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今までよく問い合わせを受けることが多かった

「犬の描き方」を、今回FANBOX限定で

自己流の見解やコツなどを公開してみたいと思います。よろしくお願いします!


※諸注意※

今回ここで描く事は、犬やイヌ科の生き物をまったく描いたことがない人向けの

講座ではないと思います。基本的な描き方はネット上に既にいくつか

参考例が上がっていると思うので、私が今回ご紹介するのは

詳しくない人がよく間違って描いてると思うポイントなど、

「基本の描き方講座ではあまり詳しく描かれていないこと」になります。

ものによっては割とマニアックな話です(笑)


また、私が自分の目で観察してきた中で発見した情報も含むので、

へ~そうなんだと安易に真似しない様にしてください。

参考にしていただく前に、必ず実物の資料と答え合わせしていただいて、

納得がいったら取り入れるようにしてください。(ここ超大事です!)

よろしくお願いいたします。



__________





まずは犬の基本形から。すごくザックリですみません。

手癖で描くとどうしてもハスキーっぽくなっちゃいます(笑)

「基本の」とは描きましたが、足の長さや腰の曲がり方など、

シルエットは犬種によって異なりますので、都度描きたい犬種の資料を集めましょう!


形をとっていくにあたり、気をつけて見るべきだと思うのは、

それぞれのパーツがどの位置から生えていて、どれぐらいの大きさ・長さなのか?です。


また、パーツ単体で観察するのではなく、

「かかとの高さは前足の関節のちょっと上ぐらいの高さなんだな」とか、

他のパーツとの位置関係を把握しながら観察していくことがコツだと思います。




■マズルと鼻



犬やオオカミのマズルは、上あごと下あごが平行になる様に描きます。

先細りにしてしまうと必然的に鼻も小さめになってしまい、

犬らしさが半減されてしまいます。

実際の犬を見てもらうとわかるのですが、犬の鼻は結構大きいです。

ただ、小型犬の場合だったり、あえてそういうデフォルメで描く場合もあるので

イラストの表現としては小さめに描くのはアリだと思います!




・マズルを先細りに

・鼻を小さく

・耳を大きめに

描くと、狐っぽくなります!

(※これも個体差あります。耳がでかくない狐もいるし。

 あくまで犬や狼との差別化がしやすい固体の描き方です~)


犬(狼)と狐の描き別けが上手くいかない時は

だいたいここらへんのパーツの描き方に問題があるので

見直してみるといいかもしれません。

(体の骨格にも差がありますが、今回は「犬の描き方」なので割愛します)



■前足





前足です。「狼爪」は人間で言うと親指にあたる部分で、

これを含めて指は5本です。

アニメや漫画の犬キャラクターでは省かれてることが多いですが、

手首の裏には「手根球」という突起もあります。

犬の前足を横から見た時に謎に飛び出てる、あの部分です(笑)


地面に接地する4本の指のうち、

真ん中の2本は外側の2本よりも前に出ています。

そのため、肉球も真ん中2つが前に突出する形で配置されてます。



逆にこういう描かれ方は本当は間違ってますが、

これも自分の絵柄としてのデフォルメなんだったら別にOKだと思います。

リアルに描くことにこだわらないなら、ポケモンみたいに

デフォルメで3本指にしたり、手根球や狼爪は省いたりっていうのもアリです。

ただし、写実的に描く場合には間違えない様にご注意ください。





足先は、犬種によって描き様もいろいろあります。

狼を描く時に指をゴツめに描く人は多いと思いますが、

犬の場合、狼よりも丸みを帯びていたり、

そんなに筋張ってたりゴツゴツしてたりしないこともあり、

同じ要領で描くと犬らしさが殺がれる場合もあるため注意が必要です。

(特に柴やハスキーなどスピッツタイプの犬の足はほぼそんな感じです。

シンプルに描く方が犬らしい足先になる気がします)

ただし犬によっては狼顔負けにゴツい足を持つ犬種もいるので

より犬種らしさにこだわるなら意識してみるといいと思います!



■後ろ足




後ろ足です。鬼門です。

後ろ足は…ほんっっとに正しく描かれてないことが多い。めっちゃ多い。

だから逆に、後ろ足描くのが上手いかどうかが分かれ道だと言っても

過言じゃない気がします(笑)

注意して順番に見ていきましょう…。



■後ろ足に狼爪はない!

まず、後ろ足は前足と違い、原則指は4本です。

狼爪は基本的にありません。「狼」と付きますが、

狼でも後ろ足に生えている個体は少ないです。

稀に生えている個体もいますが、犬の場合は生まれてすぐに

切られてしまう場合が多いので、残ってない犬の方が多いです。

個性として、あえて「後ろ足に狼爪がある犬」として描くのはアリですが、

「登場する犬キャラや狼キャラ全員に付いている」というのは

現実的じゃないので、ファンタジーでもない限りは

避けた方がいいポイントです…



■手根球もない!

あと、手根球にあたるものもありません。

アニメとか見てると、たまーにかかと付近に謎の手根球?らしきものが

付いてることがあるんですけど…後ろ足には無いです!



■かかとの高さ、注意!

続いてかかとの描き方ですが…これが本当に鬼門。

多くの人が間違えてます。私も昔上手く描けてませんでした…(笑)

ということで、よく見かける間違い例を挙げてみました。

かかとが高く描かれちゃう傾向が多いんですよね。。

アニメや漫画の犬キャラは大体そう描かれてる気がします…

でも、現実だとそんなに高くないんですよ…。

ウィペットとかハウンド系の足が長く見える犬も、

長いのはかかとから上の部分であって、かかとの高さ自体は変わらず低めです。



★例外:グレート・ピレニーズの後ろ足




狼爪の話に戻りますが、

例外の犬として「グレート・ピレニーズ」という

真っ白でモフモフしたでかい大型犬については、

なんと後ろ足の狼爪が2つ付いているのがスタンダードなんです!

つまり、指が計6本あるということになります。

毛が長いのでそんなに目立つ訳じゃないのですが、そんな犬もいるよという豆知識。

(厳密には、グレピレ以外にもこういう犬種が数種類います)




■あご





あごの説明になります。


■歯について 

前歯については、上下4本(2本ずつ)の犬歯と、

12本(6本ずつ)の門歯があります。

人間の口と違って歯が横並びではなく、門歯の後ろに犬歯がついてる形になってます。

(まあこれもデフォルメ具合によっては正確じゃなくていいと思いますが)

キャラクターイラストにおいては歯の数まで正確に描く必要はないと思ってますが、

形状だけは注意しましょう。特に奥歯。ギザギザが等間隔で並んでいる様な、

爬虫類みたいな臼歯にはしない様に!



■舌の形状について

舌先の方はペロンペロンなので、下あごの形に添って

布をかけるように柔軟に収まっているイメージです。

付け根の方にいくにつれて肉厚になります。



■あごの形状について

あご(マズル)の形も犬種によってそれぞれですね。

長さだったり、皮のたゆませ加減によって個性が出せる部分です。



■その他・いろんなポーズ



基本のつくりを理解したら、あとは応用です。

実際、各パーツがどの様な動きをするのかは実物を見た方がわかりやすいです~。


_______________



マニアックな話も踏まえてでしたが、以上犬の描き方のコツでした。


ただ何度も言う様ですが、とにかく

自分の目で実物を見たり、実物の資料を確認するのが一番効果的だと思います。

特に、「犬の描き方が知りたい」というお問い合わせには

今までそう答えさせていただいてきました。

犬を描くことだけに限らず、何かを描ける様にするために

まずしなければならないのが「観察」です。

そう思っている自分からすると、だいぶ丸投げに感じてしまったというか…

調べて観察する努力もしてない段階なのかな…?と

思えてしまうほど漠然とした質問に感じていたので

(実際の事はわかりませんが…)、

そういう意味でも「安易に教えたくない」という気持ちがあったのが正直なところです。

意地悪ですが…自分の為にも、ご本人の為にもならないと思っていました。


特に「犬」という生き物には特段こだわりを持って描いているということもあり…

すみませんがホイホイ安売りするわけにはいかず、

代わりにこうしてFANBOXの高額プランの特典として投稿させていただきました。

(せこくてすみません…)


ただ、少なからず需要はあるのかなと思ったので

今回ようやく自分なりの描き方を断片的にまとめることができました。


「これは現実的には間違いです!」とかさんざん主張しておきながらですが、

結局のところ、「間違いも含めて絵の個性」だとも、私は思ってます。

要所要所でお伝えしたとおり、本物と見比べた上では間違ってても、

「そういうデフォルメとするならアリ」だと思ってるので、

上記で語った現実的な描き方をどこまで取り入れていただくかも

もちろん自由でいいわけで、「間違ってたから直さなきゃ」と思う必要も

まったく無いと考えてます。

あくまで本物の犬「らしく」描くコツですので、

それが目的でなければ必要ない情報です。


ただ…

「間違っているとわかっている上であえて間違いを描く」ことと、

「正しく描きたいのに知識がなくて間違った描き方をしてしまう」ことは

まったく違うことだと思っていますので、、

後者の方にとって、ここで描いたことが少しでもお役に立てればいいな~と

思っています。

ですが、最初にも書いた通り自分の知識が100%正しいとも言い切れないので、

ちゃんと答え合わせした上で(自分の目で本物を確認してから)、

信じれた内容だけ取り入れるようにしてくださいませ…!


私の発信に限らず、疑うことは大事な事です。

今や気軽に描き方講座やメイキングを見れる時代になりましたが、

間違った情報を発信してる…と思う事もかなりあります。

(それこそ犬の描き方とか…偉そうには言えませんが、それでも目に余るものも多く…)

まあ…「間違ってる」と感じるのもまた自分の主観なんですが、

そういう事もある以上、見る側も情報の取捨選択や確認を怠ってはいけないなと

思う今日でございますね。。

「観る目」は自分の力で養っていきましょう…!



ゴチャゴチャうるさくなってしまいましたが、

ご参考までに、お役に立てれば幸いです…!

閲覧ありがとうございました!



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Comments

Anonymous

個人的には描き方を教わりたい!というよりは、あやかさんのこだわりや描く時の考え方を知りたいという気持ちがあったので今回の投稿はとてもありがたく拝見させて頂きました。 踵やマズル等は実物とデフォのバランスがとても難しく感じていたので特に参考になりました。   まだまだ実物の観察が足りない自分に喝を入れて練習しよう思います。ありがとうございました!

あやか

私のこだわりや考え方を…!!う…嬉しいです…(涙 実際自分も、どちらかというとそのあたりを 知ってもらいたいがゆえにメイキング系をアップしているところが大きいので、そう言っていただけるのが何より嬉しいお言葉です。ありがとうございます…! 実物とデフォの丁度よさについては私もまだまだ研究段階なので、お互い練習頑張りましょうね…!!