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Content

真面目な雰囲気の可愛らしい女性生徒が、ある日転校してきたー。


転校生・葵は見た目通りのイメージで、

誰にでも優しく、穏やかな性格ー


そんな葵に不満を抱いた男女が、偶然見つけた洗脳アプリを使い、

葵を言いなりにしようとするも、結果は失敗ー。

その男女が仲違いをするという自業自得の結果に終わったー。


だがー、その二人とは別のところで

”洗脳”は蠢いていたー…。


☆前回はこちら↓☆

<MC>やさしい転校生①~優等生~

「金森 葵(かなもり あおい)ですー。  よろしくお願いしますー」 緊張した様子で、今日、この学校に転校してきた葵が、 新しいクラスメイトとなる生徒たちの前で挨拶を行っていたー。 綺麗な黒髪に、眼鏡がトレードマークの真面目そうな子だー。 可愛らしい転校生の登場に、 男子も、女子も、賑わっているー 「ーえ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”洗脳アプリ”を起動したスマホを手に、

男が笑みを浮かべるー


”1件の洗脳完了”


アプリには、そう表示されているー


男はニヤニヤと笑みを浮かべながらーー

「お前…前から生意気だと思ってたんだよ!」と、

相手に向かって叫ぶー…


「申し訳…ありませんでしたー」

相手の洗脳されてしまった女子が、メイド服を

身に付けながら、男に向かって土下座をしているー


「ーーははははっ…!ははははははっ!いい気味だぜ!」

男がそう叫ぶと「俺の靴の裏を舐めるんだ」と、

女に命令を下し、メイド服の女は「仰せのままに…」と、

虚ろな目のまま、靴の裏を躊躇なく舐め始めるー


「えへへへ…えへへへへへへー えへへへへへ」


”こりゃすごいぜ”

男はそう思いながら笑みを浮かべるとー

震える手で、洗脳した相手のことを見つめるー


やはり”洗脳アプリ”は凄すぎるー

こいつが、靴の裏を舐めるなんてことは

冗談でもするはずがないー。


それを、プライドの高いこいつはーーー

今、躊躇なくしているー


”ってことはー

 俺にご奉仕もさせられるってことだよなー?

 ククー前から俺、お前のことー”


そう思いながら”画面を修理した”スマホを見つめながら、

笑みを浮かべるー。


そしてーーー


「ーーくくく…じゃあ次はー俺にフェラでもしてもらおうか!」と、

嬉しそうに叫んだー


だがーー


ガッ、と、今日は使用予定がないはずの部室の入口が開きー

部室で、”幼馴染の双葉”を洗脳していた翔が、

目が飛び出してしまうぐらいの驚きを感じ

「ひ、ひぁああああああああっ!?!?」と、奇声を上げながら

尻餅をついたー


「ーーーーー何、してるんだー?」

クラスメイトのクールな男子・遼太郎が、

ニヤニヤしていた翔と、メイド服姿で跪いている状態の双葉を見つめながら

困惑の表情を浮かべるー。


「ーー…い、い、い、い、いや、こ、こ、これはー!」


先日ー、転校生の葵に一方的に苛立ちを覚えて、

葵を洗脳しようとした翔と双葉の二人ー。

結局、洗脳には失敗し、間違えて双葉を洗脳してしまった翔は

正気に戻った双葉にスマホを破壊され、仲違いをしてしまったー。


最初は落ち込んでいた翔だったが、だんだんと

”どうして俺がスマホを壊されなきゃいけないんだ!”と激怒、

液晶を買い直して、修理業者に持ち込み、スマホの画面を直した上で、

洗脳アプリを使い、仕返しと言わんばかりに双葉を洗脳ー。


こうしてメイド服を着て、屈服させー

さらには、Hなことも色々とさせようとしていたのだー


「ーーーー………ひ……だ、誰にも言わないでくれー」

呆然とする翔ー


”クラスメイトの双葉を洗脳していた”なんて知れたら

今度こそ終わりだー


偶然通りがかった際に、変な声と物音が聞こえたことに

首を傾げた遼太郎に、こうして現場を目撃されてしまった翔ー。


慌てるあまり、翔は間違えて”洗脳を解除するボタン”に触れてしまいー

正気に戻った双葉は

”いつの間にかメイド服を着せられていた”ことに驚きの悲鳴を上げー、

そこには、地獄のような光景が広がることになったー


後日ー

翔は”洗脳アプリ”なる怪しげなアプリを使った件で

警察に事情聴取を受けることになり、学校は退学になったー。


一方、双葉も精神的に病み、学校には来なくなってしまったー。


転校生の葵に一方的に敵意を向け、葵を洗脳しようとさえした二人は

勝手に仲違いをして、二人とも破滅を迎えてしまったのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから、数か月が経過したー。


葵はすっかりクラスに馴染みー、

何事もなく、穏やかな時が流れていたー。


「ーーーありがとうございますー」

期末試験が終わり、その結果に賑わう中、

周囲に対して笑顔を振りまいていたー。


「本当にすごいよね~

 どのぐらい勉強してるのー?」


葵は見た目や振る舞いから受けるイメージ通りー、

”成績”も飛びぬけていて、クラスで常に1,2を争うー

そんな優秀な生徒だったー


クラスメイトから勉強時間を聞かれてー、

それに答える葵ー。


周囲のイメージ通り、試験が近づくと、

やはりそれなりの時間、勉強している様子だったー。


見た目もー、性格もー、成績も優秀ー。

まるで”絵に描いたような”そんな優等生ー。


自分の容姿や成績を誇ることもなければ、

周囲を見下すこともないー


本当に”理想的”とも言えるー

そんな、優等生だったー。


「ーーーーーー」

そんな葵は、隣の座席の遼太郎に、半月ほど前に

”自分から告白”して周囲を驚かせたー。


常にクールな遼太郎はー、

葵からの突然の告白に驚いた様子を見せながらも

”柏木のやつ、絶対告白されても振るだろ!”という

周囲の大方の予想を裏切りー、

あっさりと葵の告白を受け入れて、現在、葵と遼太郎の二人は

付き合っていたー


「ーしっかし、柏木と金森さんが付き合うなんて

 予想外すぎるよなぁ」


クラスの男子の一人が言うー。


「ー柏木のやつ、実は”アレ”使ったじゃね?」

もう一人の男子がそんな言葉を口にすると

「アレ?」と、最初に言葉を口にした男子が首を傾げたー


「ほらー……退学になったアイツが使ったって噂のやつー」

そんな言葉を口にする男子ー。


もう一人の男子は「ははは!洗脳とかなんとかのアプリ?

ありゃ都市伝説だろ!?んなもんあるわけがねぇ!」と笑い飛ばすー。


翔と双葉の退学ー

既に、数か月前の出来事となったもののー

あの二人の退学には”色々な噂”が都市伝説のように囁かれているー。


先生たちの中でも”真相を把握しているもの”は少なくー、

生徒たちの間には様々な憶測が広がっていたー


そのうちの一つが”翔が双葉を洗脳した”というものだー。


だがー、”そんなことあり得ないだろー”と、

この噂を真剣に信じている人間は、いないのが実情だったー。


それが、真実であるにも関わらずー。


その”都市伝説”を交えながら

”遼太郎が、葵を洗脳して彼女にしたのではないか”と

冗談半分で口にする男子生徒ー


もちろんー

その友達も真に受けずー

”真相は謎のまま”と、いうことで

クラスメイトたちは次第に”遼太郎と葵がカップル”という

現実を受け入れていたー。


「ーーーーーー」

遼太郎は、多くを語らず、葵のほうを見つめながら

珍しく少しだけ笑みを浮かべるー。


「どうかしましたか?」

葵が、首を傾げるー


「いやー…”面白いな”って思ってー」

遼太郎はそれだけ呟くと、少しだけ笑みを浮かべながら

そのまま葵と共に今日も下校しようとしたー


”そういえば、何で金森さんってクラスメイトにも敬語なんだろうな?”

そんなことを口にする生徒もいたー。


それはーーー


「ーーー…葵!やっと見つけたー!」


葵と遼太郎が下校しようとしていると、

正門から、”いかにも素行不良”な感じを丸出しにした、

ギャルが飛び込んで来たー


「ーーえ?」

葵が首を傾げるー


「葵!こんなところで何してんの?

 ずっと探してたんだよ!?

 

 っていうか、その格好なに!?

 何があったの!?」


ギャルが苛立った口調でそう叫ぶー


「君はー?」

遼太郎が口を挟むと、ギャルは

「うっさい!黙ってろ!」と、乱暴な口調で

クールな遼太郎を黙らせたー。


そして、葵のほうを見て

「ねぇ葵ー早く帰ろ!あたしたちとまたー」と、

言葉を必死に口にするギャルー。


だがー、葵の反応は

そのギャルが求めた反応ではなかったー


「あ…あのー」

葵が不安そうに呟くー


「どちら様ですか?」

とー。


「ーー…!」

ギャルが表情を歪めるー。


そして、「な、何言ってんだよ!葵!」と、

乱暴な口調で葵を掴んで、葵を揺さぶるー。


周囲がどよめくー


「ーあたしのこと、あんなに可愛がってくれてたのに!

 葵!みんな、みんな、葵のことー、待ってるのに!」

と、ギャルは必死に叫ぶー。


それでも、葵は怯えるだけでー

「人違いだと思いますー」と、泣きそうになりながら

言葉を口にしたー


「葵!!何があったの!?なぁっ!葵ってば!」

ギャルがなおも叫ぶー


騒動は大きくなりー

やがて、先生が何人か出てくると、

”不審な子が学校の敷地内に入って来た”と、いうことで、

そのギャルは、一旦先生たちに取り押さえられる形で、

そのまま連れ去れて行くー。


「ー大丈夫か?」

騒動があってもなお、冷静な遼太郎が少しだけ心配そうに、

そんな言葉を口にしたー


動揺した様子の葵は「だ、大丈夫ですー」と、

答えると、少し不安そうに、見知らぬギャルが

連れ去られた方向を見つめるー


「知り合いか?」

遼太郎が言葉を口にするー。


だが、葵は「知らない子ですー」と、

”あの子、誰なんだろう…?”と思いながら首を傾げたー


「そっかー…

 まぁ…葵が無事でよかった」

遼太郎はそう呟くと、葵に怪我はないかどうかだけ確認して、

そのまま葵と共に下校を始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー離して!ねぇ!離して!」

ギャルが叫ぶー。


ひとまず、生徒指導室に連れて来られた彼女は

大声で叫ぶー


”葵に何をしたの!?”

とー。


先生たちは、当然困惑していたー。


”何をしたの?”と言われても、

”何もしていない”からだー。


強いて言うなら、毎日授業をしているー

そのぐらいだろうかー。


そこに、校長先生がやってくるー。


校長先生は、「あとは私が」と、他の先生たちに告げると、

他の先生は立ち去って行ったー。


そしてー、ギャルと二人きりになると、

校長先生は笑みを浮かべたー


その手にはスマホー


”どうしますか?”


”やむを得ないー

 騒がれると我々としても面倒なことになるー

 ”優等生化の実験”に参加してもらえ”


そんな、やり取りがスマホに表示されているー


「ーあんたが、葵に何かしたの!?」

ギャルがそう叫ぶと、

校長先生は笑みを浮かべながら

「ーー仕方がない。”金森 葵”に何をしたかー

 教えてあげようー

 ”その身を以て”ー」

と、呟くと、驚くギャルに対して

”洗脳アプリ”を向けー、

ギャルを洗脳したー


「ーーー…あ…」

震えるギャルー


校長先生の持つスマホには

”2件の洗脳完了”と表示されているー。


”不良少年少女更生計画”


不良少年少女の更生を掲げる謎の団体が、ひそかに立ち上げた計画ー

現在はまだ実験段階に過ぎないがー

不良少年や不良少女を”一瞬にして”更生させるための

恐るべき計画ー


秘密裏に開発した”洗脳アプリ”を用いー、

不良少年少女を洗脳ー

一瞬にして優等生に変貌させるという禁忌の計画だー。


現在ー

数名の不良がこの餌食になり

”優等生”として各地で生活を続けているー


葵もその一人ー。

転校前の学校では、超がつくほどの不良少女だったー。

今日、この学校にやってきたのは、葵が洗脳される前の親友ー。

急に葵が転校して連絡を絶ったことから不審に思い、

ずっと執念深く調べ続けて来たのだー。


謎の団体のリーダーに、”実験体”として洗脳された葵は、

記憶も都合よく改変され、不良時代の仲間の記憶も消されー

さらには家族も洗脳されたー。


そして、葵の洗脳データと共に

”謎の団体の活動”に賛同している校長が率いるこの学校に

葵の身柄が託されたのだったー


葵が”ずっと敬語”なのは、洗脳されているためー

とにかく優等生になるように、命令が組まれているためー

敬語以外で話すという”臨機応変”が出来ないのだー


翔たちが葵を洗脳しようとした時に”エラー”が起きたのは

葵は既に”洗脳アプリ使用済み”だったためー


「ーーークククククー」

校長先生は、ギャルが持っていた

”今の優等生の葵”と同一人物とは思えないような、

ド派手なギャル姿の葵と、この子が一緒に写っている写真を見つめてー

笑みを浮かべたー。


「君も、今日から優等生だー」

と、笑いながらー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー


遼太郎は、今日もそんな真相を知ることもなく、

彼女の葵のほうを見つめながら


”やっぱ面白いな”

と、心の中で呟いたー


付き合い始めても、ずっと敬語の葵ー。


そんな葵のことを、

”面白いな”と思いつつ、

今日も遼太郎は、いつものような日常を送るのだったー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


洗脳されて悪い子に…パターンではなく

洗脳されて優等生に…パターンの洗脳モノでした~!☆


お読み下さりありがとうございました~!

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