本人が納得できるか・できないかのレベルだと思います。描いていて「納得できなくてイライラする!」と悩んでしまうなら、一度目のシルエットを見直してみてください。
比較③:目を盛る!!
ステップ③で紹介した「目を盛る!!」について比べてみましょう。
もう見てすぐわかるくらい明らかですね。印象が全然違います。右のイラストが悪いわけではありませんがん、左のイラストと比べると明らかに印象が弱いです。
これは「目が盛れていない」ことが原因です。
多くの人が「どちらがヒロインですか?」と聞かれたら、まず間違いなく左を選ぶと思います。逆に右はモブキャラっぽく見えませんか?
でも、これをタッチの違いと考えればそこまで悪く感じません。右のキャラも単体で見れば「この絵師さんはこういう描き方が好きなんだな」という印象を受けます。
エッセイなどで「あまりアニメキャラっぽくしたくない」人なら右の描き方を選ぶのも当然だと思います。
▶アビリティはゲットできましたか?
ステップ➀:目の高さ
ステップ②:目のシルエット
ステップ③:目を盛る!!
ここまで読んだあなたは、3つのステップがどれだけ重要かは理解できたはず。「目」のアビリティは注目を集めるイラストを描くために必須級のアビリティです。ぜひゲットしてください!
効果を比べることで、各ステップが自分のイラストにどれくらい必要なのかが分かったと思います。わたしが紹介した内容を100%取り入れる必要なんて無いので、自分に必要な部分だけ吸収してください。
▶自分がアビリティをゲットできたのか知りたい人は・・・?
調べる方法は簡単です。実際に描いてみましょう!
➡描けた人
おめでとうございます!見事アビリティをゲットしました。
➡描けなかった人
残念ですが、もう一度この記事を読みなおしてみてください。どこか抜けている・勘違いしている部分があると思います。
※どうしてもゲットできない人は、メールでコメントしてください。この記事が不十分だった可能性があります。何が足りなかったのか調べて、記事を強化するための参考にさせてもらいます。
▶顔のイラストに飽きてきた人は?
たくさん描いている人は、そろそろ顔だけのイラストにも飽きてきたはず。
・全身も描いてみたい!
・キャラクターを動かしてみたい!
・マンガみたいなストーリーを描きたい!
描けるモノが増えれば、あなたのイラストの可能性は広がります。
たとえば、SNSのアイコンを描いて販売することもできるし、4コマ漫画を投稿してバズることもできます。同人誌を描いてコミケに参加したり、もしかしたらプロデビューすることもあるかもしれません。
あなたがレベルアップするほど、あなたの可能性は広がります!
▶︎あなたなら「シン・イラスト術」をどう使う?
この「シン・イラスト術」には、わたしの10年分の経験値が詰まっています。
この経験値をどう使うかはあなた次第。初心者の人なら描き方のコツを調べる「チュートリアル本」として、中級者の人なら基礎力向上の「ベースアップ本」として、上級者の人は弱点克服、新しいタッチを習得するための「レシピ本」として使うのもアリだと思います。
他の記事もチェックして、あなたのレベルアップに役立ててください!
お疲れさまでした!