テレフォン・セップク:吉田奈保子 (Pixiv Fanbox)
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zow_zit様の小説を元に描かせていただきました。小説の使用を許可してくださったzow_zit様に感謝いたします。
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作者:zow_zit
「あの……こちらで切腹の話を聞いていただけると聞いて電話したのだけど……」
「お名前は?」
「吉田奈保子」
「いい名前だね。どちらから?」
「掲示板。『あの世の手前』ってところの」
「ああ、なるほど。…したいんだ? 切腹」
「ええ。あこがれてしまったの。腹膜を突き破って刃物が体内に侵入する感覚……、絶対にそれだけではすまないと思うけど甘美に感じてしまう」
「そうとも。とんでもなく痛い。その痛みと苦しみは君の脳を支配し、体を乗っ取り、自由を奪ってしまうだろうね」
「私は不安なの。どうしたら醜く失敗することなく切腹を完遂できるかしら」
「そんな確実な切腹は誰にもできないよ。ただ覚悟をするだけ。何が何でもやり遂げる。痛みをねじ伏せ、気力で体を動かし続ける。やるだけやってそれでもダメなら醜く果てる。そうなる可能性も飲み込んで切腹に望んだ者だけがやり遂げられる」
「……ありがとう。私を甘やかさないでいてくれて。わたし、ようやく覚悟ができた気がする」
「少し、君について聞いていいかな?」
「いいわよ」
「身長と体重は?」
「160cm、56kg」
「いいね、痩せすぎず。太り過ぎず。髪型はどうかな?」
「ロングよ。といっても、片側で結んで胸にかかるくらいかな。背中に流しても肩甲骨くらい。今日は邪魔にならないように緩く三つ編みにして左側から下げてるわ」
「ガーリーだね。黒髪?」
「ええ。染めてはないわ」
「もう、用意はできてるの?」
「ええ。古風に三方とかを用意してるわけじゃないけど。短刀と奉書紙と」
「いま、どんな格好をしてるの?」
「セーラー服を。白のがよかったんだけど、それは用意できなかったの。だから普通の紺のやつ」
「いいと思うよ。肌とのコントラストがあって」
「今の季節だと、半そで?」
「そうよ。裾も短めだから簡単に下腹部を出せちゃうの。切腹に便利」
「ふふ、そうだね」
「短刀はどんなのを持ってきたの?」
「普通にお店で売ってるやつ。白木の鞘に入っててすごくきれいなの」
「よく切れそう?」
「うん。買った日にちょっと指切っちゃった。すぐお手入れしたけど」
「鞘から抜いてみて」
「うん。とてもきれい……。これがもうすぐ私の中に……」
「お腹はどこまで切るんだい?」
「十文字はやめとく。一文字で……でも、腸を引きずり出すのはしたい……」
「介錯はどうする?」
「できれば……心臓に……この刃を刺し込んで……」
「具体的に想像できているせいか、ちょっと呼吸が粗くなってるね」
「ええ……興奮してるわ……とても……」
「奉書紙は刃先は2センチくらい出して巻くんだ。そうやって、刃先をどれだけお腹に沈めるかをコントロールするんだよ」
「ええ。心得てるわ………」
「ところで、そこ、どこなの? 室内?」
「室内。ビニールシートの上だと気分が出ないからね、ビニールシートの上に畳を敷いてるの」
「いい配慮だ」
「私の死体……の片づけはどうしても誰かに任せることになるけど、なるべく簡易に済ませられるようにしたいからね」
「いま、自分の『死体』という言葉でちょっとキュンとしたね?」
「その……もうすぐわたしが『それ』になってしまうと思うと……」
「憧れてた?」
「うん。人間だったモノ。もう動かない……でも私だったモノ……すごく興奮する存在だわ」
「君の死体はどんな格好をしてるんだろうね。仰向けかな? それともうずくまっているかな?」
「最後は心臓を突く予定だから、うまくいけばうずくまっていると思うわ。でもあまりに座っているのが辛かったら仰向けになってから自分に止めを刺すかもしれない。でも、できればうずくまっていたいわね……。血が広がっている中でうずくまるの。目は開いたままかな……。苦痛に歪んでいるより、無事に終えたことに安堵している顔をしていたいわ……」
「……」
「……そろそろ始めるわ……。最期まで付き合ってくれる……?」
「もちろんだよ。その前に宣言を行うといい。名前を名乗り、これからすることを口に出すことで。自分の気持ちを固めるんだ」
「そうね……。吉田奈保子、今から腹を切ります。そして、死体になります。電話越しでもいい。最期まで観ていてください」
「了承した。始めていいよ」
「今、左の脇腹にあの切っ先を当てているわ……5秒、カウントダウンしてくれる?」
「5、4、3、2、1、0」
「……っ! ん…、ああ……! 入った……入ったわ……。奉書紙が血に染まっていく…」
「今、刃は君のお腹の腹膜あたりまで届いているはずだ。どうだい? 痛みのほうは」
「……意外と……耐えられるわ」
「問題はここから横一文字に切り裂いていくプロセスだ。痛みから目をそらすように他のことに集中するといい」
「やってみるわ……。話、聞いててくれる?」
「ああ」
「ん……はあ……友達がね、……死んじゃったの。……うう……わたしは直接は、死体をみたわけじゃないんだけど……実はそのときね……、わたし、彼女と電話で話してたの……」
「へえ、どんな内容で話をしてたの?」
「初めは、……うっ……はぁ……彼女が街を歩いているところで……。『ナンパされちゃった』って言ってて……、『君の内臓を見たいだって』……って」
「友達の子もまんざらじゃなさそうだった?」
「うん……、『どうしよう、ドキドキする。行っちゃおうかな』って」
「君はどう言ったの?」
「ああう……『死んじゃうよ』って、一回止めたわ……。でも……ふう…あの子、『それも含めてドキドキする』って……。それ聞いたら私も……ああ……『分かる』って言っちゃって……」
「分かっちゃったんだ」
「電話をつないだまま……あの子…んっ…ついていったの。……で、あの子は、寝台に縛り付けられて……はあ…メスでね……お腹を開かれて……」
「痛がってた?」
「ううん。麻酔……してもらってたから……お腹、開いて、内臓をね……ん…いじくりまわされている間……気持ちよさそうな声を……漏らしてたの……ぐぐ」
「それで?」
「そのナンパした人ね……、えっちとかするわけじゃなくて…ぐ……ん…、本当に……体を開いて……内臓を、みるだけだったの……ふぐ……、でも……最後に…あう……心臓を……」
「掴みだしたの?」
「そう……。『心臓……もらっていい?』って男の人の声がして……友達は『大事にしてね』って……ぐ…」
「君とは最後に話はしたの?」
「友達とはね……『ごめんね。あたし、死ぬね。今までありがとう』って……ふう……それから彼女の大きな声がして……、電話は切れちゃった」
「友達の死体は見つかったの?」
「うん。どこでかは分からないけど……その死体には心臓はなかったって……聞いたわ」
「どうして君は切腹だったの? 同じような死に方をしたいとは思わなかったの?」
「自分で……触りたかったの。私の中身を」
「横一文字……できたわ。おへそを中心に左右併せて30センチくらい……、かしら。意外と腸ってこぼれてこないのね」
「腸間膜で、脊柱からぶら下がっているんだ。引っ張らないと出てこないよ。さあ、君の待ち望んだ瞬間だね。開いた傷口に手を差し入れてごらん……」
「ん……ああ……これが私の……とてもあったかいわ…私の内臓(なか)ってこんな手触りなのね。……あったかくって、ぷにぷにしてて……どくどくと脈打ってる」
「中を『触られてる感触』はどうだい?」
「痛くはないけど…んっ……何かに押されている感触は……あるわね……あっ……ちょっと…気持ち…いいかも」
「腸は引き出せそうかい?」
「やってみるわ………あっ……ううぐぐ……んんっ…ごぼっ」
「……吐血か?」
「え、ええちょっと……さすがに…ごぼっ……かき、回し過ぎた…」
「無理してしゃべらなくていい」
「いい……わたし、聞いて……ほしい……でも……出たわ……。けっこう、キレイ……ね……」
「吉田さん。残念だけど、最後の段階に入ろう。呼吸も浅くなってきたみたいだし。体が動かなくなってからじゃ遅い」
「そ……ね。血を……出し過…、冷た…」
「刀は胸の中心に当てるだけでいい。あとは前に倒れ込んで、床と体重で刃を体の中に押し込むんだ」
「ん……。………持った。……当てた………」
「よく頑張ったね。ありがとう。いい切腹だった」
「こち……ありが…と………。……行く……わ」
「うん。最後まで聞いてるから」
「すぅ……ああああああ! うっ! ぐううううう……うう……う……ふ…」
「……」
「吉田さん?」
彼女の声が一切聞こえなくなって十分後、もう一度だけ呼びかけを行って彼女がすでに去ってしまったことを確認すると、私は電話を切った。
その時、ショートメッセージが届いているのに気づいた。
番号は、彼女からだ。
メッセージには住所のみが書かれていた。
案外近い。30分くらいで着くだろう。
私は、その住所に行ってみた。そこは古い民家だった。
正面玄関は締まっていたが、傍に庭に入る扉があった。そこは開いている。
私は庭に入ってみた。
庭はあまり手入れはされていないらしい。干からびた池と飛び石の周りを中途半端に雑草が茂っている。
家の庭に面した部分には、吐き出し窓があり庭に直接出入りできるようになっている。そこには木製のステップが設置されている。
吐き出し窓は開いていた。その窓の奥に、セーラー服姿でうずくまった女の死体が見えた。
背中にきらりと血に濡れた刃が覗いている。体重を掛けたせいか、勢いがついて貫通したのだろう。
体は正座から真正面にうずくまるように事切れている。ほぼ唯一見える肌身であるうなじはきれいなままでそれが艶めかしかった。
「きれいな死にざまじゃないか」
私は、それを写真に収めると、そっと部屋の中に踏み入った。
血の匂いがさらに濃く感じられる。
薄暗い部屋の中、彼女の前方にスマートフォンが配置されていた。
そのスマートフォンに向かって彼女の右手の人差し指が伸びている。おそらく最後の力で準備していたショートメッセージを発信したのだろう。
角度を変えてみると、死に顔が見えた。目は見ひらいているが、苦しみは感じられない。安堵が見える表情だ。
少し幼いが顔も整っている。
奥にあった机に、書類があるのが見えた。
置手紙らしい。
「切腹相談の方 ありがとうございました。
もしかしたら女性に興味のない人かもしれないし、
そういうこともしたくないのかもしれないけど、
よかったらわたしの死体は好きにしてください
吉田 奈保子」
ありがたく、いただくとしよう。
とりあえず、わたしは吐き出し窓を閉め、その外側の雨戸も閉じた。
これで外から覗かれる心配はなくなった。別にみられてどうということはないが邪魔が入るのはつまらない。
大きな光源をなくしたからか途端に室内が薄暗くなる。
が、ムード的にもちょうどいい。
そして改めて彼女の正面にひざまずく。
……せっかくのきれいな死にざまを崩すのはもったいなかったが、このままじゃ、全く触れられない。
私は、彼女の上半身を起こし、彼女を支えながら、彼女の胸を貫いている刀をゆっくりと抜いた。
まだ死んで間もないこともあり、刀を抜くことでまた少なくない血が彼女の胸からあふれてくる。
私は座らせた体勢となった彼女の後ろに回り、そのセーラー服の血に濡れた襟から手を差し込み、丁度よい張りの乳房を揉みしだく。
そして、あごを支えて彼女のうつろな顔を私のほうに向かせて、口づけた。口の中に血の味が広がる。
しばらく楽しんだ後は、ゆっくりと床に寝かせた。
横たわった彼女の腹には、引き出された腸が乗っている。
私は、それを手に取り、そしてその腸がつながっている奥へ手を這わせていく。
果たして、私の手は彼女の腹の一文字から彼女の体内へ。
すでにかなり体温が下がっているが、それでもまだぬるい熱は残っている。
我慢ができなくなって、私は挿入を行った。
死体の膣内の感覚は、生きている女性のそれとはやはり大分違う。体温も違うし、圧も違う。
私は、ピストン運動を繰り返しながら、彼女の一文字に手を差し入れたり、
冷たくなっていく彼女の体を抱きしめたりして、彼女との性交を楽しんだ。
いよいよ射精感が高まり、彼女の中へと思いっきり精液を解き放った。
それから、彼女を抱えて彼女を自分の上にのせてみた。
騎乗位であるが、当然彼女は自立しないので、完全に私に体重を預けることになる。
密着度が高まり、その重さが心地よく私に圧力を加える。
そして、私の下腹部に、温い感触が触れる。彼女の一文字から垂れた血と、腸だ。
その血の匂いが一層濃くなり、私は昂ぶりを感じた。
さらに交わりを激しくし、そして光を失った彼女の目を見つめながら2度目の絶頂を迎えた。
果てたあとも、私は彼女と交わったまましばらく余韻に浸っていた。
いい加減彼女の熱が去ったとき、私はやっと身を起こした。
あと片づけは全て引き受けた。彼女の死体は、持ってきた死体袋に収め、
血に汚れた畳、その下に敷かれていたブルーシートも全て回収した。
彼女が用意周到だったおかげで、あとは少し換気と掃除をするだけで、その家は何事もなかったかのような姿に戻った。
そして彼女の死体は私の家に飾ってある。
正座をし、今にも切腹しそうな姿で。
私は業者に注文し、彼女の死体を剥製に加工してもらったのだ。
ただ、元々彼女が着ていたセーラー服は丈が短かったのか、腹部の切腹の痕は隠せていない。
後片付けが大変なので滅多に使わないが、彼女の腹部と陰部は犯すことも可能になっていたりする。
電話から始まった縁だが、今後いいパートナーになってくれそうだ。
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