【サンプル】『同窓会』【男の足・靴下・腋・股間の臭い、足コキ】 (Pixiv Fanbox)
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竜人のチンポが俺のアナルへと突き刺さる。
「あぁぁぁっ!!りゅうっとっ、ちょっと…キツっ…んんんんんっ♡」
「はぁ、はぁ、ほら、これ嗅げば気持ち良くなんだろ?変態」
「んほぉぉぉっ♡くっせぇぇええ♡」
「はははっ、涼太、目がイってんぞ」
あの頃、俺らは覚えた快感をバカみたいに貪っていた。
別にお互いゲイではないはずなのに、何故かそれぞれに彼女ができても俺らは行為を繰り返していた。
それも飛び切り変態な。
■■■■■■■■■■
「涼太、久しぶりだな」
「竜人…久しぶり」
それは同窓会での出来事だった。
27歳になった年の夏に、高校の同級生で集まろうという話になった。
3年4組飯島クラスの40人。
俺も含めて結婚している人達も多かったのだが、参加者は31名と先生の計32人とまずまずの人数が集まった。
そしてその中には、数原竜人がいた。
高校時代、俺と竜人はお互いサッカー部で、何故かセックスをする関係だった。
確かきっかけは一年の頃、帰り道に落ちていたゲイビデオを怖いもの見たさで見たこと。
男同士がというより、誰かと性的な行為をすることがお互い初めてだった俺らは、最初は実験的な楽しさでそれを繰り返し、次第に快楽にハマっていった。
お互い彼女ができても、裏でその関係は続けていた。
今考えれば、若さ故に刺激的な行為に盛り上がっていたのだろう。
大学が別々だった俺らは、高校卒業と同時に自然とその関係も終わったのだが…
その時は好きとか恋愛的な感情はなく、ただ気持ち良いからしていたというのが強かった。
だから相手に彼女ができても何も思わなかったし、気持ち良くなれればそれで良いと思っていた。
竜人も同じ気持ちだったと思う。
今思い返してみれば、小麦色に焼けた肌に爽やかな笑顔、俺とは真逆でスポーツマンらしい男らしい性格の竜人に、少し憧れていたから、そんな竜人と陰で特別な関係であることに酔っていたのかもしれない。
なんとなく高校を卒業してからは関係は続かず、気まずさが勝って竜人の連絡先は全て消した。
大学で何人か女と付き合い、次第に竜人のことは忘れていき、卒業する頃には竜人を思い出すこともなくなっていた。
今思うと、敢えてそうするようにしていたのかもしれない。
そして今の嫁の晴香と仕事で知り合い、今に至る。
晴香は優しく可愛らしい女だ。
今の生活に不満は無い。
晴香は結婚を機に仕事を辞め、専業主婦になった。
まだ子供のいない俺達は、帰れば優しい笑顔の晴香が料理を作って迎えてくれる穏やかな日々を過ごしていた。
退屈と言われそうだが、それでも俺は幸せだった。
夜の性生活も昔よりは頻度は減ったが、レスになった訳ではない。
身体が小さいながら、晴香は俺を一生懸命受け入れてくれる。
幸せを感じる気持ち良いセックスだった。
今回の同窓会ことを話したときも、いつも仕事頑張ってるんだから思いっきり楽しんできてと送り出してくれたのだ。
そして冒頭に戻るのだが…
「涼太、久しぶり」
「竜人…久しぶりだね」
竜人と再会してしまった。
同じクラスだったし来るかもとは思っていたけど、いざ会うとやはり少し動揺してしまう。
「もう10年近くになるよな」
「そんなかぁ…お互い年取ったな」
そうは言ったものの、竜人は変わらず格好良かった。
相変わらず小麦色に焼けた肌は若々しく、仕事終わりだったのかスーツ姿の竜人は大人の魅力まで出てきた気がする。
「涼太は変わらねぇな。相変わらずイケメンじゃん」
「ははっ、冗談やめろよ。そっちこそ相変わらず口が上手いな」
日本人には珍しく、直球に誉め言葉を言ってくれるのは昔からだった。
昔はそれなりに言ってくれる人はいたが、誉められることが少なくなった今、竜人の言葉はすごく嬉しかった。
「あれ、指輪…涼太結婚してんのか?」
「…あぁ。去年な」
「へぇ、相手はどんな人なんだよ」
「優しくて可愛い人だよ」
「そっか。おめでと」
竜人は笑顔で祝福してくれたがなんとなく気まずくなった俺は、近くの元級友達を呼びグループで話すことにした。
食事やお酒が進んで楽しくなって来た頃、ふと竜人の方を見ると、竜人も竜人で仲の良かった連中と談笑をしていた。
竜人を避けるような行動を取ってしまったことを気にしていたが、少し安心した。
その後も思い出話に各席華が咲く。
お酒がまわったのか少し熱くなってきた俺は、少しだけ落ち着いたとこに座りたくなり、会場を出てロビーのソファーへと座った。
そこで会場から持ってきていたグラスで水を飲んでいると、お手洗いから帰ってきたのか竜人が通り掛かる。
そして俺に気付くとこちらに向かって来た。
お酒が入ったせいか最初の気まずさは薄れたが、それでも少しだけ構えてしまう。
「体調悪ぃのか?」
「いや、少し熱くなってきたから落ち着いたとこでゆっくりしたいなぁと」
「そっか」
竜人が隣に腰をおろす。
なんだか酔っていたのもあって、さっきとは違って他愛も無い会話を竜人とすることができた。
竜人が勤めていた会社を辞めて、今は自分で会社を立ち上げたこと。
最近やっと安定はしてきたがそれでもまだ休みは中々取れず、日々営業で各所を回っているということ。
そしてやっぱり、今日が仕事終わりで会場に着いたのがギリギリだったということ。
同窓会で話したクラスメートの話。
色々話した。
隣に座る竜人を最初よりも近くに感じ、お酒の力も借りてまるで昔の仲が良かった時に戻ったような感覚になっていた。
「涼太、俺さ…」
「ん?」
「いや…なんでもねぇ」
「なんだよ」
真面目な顔で何かを言いかけて、竜人は辞めた。
「なんでもねぇよ!そういやさ、昔涼太が好きだった雑貨屋あんじゃん。俺今そこに商品卸したりしてんだよ」
「あー!あの海外の雑貨多く扱ってるとこか?」
「そうそう。だからあそこの商品安く手に入ったりするんだぜ」
「えぇ~良いなぁ。俺結婚してからそうゆう雑貨見たり、少しずつ集めるのが好きでさ。けど高くてなかなか手ぇ出せ無いんだよなぁ」
「良かったら欲しい商品あるなら、代わりに買ってやるよ?」
「ほんとか!?だけど悪いような…」
俺が高校の頃大好きだった輸入雑貨屋。
今でもデザインが好きでよく店には行くのだが、値段の関係であまり購入ができないでいた。
正直竜人の提案は死ぬほど嬉しいが、仲が良かったとはいえ10年近くぶりに会ったのにそれを頼むのは申し訳ない気がした。
「遠慮すんなよ。たまに買ってやらないと店にも悪いし、逆に俺の方がありがたいんだ」
「そ、そうなのか…?じゃあお願いしようかな」
「おっけ。あ、涼太の連絡先教えてくれるか?」
「あ、そっか…」
うっかりしていた。
竜人との連絡を絶っていた俺は、今の竜人の連絡を知らない。
当然、竜人と連絡先を交換しなくてはいけないのだ。
高校時代あんな関係だった竜人に連絡先を教えるのは、晴香への裏切りになるのかな…
一瞬そんな思いが過ったが、
「おっけ。交換しよ」
そもそも俺らは男同士だし、あれはただの若気の至り。
もうあれから10年近く経った今、交換を拒否する理由は無かった。
「じゃあ、また連絡するな」
「おう!」
連絡先を交換すると、竜人はまた会場へと戻っていく。
なんだか学生の頃の友達と話して、気分が若くなった気がした。
同窓会が終わり家路へとつく。
家に着く頃には既に日付を跨いでいた。
既に晴香は寝ているらしく、家はとても静かだった。
「はぁ…」
なんだかんだ楽しめた同窓会だった。
懐かしい友達や、距離を置いていた竜人ともまた普通の関係に戻れた…気がした。
ピコン
携帯の通知が鳴る。
竜人からのメッセージだった。
『今日はお疲れ。久しぶりに涼太と話せて良かったよ。雑貨の件、後でカタログ送るな』
なんだか忘れていた感情が少しだけ目覚めていくのを、俺は気付かないふりをした。
『お疲れ!俺も話せて良かったよ。カタログ楽しみにしてる。おやすみ』
それだけ打つと俺はシャワーを浴びることにした。
酔ってる時には少し温度の低めのシャワーが気持ち良い。
ふと竜人との高校時代のことを思い出す。
「大変だったなぁ…」
竜人はモテる男だった。
俺とそういうことをしながらも、他校の女子にも手を出してた竜人は恨みを買ってることも多く、一緒に帰ってる途中で不良共に囲まれたこともある。
大変なことも多かったけど、竜人とそういう関係が長く続いたのは…
あの事を思い出してしまった。
竜人との情事のこと。
「やめよ…」
考え出したら止まらなくなってしまう。
俺は今幸せだ。
竜人とはもう何もないのだから。
シャワーを浴び終え、俺は髪も乾かさずに寝てしまった。
数日後、竜人から約束通りカタログがメールで送られて来た。
雑貨が確かに安い。
いくつか欲しいものを竜人にメールで送る。
竜人から電話が来たのはそこから一週間後のことだった。
商品が届いたから渡したいとのこと。
一緒に食事もどうかとの提案。
今後も雑貨を頼むだろうし、そのお礼もしたかったしOKをした。
晴香に事情を話すと快諾してくれた。
勿論竜人とそんな関係だったと言うことは黙っていた。
ただ食事をするだけだし、もう何もないただの男友達。
敢えて言う必要もないと思った。
竜人に指定された場所は、安いけど美味しいイタリア料理の店。
半個室で話しやすい店だった。
「よくこんな店見つけたな。昔はファミレスばっかだったのに」
「高校生なんてそんなもんだろ!俺だって大人になったんだよ。もう20代後半に差し掛かったしな」
「成長したんだな」
他愛ない会話を続ける。
「あ、これ商品な」
「ありがと!」
頼んでいた商品を受け取り、代わりに代金を竜人に渡す。
「この雑貨、実物の方が良いな!ほんとありがとな!」
「涼太はそうゆうの好きなの変わんねぇな」
「まぁ好みは変わんねぇよ」
「ふーん」
何かを言いたそうな表情の竜人。
「お待たせいたしました」
タイミングが良いのか悪いのか頼んだ料理とワインがきた。
「乾杯」
少しだけワインを口に含む。
うん、良い香りだ。
やっぱお店のワインは保存がしっかりしてるから美味しく感じる。
その後も続く会話は内容がないものばかり。
竜人は時折何かを言おうとするが途中でやめてばかりだった。
お酒が進み、もうそろそろ食事も終わりというころ、竜人はようやくその話をした。
「なぁ、涼太。また、しないか?」
驚いて竜人の顔を見ると、思ったよりも真剣な顔をしていた。
「竜人、俺結婚してんだよ。無理に決まってんだろ」
当然俺は断る。
「そっか…今、幸せなのか?」
「勿論幸せだ」
「満足してんのか?」
「当然満足してるよ」
「セックスもか?」
「は!?」
直球な質問に驚いた。
「な、何言ってんだよ!」
「だって涼太…俺とする時…」
「言うな!」
思い出さないよう、触れないようにしてきた話題。
「涼太、まだあれが好きなんだろ?奥さんにもしてもらってんのか?」
「そ、そんなこと関係ないだろ!」
「俺さ、社会人になってからもずっとサッカーやってんだ」
ドキンと俺の心臓が鳴ったのが分かった。
「だ、だから何だよ」
「今度、試合があるんだ」
「ふーん…」
「試合、見に来いよ。そのあと更衣室空いてるし…」
「どうゆう意味だよ」
「分かるだろ。高校の頃、お前部室でするの好きだったじゃん」
「行かねぇよ」
「この暑い中に試合して、その終わりに…」
「やめろ」
「高校の頃は白のユニとソックスだったけど、今は青なんだよ。お前青は…」
「やめろって言ってるだろ!もう俺帰る…今日はありがとう。これ金。商品のお礼でここのは出すから」
「俺が誘ったんだからいらねぇよ」
「受け取れ。じゃあな」
俺は急いで席を立って店を出た。
後ろから声が聞こえた気がしたが、俺は振り返らず駅までの道を走り出した。
電車に駆け乗り、自宅の最寄り駅に着いてやっと落ち着いた。
酔い覚ましのため、自販機で冷たい紅茶を買いホームのイスに座る。
なんで今更…
竜人の言葉を思い出す。
また、しないか…か。
そんなの駄目に決まってる。
俺は晴香が好きだし、それに晴香とのセックスだって…
俺の下で喘ぐ晴香。俺を安心させてくれるキス。落ち着くセックス。
そんなセックスに満足していたはずなのに…
「なんであんなこと…」
竜人との行為は今のとは全然違っていた。
それを今更持ち出してくるなんて…
ダメだダメだ!
紅茶を一気に飲み干し、缶をゴミ箱へと捨てる。
「帰ろ…」
やりきれない気持ちのまま改札へとフラフラと歩き出す。
竜人に頼んでいた雑貨が、やけに重く感じた。
あぁ、俺…
『嫌』じゃなくて『ダメ』って思ってる…
■■■■■■■■
竜人からのメールが来たのはその食事会の3日後だった。
メールの内容は場所と日時が記載がされた簡素なものだった。
区立のサッカー場。
竜人と俺がサッカー部だった頃、よく他校との試合をしていた場所だ。
そして最後に一文。
『試合見に来い』
昔の竜人みたいなぶっきらぼうなメール。
あんな風に俺は店を出たのに、よくこんなこと送って来れるな。
そう思いながらもほんの少しだけ、何かを期待してしまっている自分がいる。
サッカーの試合。
竜人、今は青のユニフォームって言ってたっけなぁ。
「ダメだダメだ!」
声に出して自分を静止する。
この日は俺も休みだし、久しぶりにゆっくりと映画を観に行こうって話になっている。
それにもう竜人とは会わない…
帰ってきた晴香と夕飯を一緒に食べる。
話題に上がったのは今度の映画の話。
今人気のファンタジーが見たいと言ったら、晴香は快く頷いてくれた。
晴香は優しい。
いつだって俺を優先してくれる。
そしてメールのことも記憶から薄れてきた映画の日の当日のことだった。
「涼太ごめん。今から実家に行かなくちゃいけなくなっちゃって…」
「えっ…?」
「親戚が入院したみたいで…ほんとごめんね。映画はまた今度でも良い?」
「そっか…それじゃしょうがないよ。色々大変だな。俺も行った方が良いか?」
「ううん。そこまで重い病気とかじゃないみたいだし、行くとあっちも気を使っちゃうだろうから今回は大丈夫」
「分かった。あんま無理すんなよ?」
「ありがとう」
晴香は俺にキスをし、急いで家を出て行った。
「あ~あ」
楽しみだったのになぁ、映画…
今更誰か誘うのも遅いだろうし、出掛ける準備をしてる時に晴香に家族から連絡が入ったから、もう外に出る格好になってるし…
俺の中で良くない感情が涌き出てきた。
俺はちゃんと断って、晴香と映画に行く予定だった。
だけどこうなってしまったのは不可抗力だ。
それに試合を見るだけだし、時間だって丁度良いくらいだし、そのぐらいなら別に良いよな…
俺は竜人が試合をやっているサッカー場へと向かうことにした。
サッカー場は区がやってる割りには広く、更衣室や観客席もきちんとある物だった。
観客席へと腰を下ろす。
ハンカチで汗を拭きながらコートを見ると、青いユニフォームのチームと赤いユニフォームのチームが試合をしている。
竜人は青って言ってたから…
「あ、いた」
竜人を見つけた。
コートを走り回る竜人。
凄く楽しそうで、そこには昔と変わらない竜人がいた。
そうやって楽しそうにサッカーをする竜人が眩しかった。
このサッカー場だって一緒に何回も来たことがある。
ここで…
暑いなかボーッと考えながらビールを飲んでいると、ホイッスルの響く音が聞こえた。
ウォーッと叫びながら青いユニフォームを着ているチームの男達が、汗だくになりながら喜んで抱き合っている。
どうやら竜人達のチームが勝ったらしい。
仲間と一緒にほんとに嬉しそうに笑う竜人。
青いユニフォームとソックスが汗だくになり、紺色に変色し、泥で汚れている。
昨夜小雨が降ったせいで、少し地面が弛かったのだろう。
その姿に俺は何かゾクゾクするものを感じた。
竜人はコートから観客席を見渡すと、俺を見つけて更に嬉しそうな顔をすると、俺に向かって手を振ってくる。
なんとなく恥ずかしくて、俺は小さく少しだけ手を振り返した。
各チームの挨拶が終わり、それぞれの更衣室へと向かっていく選手達。
竜人だけは最後までコートに残り、俺に向かって手招きをしてきた。
下の方の席まで移動し、竜人の近くへと行く。
「更衣室の場所分かるよな?Bの方。20分ぐらいしたらみんな帰るだろうから、来てくれよ」
タオルで汗だくの顔を拭きながら、竜人は笑顔で言った。
「う、うん…」
本当はもう帰ろうと思っていたのだが、あまりに嬉しそうに言う竜人に俺は思わず頷いてしまった。
そんな俺を満足そうに見ると、竜人も他のメンバー達と同じように更衣室へと向かったようだ。
更衣室…
何回も高校の頃にここで試合をしたから、場所は覚えてる。
…行っちゃダメだ。
そもそも俺は今日試合を見に来ただけ。
もうこのまま帰ろう。
何かやましい気持ちがあって来た訳じゃない。
だけど…
さっきから竜人の汗だくのユニフォーム姿が頭から離れない。
あの汗と泥で汚れたドロドロの…
頭の中で葛藤をしながらも、俺は帰ることができなかった。
■■■
20分程経ち、ビールも空いた俺はようやく席から立ち上がる。
そのまま出口に向かえば良いのに、俺の足は更衣室Bへと向かっていた。
更衣室の青い扉の前で、俺の頭が再度警告をする。
今ならまだ間に合うと。
だけど更衣室に入ったからと言ってなんなんだ。
竜人は友達。
別に更衣室で少し話して帰るぐらい良いじゃないか。
そう思ったと同時に俺はドアをノックしていた。
「どうぞ」
中から竜人の声が聞こえる。
返事を聞いて中に入ると、ベンチに座ってペットボトルの水を飲み干しながら、まだ身体の熱が冷めないのか、保冷剤で首を冷やしてる竜人の姿があった。
ユニフォームから出ている竜人の鍛えられた太い腕、筋肉で引き締まった太腿、そして青いソックスに包まれた足。
そこには未だに汗が滴っていた。
「来てくれたんだな」
ペットボトルのキャップを閉めながら俺を見て言う。
「たまたま予定が無くなったんだよ」
「そっか。けど嬉しいよ」
ニカッと笑う竜人の顔は、高校の頃のままだった。
竜人は立ち上がり、俺の方へと向かってくると、俺の後ろにある更衣室のドアの鍵を内側から閉めた。
「なんで閉めんだよ」
「ん?そんなん分かってんだろ」
俺を後ろからギュッと抱き締めながら竜人は言った。
振り払わないとダメだ。
そう思っているのに、更衣室に充満するここにいたであろうメンバー達の汗の匂いと、後ろにいる竜人の強い体臭が俺が抵抗するのを阻止した。
背が高く、ガタイの良い竜人は俺を覆うように腕を回している。
竜人の汗臭い匂いに包まれ、頭がボーッとしてきた。
いつもそうだった。
高校の頃から、竜人の体臭を嗅ぐとなんだか異様に身体が興奮してしまう。
それが臭ければ臭い程に。
まるで自分の中の雌が竜人の雄の匂いで無理やり呼び起こされ、本能から興奮させられるような…
最初はこっそりと行為をしている時に嗅いでいたが、途中からは竜人に嗅いでいることがバレ、竜人の方から俺に嗅がせるようになっていた。
竜人は俺を一旦離すと、再びベンチへと戻る。
そして自身の腋を俺に見せつけるように腕を上げた。
試合が終わったばかりで汗だくのユニフォームの隙間から、びっしょりと濡れた腋毛と共に臭そうな腋が見える。
「腋、あの頃より臭ぇぞ」
そして、履き込んだせいで色が褪せている赤いスパイクを脱ぎ、その上に泥と汗で汚れた青いサッカーソックスに包まれた足を、脱いだスパイクの上へと乗せる。
「ほら、足だってすげぇ臭い」
足指の形に浮き上がる汗と泥の跡。
そのあまりに臭そうな足を見せつけ、俺を誘うようにグニグニと足指を動かしている。
「なぁ、嗅ぎてぇんだろ?素直に言えば嗅がせてやるよ」
その顔は、同窓会であった時の落ち着いた竜人とは違い、高校の頃嬉しそうに俺に臭い匂いを嗅がせていた時のそれだった。
昔から竜人はSだった。
俺が臭いと言えば言う程押し付けてくるし、その行為に竜人自身も興奮すると言っていたのを思い出す。
「そ、そんなこと…」
そんなこと言えるはずが無いと強く言える程、俺はこの状況を嫌悪していなかった。
むしろ心のどこかでこの状況を望んでいたのかもしれない。
ここに来ればこうなると分かっていた上で来たのだから。
「涼太なら言えるだろ。昔、俺の臭い腋とか足とか嗅いでアヘってた癖に、それが今更まともなセックスで満足できるはずねぇんだ」
「っ……」
「昔みてぇに狂ったセックスしようぜ。ほら、言えよ涼太」
ダメだ。言っちゃダメだ。
頭では分かっている。
なのに…
「すんっ…」
鼻から少し匂いを吸いこむと、まだ遠いのに竜人の身体から発せられる雄の匂いが鼻へと届く。
あぁ…臭ぇ…
その匂いで一気に思い出される過去の記憶。
竜人の匂いに狂い、獣のように性を貪った日々。
身体も匂いで思い出したように興奮して熱くなり、自分の股間が僅かに反応し始める。
蒸れた竜人の腋から毛を伝って汗がベンチへ垂れ落ち、静かな室内にポトッと水音が響いた。
嗅ぎたい…
それは意識とは別の動物としての本能からくる欲。
雄はより強い雄へは屈服し、服従しなくてはいけないと言う恐怖と紙一重の欲望。
思春期に刷り込まれた竜人の強い雄の匂いは、そんな俺の欲望の鍵となっていたのだ。
「嗅ぎ……たい……」
口の中で小さく小さく言葉にする。
「ん?聞こえねぇな」
二っと意地悪な笑みを浮かべながら竜人が言う。
もう言った言葉は取り消すことができない。いや、取り消したくない。
それ程までに目に見えて臭そうな竜人は、俺に取っては抗えない程の魅力を放っていたのだ。
歯をグッと食い縛って手を握り締め、今度ははっきりと聞こえるように言った。
「嗅ぎたい…!」
言った瞬間、竜人が「ははっ」と小さく笑った。
そして、
「良いぜ。ほら、来いよ」
腋を俺に見せつけながら、興奮したような声で竜人は言った。
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