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試合終わりのドロドロになった臭いソックスを履いた足。

「んはぁぁっ♡椿君の足すげぇ臭ぇよ」

「今日誰よりもコート走ってたからなぁ…んほぉっ♡くっせぇぇ」

その臭い俺の足の下で、良い歳をした男達が嬉しそうにその匂いを嗅いでいる。

俺はただただ引きつった笑顔で、「ありがとうございます」とだけ答えることしかできなかった。


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「椿、レギュラーおめでとう」

「ありがとうございます!」

部長の赤崎さんに言われた俺は、思わずしっぽを振る犬のように、嬉しさを前面に押し出した声でお礼を言った。

このO大のサッカーサークルは部活でないにも関わらず、全国の大会で好成績を残す程の強豪だ。

そんなサークルで1年の内にレギュラーになれたのは、奇跡と言っても良いかもしれない。

小学校からずっとサッカーをやっていた俺は、サークル内でも模擬試合で繰り返し好プレーをしたお陰で、異例の1年レギュラーとして次回の試合から試しにレギュラーにしてみようと言う話になったのだ。

「サポーターの方達も椿には期待してるって言ってたぞ。それに俺も椿には期待してるからな」

憧れてたレギュラーメンバーの五条さんにまで言われ、思わず飛び上がってしまいそうな程に嬉しかった。

「まじすか!うわぁ…嬉しいなぁ…」

「ほら、レギュラー用のスクイズボトルだよ」

「ありがとうございます!」

黒のスポーツメーカーのロゴが入ったスクイズボトルを受け取る。

飲みやすいように形状まで拘られている新品のボトルは、恐らくそれなりに高い物だろう。

「このサークルって、ほんと裕福と言うか…設備もしっかりしてるし、凄いっすよね」

メンバーにはユニフォームからソックス、スパイクまでサークルで支給されるし、サークルの部屋の中のベンチやロッカーも、定期的に清掃業者が来るお陰で綺麗な上に良い物が多い。

ボールの数も十分だし、コートだって大学のコートが埋まってる時は、市営のとは言え普通に借りて練習をするなんてことはざらだ。

恐らく普通のサークルではここまでのことはできないだろう。

「サポーターさん方のお陰だな」

部長が言うと、五条さんもそれに同意するように頷く。

「ほんと。サポーター制度を作ってくれた先代達には感謝だなぁ」

「確かによくできた制度ですよね」

このサークルにはサポーター制度がある。

サッカー好きの地元の人や、大学のOB、OGの方々に、一口3000円で年間のサポーターの権利を買って貰うのだ。

サポーターになった人は、自由に俺達の練習を見に来たりすることができるし、来た場合はサークルのマネージャー達がお茶を出してもてなす。

大会なんかがあれば、観戦用の席も用意をする。

最近では、サポーター限定で購入できる、レギュラーメンバー達の写真なんかが女の子達の間で人気らしく、そこも大きな収入源となっているらしい。

「ただの大学生の俺らに金を出してくれるんだからありがたい話だよ」

「俺らも卒業したらサポーターになるんだから良いだろって」

五条先輩の言う通り、サッカーサークルに所属していた人は大学卒業後10年は一口以上は購入するのが決まりとなっている。

年間3000円ならと10年以上支援を続ける卒業生達も多いため、サークルは潤う一方だ。

「そういや椿もレギュラーってことは、写真撮ったりしねぇとな」

「え、俺はまだ早いんじゃ…それに売っても売れないっすよ…」

「何言ってんだ。お前良い顔してんだから、結構売れると思うぞ?」

「ガタイも良いしな。椿はおばちゃん達から人気出そうなタイプだな」

「そっすかね…」

写真売り上げのNo1とNo2の二人に言われてもあまり自信は持てない。

「それと、大口サポーターが集まるレギュラー会にも出て貰うからな」

「レギュラー会?」

「あぁ、お前は知らないか」

「レギュラー会ってのはな、100口以上買ってくれてるサポーターの方々が集まる会なんだよ」

「大きい試合があると、その日の終わりに会場用意して、レギュラーである俺らがサポーターの方をもてなすんだ」

「へぇ…そう言えば先輩達、試合終わりにいないこと結構ありましたよね」

今思い返せば片付けなどを後輩やレギュラー以外のメンバーがしている中、レギュラー陣だけがいなかったことが多々あった。

その会に出ていたからなのか…

「結構もてなすのも大変なんだよな。まぁレギュラーの務めってやつだな」

「みんな年間30万以上出してくれる方たちなんだから、精一杯俺らでもてなすんだよ」

「なるほど…が、頑張ります!」

「そう硬くなんなって!めんどくせぇのは伊藤さんだけだからさ」

「伊藤さん…?」

「うちのサークルの一番の支援者だよ。年に1000口も買ってくれてんだよ」

「1000口ですか!?」

つまり300万…

いくら特典はあるとは言え、そんなに買ってくれる人がいるなんて…

「流石に1000口も買ってくれてると、俺らも無碍にできないしな」

「伊藤さんいなくなるとガチでサークルの運営に響いてくるし、俺らも全く頭が上がらんのよ」

「そうなんですね…どんな方なんですか?」

「ん~…見た目は30代くらいの人なんだが、会社経営してるとかで金があるらしい…」

「見た感じ爽やかなでかっこ良い大人って感じなんだけど…なぁ」

「あれはなぁ…」

「え、なんすかなんすか」

「いや、これはレギュラーの洗礼だと思って言わないでおいておくわ」

「なんでですか!」

「当日は俺らのフォローすっから大丈夫だって!」

「そんな…」

伊藤さん…一体何をしてくると言うんだ…

「まぁ次の試合は来月の頭だよな。そん時には分かることだから」

「楽しみにしてろよ~」

「…はい…」

少し不安になりながらも、今は来月の初試合の為に練習に集中しようと切り変える。

試合でへまをして、直ぐにレギュラー落ちするのだけは避けたかったからだ。

大好きなサッカーを、こんなレベルの高いレギュラー陣とプレイできる機会を絶対に逃したくなかった。

貰ったボトルをギュッと握り締め、皆が練習しているコートへと戻った。


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「いよいよ明日がデビュー戦だな」

「部長…」

「緊張してるか?」

「少し…けど部長たちと一緒にプレイできるのが嬉しくて、期待の方が大きいです」

「おう、泣けること言うじゃねぇか」

レギュラー初の試合に確かに緊張はしていた。

だけどそれよりも今は楽しみだった。

「おーい、椿、ちょっとこっち来いよ」

「あ、はい。部長、失礼します」

五条先輩に呼ばれたため、部長に断りを入れてそっちへと向かう。

五条先輩はハンガーに洗濯ばさみで挟み、部屋の中でソックスを干していた。

「なんすか?それ」

見るからに汚れている干されたソックスは、確か今日の練習で先輩が履いていたもので、まだ洗ってないはず…

「お前の履いてるのも脱げよ。干すからよ」

「え?洗わないんすか?」

「あぁ、これはうちのサークルのゲン担ぎなんだよ」

「はぁ…」

「前の日練習で履いたソックスを、洗わないで乾かして明日また履いて試合に出るんだよ」

「えぇ!?なんでそんな…」

「日々の練習の成果が出るようにって、ずっと続いてきた風習なんだよ」

なんとも変わった風習と言うか…

俺は言われて仕方なく履いていたソックスを脱ぎ始める。

本格的な暑さは落ち着いたとは言えまだ日が長く暑い中、試合前で気合の入った練習をしていたせいで、じっとりと汗で湿って土で汚れた青いソックス。

自分でも嫌気がさす程に臭かった。

「これ、干して明日履くって…なんか臭そうっすね…」

「あぁ、臭ぇよ。乾かしても匂いなんか取れねぇしな」

「ですよね…五条さん嫌じゃないんすか?」

「嫌に決まってんだろ。ただでさえ臭ぇ足なのに、こんな更に臭くしたソックスなんて履きたくねぇよ」

「ですよね…」

「試合中は集中してっから気になんねぇけど、試合終わりとか最悪だぜ?みんな集まったらもう兵器だっての」

「あの…もしかして、スパイクのこともゲン担ぎっすか?」

レギュラーを言い渡された日、俺は部長から『試合が終わるまでスパイクの手入れは外側だけにしろ』と命じられた。

週5で練習がある中、俺は毎日湿らせた布でスパイクを拭き、中敷きを外して風通しの良い場所に干した上に、乾燥剤まで入れて保管していた。

そうしないと痛んで硬くなるし、何より臭いからだ。

しかしこの1か月、最低限の外側の手入れしかしなかったせいで、スパイクの中からは悪臭が漂ってきていた。

「あぁ、そうだよ。レギュラー陣はみんなやってる」

「言われてみれば確かに臭かったっすね…」

レギュラー陣と一緒に練習ができるようになった俺は、他の先輩達よりも、レギュラーメンバーのスパイクやソックスの方が異常に臭いことに気付いた。

練習を人一倍頑張っていたからかと思っていたが、これが原因か…

「試合が終われば、また新しいスパイクもソックスも支給されるし、明日まで我慢だな」

「支給されるんですか?」

「あぁ。試合が終わった後レギュラー会があるだろ?その後支給されんだよ」

「あ、レギュラー会!」

「ん?お前忘れてたのか?」

「あ、はい…練習に夢中で…」

すっかり忘れていた。

明日試合のあとは大口のサポーターの方達をもてなすしかないんだった…

「おいおい、大事な役目なんだ忘れんなって」

「す、すいません…けど、レギュラー会って、試合の後やるんすよね?」

「おう、そうだけど」

「試合の後って、このソックスとスパイクを履いたままってことですよね?すげぇ臭いし、サポーターの方に失礼じゃ…」

俺は自分の脱いだソックスを、五条先輩のように干しながら思ったことを言う。

「あぁ…それは大丈夫だよ。だってあいつら…「五条、その話は明日試合終わってからにしろ」

五条先輩の言葉を遮るように部長が言った。

「あんま試合前に椿を動揺させてもしゃあないだろ」

「まぁそうだな」

「え、動揺って…」

「明日試合が終わったら話すから、それまでお前は試合に集中しろ」

「う、うす…」

ほんとは聞いてスッキリしたかったが、なんとなく言える空気では無かった。

っと、集中集中!一旦レギュラー会のことは忘れよう。

初めての参加だし、他のレギュラーメンバー達もフォローするって言ってたし、なんとかなるだろう!

取り敢えずは明日の為に今は万全の体調と整えることが優先だ。

明日は一旦この部屋に来てから着替えてバスで移動だったな…

スパイクや試合で使うものは部屋に置いたままで、俺は帰路へと着くことにした。

なんとしてでも活躍してみせる!

そう意気込みながら。


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そして試合当日。

俺らは部室に干してあるソックスを履き、スパイクを持って会場へと向かう。

行きのバスの中は、そのソックスのせいで足の嫌な匂いで充満していた。

その臭いのせいで緊張どころでは無くなったのは、ある意味ゲン担ぎの意味はあったのかもしれない。

試合に出場したのは全部で8チーム。

皆強豪揃いで苦戦し、同日に3試合も行ったにも関わらず、先輩達の連携の取れたプレーのお陰で優勝することができた。

「やりましたね部長!!」

「あぁ!お前のプレーも良かったぞ!よくあそこで決めてくれた!」

決勝戦で同点の中、時間ギリギリに五条先輩がくれたパスで、俺は運よくゴールと決めることができたのだ。

「五条先輩のパスが良かったんですよ!」

「いやぁ、椿を信じてみて良かったよ。お前のお陰だよ。椿」

「へへっ、ありがとうございます!!」

部長や五条先輩、他のレギュラー陣からも褒められ、あまりにも嬉しくてニヤけが止まらなかった。

やった!初めての試合であれだけやれれば上出来だ!

これならレギュラーとしてずっとやっていけるかもしれない。

そんな淡い希望を抱いた時…

「この調子でレギュラー会も頑張ってくれよな!」

部長に言われてハっとした。

そうだ。また忘れていたが、これから俺らはサポーターの方々をもてなす必要があるんだった。

今日の試合にもサポーター用の席には沢山の人が来ていた。

恐らくその中に今日の会に参加する人もいたのだろう。

「そうだ。部長、あの、今日集まる人って、何かあるんですか?こんな汚れて臭い格好のままもてなすなんて…」

機能五条先輩が言いかけた言葉を思い出して聞く。

「あぁそうだった。椿にはそのことを話しておかないとな…」

部長もそのことを忘れていたらしい。

「サポーター制度は分かるよな?この制度は先代達が作り上げたものだったんだが、最初は思ったように上手くいかなかったんだ」

会社なら兎も角、大学のサークルで一種のクラウドファンディングを自分たちから制度を作ってやるなんて、確かに難しかっただろう。

「先代達は、サッカーが純粋に好きな人や、地元のチームを応援したい地域住民以外にも、ある人達にサッカーの需要があることを知ったんだ」

「ある人達…?」

「ホモだよ」

「ホモ!?」

部長の口から出て来たのは予想すらしてなかった言葉だった。

「ホモって…え?どういうことすか?」

「まぁ落ち着け。先代達はSNSやネットの情報で、ホモ達に俺らサッカーをやってる男が人気があるってことを知ったんだ」

「は、はぁ…」

「そこでホモ共何人かに連絡を取ったんだが、その内の一人が伊藤なんだよ」

「あの伊藤さん…」

先日聞いた、サポーターの中で一番の出資者であり、先輩達がめんどくさいって言っていた人物だ。

「伊藤のお陰で、ホモ達の出資者が増えてな。そのお陰で色々宣伝やら設備やらを揃えることができて、今のサポーター制度がやっと形になったって訳だよ」

「なるほど…で、そのホモの人とレギュラー会と何が関係が?」

「このレギュラー会に来る高額出資者は、みんなホモなんだよ」

「え!?」

衝撃的なことを言われ、一瞬理解が遅れる。

「ちょ、ちょっと待ってください!ホモの出資者がいるのは分かりました。けどなんで揃いも揃って高額出資者がホモばっかりなんですか!?」

「簡単な話だよ。高額出資者には特典があるからだよ」

「特典って…まさか」

「レギュラー会だよ」

つまり、レギュラー会はそのホモ達を楽しませるための会ってことだろう。

「俺男を抱くなんて無理っすよ!!気色悪い」

マイノリティを否定をする訳ではないが、俺は女が好きだし、男とそう言うことをするなんて無理だ。

「誰が抱くって言ったよ」

「え…もてなすってそういう意味じゃ…?」

「まぁ間違ってはいねぇけど、正解でもねぇな」

「どういうことですか」

「レギュラー会のメンツは、皆匂いが好きなホモなんだよ」

「匂いって…」

「なぁ、俺の足の匂いってどう思う?」

「は?」

突然訳の分からない質問をされて戸惑う。

「良いから答えろよ。俺の足の匂いはどうだ?」

「そんなの臭いに決まってるじゃないすか…」

「じゃあ腋はどうだ?」

部長が腕を上げて腋を見せつけながら言う。

その腋は腋汗でユニフォームは色濃く染まり、腋毛がはみ出ていた。

「知らないすけど、臭いんじゃないですか?」

「あぁ。そうだ。俺は足も腋もすげぇ臭ぇんだよ。しかも今は試合終わり…格段に匂うぞ」

「だから何だって言うんですか…」

「俺だけじゃない。五条もお前も、他のレギュラーメンバーも全員臭ぇだろ。集まったホモ達は、そのくっせぇ匂いを嗅ぎに来るんだよ」

「はぁ!?なんでそんなのを!?」

もう訳が分からなかった。

「そう言う性癖なんだろ。俺にも理解はできんがな」

苦笑いをしながら言う部長は、俺の肩に手を乗せて言う。

「お前はガタイも良いし、足もでかい。顔も犬系だし多分ホモには受けが良いはずだ」

「い、嫌っすよそんなの!!」

「まぁ聞け。お前がこのサークルでレギュラーをやっていくなら、レギュラー会は避けられない。レギュラー達は色んな特典を受ける代わりに、こうやってサポーターの相手をするのがしきたりなんだ」

「俺にそんなこと…」

「最初は抵抗あるかもしれないが、あいつらは勝手に俺らの匂いを嗅いでシコるだけし、大したことはしねぇよ」

「……」

「今日は初参加だし、俺らがどんな風にしてるか見てれば良いさ。サポーターの連中もお前が初めてって知ってるし、無茶なことはさせないって。俺らもサポートするしな」

「そ、そっすか…」

このサッカーサークルでレギュラーになった手前、嫌だと完全に断り切れる程俺は場の空気が読めない人間ではない。

ただ、本当なら断りたかった。

サークル運営の為とは言え、そんなホモの相手をするなんて…

「で、伊藤のことなんだけどよ。あいつだけちょっと特殊でな」

「はぁ」

「基本はみんな匂いを嗅ぐところまでしか許されてないんだけど、あいつだけは先代の頃からの約束で、毎年1000口買うのと引き換えに、それ以上のことも許されてるんだ」

「それ以上ってやっぱりケツとかすか…?」

俺の拙い知識だと、どうしてもそっちの方向へと行ってしまう。

「まぁ伊藤が望めばな」

否定して欲しかったが、部長は肯定の言葉を吐く。

まじかよ…

「本当に無理だって言うことは断って良いことになってる。この前だって、五条がチンポしゃぶらせて欲しいって言われて断ったしな。五条は伊藤のお気に入りだからそれも許されるが、基本は言われたら我慢してしゃぶらせるんだぞ」

「えぇ…そんなんじゃ起たないし嫌っすよ…」

「しゃぶれって言われるより良いだろ。目ぇ瞑っとけば勝手に満足するし、お前が勃起してもしなくてもそれは良い。だがこれは一種の接待だから、相手を喜ばせるのが基本だ。まぁその辺は徐々に分かってくれれば良いさ」

「自信ないっすよ…」

「今日はお前は俺らと同じポーズを取って、笑ってれば良いさ。何か言われたら『ありがとうございます』って言っとけば間違いない」

「……分かりました…」

俺は渋々返事をする。

あぁ…嫌だ…

さっきまで優勝して上がっていたテンションも、今じゃお通夜並みに暗い気分へとなってしまった。

「じゃあ会場に向かうぞ」

「……うす…」

そのテンションのまま、俺はバスへと向かった。


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今回のレギュラー会は大学の近くの公民館で行われるらしい。

バスでそこへと向かうと、既に中は明るくなっていて、人影が集まっているのが見えた。

「お前等、今日は椿がレギュラー会初参加だ。何か粗相がないように、しっかりフォローしろよ!!」

「「「うっす!!」」」

「じゃあ行くぞ」

そう言うと、部長は先陣をきってバスを降り、そのまま公民館へと向かって行った。

それに続いて五条先輩や他のレギュラー陣も降りていく。

俺は一番後輩のため、最後尾で付いていった。

会場の中は正面を向いたパイプ椅子がいくつも並べられており、30名程の男達が座っていた。

前には背もたれの無い長いベンチが置かれ、その前に部長をはじめ、全員が一列に男達と向かい合うように並ぶ。

男達の顔を見ると、思ったよりも普通な連中だった。

もっと変態っぽいのが多いのかと思いきや、20代後半から、一番年長者で40代くらいの男達が俺らを笑顔で迎えてくれたのだ。

「優勝おめでとう!」

「よくやったな!」

「試合見てたぞ!」

祝勝会のような雰囲気に少しだけ緊張が解けた。

「本日はお集り頂きありがとうございます」

部長が皆に向かって話し出す。

「皆さまのご助力があったからこそ、本日の結果があったと思っております」

そこで部長はベンチへと座る。

他のメンバーも座ったため、俺も流れを読んで座った。

「いつもご支援頂いている御恩を、少しでも返せればと思います」

部長は両足を開き、両手を頭の後ろで組み、胸を張るような体勢になる。

そして他の先輩方も同じ体勢になったため、俺も意味も分からず同じ体勢を取った。

「俺らの試合で蒸れた臭ぇ腋、臭ぇ足、好きなところを思う存分嗅いでください!!」

「「「お願いします!!」」」

部長の言葉に呼応して先輩達が声を揃えていうど、男達は立ち上がり、俺らの方へと向かってきた。

我先にと足早に前へ出て来た5人の男が向かった先は、五条先輩のところだった。

「五条君、今日もかっこ良いね」

「あざーす」

「試合見てる時からもう嗅ぎたくて嗅ぎたくて仕方無かったんだよ」

「ははっ、変態っすね」

「今日の腋は蒸れてる?」

「そりゃ蒸れてるに決まってるっしょ」

「あぁ…スパイク履いてるのにもう臭いよ…」

「まぁ全然洗ってないんでー」

「股間も嗅いで良い?」

「良いっすけど、しゃぶったりしたら殴りますよ~」

男達は五条先輩の両腋に二人、両足に二人、そして股間に一人が位置取り、顔を寄せて嗅いでいく。

「んあぁぁあっ♡腋すっごいね!ムレッムレですっぱいよ。汗がまだ滴ってる…」

「おぉぉぉっ♡ほんとだ臭い♡ビチャビチャになったユニフォームがまたエッチだね」

「あぁ、うっせぇな…黙って嗅げねぇのかよ…」

そう言って腋で二人の顔を挟むように、腕を下ろして二人の頭を抱える。

一瞬腋汗のクチュっという水音がし、その腋がいかに蒸れているかを物語っていた。

「あぁぁぁああっ♡臭いぃぃぃっ♡」

「五条君の蒸れた腋で窒息しそうだよ♡」

「はいはい。腋で窒息死でもしててくださいよ」

男達は、必死に五条先輩の腋を嗅ぎながら、自身の股間を擦っていた。

そして股間に顔を埋める男も、自身の股間を擦りながら、ユニフォームの上から五条先輩の股間に鼻を擦り付けていた。

「んおぉぉぉっ♡五条君の股間もムレムレだよぉ♡汗の匂いがすっごい♡」

「おい、ユニフォーム越しだからって口付けんじゃねぇよ。嗅ぐだけにしろ」

「分かってるよ。あぁぁぁぁっ♡布越しなのにこんな臭いなんて、生で嗅いだらどんだけ臭いんだろ…」

「勝手に嗅げば良いだろ」

「ダメダメ。もっと楽しまないと…んぁっ♡なんか精子っぽいエッチな匂いしたよ!試合中興奮してたのかな?」

「まぁ興奮はしてたけど、勃起はしてねぇぞ」

「おぉぉっ♡くっせぇぇ♡蒸れチンポの匂いやべぇぇえ♡」

狂ったように鼻を五条先輩の股間で動かし、スンスンと音を立てながら嗅ぐ姿はまるで犬のようだった。

そして残った足元にいる二人もまた、同じように足の匂いを堪能しているようだった。

片方は脱がせたスパイクを手に取り、そこに鼻を突っ込んで何度も深呼吸を繰り返している。

「んあぁぁぁっ♡くっせぇぇええっ♡五条君のスパイク、中がぐっちょり濡れてて鼻にくっさい液体ついちゃうよ♡」

「鼻に匂いが付いて良かったじゃねぇか」

「んほぉぉぉっ♡靴紐まで汗吸い込んでてくっせぇぇっ♡」

もう一人もまたスパイクを脱がせ、そちらは五条先輩の青いソックスを履いた足裏に、しっかりと鼻を押し付けてふがふが言いながら嗅いでいた。

泥と汗のせいでできた足型がくっきりと足裏に浮き出ており、見るからに臭そうで思わず目を瞑りたくなる。

「はぁぁぁぁああああっ♡くっせぇぇええっ♡ソックスが足汗でグチャグチャだよ♡五条君のこんなくっさいソックス足嗅げて幸せだよ♡」

「はいはい、分かったから大人しく嗅いでろって」

五条先輩はその人の鼻を摘まむように足指を動かす。

「あぁぁぁぁぁぁぁ臭いぃぃぃぃいいっ♡くっさい足に殺されちゃうぅぅ♡」

幸せそうな顔で必死に臭い足を嗅ぎ、自身の股間を擦っていた。


そしてその隣では、同じように部長が五人の男に囲まれている。

配置は五条先輩と同じで、腋と足に二人、股間に一人の男がいた。

五条先輩のところに集まっている男達は20代ぐらいの若めの男が多かったが、部長のところには30後半から40代くらいの男達が集まっているようだ。

「赤崎君の腋は相変わらず臭いなぁぁ♡あぁぁぁっ♡香ばしい匂いが鼻いっぱいに広がるよ」

「あ、どうもっす。試合頑張ったんでかなり臭くなってると思いますよ」

濃い腋毛がユニフォームから飛び出て、腋を伝うように汗が流れ、見てるだけで匂いそうな程に臭そうな腋だ。

「こっちの腋も臭いよ♡俺らに嗅がれるためにわざと臭くしてきたのかい?」

「わざとって言うか、元々汗っかきなんで試合の後はかなり臭くなるんすよ。喜んで貰えて嬉しいっす」

五条先輩と違い、腕を上げたまま体勢を変える訳ではないが、相手を喜ばせるような言葉を返しているようだ。

イケメンの五条先輩と違い、男くさいカッコ良さが際立つ部長は、なんだかねちっこい匂いがしそうだった。

「あぁぁ♡腋毛もびっちゃびちゃだね♡息を吸い込む度に汗が入ってくるよ♡」

「あ、すいません。皆さんに囲まれてまた汗かいてきちゃって」

「んほぉぉぉっ♡赤崎君の蒸れ蒸れの腋やべぇええ♡益々匂い濃くなってくぞ♡」

「はははっ、俺のくっさい腋をたっぷり堪能してってくださいね」

終始笑顔で対応する部長は流石だった。

二人はクンクンと顔を上下に移動しながら、部長のユニフォームに鼻を滑り込ませ、その臭さに身体を震わせていた。

その手は、ズボンのベルトを外し、勃起した自らのチンポをシゴいている。

うわぁ…ほんとに腋嗅ぎながらシゴいてる…

俺にとって信じられない光景だった。

そしてそれは部長の股間を嗅いでいる男も同じだった。

「あぁぁぁああっ…くっせぇぇえっ…♡赤崎君のチンポすげぇくっせぇええっ…♡」

「股間も蒸れてますからねぇ。シャワーも浴びてないですしね」

部長の履いているユニフォームをずらし、部長のズル剥けのチンポを引きずり出すと、チンポの根元から先まで鼻を這わせるように嗅いでいた。

男のチンポとは違い、部長のチンポは勃起していなかったが、太くずっしりとしたチンポは蒸れて臭そうだ。

「おぉぉおおおおっ♡生だとすっげぇ匂い強烈♡んほぉぉっ♡精子の生臭い匂いするぞ♡」

「あぁ、俺試合中興奮すると勃起しちゃうんすよ。多分そのせいっすね」

部長のチンポに顔をうずめながら、チンポを擦り続ける男が、今にも舐めかねない勢いで顔を擦り付けている。

いや、よくみると僅かに唇と僅かに開いて舐めていた。

恐らく部長はそれに気付いた上で何も言わないのだろう。

五条先輩とは違うな…

そして一番狂ったように嗅いでいるのは、部長の足元にいる二人だった。

スパイクを脱がし、五条先輩と同じようにドロドロになったソックスの足。

動きの激しかった部長のソックスの足裏は、足型にもならない程に汗でできた泥でグチャグチャになっていた。

「あぁぁぁっ…あぁぁぁあああっ♡くせぇぇえええっ♡赤崎君の足くっせぇぇえええっ♡」

「そりゃ臭ぇっすよ。今日死ぬほど走りましたからね。部内でも俺が一番足が臭ぇって言われますし」

確かに部長の足は、行きのバスでも帰りのバスでも恐ろしい匂いを放ち、前の席に座っていた俺のところにまでその激臭は届いていた。

納豆のような粘っこい足独特の、汗が発酵した匂いが今でもリアルに思い出せる。

あんなくっさい匂いを嬉しそうに嗅ぐなんて…

「おぉぉぉおおおっ♡くっせぇぇえっくっせぇぇええええっ♡鼻が匂いでバカんなるぅぅっ♡」

「まだまだ俺のくっさい部分嗅いでないですよ?ほら、ここの足指の根元。ここが一番臭いんで是非」

ソックスに包まれた足指の根元を、グイっと男の鼻に押しつける。

男は今にもはち切れんばかりに勃起したチンポを更に勃起させながら、新鮮な空気を吸うように、ソックスというフィルターを通して深呼吸をしていた。

「んぐぉっ♡くっさ、くっさぁぁ!!!あ"ぁ"っ、やっべぇぇええっ♡匂いでイきそっ♡おぉぉぉおおっ♡」

ピクピクと震えているチンポを必死にシゴき、勢いよく何度も何度もソックスの足を嗅ぎ続けている。

「そんな臭ぇっすか?少しでも俺の臭い足で恩が返せてるなら嬉しいです。いくらでもこの臭い足でイっちゃってください」

「んほぉぉぉぉぉぉぉおおおっ♡」

顔全部をその蒸れて臭いソックスの足に埋め、全身を震わせながらチンポをシゴく姿は異様だった。

そしてもう片方の足を持った男は、ソックスを脱がした素足を嗅いでいた。

ソックス焼けのせいで若干色の薄い素足は、ソックスを脱いだ瞬間湯気でも出たのではない程に、見るからに蒸れていた。

ネバ付く足裏には靴下のカスが付き、指の股には汗が僅かに浮かんできている。

「あぁ…なんて臭そうな素足……んおぉぉぉおおおおおおおおおおっ♡うぐぉっ!おぉぉぉおおおおおおっ♡くっせぇぇぇぇぇええええええっ!!♡」

足の平に鼻を押し付け勢いよく嗅いだは良いが、あまりの匂いに絶叫して悶える男。

しかしその股間からは硬くそそり立つチンポが見えていた。

おいおい…なんで部長のあんな臭そうな足嗅いで勃起できんだよ…

間接的に嗅いでもあの激臭だ、直接なんて嗅げたもんじゃないだろうに。

「素足はくっさいすよ~。匂いが好きな皆さんでもこの匂いはキツいんじゃ?」

「んほぉぉぉぉぉぉおおおっ♡くっさい素足は大好物だよ!あぁぁ…なんでこんなくせぇんだよぉぉ♡」

「おぉ、こんなくっさいのでも良いんすね!嬉しいです」

素足を嗅ぐ男の顔は、徐々に上の足指達の羅列する場所へと移動していく。

足の中で最も臭い場所と言われる親指の付け根へと。

「気を付けてくださいね。そこはレベルが違う臭さなんで」

部長の言うことを聞いていないのか、男は両手で部長の足指を持ち、股を開かせてそこに鼻を差し込んだ。

そしてスォーと音が聞こえる程の勢いで鼻から息を吸った。

「んぉっ!!!!あ"あ"ぁ"ぁ"っ!!!」

瞬間、勢いよく顔を離し、床で叫びながら悶え始める。

あんなに嬉しそうに臭い足の平を嗅いでいた男がだ。

指の付け根の股の匂いがいかに激臭なのかが見てとれる。

正直見てるだけでもその匂いが鼻に入ってきそうで気分が悪いぐらいだ。

「あ、やっぱ臭すぎました?サッカーするとそこに力入るんで、臭くなり過ぎるんすよね」

部長に言われて、鼻を押さえて悶えていた男は起き上がり、再び鼻をその禁断の場所へと押し当てる。

その股間にはしっかりと勃起したチンポが見えていた。

嘘だろ…

「あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"っ♡たまんねぇぇっ!!♡うぉっ♡油断すっとぶっ飛びそうになるっ♡んほぉぉぉおおおおっ♡くっせぇぇぇぇぇえええええええっ♡」

目をギラつかせながら、足指の股を鼻で掻きだすように擦り付け嗅ぐ男。

あれじゃ鼻に部長の臭ぇ足の匂い付いちまうだろ…いやわざと付けてんのか?

「この臭さもいけるって凄いですね。なんかこんなに嗅いで貰えて嬉しいですよ」

男の鼻がくすぐったいのか、指をグニグニと動かしながら器用に鼻を摘まむ部長。

「おおぉぉぉぉぉおおおっ♡あぁぁぁっやべぇぇえええええっ♡」

された男は幸せように嗅いぎながらチンポをシゴき始めていた。


男達に群がられているのは五条先輩や部長だけではない。

あんな人数が集まっているのは二人だけだが、他の先輩達にも男が群がり、思い思いの場所を嗅いでいた。

そんな中、俺はと言うと…

「椿君だっけ?レギュラーおめでとう」

「今日の試合凄かったね!見てたよ」

「この会は初参加だろ?椿君がどんな匂いなのか楽しみだよ」

「あ、ありがとうございます」

30代くらいの三人の男達に囲まれていた。

なんとか顔を引きつらせないように笑顔で言う。

「分かんないだろうから、椿君はそのままの体勢でいてくれれば良いからね」

「俺らで好き勝手に嗅ぐからさ」

「分かりました…」

「じゃあ早速…」

一人は俺の腋に、そしてもうあとの二人は俺の足元に膝をついて座った。



続きは↓

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(Fanbox)


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Comments

Anonymous

流石は部長と言うべきか、 赤﨑君は接待上手ですね。。。 私は赤﨑君派ですね。

rei2-rei2

コメントありがとうございます。 部長としての責務を全うしてますよね笑 俺も赤崎派ですかねぇ…