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『あやかさんは現在フリーランス(定職等は無くて

イラストレーターとしての活動のみで生計を立てている)ですか?

私も目指しているので参考までにお伺いさせて頂きたいです。』


という質問をいただきました!


これについては、私が今どの様に絵と向き合ってるのかも踏まえて

前々からお話したいと思っていたので、個別記事にさせていただきました。


今回は、

『私が今どうやって生計を立ててるのか』

『イラストレーターになりきれなかった私について』

を、お話させていただきたいと思います。



________________



■今の私生活(生計の立て方)について

先に質問に答えさせていただきますと、

肩書きはフリーランスではなくて「フリーター」です。(笑)


数年前まではフルタイムで働いてたのですが、

生活の事情と、創作活動の時間をしっかり取りたくて今の暮らしを選びました。

なので現在は、シフトの融通が利くバイト(これも美術関係です)をしながら

創作活動やイラストのお仕事をさせていただいてます。

ずっと家に引きこもってるわけではないです…(笑)


物欲もないしお金のかかる趣味もない、贅沢も滅多にしないので

こんな働き方でもコロナ前まではじわじわと貯金もできてたんですが、、

予期せぬコロナの影響で大幅に勤務時間を削られてしまったため、

その補填をするためにこのFANBOXを始めました。

(シフトが減った分、皮肉にも絵を描く時間が増えたので…^^;)


FANBOXの収入がなかったら今の制作ペースは維持できてないです。

皆さんのご支援には本当に救われています。。

だからこそ、更新を途絶えさせてはいけないという責任感にも繋がっています。



*************


■『イラストレーター』になりきれなかった私について


この通り、私は絵だけで生計を立てれてないし

今は目指そうとも思ってないので、

「イラストレーター」を自称する気もなければ

その資格もないと考えています。

(起用していただいたからにはイラストレーターの肩書きを背負うので

その自覚は持って務める様にはしてますが…)


これまで受けたイラストの仕事は、自分から営業や募集を

かけたわけではありませんでした。

たまたまブログやpixivを見てくださった企業様にお声がけいただき、

たまたまマッチングしてご縁ができたりしていただけなので、

今も「仕事を積極的に取ろう」という姿勢ではなく

お役に立てる事があれば引き受けます、程度のスタンスでいます。


かつてはプロのイラストレーターになりたくて専門学校に通ってましたが、

創作活動から一度離れ、何度か絵の仕事を経験できたお陰で

『自分にとってちょうどいい絵との向き合い方』を模索することができました。


仕事はとても楽しかったし心からやりがいも感じられたので

まったく苦痛ではなかったのですが、

同時に自分の欠点もたくさん見えてきました。

私が対応できる幅の狭さや、武器にしたいものと求められるもののズレ、

それを克服するために必要となってくる課題をもろもろ浮き彫りにした上で

“その先にあるものは本当に描きたい絵なのか?”と自問自答した結果、

出した答えは“NO”だったんです。

その本心を抑え込んで頑張ろうとしていた時期もありましたが、

抑えようとすればするほど迷走してしまい、

絵を描くのが楽しくなくなって、ついにはまともに描けなくなりました。

何を描いても乱雑で、心がこめられなくて、自分の絵じゃないみたいで。

このままでは潰れてしまうなと…。


努力を放棄するなら、プロを目指す資格はないし、なれない。

プロに対する意欲の低さをはっきり自覚できたからこそ、

潔く見切りをつけることができたんですよね。


専門学校を卒業する頃には

「プロのイラストレーターになる」という目標はなくなってました。

創作活動の傍らに、もし機会をいただくことがあれば

喜んでお引き受けする、という姿勢でいたいなと…。


なんとも中途半端な感じではありますが…

それが現状の絵との向き合い方となっています。



*********



まだプロを目指していた頃は深く考えてなかったですけど、

そもそもイラストレーターになろうとした動機が軽薄だったんですよね…。


私がプロを目指した理由は、

ただ「本気で絵と向き合う生活」に憧れてただけだったんです。

特にやってみたい絵の仕事があったわけじゃありませんでした。

とにかく興味のない授業や課題をやらされる高校生活にうんざりしてて、

なんでもいいから絵が中心の人生を送りたい!、という気持ちだけが

先走っていたと思います。


絵のことだけを考えてられる人生ってなんだろう?、って思ったとき、

選択肢が思いつかなくて『イラストレーターになればいいんだ』

って軽率に考えちゃったんですけど、絵が中心の生き方さえできるなら

別にイラストレーターじゃなくてもよかったんですよね。

例えば今みたいな生活ができるんだったら

それでも全然良かったんだと思います。

結果論ですが、私の本望は今も昔も

「大人になっても好きな絵を思いっきり描き続けたかっただけ」だったんです。

(定職に就くかフリーランスにならなきゃいけないって思ってたので、

当時の選択肢に今の生き方は無かったんですけどね…笑)


実力うんぬん以前の問題です、、これは。

「本当はイラストレーターを目指す意欲と覚悟はなかった」。

これが私がイラストレーターになれなかった最大の原因だと思います。


*********


こんななり損ないなので偉そうに言えることじゃないですけど…

もし本当にプロを目指したかったんだとしても、

自分の作風にあう仕事を探そうとするんじゃなくて、

やってみたい仕事を先に決めて

その仕事に作風を寄せていかないとダメだったんだと思います。

技術やセンスの問題以前に、

『先(=やりたい仕事)を見据えた努力ができるかどうか』

商業イラストレーターになれるかどうかの別れ道だった気がしてます。


周りを見てても思いました。評価されてた人は、

作品から商業媒体のイメージがハッキリ見えてくるんですよ。

お菓子のパッケージだったら可愛いだろうな~とか、

雑誌のカットに使われてそうだな~とか。

そういう作品が描けるようになることが成功条件なんだと思います。


意識してなくてもそういう絵が描ける人はいいんですけど、

私みたいに技術もなく、元の作風が商業向けじゃなければ

尚のこと努力する必要があったんです…。

たとえ運よく自分の作風にあう仕事が1つや2つ見つかったとしても、

たった1つや2つじゃ食い扶持にはなりません。

どんなに大きな仕事を貰おうが、その1回で途絶えたら生計は立たないです。


これは専門学校でもよく聞かされていたことではありますが、

商業イラストレーターの作品に求められるのは「使いやすさ」なんですよね。

自己表現の“アート”の世界とは違うので…

どんなに上手くなろうが独創性があろうが、

その絵が活かせる商業媒体がなければ、作品に商用価値は生まれません。

(自分で書いてて刺さる…笑)


他の作品に埋もれない個性が大事!…とも聞きますが、

ニーズにあった使いやすい作風であることが前提だと、自分は解釈してます。

(独自のブランドを立ち上げて展開してくなら別ですが)

とにかく「使い続けてもらえる絵」が描けなければ

成り立たない職業なんだなと…。


実力不足はもちろんのこと、

私はそこが決定的に欠けていて、それを克服できなかったので

「イラストレーター」になりきれなかったんだろうなと…

改めて思います。^^;



ただ、このように原因を自覚している上でも

自分には自分なりの絵との向き合い方がある、という結論に至っているので

反省ではあるにせよ後悔や未練はありません。

むしろ、一度プロを目指してみたからこそ気付けたことが多くあったので

私には必要な経験だったと思えています。


実際、今は絵で稼ぐ方法もいろいろありますからね。

FANBOXもそうですけど、企業だけがクライアントではない時代です。

商業媒体には向かない作品でも、個人には需要があるかもしれない。

趣味の延長でやっててもプロより稼いでる人だっていますし、

「絵で収入を得て生きていく方法」として考えるんだったら

必ずしもプロを目指すことだけが道じゃないとも、思ってます。

「プロです!」って名乗れたらカッコいいですけどね…(笑)


そんなわけで…今は仕事になるかどうかよりも、

自分に嘘をつかずに好きな絵を好きなだけ描き続けていけるかどうか

最重要視しながら、生きていきたいなと思っています。

それで生活が成り立つ限りは…。



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…聞かれてもないことを長々と語ってしまいましたが

まとめますと、


・私の生計はバイト+イラストの両方から

・私は「イラストレーター」ではない(自称できる立場じゃない)


という回答になります。


自分はイラストレーター志望の失敗例なので成功した人の目線からは

語れないのですが、もしプロを目指されている方が

支援者様の中にいらっしゃればぜひこの経験談(?)、

反面教師にしていただければと思ってます(笑)


参考になるかはわかりませんが…陰ながら応援させていただきます…!!


質問ありがとうございました!


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