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※リクエスト作品




今年の最高気温を記録した夏休みのある日。

野球部の部室にバスケ部、剣道部、陸上部、野球部の4つの部活の部長が集まっていた。

「おい、準備は良いか?」

バスケ部の部長の言葉に、他の3人も頷く。

「今日こそサッカー部の野郎に勝つぞ」

「「「おう」」」

4人は目に闘志を宿らせ、真剣な表情でお互いを見合った。


この学校にはある伝統がある。

『一番努力している部活に、一番の部費を支給する』

今の校長の前の前の代から始まったこの伝統は、今でもまだ続いている。

勿論大会での成績や所属人数によって予算も振り分けられるが、この『一番努力している部活』というのは、そういった試合の結果等とはまた別のベクトルで計られるものだった。

その判断基準は、『どれだけ汗を流して練習しているか』だ。

各部活は部活終わりに身体の一番臭い部位の匂いを測定し、その数値によって臭ければ臭い程努力していると認められるのだった。

この伝統が始まってから、サッカー部以外の部活が選ばれた年は数える程度。

それ程までにサッカー部の匂いは圧倒的なのだ。

今年の数値の測定は既に終わっており、今年圧倒的な数値でトップになったのは勿論『男子サッカー部』だった。

しかしこの伝統にはもう一つルールがある。

各部活、トップになった部活に対して『匂い勝負』を挑むことができ、トップの部活はそれを拒否することはできない。

そしてその『匂い勝負』で勝つことができれば、その部活の予算も増やすことができるのだ。


そして今、野球部の部室にてサッカー部に勝つための同盟が組まれていた。

バスケ部、剣道部、陸上部、野球部、この4つの部活が結託し、サッカー部を倒そうと言うのだ。

部活同士で争う場合、直接嗅ぎ合いでの戦いになるため、一緒に勝負を挑んでサッカー部を弱らせた上、勝った部活に入った予算を4つの部活で分ける予定になっていた。

「相当臭くなってるからな」

野球部の部長の野間は、スパイクの中のアンストを履いた足をモゾモゾと動かしながら言う。

今日の対決のために野間は、夏休み中の練習は同じソックスを履き続けていたのだ。

履く度にネッチョリと汗を含んだソックスがとても不快だったが、野間はなんとか連履きで激臭の足を作り上げていた。

「俺だってやべぇぞ」

そう言ったのは陸上部の部長、伊上だ。

伊上は自身の足を臭くするために、部活を全て素足履きで行っていた。

相当使い込んでいる運動靴の中で蒸れた素足は、相当な臭さを放っている。

「まぁ俺がトドメを刺してやるよ」

自信ありげな様子に言うのは、剣道部の部長である剣崎だ。

剣崎は3人とは違い、剣道部で使う籠手で勝負を挑むつもりだった。

なかなか洗うことができない防具の中でも、籠手は手汗を大量に吸い込んで恐ろしい匂いを放つ防具。

室内とは言え蒸し暑い中、普段なら使う防臭スプレーを使わずに使い続けたのだ。

「まぁ俺で勝負は決まるだろうから、お前等は控えてて大丈夫だよ」

そう言ったのはバスケ部の部長である玉木だった。

玉木が長年愛用しているバッシュ。

痛むのを懸念してほとんど洗ったことがなく、この数日は素足で部活に挑んでいたため、中敷きやクッション部分に大量の足汗が染み込み、ただ置いてあるだけでも匂う程の強烈な臭さを放っている。

これだけの猛者が揃っていれば、いくらサッカー部とは言え負けることはない。

4人はそう確信し、サッカー部の部室まで向かった。


「おい、登坂」

「ん?」

サッカー部の部室で談笑する登坂に、野間が代表して声を掛けた。

「俺ら4人と勝負しろ」

「なんだよいきなり…」

戦意剥き出しの4人とは違い、嫌そうな顔で答える登坂。

「サッカー部に『匂い勝負』を挑むことにしたんだ。俺らと勝負だ」

「はぁ?なんでだよ」

「俺らだって予算が欲しいんだよ」

乗り気じゃない登坂に痺れを切らし、伊上が口を挟む。

「いや、俺匂い勝負とか嫌だけど」

「サッカー部は今年トップだろ。俺らの挑んだ勝負は断れないはずだ」

「え、まじで?そんなルールあんの?」

驚いた顔で言う登坂に、4人は同時に頷いた。

「まじかぁ…すげぇ嫌だ…」

「嫌なら拒否しても良いが、それだとサッカー部が負けを認めたことになるぞ」

「はぁ?なんでそうなんだよ」

「それがルールだからだよ」

「えぇ…なんだよそれ。てか匂い勝負ってあれだろ?匂い嗅いだり嗅がせたりの」

「あぁ」

心から嫌そうな顔で言う登坂。

「うっわ…最悪だ。なんで俺が…」

ここまで登坂が嫌がるのにも理由があった。

そもそも登坂はサッカー部の部長として、足の匂いの数値を計られたが、特に優勝を狙っていた訳ではない。

普段通り練習し、終わったあとに計ったらたまたま優勝しただけなのだ。

正直サッカー部としては、大会の成績や部員数の関係で予算は十分にあったし、特に優勝に拘ってはいなかった。

もう少し早く4人が来ていれば、登坂としては予算を譲っても良いとすら思っていたのだ。

しかしたまたま優勝して手に入れた予算は、既に部内の設備投資に使ってしまっている。

この4人の匂いを嗅ぐのも、自らの匂いを嗅がせるのも嫌だが、それでも受けざる得ない状況になっていた。

「勝負を受けるのか?それとも拒否するか?」

「はぁ…受けりゃ良いんだろ」

野間が決断を迫ると、登坂は深いため息をつきながら、4人からの勝負を渋々了承した。

「よし、じゃあ早速始めようぜ」

登坂のその言葉を聞き、野間はにやりと笑いながら返した。


「で、俺は1分耐えれば良いんだな?」

「あぁ」

登坂は説明されたルールを頭で復唱しながら言う。

今回のルールは簡単だ。

順々に4つの部活の匂いを口を塞がれた状態で強制的に顔に押し付けられ、1分間耐えることができたらサッカー部の勝ち。

逆にギブアップしたらサッカー部の負けである。

たったこれだけのことだが、登坂はルールを思い返しながら更に嫌そうな顔になっていく。

そもそもなんで好き好んで臭い男の匂いなんて嗅ぐしかないのか。

女子の良い香りなら兎も角、汗臭い男の匂いなんて御免だった。

「はぁ…もうさっさと始めて終わりにしようぜ」

再びため息を吐きながら、登坂は諦めたように言う。

「よし、じゃあまずは俺からだ。野間、登坂の口を塞ぐ役を頼む」

「おっしゃ」

野間は玉木に言われ、登坂の後ろへと陣取る。

「ほら、床座れよ」

「へいへい、分かったよ」

登坂が床へと座ると、野間はその後ろへとしゃがんで登坂の口を手で塞いだ。

「んん…」

男に口を塞がれた上に嫌な匂いを嗅がされる憂鬱で、登坂は思わず手の中で再度ため息をついた。

「じゃあ行くぞぉ」

玉木は登坂の目の前でバッシュを脱ぐと、その脱ぎたての温かいままのバッシュで登坂の鼻を覆った。

「んんっ…」

長年履き込んだ玉木のバッシュに籠った、じっとりと汗で湿った空気が登坂の鼻へと流れ込む。


ーー臭いな…


バッシュから漂う匂いは純粋な汗の匂いが強く、酸味のあるすっぱい匂いにバッシュのゴムの匂いが混ざり、凄まじい匂いとなって登坂の鼻を襲う。

「んん…」

しかし登坂は、不快な顔はするものの特に暴れる様子もなく、淡々とその臭いバッシュの中で息をしていた。

「…1分経った」

時間を計っていた剣崎がそう発したことにより、登坂の口と鼻から手とバッシュが離れる。

「はぁ…臭かったぞ。すっげぇ不快」

鼻を擦りながら、登坂は顔を引きつらせるが、口調や態度は落ち着いていた。

それに驚いたのは登坂以外の4人だ。

玉木のバッシュは確かに激臭と言える程に臭い代物。

それを嗅いで、どうして登坂が平然としていられるのかが分からなかったのだ。

「お、お前…なんで平気なんだよ」

嗅がせていた玉木が思わず登坂に聞くと、登坂はなんで驚いてるのか分からないと言う様子で答えた。

「は?すげぇ不快だったって言ってんだろ」

「いやいや…普通あんな臭ぇバッシュ嗅がされたらギブするだろ…」

「あぁ。まぁ臭いのはある程度慣れてるからなぁ。けど普通に臭かったぞ」

今は他の部員が少ないため、まだ部室内の匂いはましな方だが、ここに部員が全員集まれば、このバッシュの中よりも臭い空間になる。

それを普段から嗅いでいる登坂にとって、バッシュの匂いは臭いが、そこまで衝撃的な物ではなかったのだ。

「くっ…おい、次!」

勝つことができなかった玉木は、次に嗅がせる伊上に向かって苛立ったように言う。

「おいおい、自分のがダメだったからって怒んなよ。安心しろって。俺が決着つけてやる」

そう言って登坂の前へと座り、靴紐を解き始めた。

「口はそのまま野間が塞いでくれよ。時間も剣崎に任せるわ」

「はぁ…また嗅ぐのかよ…」

うんざりしたような顔で言う登坂の口を野間が塞ぎ、運動靴を脱いだばかりの伊上が、その素足履きしていた汗だくの足を登坂へと寄せていく。

そして、足指の股で登坂の鼻の穴を塞ぐように摘まみ、一番蒸れて臭い部分を押し付けた。




続きは11月1日に他プランでも公開予定

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激臭サカスト&素足で屈服

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