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「あぁ~!!分かんねぇ!!!」

四角いこたつに3人。

向かいには数原君、そして右には白濱君が問題集と睨み合いをしていた。

そして急に白濱君がそう叫んだのだ。

「うるせぇ…」

そんな白濱君を数原君は睨みつけるが、俺ならチビってしまう程の迫力のある睨みも、白濱君は全く気にしていない様子で机に突っ伏した。

「白濱君、どこが分かんないの?」

そんな白濱君に見かねて声を掛けると、勢いよく顔を上げて満面の笑みで問題集の問いを指さしてくる。

「チッ」

そんな白濱君に数原君は舌打ちをしていたが、もう何度目かも分からないやり取りに、内心ため息をつきながら俺は白濱君の指指す問題を見て説明を始めた。


俺達は今、数原君の家で3人で勉強会をしているのだ。

勉強会と言っても、俺が2人に教えるのがメインの会なのだが。


なんでこんなことになったのか、時は少し遡る…



■■■■■■■■■■■■■


「なぁ、島田って数原と仲良いの?」

ある日、俺がいつものように一人で自分の席で昼食を取っていると、白濱君が急に話しかけてきたのだ。

白濱君はクラスのムードメーカー的な存在で、数原君とはまた違った俺とは住む世界が違う人だった。

背が高くて、顔も良くて、性格も明るくて、バスケ部で、いつも人に囲まれて中心にいるような…

だから急に話しかけられてかなり焦った。

しかも数原君のことでなんて。

「あ、えっと、仲が良いって言うか、その…」

「この前二人が一緒に教室から出て来るの見たからさ。なんか楽しそうに話してて、意外な組み合わせだなって思ってよ」

白濱君が言っているのは、恐らく二人で勉強会をしたあの日のことだろう。

教室の中でしていたことまでバレてたらどうしようと一瞬ヒヤッとしたが、白濱君から探るような印象は受けないし、恐らく見られていないはず…

「あ、実は数原君とはバイト先が一緒で…」

「え!?そうなのか!ってか島田バイトしてんだ」

「うん。コンビニだけど…」

「まじ?どこの」

「え、えっと、3丁目の交差点にある…」

「あぁ!あそこか!あそこ俺んちから逆方向だからあんまり行かねぇんだよなぁ…そこで仲良くなった感じ?」

なんだか初絡みなのにグイグイ来られ、白濱君のコミュ力の高さに圧倒される。

「う、うん。俺バイト先では先輩だから色々教えたり…あと勉強とかも」

「勉強?あぁ、島田勉強できるもんな。え、つまり数原に勉強教えてるってことか!?あ、だからこの前教室から二人で出て来たのか!なるほどな」

白濱君って思ったこと全部言葉に出るんだな…

少しの情報で色々なことを結び付けて結論を出す回転の早さもそうだが、こういう表裏が無い感じがみんなに好かれているのかもしれない。

最近俺と話す時はそうでもないけど、普段言葉数が少ない数原君とは真逆な人のようだ。

「ってか島田に勉強見て貰えんの良いな。俺にも勉強教えてくれよ」

「え?え?」

急な展開過ぎてどう返事をして良いか戸惑う。

俺みたいな奴が、クラスの中心人物に勉強を教えるなんて俺には役者不足と言うか…

クラスで浮いてる数原君なら兎も角、白濱君ならもっと他に教えてくれる人はいるだろうし。

「お、俺じゃなくても、もっと勉強できる人なんているし…」

「いやそんなことねぇよ。前授業の時に自分で問題と解答と解説を作って、他の奴に解いてもらうっていうのあったじゃん?あん時俺島田の問題解いたんだけどよ、その解説がめっちゃくちゃ分かりやすくて感動したんだよなぁ。勉強できる奴は他にもいるかもしんねぇけど、ちゃんと人に分かりやすく説明できる奴はなかなかいねぇよ」

「そ、そうかな…あ、ありがとう」

手放しに誉められ、慣れてない俺は小さくお礼を言うことでしか反応ができない。

「それに島田とはあんま話したことなかったし、もっと仲良くしてぇと思ってたんだよな。だから頼む!」

「おい、何してんだお前ら」

白濱君に手を合わせて頼まれ、俺が色々考えながら白濱君への返事に困っていると、今まで教室にいなかった数原君が声を掛けてきた。

しかも数原君は若干苛立っているように見える。

「島田が困ってんだろ」

「別に苛めてる訳じゃねぇって。数原って島田に勉強教えて貰ってんだろ?だから俺にも教えてくれって頼んでるだけだよ」

白濱君のその返答が意外だったのか、一瞬驚いたような顔をして俺を見る数原君。

あ、もしかして俺が困ってると思って助けてくれた…?

「そうなのか?」

「う、うん。数原君に勉強を教えてるって話をしたら、白濱君もって…」

「ふぅん」

なんだか面白くなさそうな返事をしながらも納得したのか、数原君はそれだけ言うと自分の席に戻ってしまった。

「あ…」

思わず声が漏れ、行ってしまった数原君を目で追いかけてしまう。

「なんつーか、お前らの関係って面白いな。意外な組み合わせだと思ったけど良いコンビかもな」

「そ、そうかな」

クラスで浮いているとは言え、数原君は見た目的にも俺とは違って上位の人間。

そんな数原君と良いコンビと言われて恐れ多くて、でも嬉しくて、思わず照れてしまう。

「うんうん。益々島田と数原に興味を持ったわ。ってな訳で、二人の勉強会に今度お邪魔させて貰うな」

「え、え、でも…」

正直白濱君とは絡みが無さ過ぎて緊張するし、あまり気乗りはしなかった。

「数原には俺から言っておくから安心しろって。俺も一回ぐらい混ぜてくれよ」

だけどそう爽やかな笑顔で言われてしまうと、俺はこれ以上強く断ることはできなかった。

「わ、分かった…」

「おし、決まりな!」

そう押し切られる形で3人の勉強会をすることが決まってしまったのだ。


言っていた通りその後白濱君は数原君に話しをしに行き、バイト終わりに数原君の家で勉強会をする予定だったのを聞き出すと、そこに参加することを無理やり決めてしまった。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


そして3人の勉強会は始まった。

学校が休みの土曜日。

俺と数原君は昼過ぎまでバイトをしてたし、白濱君も午前中は部活があったから、昼を食べた後の14時からになってしまったが…

親は仕事らしく、数原君の家には俺達しかいなかった。

部屋にエアコンはなく、ストーブと大き目のこたつが一つ。

俺ら温かくなった部屋でこたつに入りながら、それぞれ持ち寄った問題集を広げて勉強を始めたのだ。


「くっそ、どう解くんだよこれ!」

思ったことが全部声に出てしまう白濱君は、何か分からない問題に当たる度に苦し気な声を上げていた。

白濱君が声を上げる度に、俺はそちらに目を向けて解説をしてあげる。

すると頭の回転が速い白濱君は、すぐに自分の中の公式に当てはめて解答を出すことができていた。

「すっげぇ!流石島田だな!こんなスラスラ解けんの初めてかも」

「いや、俺がって言うか、白濱君が基本を理解はしてるから解けるんだと思うよ」

「いやいや、そこまで導いてくれんのは島田の手腕だろ。ありがとな!」

そう言って素直にお礼を言われるのは悪い気はしない。

最初は白濱君に緊張していたが、人懐っこい白濱君の性格のお陰で大分普通に話せるようになってきていた。

「おい島田、これ」

「ん?あぁそれは…」

そして白濱君に解説を終えると、必ずと言って良い程数原君も質問をしてきた。

なんとなく最初はいつもよりも機嫌が良くないような気がしたが、俺が教えることは素直に聞き入れて、真面目に問題を解いている。

けど、前にも教えたことを初めてのことのようにもう一回聞かれたり、いつもなら無いようなことが何度かあり、質問の数が多くて若干の違和感はあったが…


「あぁ!これも分かんねぇ…島田助けて…」

そして少しして再び白濱君が声を上げた時のことだ。

「どうしたの?あぁその問題か。それは……っっっ!!」

こたつに入れた俺の足に、突然何かが触れたのだ。

それはこたつに入っている誰かの足。

恐らく位置的に数原君のだろう。

「ん?どうした?」

「あっ、いやっ、なんでもない!」

言葉が止まった俺を不思議そうに見る白濱君を、誤魔化そうとして声が大きくなってしまった。

「な、なんだよいきなり…まぁ良いや。で、これはどうすれば…」

「え、えっとここはっ…!こ、このページをちょっと読んでみて!」

数原君の足はただ偶然触れただけでは無いようで、俺の足を両足で挟むように触れてきた。

俺はこたつに入ると靴下を脱いでしまう癖があり、人の家だと言うのに自然とこたつの中では素足になってしまっていた。

だから余計に数原君の足の感触が生々しく伝わってくる。

「うーん…ここは上と入れ換えて読んで…あ、これは意味のない漢字か。それで…」

白濱君が必死に俺の示した先を読んで考える中、俺の足は数原君の足で撫でられる。

確か今日の数原君の靴下は黒のくるぶし丈のものだったと思う。

バイト終わりの靴下は数原君の足に湿って張り付いており、そのまま俺の足裏と数原君の足裏が合わさった。

「っっっ」

足汗の湿り気と靴下のザラつきを感じる数原君の足裏。

その感触のいやらしさに思わず数原君の方を見ると、数原君は何も関係ないという様子で参考書を見ていた。

そんな中もう片方の数原君の足も俺の足へと張り付き、こたつの中で温められた蒸れた足で俺の足を覆う。


何これエロい…


「ここを訳すと…」

白濱君は必死になって解説を読む中、俺は数原君のいやらしい足に完全に意識が持っていかれていた。

数原君のバイト終わりの蒸れて臭い足に、こたつの中で俺の足が包まれている。

それだけで俺のチンポは悲しいかな勃起し始めていたのだ。

温かく湿った靴下の足に包まれていたかと思うと、数原君の足は再び俺の足裏へと足指を当て始める。

そして、何を思ったのか俺の足裏をくすぐるように足指を波打たせた。

「っっ!!」

湿った足指が俺の足裏を上から下へとなぞり、そして窪みで足指でサワサワとくすぐる。

「ふっっ……んっ…」

白濱君がいる中笑う訳にはいかないが、くすぐったさに思わず息が漏れてしまう。

そんな俺を嘲笑うように、数原君の足は指をクニクニと動かして足裏を擦り、器用にくすぐってくるのだ。

「ぐっっっ!!ふっ……」

足を引こうとしても、もう片方の足で押さえられていて上手くいかず、持っていた参考書をグッと握って耐える。

「ん?どうした島田。トイレか?」

しかし俺の様子がおかしいことに気付かれてしまい、声を掛けられてしまった。

「な、なんでもっっっ!!!」

なんでもないと答えようとした瞬間、足指で足裏を上から下まで撫でられ、くすぐったさに笑いそうになり、言葉が途中で切れてしまう。

「お、おいほんと大丈夫か?」

「っっっ!!」

それでも数原君の足は止まってくれず、足裏に文字でも書くようにその汗で湿った靴下の足指でなぞられ、俺は言葉を発することができずに頷くことしかできない。

「島田、トイレなら廊下出て右だ。行って来いよ」

あまりに不審なこの状況をどうしようと困っていると、数原君が俺を見てニヤニヤ笑いながら言った。

「ト、トイレ行ってくる!!」

その言葉を聞いた俺はそれしかないと、勢いよく足を引いてこたつから立ち上がると、そのまま前屈みになりながら小走りでトイレへと向かった。

白濱君が若干変な顔をしていたが、俺はなんとかその場から抜け出すことができたのだ。

別にしたくもないのにトイレに入った俺は、数原君の足のせいで勃起していたチンポをなんとか納めようと呼吸を整える。

だけどさっきまで足裏に感じた生々しい数原君の足の感触を思い出してしまい、なかなか上手くいかない。

「はぁ…」

なんで数原君はあんなことしたんだ…

そんなことを考えながら、俺は勃起がおさまるまでズボンも下ろさずに便座に座って過ごした。


5分程勉強のことを必死に考え、ようやく勃起のおさまった俺は再び2人のいる部屋へと戻ることにした。

「おう、勃起はおさまったか?」

「!?」

部屋に入って第一声でとんでもないことを数原君に言われ、俺は驚いて白濱君の方を見る。

「すぅ………すぅ……」

すると白濱君はこたつに足を突っ込んだまま、橫になって寝ていた。

「お前がいなくなって2分で集中切れて寝たぞこいつ。ほんとにやる気あんのか?」

寝てる白濱君をみて安堵した俺は、呆れたように言う数原君を睨んだ。

「なんであんなこと…白濱君にバレたらどうすんだよ!」

「ははっ、スリルがあって良いだろ?」

「よ、良くないよ!ほんと焦ったんだから…」

「悪ぃ悪ぃ。まぁ勉強頑張って教えてるお前にご褒美のつもりだったんだけどな」

「ご褒美って…」

「嫌だったのか?」

「あ、い、嫌って訳じゃないけど…」

正直数原君の足の動きはいやらしくて、思わず興奮して勃起しちゃったけど…

けどこんな状況でいきなりされたせいで、喜びよりも焦りが勝ってしまう。

「なら良いじゃねぇか。そういやさっき白濱に聞いたんだけどよ。今日の白濱の足、臭ぇらしいぞ」

「はっ!?!?」

突然の数原君の発言が色々と理解できず言葉に詰まる。


なんでそんな話になった?白濱君に何を言ったの?てかなんで白濱君の足が臭いってことを俺に言った?


訳がわからないまま数原君を見ていると、数原君はいたずらっぽい顔で笑って言った。

「大丈夫だよ。島田のことは何も言ってねぇ。ただ部活終わりだって言ってたから、そのままここに来たのか?って聞いたらそうだって言うから、だから足が臭ぇのかって言ってやっただけだよ。そしたら笑いながら、確かに今日の俺の足は臭ぇよなって言ってたんだよ」

「な、なるほど…」

色々な不安と疑問が解消されて再び安堵する。

しかしなぜそれを敢えて白濱君に聞いて俺に伝えて来たのだろう…

「なぁ島田。白濱も寝てるし、ちょっと息抜きしようぜ。お前も疲れただろ」

「まぁ少し…」

「なら決まりな。島田、こたつに入れよ」

「う、うん」

立ったままだった俺は、言われてこたつに入ろうと座った。

「あ、違う違う。お前は頭から入るんだよ」

「え?」

足をこたつに入れようとすると、数原君はそれを制止するように言ってくる。

なんで頭から…?

「察しが悪ぃな。こたつん中で、俺と白濱の足を嗅げって言ってんだよ」

「はっ!?な、何言って…」

「だから息抜きだって。臭ぇ足好きだろ?白濱のも臭ぇし、俺のもバイト終わりでなかなか臭ぇからよ。丁度良いじゃねぇか」

「え、あ、え?で、でもそんな…」

突然の数原君の提案に戸惑い、俺はどうして良いか分からずこたつに入れずにいた。

正直白濱君は数原君とは違ったかっこ良さがあって魅力的だし、部活終わりの足を嗅いでみたい気持ちはある。

だけどそんなこと、いくら寝てるからってできない…

「そ、そんなことできないよ…」

「おいおい、何真面目ぶってんだよ。いつも俺の足嬉しそうに嗅いで変態な姿晒してんのによ」

「そ、それは…」

「白濱寝てるし大丈夫だよ。それに俺は島田に勉強見て貰う礼で嗅がせてんのに、白濱はタダで教えて貰うなんて不公平じゃねぇか?」

「不公平…」

「そうだよ。礼に少し嗅ぐぐらい良いだろ。ってか嗅ぎたくねぇの?」

「い、いや…そりゃ嗅いでみたいけど…」

無茶苦茶な理論に訳が分からなくなり、思わず素直に答えてしまった。

「なら良いじゃねぇか。白濱の嗅がねぇって言うなら、今後俺のも嗅がせねぇぞ」

「そ、それは嫌!!」

「なら決まりだ。ほら、早くこたつに頭突っ込んで嗅げよ」

なんでこんな流れになったのか理解できないまま、俺はいつの間にか2人の足を嗅ぐことになっていた。

いつ起きるかわからない白濱君のを嗅ぐのは正直怖い。

けど、俺なんかが白濱君と関わりを持てたことすら奇跡なのに、足を嗅ぐ機会なんて今後二度とないだろう。

そう思うと、今嗅がない手はない気もしてきてしまった。

「……」


白濱君、ごめん!!


俺は心の中でそう言うと、頭からこたつの中へと潜った。




続きは2月24日に他プランでも公開予定

現在タバコプランにて先行公開中

全文約15800文字

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