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「サンタへの手紙?」

「そうそう。ここの協会なんだけど、毎年サンタへの手紙を受付してるらしいのよ」

妹の咲に連れられて来た、町外れにある協会。

咲の言うように、確かにクリスマス仕様のポストが協会の入り口に設置してあった。

「へぇ…書いたら協会の人がプレゼントでもくれんのか?」

存在しないサンタに手紙など届けるのは不可能だし、手紙を集めたところでどうするのだろうと疑問が浮かぶ。

「夢がないなぁ。サンタに届けてくれるって言うんだからそれで良いじゃない」

「けど子供はプレゼント欲しがるだろ?折角書いたのにプレゼントが届かなかったら悲しむじゃん」

「そんなの親が手紙を見て当日用意してあげれば良いでしょ。手紙には子供も正直に欲しいものを書くだろうし」

「あぁなるほどな。親ってのも大変だなぁ」

子供も夢を持てるし、親としてはプレゼント選びの参考になるって訳か。

上手くできてるな。

「折角だし私達も書こうよ」

「はぁ?なんでだよ」

「お兄ちゃん大学受験でしょ。合格を祈願とかすれば良いじゃん」

「それは神社にすることだろ。サンタに頼んでどうすんだよ…」

「まぁまぁ」

咲に引かれてポストの方へと行くと、そこにはテーブルと厚紙が用意してあった。

どうやらここでも手紙を書けるらしい。

「1枚100円…はっ!?たっか!!厚紙1枚100円ってぼったくりも良いとこだろ!」

テーブルの上には貯金箱が置いてあり、そこに赤い文字でデカデカと書いてあった。

「いちいちうるさいなぁ…協会だって経営大変なんでしょ。はい、200円よろしく」

「俺が出すのかよ!」

「中学生の私に出せって言うの!?信じられない」

「いや、そもそも手紙なんて書かなきゃ良い話で…」

こんな子供向けのものにいちいち乗っかる必要はない。

「それがさ、こんなんだけど結構ご利益あるみたいなのよ。去年友達がここで手紙を出したら叶ったって言ってたの」

「だから神社かって…ちなみに何て書いたんだよ」

「お金が欲しいですって」

「夢ねぇな…」

そりゃ物より現金の方が良いけどよ。

「そしたら買ってた宝くじが当たったんだって。10万円」

「いやそりゃ凄いけど、たまたまだろ」

「当たった事実は変わらないでしょ」

「はぁ」

咲に圧されるように仕方なく貯金箱へと200円を入れた。

そしてテーブルにあったペンを手に持つと、何を書こうかと考える。


サンタへの手紙ねぇ…


この年になると思い浮かぶサンタ像は、サンタの格好をしてケーキを売るお兄さんお姉さんの姿だった。

赤い服に黒いブーツ、そして手に白い手袋を嵌めたサンタ姿の男女。

あぁいう格好をしてる人達はそれなりに見た目が良い人が多い印象で、手袋フェチの俺からしたらとても眼福な光景だ。

正直サンタに何かプレゼントを貰うくらいなら、あのサンタコスの人たちとエロいことがしたい。

「何書こうかなぁ…」

隣で妹も書く内容を迷っている様子だった。

どうせ茶番なのだから何を書いても良いのだが、折角なら協会の奴らを驚かせてやろうか。


金払ってんだから下ネタも受け入れてくれるだろう。


「よし」

俺はそう決めると、サラサラと紙へと欲望を書いていった。


『サンタの真っ白な手袋を思う存分満喫したい(性的な意味で)』


これで良し。

隣でまだ書いている妹に内容を見られないようにしながら、俺はその書いた紙をそっとポストに入れた。


子ども達の手紙に混じってあの手紙を見たら、協会の人達ビックリするだろうなぁ。

そんな姿を思い浮かべてちょっと悪い笑みを浮かべてしまう。

「何ニヤニヤしてんの?気持ち悪い…」

それを見られて妹に暴言を吐かれた。

「うっせぇなぁ。お前何書いたんだよ」

「私?結局『お金』って書いた」

「おい」

「だって思ったより浮かばなかったんだもん。良いじゃない。ほら、さっさとお祈りして帰ろ。宝くじ買って帰らないといけないし」

「へいへい」

妹に流されながら俺らはお祈りを済ませると、帰りに宝くじを1枚だけ買って家へと帰った。



■■■■■■■■■


12月24日の夜。


今年はイブが金曜のお陰で明日は休みだ。

明日は咲とケーキを買いに行ったあと、家でゆっくり家族でクリスマスを祝う予定だった。

「寝よ」

一通りソシャゲの日課を終わらせ24時を過ぎた頃、すっかり手紙のことなど忘れていた俺は、そのままベッドへと入って眠りについた。


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「……君」

夢の中で名前を呼ばれる。

知っている声ではないが、若い男の声だ。

「涼真君」

「…んんっ…」


あれ?なんかほんとに聞こえてる…?


その声で起きてしまい、少しだけ目を開け、声のしたベッドの隣に顔を向けた。

そこには赤いコートに赤いズボン、そして黒いブーツを履いた若い男が、白い手袋を嵌めた手をこちらに向けて振っている。

「やぁ。メリークリスマス」

「…………え!?」

そこで覚醒する。


誰こいつ!?!?


「どろぼっっんんっ!!!!???」


家にいる誰かを呼ぼうと声を上げようとした瞬間、人間業とは思えないもの凄い速度で俺に覆い被さり、体を身体で拘束してその手で俺の口を覆った。

ナイロンの白い手袋を寄れなくピッチリに嵌めた手で口を覆われ、こんな状況なのにほんの少しだけドキッとしてしまう。

「シーーッ!みんなが起きちゃうから静かにね」

そいつは自分の顔の前でその白い指を立て、子供にでも言い聞かすかのように言った。

手袋越しにそいつの手の弾力と温度を顔に感じながら、慣れてきた目でそいつの顔を改めて見る。

赤いサンタのような帽子を被っているが、茶色い前髪が少しだけそこからはみ出ており、その下には20代半ば程の端正な男の顔があった。

俺の身体に乗って余裕で押さえつけているのを考えると、赤い衣装のような服で正確には分からないが、結構背も高くそれなりにガタイは良さそうだ。

イメージとしては爽やかな体育大の学生が、ケーキ売りのバイトをしているような、そんな感じだった。

「んんっ!!んんっ!!」

お前はなんなんだと叫ぶが、その手汗でほんの少し蒸れたナイロン白手袋の手で塞がれていて声にならない。

「ん?俺?俺はサンタクロースだよ」

しかしそいつはなぜか俺の言ってることを理解して、その俺の問いへと答えた。

てかサンタクロースって…

確かに格好だけはサンタの服装だが、サンタはおじいさんのイメージだったため、こいつが言うには無理がある気がした。

っていうかサンタなんていねぇ。

「んんんっ!!(ふざけるな!!)」

「いやぶざけてる訳じゃないんだけど…」

言葉になっていない声を正確に聞き取るサンタと名乗る謎の男。


え、何こいつ…


「何こいつって…だからサンタだって言ってるだろ?」

「んんん!?!?」

今度は声に出す前に思考を読まれて返事をされる。


超能力か!?


「超能力って訳じゃないけど。ほら、俺サンタだし。思考読めた方が本当に欲しい物が分かるだろ?」

再び思考に対して返事をされる。


嘘だろ…!?

まじでこいつサンタなのか!?


正直信じがたい話だが、思考を読めるのは本当のようで、俺を見て笑顔でウンウンと頷いている。

「理解してくれた?」

そうサンタ(仮)に言われ、俺は口を塞がれたままコクンと頷いた。

「今日は涼真君にプレゼントを渡しに来ただけだから。今から口から手を離すけど、叫ばないでくれよ」

そう言いながら俺から口を離すと、そのまま叫ばなかった俺を見て少し安堵したようだった。

そして俺の身体に覆い被さるようにして拘束していたのも止め、ベッドの隣へと立って俺を見る。

逃げてもあのスピードじゃこいつならすぐ捕まえてくるだろうし、叫んでもさっきのようにされるのがオチ。

そもそも思考を読めるなら不意をつくことは不可能だろう。

俺は色々と諦めてベッドから起き上がると、その自称サンタに向き合うようにベッドへと座った。

「って、お前土足じゃねぇか!部屋汚れる!」

ブーツで部屋に上がっているのが目につき言うと、一瞬驚いた顔をしたあと苦笑された。

「真っ先に気になるのはそこなんだね…安心してよ。足は地面についてるように見えるけど、ほんの少しだけ浮いてるから、床は綺麗なままだよ」

「ドラ○もんかよ」

そのシステムに思わず突っ込むと、サンタは顔に「?」を浮かべていた。

「あぁもう良い。忘れてくれ」

伝わらない例えツッコミ程恥ずかしいものはない。

「涼真君は変わってるんだね」

「変質者のお前が言うな」

夜中に人の部屋に勝手に入ってくるような奴には言われたくなかった。

「だからサンタだって…あぁもう良いよこのやり取り…さっさとプレゼントの話に移ろう」

サンタは呆れるように言ってため息をつく。

「プレゼントって何だよ。もう玩具貰うような年じゃねぇぞ」

「まぁそうだよね。手紙に欲しい物は書いてあったし知ってるよ」

「手紙…なんのことだ?」

すっかり妹と行った協会のことを忘れていた俺は、素でそう答えた。

「これのことだよ」

そんな俺に再び呆れながら、サンタはポケットから一枚の紙を取り出して俺に見せつけてくる。

「それって…」

それは協会で俺が書いたサンタへの手紙だった。

「うわっ!!返せ!」


なんでこいつが持ってんだよ!!


俺はその紙をサンタから奪うと、そのままクシャクシャにして投げ捨てる。

「いやサンタに送った手紙をサンタが持ってて何が悪いんだよ。ってか捨てるって酷くないか?」

そう言いながらサンタは俺が投げ捨てた紙に手を向けた。

すると不思議なことに、その手紙はそいつの手に引き寄せられるように宙を浮いて移動する。

そしてそいつの手には皺一つない綺麗な状態の俺の書いた手紙が戻った。


え、まじ?


あまりの不思議な光景に思わず呆然とする。


ほんとにこいつがサンタ!?


そこで初めてこいつが本物だと理解できた。


「分かってくれて嬉しいよ」

おれの思考を読んだサンタがそう答えると、俺は急に恥ずかしくなった。

それも当然。

その手紙にはほんとにサンタに届くとは思わず、俺の欲望を書いたのだから。

「涼真君は俺のこの手袋の手を堪能したいんだろ?」

そんなこと気にする様子もなく、サンタはズケズケと俺の願望を声に出して言ってしまった。


死にたい…


「そんな恥じなくても良いよ。まぁ俺も見た時はビックリしたけど」

傷口に塩を塗るようなことを言うサンタだが、俺は羞恥で目を合わせることができなかった。

「それじゃ早速始めようか」

「え…?」

「ん?堪能したいんだろ?俺はサンタだし、ちゃんとプレゼントは渡すよ」

そう言って俺の方へと手を伸ばしてくる。

その純白なナイロンの白手袋を嵌めた手を…

「ちょ、ちょっと待った!」

「え?」

突然の行動に俺は思わず止めると、サンタは意味が分からないと言う顔をしていた。

「お前…今から何する気だ?」

「涼真君の望んでることだよ」

望んでること。

その白手袋を堪能したいと確かに書いたが、具体的なことは何も書いていない。

本当に分かってやってるのか怪しいところだ。

「ほんとにその願望を理解してんのか!?」

「あぁ勿論。君の思考も読んでるし、間違いはないよ」

確かに思考を読んでいるなら間違えるはずはない。

しかしいきなり言われてもどうして良いかが分からなかった。

「ほ、ほんとにするのか…?」

「あぁ勿論。ほら、早くしよ」

淡々と言うそいつに少し驚きながらも、手袋の裾を引っ張って指に嵌め直している挑発的な動きに目を奪われてしまう。

「いや、でも、え、まじで?」

「逆にしたくないの?せっかく俺が付き合うって言ってんのにさ」

「いや、その、それは…」

したくない訳ではない。

むしろ先程からワキワキと動かしているこいつの指を見る度に、そのいやらしさにドキドキしてしまっていた。

手首のボタンでピッチリと手に嵌まり、大きな手に手の甲の3本線がとても映えている。


これからこれを堪能できんの?俺。


「そうだよ。ってかこっちも時間に限りがあるから、さっさと始めさせてもらうね」

俺の思考に返事をしながら、サンタは俺の方へと手を向けて指をクニクニと動かした。

「え?うわっ!!」

すると、俺の着ていた衣服が勝手に動き、俺の身体から脱げていったのだ。

「なんだよこれっ!」

俺がその衣服を押さえようとするが、身体は何かに押さえつけられているように動かず、服どころか下着まで脱げていってしまった。

「っっっ!!!」

サンタの前で全裸を晒し、しかもなぜかベッドの上でM字開脚の体勢のまま動けず、サンタにチンポを見せつけるようになってしまい、思わず羞恥顔を伏せる。

「お、おい!なんだよこれ!」

手を動かそうとするが、その手も頭の後ろで両手を組んだまま動かず、見えない何かに拘束されたようになってしまった。

「ん?何って、これが君の願望なんだろ?恥ずかしい格好をさせられて、無理やりこの手袋でされたいって」

手の甲の3本線を見せつけながら、サンタは俺に近付いてきて言う。

「そんな訳ねぇだろ!!」

口ではそう言うが、確かにMである俺は、無理矢理だったり拘束と言う言葉に弱い。

抵抗できない状態であの白手袋に触れられるなんて、まさに理想の状態だ。

しかしそんなことこいつの前で言えるはずがない。

「ははっ、言わなくても喜んでるの分かるから大丈夫だよ。っと、そうだ。忘れてた」

何かを思い出したように言うと、サンタは指をパチンと鳴らした。

その瞬間、急に俺の周りが暖かくなってくる。

「えっ?」

「便利だろ?これなら裸でも寒くないし、いくら声出しても部屋の外には聞こえないから、安心して楽しんで良いよ」

確かにさっきまで響いてた声が部屋の中で反響しているような、少しだけ聞こえ方が違う気がした。

「じゃあ準備もできたから、まずは…」

サンタはニヤニヤと笑いながら改めて俺に手を伸ばしてくる。

「や、やめろ!!」

その白いいやらしい手を見ながら、俺はこれからされることを想像し、羞恥と興奮が入り交じった感情で叫ぶ。

「喜んでるくせに。ほら」

そう言ってサンタは、俺の内腿へとその手を触れた。

「んんっ…」

両内腿に両手を這わされ、そのサラサラとしたナイロンの手袋の感触を内腿で感じる。

手袋越しに感じる指の弾力と温かさ。

そして白い手が指を立てて内腿を這う動き。

そのどれもがいやらしかった。

「え、これだけで?」

「っ!!」

サンタが驚くのも無理はない。

まだ核心的なことは何もされていないと言うのに、俺のチンポは勃起し始めてしまっていたのだから。

「そんなにこの手袋が好きなのか」

ニヤニヤとサンタらしからぬ笑顔を浮かべながら、サンタは俺の太腿をサワサワと撫でるように触れていく。

「んんっ…」

ゾワゾワする感覚がくすぐったく、思わず声が漏れてしまう。

「ほらほら、声我慢しなくて良いんだよ?どうせ外には聞こえないからね。せっかくこの手袋を味わってるんだから、声出した方が気持ち良いかもよ?」

サンタの手は太腿を這いながら今度は脇腹の方へと移動していく。

「んっ…ふふっ…」

そうは言うものの、初めて会った相手の前で声を出すのは恥ずかしく、脇腹に触れる指先がくすぐったくても、声を我慢してしまっていた。

「え、手袋でこのまま脇腹くすぐられたいって?」

言葉に出していないのに、心でふと思った願望を勝手に読み取られてしまう。

「ははっ、しかもバカにされながらって、相当な変態だなぁ」

「なっ!!!!」

これは今考えたことじゃなく、内部にある俺の願望のこと。

まさかそんな所まで読まれているとは思わなかった。

「ほらっ」

脇腹に触れている手が指を立て、そのまま指をバラバラに動かしてくすぐり始める。

「んひっ、んひゃははっ」

白い指先が俺の脇腹で踊るように動き、その手袋のサラサラな指先でくすぐり上げていく。

「ははっ、こんなのが好きなの?手袋嵌めてただくすぐってるだけなのに」

「あひゃっ、ひはははっ」

サンタは俺の顔をまっすぐに見つめ、小馬鹿にするような顔で言う。

その整った顔立ちに見つめられる恥ずかしさを感じながら、その手がパンパンに詰まった手袋の指がいやらしさも感じ、それが相乗して興奮となって俺のチンポを更に硬くしていく。

「手袋でくすぐられて勃起ってどんな性癖なんだよ。変態過ぎだって」

心無しか口調まで変わってきたサンタは、意地悪な笑顔を浮かべながら、脇腹をくすぐる手を徐々に上へと移動させていく。

「あひゃっ、そこはっダメっ、んひはははははっ!」

手の辿りついた先は、俺の腋の下だった。

頭の後ろで手を組んだまま動けなくされているせいで、どうぞくすぐってくださいとばかりに開かれた俺の腋。

そこへサンタの白い手が差し込まれ、指先が腋の溝を優しく掻きほじるように動く。

「んぁひははっ!!あぁっ、んひははははっ!!」

「ど?手袋で腋ほじりくすぐられんの。されたかったんでしょ?」

「んひゃははははひはっ!!」

サンタは俺の顔を嬉しそうな顔で見ながら、その手袋の手をワシャワシャと動かし腋をくすぐり続ける。


やっべぇ…俺手袋でくすぐられちゃってる…!!


くすぐったさに笑い声を溢れさせながら、そのサンタの白い指が動く様を見せつけられ、興奮でチンポは完全に勃起してしまった。

「ははっ、くすぐられて勃起するって、そんなに手袋が好きなのか」

「んひゃひはあっ」

「手袋でこちょこちょされて興奮するんだ」

「んんっ、あひゃひはははっ、おぉっ」

腋をほじりくすぐられながら言うサンタの『手袋』と言う言葉がいやらしく、その言葉を聞く度に身体が火照っていった。

「こちょこちょこちょこちょ~」

「んひゃひははっ!んんっ」

手は腋を上下に移動しながらくすぐり上げたあと、徐々にその手は首の方へと移動していく。

「んひゃっ、んんはぁっ、あひゃひひっ」

俺の首をその白いナイロンの指先が撫で、手袋に汗が染み込んでしっとりとした滑らかな感触がくすぐった気持ち良かった。

「首筋はくすぐったい?それとも気持ち良い?」

目の前で言われ、その言葉にゾクゾクして更に感じてしまう。

「はひっ、んひゃっ、あぁっ、んっ」

恥ずかしさで目を反らしたいのに、なぜかサンタの整った顔から目が離すことができなかった。

「こちょこちょこちょ~」

首を10本のスベスベの指先でくすぐりながら、サンタは俺を煽るようにこちょこちょと言ってくる。

「んひははっ、んんんっ、あひゃひっ」

その言葉のいやらしさとくすぐったさに、思わず身体を震わせて笑い声を上げると、サンタは俺の耳元に顔を近づけ、低めの色気のある声で囁いた。

「こちょこちょって言われんの好きっしょ?」

「んひっ」

その吐息と声に身体が震えて甲高い声が出てしまう。

「ははっ、ほんと好きなんだね。じゃあ今度は腋をこちょこちょするよ。ほら、こちょこちょこちょ~」

「んひゃひはははっ!!やめっひひゃはははっ!!」

首から再び手が腋へと移動していき、スベスベの指が腋下から脇腹を往復してくすぐり動いていく。

「手袋でくすぐられちゃってんだよ。俺のこの『手袋』で」

「んひっ、あひゃひはははっ!んんっ、ひゃははははっ!!」

手袋の指を立て、サワサワと程よい力で脇腹を撫で、腋をほじりながらいやらしい言葉を耳元でサンタが囁き続ける。

「『手袋』でくすぐられて何が良いの?なぁ、『手袋』の感触?見た目?『手袋』って言われるだけで興奮するとか、どんだけ好きなの」

「ひゃひははっ!!んんぁっ、ふひはははっ!!んぉっ」

『手袋』という単語を敢えて強調して言い、そう言われる度に恥ずかしさと興奮が同時に襲ってきて、くすぐったいのになんだかそれを気持ち良く感じてしまうようになっていた。

「へぇ、『手袋』でこちょこちょされて気持ち良くなってんの?」

「んひゃひあっ!!はひははははっ!!んぉっ」

「こちょこちょこちょ~。ははっ!面白ろいな。『手袋』で腋こちょこちょされんのが良いのか?それとも脇腹か?」

「んひゃひははははっ!!んぉおっ、あひひゃははっ!!あぁあっ」

右手を腋を、左手で脇腹をくすぐられながら、サンタは手袋に興奮する俺を面白がるように、煽る台詞を次々と吐いてくる。

そんなことをされたせいで、ただくすぐられただけだと言うのに俺のチンポからは我慢汁が溢れてきた。


チ、チンポしごかれてぇ…


サンタからのくすぐりで発情した俺は、その真っ白な手袋でチンポを気持ち良くされたくなっていたのだ。

「へぇ…」

そんな俺の気持ちを読み取るように、サンタは俺から顔を離し、ニヤニヤと笑いながらくすぐられて笑う俺の顔を見てくる。

「あひゃひははっ!!んぉおっ、ひゃひはははっ!!」

「どうしようかなぁ」

俺は恥ずかしいながらにサンタを見つめ、シゴいて欲しいと訴えるが、サンタは俺を焦らすように悩んでいる言葉を発する。

「せっかくだし、声に出して言って貰おうかな。直接プレゼントの希望は聞かないとね」

そしてサンタはくすぐっていた手を止め、俺から手を離しながら言った。

ベッドに全裸で座り、チンポを勃起させながら頭の後ろで手を組んだ体勢の俺。

「はぁっ…んんっ…はぁっ…」

くすぐりの余波で身体がビクビクと震える中、なんとか息を整えようと呼吸を繰り返す。

「涼真君、ほら」

サンタは顔を指差すように、白い手袋に包まれた指を俺に向けて差し出してくる。

「手袋好きなんでしょ?大好きな手袋の指をしゃぶりながら、俺にして欲しいことを言ってみて」

「なっ!!」

驚く俺の顔を、満面の笑顔で見て来るサンタ。

その笑顔はとても優しく、子供にプレゼントを渡す時の大人と同じ空気すら纏っていた。

しかし実際に俺に求めているのは、俺の性癖を晒させ、チンポをシゴいて欲しいとねだらせること。


そ、そんな恥ずかしいことできるか…!!


「そっか。じゃあ俺もう帰るね」

「えっ…」

サンタは指を引っ込め、窓の方へと歩いて行ってしまう。


え、嘘。まじで?


「ちょ、ちょっと!!」

流石にチンポがこんな状態で帰られてしまうのは辛い。

それにこんなに俺の性癖を理解した上で、ここまで見た目の良い人物にして貰えることなんてない。

「ん?どうしたの?」

「い、言うから…!!」

既に散々痴態をさらしていると言うのに、今更恥ずかしがることなんてない。

「へぇ。じゃあはい」

再び俺に近付き、いやらしい指を俺の顔の前へと差し出すサンタ。

簡単なこと。

この指をしゃぶりながら、チンポをシゴいてくれと言えば良いだけのこと。

「……」

「……」


や、やっぱ恥ずかしいわ!!!


「はぁ…仕方ないなぁ…ほらっ」

サンタは呆れるようにため息をつくと、俺の口へとその指を突っ込んできた。

「んぐっ!!」

口内に侵入してくるサンタの手袋の指先。

ナイロンのサラサラとした感触が舌に触れ、ほんの少し汗の味がした。

「ほらっ、ちゃんとしゃぶりなよ」

太く長い手袋の指を、俺の口に出し入れするように何度も動かし続ける。

「んんっ、んぐっ、ちゅっ、んぉっ」

俺はその指先をフェラでもするように、必死に口を窄めてしゃぶった。


何これ…すげぇ興奮する…


手袋で口内を犯されるような感覚に、背中がゾクゾクする程興奮していた。

「君はこれから自分に素直になろうね」

サンタは俺に指をしゃぶらせながらそう言って、俺のおでこをもう片方の手の指でツンと突いた。

瞬間、ふわふわとした気持ちになり、妙な幸福感に包まれていく。


あぁ…こんなイケメンの手袋指しゃぶれるなんて幸せ…


そして目の前にいるサンタが、身を任せても良いと思える程に信頼できる人物のような気がしてきたのだ。


甘えたい…


まるで幼い子供に戻ったかのように、目の前の大人に甘えたいと言う気持ちでいっぱいになる。

「ほら、涼真はどうされたい」

そんな俺に、サンタは優しく問いかけた。

「あぁっ…んちゅっ…サンタさん…気持ち良くして…んんっ」

俺は手袋指をしゃぶりながら、サンタに上目使いで甘えるように返してしまう。

なぜかもう羞恥は感じなくなっており、早く手袋で触れて欲しくて仕方なくなっていた。

「涼真は何が好き?」

「んちゅっ…はぁっ…手袋ぉっ…♡」

「手袋でどうされたい?」

「じゅぷっ…手袋でぇ、チンポシゴいてぇ…♡」

自分のキャラに無いような、甘ったれた声が出てしまう。

「よし、良い子だ。じゃあ…」

「んっ…あぁっ…」

サンタは俺の口から指を引き抜くと、窓の方へと歩いていき、窓の外にあったソリから白い袋を取り出した。


プレゼントが入ってる袋…


「当たりだよ。ほらっ」

サンタは俺の座る前で袋を逆さにすると、中からバラバラと何双ものナイロンの白手袋が落ちてきた。

「ははっ、君は本当に手袋が好きなんだね。ここからは目の前にいる子の欲しい物が出てくるんだけど」

「手袋好きぃ♡」

動けない身体でそう言いながら、その手袋に寄って行こうとしてしまう。

「これは後でね。まずは…」

サンタはそう言うと俺の座るベッドへと近付き、俺の身体を後ろから抱くように座った。

「!!」

背中に感じる赤い服越しのサンタの身体。

思ったよりもガタイが良く、至近距離で感じてドキドキしてしまう。

「ほら」

そしてサンタの赤い手の裾と白い手袋の手を、俺の両脇から俺を抱えるように出してきた。


やべぇ…


後ろから抱えられながら今からこの手でされる。

あまりに理想的な姿に興奮が納まらない。

「それだけじゃないよ」

後ろからでもニヤついているのが分かる声で言いながら、サンタはパチンと指を鳴らした。

すると、先ほど袋から出て来た手袋達が宙に浮き、まるで手が中に入っているかのように膨らんで、その指をこちょこちょと動かし始めたのだ。

「今から俺に手袋でシゴかれながら、あの手袋達にいっぱいこちょこちょされるんだぞ」

「あぁ…あぁぁ…」


今から俺…これに…


宙に浮いた手袋は、今か今かと待ち構えるように俺の身体の近くで動きまわっている。

想像しただけであまりにエロ過ぎる内容に、俺もチンポももう我慢できなかった。

「あぁ…早く…早く手袋でこちょこちょしてぇ…♡」

息は荒くなり、全身で発情しているのを感じながら、後ろにいるサンタにねだる。

「ははっ。じゃあいくよ…」

サンタはそう言うと、前に出した手で俺の勃起したチンポを掴み、もう片方の手で俺の乳首を摘まんだ。

「んひぁあああっ♡」

サンタの手袋に包まれた手でチンポを掴まれ、サラサラの指先が乳首が触れる。

「ほら、大好きな手袋にチンポ握られちゃったよ。乳首もこれからいっぱい手袋で弄られちゃうんだよ」

竿を握って揉み、乳首をフニフニと指先で触れながら耳元で言うサンタ。


やべぇ…エロ過ぎる…♡


「あぁあああっ♡嬉しいっ、嬉しいっ♡」

「まだまだいくよ」

サンタがそう言うと、宙に浮いていた手袋達も一斉に俺の身体へと触れてきた。

ナイロンの白手袋達が、耳をほじり、口を犯し、首を撫で、腋と脇腹、足裏、チンポの先端をくすぐり、もう片方の乳首を摘まみ、太腿を擦ったのだ。

「んおぉぉおおっ♡んひゃひはははっ♡んひぃぃいいっ♡」

手袋達によって全身がくすぐったさと快感に包まれる。

「ほら」

そう言ってサンタはチンポを握った手を上下に動かし、乳首を摘まんだままクリクリと弄り始めた。

「んひあぁあああっ♡ひゃひはははっ!!あぁあああっ♡」

サンタの手袋を嵌めた手がチンポを擦り上げ、やっと欲しかった快感が身体に訪れる。

全身を襲う手袋達の責めと相まって、異常な程のくすぐったさと快感が同時に押し寄せてきていた。

「ど?大好きな手袋にこちょこちょされながらチンポ気持ち良くされんのは」

そんな俺の耳を甘噛みしながら、後ろから囁くサンタ。

その耳には熱い吐息が吹きかかる。

「んほぉぉおおおおっ♡ぎもぢぃいいっ♡んひゃひはははっ!!」

我慢汁と俺の唾液で濡れたサンタの手袋の手にチンポがシゴかれ、クニクニとナイロンの指先が勃起した乳首を揉みしだく。

もう片方の乳首も浮いた手袋が指先で乳首を弾き、口内には何度もナイロンの指先を出し入れされ、そして腋の溝から脇腹までを四つの手袋が指をバラバラに動かしながらくすぐり動く。

サンタにシゴかれて痛い程勃起したチンポの先端を更に手袋の指先がくすぐり、敏感な亀頭にゾワゾワする快感を与えてくる。

そして太腿はスリスリと2つの手が撫で回し、足は持ち上げられて足裏全体をナイロンの指先で掻くようにくすぐり上げられた。

「んひゃひはははっ!!んぉぉおおっ♡ひゃはひはあっ!!あぁああああっ♡」

「ほら、『手袋』でチンポシコシコされてるよ。ちゃんと見ないと」

「あぁぁあああっ♡ぎもぢぃいっぎもぢぃいいっ♡んひゃひはははっ!!手袋こちょこちょくすぐっだいぃぃっ!!」

「チンポも乳首も『手袋』でこちょこちょされんの好きなんだろ?」

「んひゃひははっ!!好きぃぃいいっ♡んふぉぉおおおっ♡」

絶え間なく快楽とくすぐりを与えられ、耳元で言葉でも責め続けられ、あまりの興奮でおかしくなってしまいそうだった。

いや、現におかしくなっていた。

「んひゃはひははっ!!サンタさんチューしたいぃいっ♡んおおぉおおっ♡あひゃひははは!!」

こんなこと言うキャラでないのに、思い切り甘えたくなっていた。

こんなに気持ち良くしてくれるサンタが、好きで好きで仕方なくなっていたのだ。

「良いよ」

サンタは優しくそう言うと、顔を俺の顔の方へと回し、口の手袋を離して俺の唇を貪るようにキスをしてくる。

「んんんんっっ♡ひゃはっ!!じゅぷっ、んんっ♡あひゃひははtっ!!んんぁっ♡」

口内をサンタの熱い舌が激しく犯し、更に身体の熱が上がっていくのを感じる。

くすぐったさも快感も更に増していき、食われるような激しいキスによって精神的にも気持ち良くなっていた。


イケメンサンタにチューしされながら手袋でぐちゃぐちゃにされちゃってる♡

手袋こちょこちょされてチンポ手袋コキされちゃってる♡


「んひゃひはははっ!!んんんっ♡んちゅっ♡ひゃひはははっ!!」

そして当然のことながら、俺の身体は既にイく寸前まで追い詰められていた。

もう1分も持たない程に、チンポはサンタの手袋にシゴかれる度にビクビクと大きく震え、根元から精液が上ってくるのを感じていた。

「んひゃひはははっ!!イくっ♡サンタさんイっちゃうぅううっ♡」

俺は顔をサンタから離し、訴えるように言う。

「そっか。じゃあ最後は…」

サンタがそう言うと、袋から更に手袋が出てきて俺へと向かっていた。

「手袋をたっぷり堪能してよ」

サンタは俺の乳首から手を離し、両手で俺のチンポを包むように握ってスリスリと擦り始める。

そして追加された手袋達は、空いた俺の乳首へと襲い掛かり、そのまま乳首を摘まんでコリコリと指先で擦る。

そして今まで触れられていなかった玉にも手袋はきて、俺の玉をそのスベスベの指先でサワサワと撫で回した。

「大好きな手袋に全身気持ち良くされちゃってるね」

「んひゃひははははっ!!んふぉぉおおおっ♡」

増えた手袋達は俺の顔にも張り付き、頬や顎にその手袋の感触を擦り付け、俺の手は手袋に指を組まれながら上へと持ち上げられ、腕や太腿、脹脛にもびっしりと手袋達が張り付き撫で回してくる。

「手袋でこちょこちょされながら手袋でシゴかれてイきたいんだろ」

「あひゃひはははっ!!手袋こちょこちょ好きぃぃいっ♡手袋でイっちゃうぅっ!!」

足裏も4つの手袋達がくすぐり回し、指の股に手袋の指先を差し込まれてほじられる。

くすぐったくてくすぐったくて仕方ないのに、それがどうしようもなく気持ち良かった。

「手袋に包まれたチンポがビクンビクンしてる。ほら、いっぱい出して良いよ」

「んひゃひははははっ!!イグぅぅうううっ♡手袋イきしちゃうぅぅううっ♡」

もう少しこの快感を楽しみたかったが、身体も心ももう限界だった。

全身を這い回りくすぐる手袋達。

そして俺のチンポを包み込み、ズリズリと擦り上げるサンタの温かい手袋の手。

「ほら、こちょこちょこちょこちょ~」

そしてサンタはそう言ってチンポを擦りあげながら指をうねらせ、俺を更に追い詰めてきた。

「あぁぁあああっ♡んひゃひはははっ!!イグぅぅうううっ♡手袋でイかされちゃうぅうっっ♡」

「良いよ。ほら、手袋でイっちゃえよ」

「あぁぁああっ♡ひひゃははっ!!イグイグイグイグぅぅううっ♡んひゃひははふあぁぁあああああああああああっっ♡♡!!!」

凄まじい快感と共に、俺のチンポから大量の精液が噴出した。

「んおぉぉおおおおおおおおっっ♡♡!!」


気持良いぃぃいいいっっ♡


波のように何度も強い快感が押し寄せ、全身を震わせながら精液を吐き出し続ける。

「わぁ、いっぱい出たね」

搾るようにチンポをギュッギュッと擦る。

「んぉおっ♡おぉおっ♡」

サンタの白い手袋には俺の精液がグッショリと染み込んでいた。

俺を襲う手袋達も徐々に動きが鈍くなり、俺から離れるとそのまま動きを止めて床へと落ちる。

「はぁ…はぁっ…はぁ…」

快感とくすぐりで荒れた息を整えていくうちに、段々と冷静になっていく頭。

「プレゼントはどうだった?」

「ひぅっ!!」

イったばかりで敏感な時に、耳元でサンタが囁いた。

そして一気に熱くなっていく顔。


は、恥ずかしい…!!!!!

あんなに自分の癖を晒して、柄にもないような甘ったれた声を出して…


暴れたくなる程恥ずかしくなったが、それでもあのあまりにエロい体験は思い返すだけでまたチンポが勃起しそうになる程最高だった。

「ははっ、照れなくても良いよ。喜んでくれたようで良かった」

「はぁっ…はぁっ…」

俺は何も答えられなかったが、サンタは俺の考えを読んだのか満足そうに言った。

「じゃあ涼真君…」

「んんっ…」

再び俺の耳元で囁くサンタ。

「メリークリスマス」

顔がサンタの方へと向き、正面サンタの整った顔が見える。

その瞬間唇が重なり、俺の意識はそこで途絶えた。



「お兄ちゃんいつまで寝てんの!!起きて!!」

「んんっ…」

咲の声で目が覚める。


あれ…俺…


「はっ!!!」

「わっ!!!」

突然飛び起きた俺に驚き、床に尻もちをつく咲。

昨日のことを思い出し、素っ裸な姿を見られるのではとすぐに布団を身体に巻く。

しかし俺はキチンと服を着ており、特に変なところはなかった。

「いたた…なんなの…」

「え、あ、ごめん…」

周りを見ても特に変わった様子もなく、こっそり股間を触るが濡れている感じもしない。


あれ、夢…?


「まったく、休みだと思っていつまでも寝てないでよね」

「う、うん…」

やけにリアルな夢だった。

しかし考えてみればあれが現実のはずが無い。

「なんだ…」

「?何が?」

昨日のサンタの顔を思い出し、ほんの少し残念な気持ちになる。


あぁ…イケメンだったなぁ…


「はぁ…」

「何ため息ついてんの。お母さんがケーキ買ってきてってさ。早く起きて準備してよね」

そう言って咲はさっさと部屋を出て行ってしまった。

起きて自分の服を確認するが乱れた様子はなく、窓を見ても鍵がきちんと掛かっていた。

「そりゃそうだよなぁ…」

自分で自分を納得させながら、俺は出掛ける準備をした。



「結構ケーキ売ってるとこ多いねぇ」

「そりゃ一年で一番売れる日だからな」

街中を歩くと、様々な場所でケーキが売られ、ケーキを買う客で列ができていた。

「並ぶのダルいな…」

どの店も客が多く、買うまでに結構時間が掛かりそうなことにううんざりする。

「あっ!見て!あそこ空いてる!」

「空いてる店って…それ逆に大丈夫かよ」

「まぁ良いじゃん。ケーキなんてなんでも」

咲はさっさとその店へと向かって歩いて行ってしまう。

「ったく…」

仕方なくその店へと足を進めると、そこは普段空き地になっている場所で、今だけテーブルを出してケーキを売っている店舗のようだった。

店員はサンタのコスプレをした男女が2人だけで、なんとも寂しい感じだ。


こりゃ人も寄り付かないわなぁ…


そう思いながらケーキを買っている咲の隣へと行く。

「はい、こちらケーキです」

女サンタにお金を払っている咲を見ていたら、男のサンタの方が俺にケーキを渡してきた。

箱を持つその手には、ナイロンの白手袋が嵌められている。

少しドキっとしながら受け取ると、ケーキを持った俺の手に重ねるようにその男が手袋の手で握ってきた。

「っっ!!!」

手にピッタリと嵌り、手の甲の三本線がいやらしく映えるその大きな手。

驚いて顔を見ると、その男の顔は、昨日俺の部屋に来ていたサンタと同じ顔をしていた。

「メリークリスマス」

その男は昨日のサンタと同じ声で、俺に笑顔でそう言った。



END

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