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「----俺の答えはー」

和哉がアリスの方をまっすぐ見てほほ笑んだー


「---俺はーーーー」


アリシア姫の妹で、アクア商会の会長を務めるアリスー、

騎士団長のユーリスとミリア、

そして、侍女のラナが見守る中、

和哉は”決意”を口にした。


ダークパレスでの最終決戦を終えてから

和哉はずっと考えていたー

この世界に留まるか、

それとも、元の世界に戻るかー。


戦を終えたとは言え、アクア王国の復興は

まだまだ”これから”だー。

戦いが終わったとは言え、本番は”これから”なのだー。


けれどー

ここ数日間、和哉は復興作業中の城下町や城内を見つめていてー

決意したー。


「--俺は、元の世界に、戻ることに決めました」

和哉が、寂しそうに、けれども、もう迷いはない、という

様子で、アリスの方を見つめたー


アリスも微笑むー。


「-わかりました。では、わたしは最後の準備に移りますー。

 今夜は、この世界での最後のひと時をお過ごしくださいー」


アリスはそう言って頭を下げたー


本当はーー

”もう”準備はできているー


けれどー

和哉も、この世界の者たちも、色々と積もる想いがあるだろうからー。


「---ありがとう」

和哉はそう呟くと、アリスに向かって頭を下げたー。


・・・・・・・・・・・


★主要登場人物★


藤枝 和哉(ふじえだ かずや)/アリシア姫

異世界に転生後、女体化。アリシア姫の意思を受け継ぎ、戦う決意を固めた。


高梨 亜優美(たかなし あゆみ)/ヒルダ

和哉の恋人。激闘の末に、正気を取り戻したものの…?


神埼 省吾(かんざき しょうご)/ダーク将軍

和哉・亜優美の共通の友人。歪んだ嫉妬心から、敵対する。


ユーリス/ジーク/フェルナンデス/ミリア

王宮騎士団長。それぞれが、それぞれの騎士団を率いている。


ラナ

アリシア姫の侍女。和哉に対しては辛辣な接し方をする。


アリス

アクア商会会長。アリシア姫の妹。


※登場人物詳細

(↓に、¥300と出ていますが、このお話を読めている皆様は、既に

 プランご加入(ありがとうございます★☆!)済みですので、

 お金がかかったりすることはありません!ご安心ください)

fanbox post: creator/29593080/post/1260447

・・・・・・・・・・・・・・


本当は、アクア王国の復興を見届けてからー、とも思ったー。


でもー

それは”叶わぬ夢”だったー。


元の世界に戻るための方法ー

それは、アクア商会会長であるアリスと、

和哉の中に宿るアリシア姫のエナジーを極限まで引き出しー、

儀式の間において、2つのエナジーをぶつけ合わせることにより

時空のゆがみを生み出しー、

元の世界へと帰還させるー、というものだったー。


アリシア姫が和哉に託した光のエナジーは

日に日に弱まっており、”元の世界に戻るため”のエネルギーを

生み出すには、あと数日しか猶予がないー、


そう、アリスから説明されたのだったー


この世界の復興を見届ければー

和哉は元の世界には戻れなくなるー。

一生、アリシア姫として、この世界の姫として

過ごすことになるー。


けれどー元の世界に戻ればー

この世界の行く末を見届けることはできなくなってしまうー。


それでも、和哉はこの数日間で”元の世界に戻る”

決断をしたー。


何故ならー

この世界の人々は、強いー。


ユーリスも、ミリアも、ラナもー

いいや、王国で暮らす民たちもー

みんな、この過酷な状況を前向きに生きているー。


だからー

見届けなくてもー

アクア王国がどうなっていくかは、わかるー。


この人たちの作る未来はー

この人たちの作る平和はー

きっと、過去の過ちも、闇の帝国との戦いも乗り越えて

輝かしいものになるはずだからー。


だからー。

大丈夫ー。


心残りがあるとすればーーー


”手伝えなくて、ごめん”-


そんなところだろうか。


アクア王国の王宮では、盛大な宴が開かれたー

民も、騎士も、隔てなくー

民も招き入れての盛大な宴ー


和哉は”これが最後の仕事”とー

アリシア姫として振舞いー

立派なドレスを身に着けてー

アクア王国での最後のひと時を過ごしたー。


ユーリスも、ミリアも、ラナも、アクア商会のアリスもー

みんな、戦いを終えて穏やかな表情を浮かべているー


犠牲は大きかったー

けれどー

その人たちの想いも、きっと、生き残ったみんなの中に、

生きているー。


宴が終わりー

”事情を知る者たち”が集まるー。


和哉、ユーリス、ミリア、ラナ、アリスー。

5人が集まり、最後のひと時を過ごすー。


アリシア姫の部屋ー

女体化した和哉が過ごした部屋でもあるこの部屋から

繋がっている、星空が見えるバルコニー。


「-----」

和哉が星空を見上げるー


「--ほんとに、綺麗だな、この世界の星空はー」

和哉が髪を押えながら呟くー。


そして、その場にいる

ユーリス、ミリア、ラナ、アリスの方を見つめてほほ笑んだー。


「--この世界の平和ーー

 一緒に守っていけなくてー

 復興を見届けられなくてー

 力になれなくて、ごめんー」


和哉が頭を下げると、

ユーリスもミリアもラナも、アリスも

みんな笑いながら、和哉を労ってくれたー。


今、こうして平和を取り戻すことができたのは、

他でもない、和哉のおかげであるとー。


「---本当に、ありがとうー

 元の世界に戻ってもー

 俺はみんなのことも、この世界のことも、忘れないー。


 どんなに離れていてもー

 星空の向こうには、みんながいるからー」


和哉は、亜優美に言われたことと、同じようなことを

ユーリスたちに告げると、寂しそうに微笑んだー


・・・・・・・・・・・・・・


深夜ー


自分の部屋で”この世界”での最後の夜を過ごすー


自分の髪や胸ー

綺麗な手を見つめて、和哉は思わず赤面するー。


思えばー

この世界に来てからずっと、必死の毎日だったー


だからー

自分が”女”になったのにも関わらず

ドキドキしているヒマなんて全然なかったし、

今までそんなことすら、忘れていたような気がするー


「--よ、よく考えたら……

 なんかこう…すごい、、エッチだよな…」

和哉は苦笑いすると、

「今、男に戻ったらまたしばらく違和感がありそうだなぁ」と呟くー。


「---ありがとう」

和哉はふと、そう呟いたー


”女体”とも、明日でお別れー。

なんだか、名残惜しい気がしたー。


「--本当に、ありがとうー」

和哉は、自室の窓から見える星空を見つめながらー

この世界での最後の一晩を過ごしたー


・・・・・・・・・・・・・


翌朝ー


王宮内の儀式の間で、

アリスが、既に”転送”の準備を済ませていたー。


魔法陣のようなものが描かれた場所の中央が光っているー


「---本当に、ありがとうございましたー。

 異世界の旅人ー

 あなたに、心よりの感謝をー。

 そしてーあなたの未来に、どうか幸がありますように」


アリスが頭を下げる。

和哉は「ありがとう」と呟いたー。


本物のアリシア姫は既に死亡している以上ー

和哉が帰れば「アリシア姫」はいなくなってしまうー。


だが、そこはアリスたちが上手くやってくれるー

とのことだったー。


ユーリス、ミリア、ラナー

事情を知る三人が、和哉を見つめるー。


「---どんなに離れていても、俺たちは”友”だー。」


「-ああ」


ユーリスの言葉に、和哉は頷き、そしてー固い握手を交わしたー。


「--異世界の友よ。俺はお前を忘れない」

「-俺もだよ、ユーリス」


和哉とユーリスが固い握手を終えると、

和哉はミリアの方を見たー


「--感謝するー。

 お前の言う通り、これからは私自身の幸せについても

 考えてみるよ」


以前ー

最初にミリアと一緒に行動した時に、和哉から掛けられた言葉を

胸に、ミリアは、過去に囚われず、前向きに生きる決意を固めたー。


「---俺の方こそ、ありがとうー。」

和哉が頭を下げると、ミリアもまた、和哉と固い握手を交わしたー。


和哉は、最後にラナを見つめるー


「--ぷいっ」

ラナがそう呟いて顔を背けるー


「へ?な、、何怒ってんの?」

和哉が苦笑いすると、

ラナは「帰るなら早く帰りなさいよーだ!」と、

不貞腐れた声を出した。


苦笑いするユーリスやミリアたち。


和哉は「はは、これが本物のツンデレか」と揶揄うようにして

呟くと、ラナの頭を撫でで「本当にありがとうな」と、優しく

ラナに対して呟いたー。


和哉は全員にお礼を言い終えると、魔法陣の中心の光に向かって進んだー。


アリスが自分のエナジーを全て使い尽くす勢いで、

エナジーを解放するー。

和哉の中に眠っていたアリシア姫から授かったエナジーも

全て解放されー

”儀式の間”に事前に準備されていた光と合わさるー。


今までに感じたことのない力を感じー

和哉がその力に包まれるー


「----!!!」

和哉は自分の身体が”変化”していくのを感じたー


アリシア姫そっくりの姿からー

自分の姿へーーー


光のエナジーを和哉のいる魔法陣に流し込んでいたアリスが

目を見開くー


「それが、あなたの本当の姿ー」


「---それが、お前の姿かー」

ユーリスが少しだけ寂しそうに笑うー。


「----」

ミリアも、和哉の方をじっと見つめているー。


「--なんだ、思ったよりー、、かっこいいじゃん…」

ラナが、そう呟くとー

和哉の方を見つめながら、寂しそうに言葉を続けたー


「--やっとーー

 やっと、本当のあなたを知れたー」


とー。


和哉は、ラナの方を見て穏やかに微笑むとーー


そのまま激しい光に包まれてーーー

”自分がどこかに飛ばされる”

そんな感触を感じたー


”--ありがとうーー

 そして、さようならー”


和哉は心の中でそう呟いてーーー


”異世界”の旅を終えたー。


魔法陣の光が消えてー

和哉の姿も消えたー。


「-----」

ミリアが目を閉じて、心の中で「ありがとう」と呟くー


ユーリスは寂しそうにその場所を見つめたー。


ラナも、同じー。


「--…元の世界に戻ってもー

 あいつの大切な人は、もうー」

ユーリスがそう呟くと、

アリスがユーリスの方を見て、少しだけ微笑んだー。


「--うまく行ったかどうかは分かりませんがーー

 ”ちょっとした”希望を彼にー」


アリスはそれだけ呟くと、

魔法陣のある場所を見つけたー


・・・・・・・・・・・・・・


「-----!!」

和哉が目を覚ますとーーー


そこはーーー

夜空の下ーーー

自分の住んでいるアパートのベランダからー

夜空を見上げている状態だったー


車ー

街灯ー


王宮とはまるで異なる自分の”部屋”


「---はは…ただいま」

和哉は寂しそうに呟いたー


旅行から帰ってきたようなー

そんな、”非日常”から”日常”に引き戻されたような

感じを覚えたー。


「----」

異世界での出来事は、きっと、誰にも

信じてもらえないだろうー。


でもー

これは、夢なんかじゃないー。

実際に、和哉が体験したことでありー、

遠い遠いどこか”別の世界”に、彼らは、ちゃんと存在しているのだからー


「---!」

カレンダーを見た和哉は表情を歪めたー


「これはーーーーー」

和哉はそう呟くと、すぐに動き出したー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


和哉はーーーー

あるマンションを訪れたー


その一室にやってきた和哉はーー

出迎えた男を見て、微笑んだー


その相手はー

異世界で敵対し、死んだはずの、神崎省吾だったー。


「---和哉?」

驚いた様子の省吾ー


「--省吾、話があるー」

和哉は、省吾を見てほほ笑んだー


和哉は、省吾と話しながら思うー


和哉が戻ってきたのはーーーー

”異世界に飛ばされる例の事故”が起きる1か月前の元の世界ー


どうしてー?

そう思ったけれどー

和哉は、すぐに気付いたー


”きっと、アリスたちが、”こうしてくれた”のだとー”


異世界から、元の世界に戻す際に、

アリスは、”時間を少しでもさかのぼることはできないかどうか”を

必死に考えー、そして、実践したー。


成功するかは分からなかったー


けれどー

こうして、和哉は”異世界に飛ばされる1か月前の元の世界”に

戻って来たー。


もちろんーーー

このままでは、また”同じこと”が起きてしまうかもしれないー


でもーー


「こうなる前にーー

 何か”ちょっとでも”違ったのならーーー

 こんな風には、ならなかったのかもなー」


異世界での省吾の最後の言葉を思い出すー。


省吾は、嫉妬からー

亜優美を追い詰め、亜優美の自殺未遂を引き起こしてしまいー

結果、異世界に飛ばされてしまうー。

異世界で”ブレーキ”という名の理性を失った省吾は暴走し、

和哉と敵対してしまうー


でもー

もう、そうはさせないー


「もしもー

 俺たちがこの世界に来てなかったらー

 もしもーー

 俺が、亜優美ちゃんに酷いことをしてしまう前にー

 亜優美ちゃんを追い詰める前にー

 自分にブレーキを踏めていたらー」


”お前のブレーキは、俺が踏んでやるー”

和哉は意を決して、省吾を見つめたー


「--省吾ーーー

 ごめんーーーー」


和哉が突然頭を下げるー

驚く省吾ー


和哉は続けて叫んだー


「これから何か不満があったらー、何でも言ってくれー

 俺も何でも受け止めるからー


 亜優美の彼氏としてではなく、お前の親友としてー

 どんな言葉でも受け止めるからー」


とー


省吾が業績悪化から、仕事をリストラされたことを聞いたー

と、和哉は伝えて、

その上で、亜優美と自分の関係に不満を持っていることも

聞いたー、と和哉は省吾に伝えたー。


”異世界に飛ばされたお前自身から聞いたことだけどな…”と

内心で呟きながらー


「--はは、なんだよ急に…

 まるで、未来でも見たきたかのようにー


 まぁ…確かに、俺、リストラされちまったし、

 正直、お前と亜優美ちゃんのこと、嫉妬してるけどさー」

省吾が苦笑いしながら言うー。


和哉は「--見てきたのかもしれないぜ?」と、

冗談を口にして笑うー


「----」

省吾は和哉を見つめると、ふっと笑ったー


「--ーーーお前には、敵わないなー


 実はさー

 俺、亜優美ちゃんの勤務してる会社、俺の親戚の会社だからさー

 色々手をまわして、亜優美ちゃんを転勤させて

 お前と引き裂こうかなー…なんて、思っちゃってたんだよ…

 

 悪いな…


 お前が今日、ここに来てくれなければ

 俺は自分で自分にブレーキを踏むことができなかったよ」


省吾の言葉に、和哉は、省吾の方をまっすぐ見つめたー。


「”もう”お前と命を懸けた喧嘩なんて、したくないからさ」

と、笑ったー


「はは、なんだよそれ」

省吾も笑うー


和哉は、省吾の本心ー

嫉妬心ー

全てを打ち明けられて、

それを全て受け止めたー


その上でー

「--全部話してくれてありがとうー

 それでもお前は、俺の大事な親友だー」

と、省吾と固い握手を交わしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「----なるほど」

騎士団長のユーリスが、アリスから話を聞いて頷くー


「--この世界の時間軸とー

 あの方の世界の時間軸はー異なりますー。

 ですから、転移の際に少し”軸”をずらせばー

 彼を”この世界に飛ばされた時点”よりも、

 少し前の”元の世界”に戻すことが可能できるはずーー」


アリスの言葉に、ユーリスは複雑な表情を浮かべるー


「--この世界での出来事の記憶があるままー

 ”少し前の元の世界”に戻ればー

 高梨亜優美も、神崎省吾もー

 この世界に飛ばされない、”別の未来を作ることができる”、とー」


ユーリスがそう言うと、

アリスは頷いたー


「ええー」


「---」

ユーリスは、空を見上げるー。


和哉が元の世界に戻ってもー

”大切な人”は、もうその世界にはいないー


そんな状況になるはずだったー


しかしー

それでは、この異世界のために戦ってくれた”異世界からの英雄”に

対して、あまりにも不憫ー


そう思い、アリスは、和哉を”1か月前の元の世界”に戻したのだったー


「うまく行っているかは、わかりませんー


 けれどー

 あの方なら、きっとうまくやってくれるはずー」


アリスの言葉に、

ユーリスは星空を見上げながら、

和哉のことを思い出しー

少しだけ笑みを浮かべたー


”お前ならきっとー

 うまく、やるよなー”


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


星空の下ー

和哉は、亜優美と再会していたー。


1か月前の元の世界に戻った和哉ー


当然、亜優美は、まだ異世界に飛ばされていないしー

転勤もさせられていないー


「---」

和哉は亜優美の方を見つめるー


亜優美は嬉しそうに星空を眺めてほほ笑んでいるー


ふと、

和哉は思うー


”この亜優美”はー

”異世界に飛ばされて、洗脳されて、最後には死んだ亜優美”と

同じ亜優美なのだろうかー。


とー。


もちろん、亜優美は亜優美だー。


けれどー

異世界に飛ばされて、最後には時空も乗り越えて

元の世界に戻って来た和哉はー

なんとなくそんなことを考えてしまうー。


「---和哉?どうしたの?」

亜優美が微笑むー。


「--あ、いや、なんでもないよ」

和哉は

”そんなこと考えても、仕方がないか”と思いながら

星空を見つめるー


アクア王国は、ちゃんと復興しているだろうかー。

ユーリスやミリア、ラナは元気だろうかー。


「----」

和哉は少しだけ笑うー。


「-ーーーまたーーーー

 和哉と出会えますように…」


異世界で、亜優美は死の間際、そう呟いたー


和哉は、”また”亜優美と会えたことに、

幸せを感じながら亜優美の手を握るー。


「--今度はこの手を…離さないでね…」


最後に亜優美に、そう言われたー


今度は、絶対に離さないー

今度は、この手を、君から絶対に、離さないー


「---今度は、この手、離さないからー」

和哉が優しく言うと、

亜優美が少しだけ驚いたような表情を浮かべてからー

穏やかに微笑んだー


「---”また”和哉と会えてよかったー」

亜優美が、そう呟いた気がしたー


「-え?」

和哉が驚くー。


けれどー

亜優美はそれ以上は、何も言わなかったー


空耳ー?

それともー亜優美にもあの世界での記憶がー?

もしかしたら、省吾にもー?


ーーいずれにせよ、

亜優美は、亜優美だー


和哉は、その言葉を聞き返すことはしなかったー。


和哉は亜優美の手を今一度握りしめてー

静かに星空を見つめたー



「-----」

異世界では、主のいなくなった部屋を掃除しながら

ラナが星空を見上げていたー


「-------ありがとう」

ラナは寂しそうにそう呟き、元の世界に戻った和哉の幸せを願うー。


和哉とラナはー

異なる世界で、異なる星空を見上げていたー


和哉は、亜優美と共に星空を見上げながら思うー。


世界は違えど、きっと想いは繋がっているー

とー。


きっと、この星空はー

あの異世界の星空にも

繋がっているからーー


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化X異世界転生長編の最終回でした~!


去年の暑い時期に書き始めて

既にまた暖かくなり始めるぐらいまでかかってしまいましたが

無事に完結することが出来て良かったデス!


普段、あまり書き慣れない部分に挑戦したりもしたので、

四苦八苦した部分もありましたが、

私自身も良い経験になりました!


長い間、お付き合い下さり、本当にありがとうございました!!



早速ですが、次の長編は”皮モノ”を予定しています!

他人を皮にする力を持っている凶悪犯罪者に、若き刑事が立ち向かう…!という

お話ですネ~!


「モルティング~人を着る凶悪犯~」は、今月下旬に早速

スタート予定ですので、ぜひお楽しみください~!

(モルティング、とは”脱皮”を意味する言葉ですネ!)

(Fanbox)


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