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彼女の梨絵から振られてしまった優司ー。


その原因は、彼女の”浮気”だったー。


幼馴染だった梨絵と大学で再会、

そのまま付き合い始めて幸せな日々を送っていた優司ー。


がー、その梨絵に裏切られてしまったのだー。

梨絵の浮気に気付いた優司が、梨絵を問い詰めると、

梨絵は開き直った態度を取った挙句、そのまま家を出て行ったー。


同棲までしていた彼女であり、幼馴染であった梨絵に裏切られて

失意のどん底に突き落とされた優司。

が、そんな優司を不憫に思った祖父・祐五郎は、

その梨絵を”皮”にして、支配ー、優司の前に”梨絵”として

姿を現しー…?


★前回はこちら↓★

<皮>じいちゃんが元カノになって帰ってきた①~絶望~

「ーーーな、なんでだよー…」 彼は、絶望していたー。 男子大学生の川村 優司(かわむら ゆうじ)は、 震えながら目の前にいる”彼女”のほうを見つめているー。 しかし、彼氏である哲夫が絶望の表情を浮かべているのとは裏腹に、 彼女・辻森 梨絵(つじもり りえ)は、笑っていたー。 「ーごめんねーユウくんー…  ユ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー全くー…悪い女じゃ」

”梨絵”が部屋にしていた部屋に入ると、

梨絵…いや、梨絵を乗っ取った優司の祖父・祐五郎は

梨絵の姿を鏡で見つめながらそう呟いたー。


「ーー…しっかし…綺麗な足じゃのお…」

イスに座って、嬉しそうに太腿を撫で始める梨絵ー。


「ーーこの足で、浮気相手の先輩も落としたのか?」

そんなことを呟きながら、足をじろじろと、

下心丸出しな目つきで見つめていると、

「ーあ、梨絵」と、部屋の中に優司が入って来たー。


「ーぶっ!ゆ、優司ー

 お、女の子の部屋に入る時はノックぐらいするんじゃ!」


梨絵がそう叫ぶー…


「え」

戸惑う優司ー。


梨絵はすぐに、何度か瞬きをしながら

「あっ!あっ!」と、声を上げると、わざとらしく咳ばらいをしてから

「ゆ、ユウくん!女の子の部屋に入る時は、ノックしなくちゃだめでしょ?♡」

と、可愛らしい仕草を交えながらそう言い放ったー


「ーーーー」

口をぽかんと開けたまま”やばいやつ”を見る目を梨絵に向ける優司ー。


「ーーあ…ーーーえ、え~っと、

 そう、梨絵が使ってた歯ブラシ、もう絶対使わないと

 思って捨てちゃったんだけどー…

 まだ使ってない歯ブラシ出せばいいかな?」


優司のそんな言葉に、梨絵は「う、うん!それでいいよ!」と、

微笑むー。


優司は「そっかー。じゃあ、準備しとくよ」とだけ呟いて

そのまま部屋の外に出て行くー。


部屋に残された梨絵は「は~~~…」と、ため息をつくと

イスに座り込んで、

無意識のうちに太腿を触りながら、

梨絵を皮にした時のことを思い出すー。



数時間前ー。


”全ては、孫のためー”


「ーーふふふー大好き♡」

孫である優司を裏切り、浮気相手の田島先輩と一緒に

街を歩いている梨絵ー。


その背後から、優司の祖父・祐五郎が

険しい表情で二人を見つめていたー。


”ーー優司にあんな顔をさせるなんてー

 なんて女じゃー…”


優司から聞いた話を思い出しながら、

苛立ちを露わにする祐五郎ー。


そしてー、

祐五郎は今日、”ある計画”を実行に移そうとしていたー。


”これが、孫のためにできる最後のことじゃー…”

祐五郎は、歩き疲れて荒い息をしながら、

梨絵と、”浮気相手”の田島先輩が分かれるのを待つー。


するとー…

「お、ちょっとコンビニでトイレ借りて来るー」と、

田島先輩が、梨絵を外に待たせてコンビニの方に向かい始めたー。


「ーーふふふー先輩ってばトイレ近いなぁ」

梨絵がそんなことを呟きながら、スマホを手にするー。


「ーーーー…」


祐五郎は”孫のため”に、あるものを手に入れていたー。


それはー”人を皮にして支配する注射器”だー。

この注射器を相手に刺すと、その人間はたちまち着ぐるみのような状態ー

”皮”になってしまい、

その皮を着ることで、それを乗っ取ることが出来るー。

これを使い、優司を裏切った梨絵を”皮”にして、梨絵として

優司の家に行き、なんとか優司を元気づけてあげたいー、

そう考えたのだー。


普通であれば、躊躇するかもしれない。

けれどー、祐五郎は…


「ーーーー…あの」

祐五郎が、コンビニの物陰から、腰を痛めたようなフリをして、

梨絵に声をかけて、その場にしゃがみ込むー。


「ーーど、どうかしましたかー?

 え…お、おじいさん、大丈夫ですか?」

心配そうに駆け寄って来る梨絵ー。


一見すると、本当に良い子で浮気するような子には見えないー。

人は見かけによらず、ということだろうかー。


祐五郎は一瞬躊躇しながらも、近付いてきた梨絵の腕を掴むと、

梨絵が驚いているうちに、”人を皮にする注射器”を梨絵の首筋に

打ち込んだー


「え…… ぁ……???? え…?」

梨絵は、全身から力が抜けていくのを感じながら、

怯えた表情で、祐五郎を見つめるー。


がー…すぐに”完全に皮”になって、その場に崩れ落ちると、

祐五郎は、コンビニの裏手に回って、慌てて”梨絵”の皮を着始めたー


「ーーん…な、なんじゃ、意外と着にくいー」

「ここは、どうやってー?」

「ち、チャックはどこじゃー?」


一人でそんなことを呟きながら、何とか梨絵の皮を着た祐五郎はー

「ーわ…わしが本当に……この娘になってるー…」

と、驚きの表情を浮かべながら、手を見つめるー


「こ…声も…

 な、なんて綺麗な声なんじゃ…」


自分と比較しながら、そんな言葉を口にする梨絵を乗っ取った祐五郎ー。


思わず、この場で胸を揉みたい衝動に駆られるも、

何度か咳払いしてから

「わ、わしはHなことするためにこの子を乗っ取ったんじゃないぞ」と、

自分に言い聞かせると「優司のためじゃ」と、

彼氏の田島先輩がトイレから出て来るのを待たず、その場から

離れたのだったー。


そしてー”説明書”に書いてある通り、

”梨絵”の記憶を読み取って、梨絵として振る舞う練習をするー。


「ーゆ、ゆ、ゆ、ユウーー くん?」

顔を真っ赤にしながら、公園のトイレ内の鏡に向かってそう呟くー。


笑顔を鏡に向けて、笑顔の練習もするー。


が、そのどちらも、ぎこちないー。


「こ、こ、こんなんじゃ、女子大生っぽくないぞー」

梨絵はそう呟くと、またニコッ、と鏡に向かって微笑んだり、

「うん!」と、嬉しそうに返事をする練習をしたり、

色々繰り返すー。


そうこうしているうちに、時間は流れー、

「そろそろ、優司の家に向かうかー」と、呟くと、

道を歩き始めるー。


「ーーあ、そうじゃー」

梨絵は、嬉しそうにコンビニに立ち寄ると

「病院の先生に止められてたけどー…この身体なら、セーフじゃなー」と

ボソボソ呟きながら、

ビールを手にして、嬉しそうにレジに向かおうとするー。


がーその途中でー

Hな本の売り場が目に入って、梨絵は思わずニヤニヤしてしまうー。


祖父の祐五郎は、若い頃は結構スケベな性格だったー。

梨絵の身体になって、元気を取り戻したのか、

そんなものに反応してしまうと、

それも手に取り、笑みを浮かべるー。


そしてー

ビールとHな本をカウンターに置くと、

店員が梨絵のほうを一瞬驚いた様子で見つめながら、

顔を赤らめたー。


”あー…この子の身体で買う買い物じゃなかったかもしれんのお…”

女子大生が普段、コンビニで何を買うのかは知らないが、

少なくとも、ビールとHな本を堂々と買う女子大生は少ないだろうー。


そう思いつつ、「あ、お兄さんー煙草もー」と、笑うとー、

店員はさらに戸惑った様子で、顔を赤らめたー。


そしてー、それを鞄に詰め込んでー

梨絵を乗っ取った祐五郎は、優司の家にやってきたのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーんふふふふふっ… 

 うほほほっ」


顔を赤らめながら、買った本を見てニヤニヤする梨絵ー。


その手にはビールが握られていて、

ビールを美味しそうに飲みながら、梨絵は

Hな本を読んで興奮していたー。


「ーうほほほほほっ♡ エロすぎじゃろ…」

そんな言葉を嬉しそうに呟く梨絵ー。



がーーー…


「~~~~~~~~…」

その声は、部屋の外にまで響いてしまっていて、

優司は戸惑いの表情を隠せずにいたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー。


”優司を元気づけてあげるんじゃー…

 それが、わしの最後の仕事ー”


梨絵は、大学に向かう優司を見送り、自分は留守番したー。

”今日は、体調があまりよくないからー”と、適当に誤魔化してー。


「ーーーーーー」

梨絵は、鏡を見つめるー


”もって、あと1か月ですー。

 残念ながら、延命治療を行っても、回復する可能性は皆無です”


鏡を見つめながら、

医師に言われた言葉を思い出すー。


”ー残された時間を自由に過ごすかー、

 延命処置を行い、病院で少しでも長く生きるかー。


 川村さんー

 どちらにしますかー?”


祐五郎は、”余命宣告”を受けていたー。

それも、数年単位ではなく、間もなく命が尽きるー、

そんな宣告だー。


優司が”梨絵に振られて落ち込んでいた”あの日、

祐五郎が優司の家に来たのは”これ”を伝えるためだったー。


が、優司が落ち込んでいるのを見て、

言うタイミングを失いー、さらには

”残されたわずかな人生、孫のためにー”と、考えて

梨絵を支配したのだー。


梨絵として、これから半月、優司を一生懸命元気づけてー、

最後に正体を明かした上で、優司を励まして去るー。

そのつもりだったー。


梨絵には”孫を傷付けた罰”として、

半月の間、身体を貸してもらうのだー。

田島先輩との関係に亀裂が入るかもしれないが、

浮気相手の田島先輩のことはどうでもいいしー、

それも一つの罰だ、と、祐五郎はそう思っていたー。


それがー、祖父として最後に孫にしてやれることだと、

祐五郎はそう考えていたー。


♪~~~


「来た来た来た!」

そう叫ぶと、梨絵は嬉しそうに荷物を受け取るー。


この中には”コスプレ”のための服が色々入っているー


「ーむふふふ…とにかく、優司に元気になってもらいたいんじゃー」

そう思いながら、梨絵はダンボールを開けると、

中からメイド服を取り出して笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ただいま~~~」


帰宅する優司ー。


するとー、

ハートマークを作りながら、

「お帰りなさいませ~♡ ご主人様~♡」と

メイド服姿の梨絵が姿を現したー


「ーーーーーー…は?」

優司が真っ青になって梨絵を見つめるー


「ーーーーーーえ?」

メイド服姿の梨絵が少し困った表情を浮かべるー


「ーーえ…… え…と…なに?」

優司が戸惑いながら言うと、

梨絵は「ご飯も!お風呂も!準備できてるよー!ユウくん♡」と、

ニコニコしながら言葉を口にするー。


「ーーえ…あ、ありがとうー」

優司はそれだけ言うと、梨絵のほうをチラッと見つめるー。


すると、梨絵は「わたしの準備もできてるよ♡」と、

甘い声で囁きながら近づいて来たー。


「ーーー…~~~~~~~」

優司はドキッとしながらも、

すぐに梨絵から離れると、

「ま、ま、まずはお、お風呂!」と、そう叫んだー。


そしてー、

浴室に向かいながら、優司はあることを思ったー


”ーーーじ、じ、じいちゃんー…なんで梨絵の姿にーーー!?”


そう、心の中で絶叫したー。


優司はー、

この3日間で”気づいて”しまっていたー。


”なんかよく分かんねぇけどー…

 見た目は梨絵なのに、どう考えても、じいちゃんだよなー…?”


とー。


よく、祖父の祐五郎と会っていた優司には分かるのだー

”梨絵のフリをしているけど、行動や言動がじいちゃん”だとー。


しかもー。

昨日ー、日曜日は”ほぼ必ず”じいちゃんが遊びに来ていた日ー。

少なくとも、連絡はあるはずの日なのだがー、

”じいちゃん”はやって来なかったー。


もちろん、年齢的に”じいちゃん”が家の中で倒れている可能性や、

何かあった可能性も否定はできないがー…、

行動を見ていてー、優司は確信していたー


”この梨絵がー…絶対、じいちゃんだよなー…?”

とー。


”どうなってるんだ一体ー…?”

お風呂の中で必死に考える優司ー。


じいちゃんが、梨絵に変装しているー?

いや、それは流石に無理がありすぎるー

どんなに梨絵に成りきろうとしても、さすがにあそこまで

梨絵そっくりになることはできないー。


では、なんだー?

じいちゃんが梨絵に変身しているー?

いや、馬鹿なーそんなことできるはずがー…


それともー…

じいちゃんの霊か何かが梨絵に取り憑いてー?


考えれば、考えるほど

自分でも訳の分からない思考にたどり着いてしまい、

優司は首を横に振るー


正解は”人を皮にして乗っ取っている”というものなのだが、

あまりにも非現実的すぎる答えに、優司もそう簡単には

たどり着くことはできないー。


結局、答えは見つからないままお風呂から出るとー、

そこにはー…

チャイナドレス姿に着替えた梨絵の姿があったー。


「ーふぁっ!?」

驚きのあまり変な声を出してしまう梨絵ー。


「ーねぇ…ほら、ユウくんー元気出してー?

 わたしがぜ~んぶ、悪かったからー」


そう言いながら、梨絵は自分の美脚をアピールして

誘うかのような仕草をしながら近づいてくるー。


「ー梨絵のこと、好きにしていいよー?」

甘い声で囁く梨絵ー。


「り…り、り、梨絵…」

ドキドキで張り裂けそうになりながらも、

優司はようやく言葉を吐き出すとー、

梨絵は笑ったー。


「ーほら、好きじゃろー?こういう足ー」

とー。


梨絵を乗っ取っている祐五郎自身も興奮して

我を見失ったのか、ニヤニヤしながらそう言葉を口にすると、

欲情した梨絵の顔を見ながら、優司は言葉を吐き出したー


「っていうかー…!

 梨絵じゃなくて、じいちゃんだよなー!?」


とー。


「ーーふぉっ!?!?」

梨絵は優司の咄嗟の言葉に、変な声を出すと、

そのまましばらく優司のほうを見つめながら、

凍り付いたー…



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


全然梨絵に成り切れていないいおじいちゃん…!

バレてしまったおじいちゃんはどんな風に

反応するのかどうかは…

また次のお楽しみデス~!★


今日もありがとうございました~~!★!

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Comments

たそがれ

若い女の子の皮とか着ていても、中身が病気だったりしたら、普通に死んじゃうですかね? そのまま着ていたら生き延びられたりとかしないんでしょうか? 本人は半月だけと言っていますが、実際にどうなるかは怪しいですよね。そのまま乗っ取ったままになるとか、あり得そうですし。 ところで、誤字というか、おかしな表現がありました。 ▷正解は”憑依”なのだが、 あまりにも非現実的すぎる答えに、優司もそう簡単には たどり着くことはできないー。 皮のはずなのに、憑依って表現、おかしくないですか? ▷正解は皮にして着ているなのだが みたいな感じの方が正確なような?

無名

コメントありがとうございます~!★ ご指摘ありがとうございます~! 完全に書き間違えでうっかりしていました~! 早速、修正してあります!感謝デス! 着ていたら生き延びられるのかどうか… これはこの先の展開に関わって来る部分なので 今はまだ、私の口からは何も語らないでおきます~!笑