スピード色調整テクニック (Pixiv Fanbox)
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こんにちは。お絵描き大好き「おとこえ」です。
今回は、おとこえがいつもやっている色調整方法をご紹介します。
といっても、やっていること自体はシンプルです。
・ニュートラルな色を付けたレイヤーをまとめて
・「トーンカーブ調整レイヤー」で色調整する
たったこれだけです。
※←ニュートラルな色 →調整後の色
※ニュートラルな色とは
時間帯や環境を無視した色のことです。
白背景で描くイラストと思ってもらえばOKです。
この手法のメリットは、何といっても
あとから好きなだけ色を変更出来る!
これに尽きると思います。
↑ニュートラルな色から、トーンカーブだけで作った色バリエーション
一旦ニュートラルな色を作れば、
あとはトーンカーブで明るい昼下がりにしたり、夕焼けにしたり、暗い室内にしたり思うがままです!
※上記のサンプルデータ(.Clip)はこちらからDL出来ます
何故こういう手法を使っているのかと言いますと、
おとこえは、色計画を立てるのが苦手でして
最初は「この色で行こう!」と決めても
描いてる最中に、やっぱこっちの方がいいかも?
と誘惑の声が頭の中でささやくのです。。。
そんな時、あとから簡単に色調整できる方法はないかなぁ~
と思っていると、この方法にたどり着きました。
◆今回のやり方が向いている人
・あとから好きなだけ色の変更がしたい
・いつもの色にマンネリしていて、絵の印象を変えたい
・色のバリエーションを沢山作りたい
では、さっそくやり方の説明に移ります。
こちらの3つの工程で説明します。
①ニュートラルな色を塗る
②全体を「トーンカーブ調整レイヤー」で調整する
③部位ごとに「トーンカーブ調整レイヤー」で調整する
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①ニュートラルな色を塗る
この工程の目的は、
・光の方向を決める
・光と影の濃淡をつける
です。
最終的なイメージを夕方にしたいと思っていても、
この段階では、赤を強めに入れたりしないでください。
それは後の工程で行います。
あと、レイヤー構成は基本的に何でもOKなのですが、
要素ごとにレイヤー分けしておくと、個別に調整できて便利だと思います。
参考までに、おとこえのレイヤー構成は↓の様な感じになっています。
◆部位レイヤー
肌、髪、服&装飾、背景、など
◆色要素レイヤー
固有色、1影、2影、反射、ハイライト、など
ニュートラルな色が分からないという方は、
とりあえず、こちらの色を参考にしてみてください。
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②全体を「トーンカーブ調整レイヤー」で調整する
さて、ここからが本番です!
先ほど作ったレイヤーをすべてグループ化し、
その上に「トーンカーブ調整レイヤー」を追加し、クリッピングします。
これで、全体色調整の準備が整いました!
あとは、トーンカーブをいじって色味を調整するのですが、
トーンカーブ自体がよく分からないという方のために、
基本的な使い方を説明します。
まず、トーンカーブを扱う上で知っておくべき知識
それは"ヒストグラム"です。
ヒストグラムを一言でいうと、 "ピクセルごとの色の分布図"となります。
実際のウィンドウで説明するとわかりやすいと思います。 トーンカーブウィンドウで濃いグレーで塗られた面 これがヒストグラムです。
・横軸は、ピクセルの暗明(一番左は黒、一番右は白)
・縦軸は、ピクセルの量
を表しています。
↓こちらのイラストをヒストグラムで見てみると、
比較的暗めのピクセルが多い事が分かります。
ニュートラルな状態では、ヒストグラムの分布は緩やかな山型になっているのが望ましいです。その方が色調整がしやすくなるためです。
次にトーンカーブの説明です。
右上がりの線がトーンカーブです。
トーンカーブを簡単に説明すると、
・色域ごとに画像を明るくしたり、暗くするツールです。
・更にRGBを個別で調整する事も出来ます。
実際の使い方としては、
・カーブ上をクリックして、コントロールポイント(以下CP)を追加します。
・CPを↑に上げると明るく
・CPを↓に下げると暗くなります
更にトーンカーブは、R,G,Bごとに個別で色調整をすることが出来ます。
プルダウンで、Red、Green、Blueのいづれかを選択してください。
操作は先ほどと一緒ですが、CPを↑↓した際の結果が異なります。
Redタブ
CPを↑にするとレッドに寄る
Redタブ
CPを↓にするとシアンに寄る
Greenタブ
CPを↑にするとグリーンに寄る
Greenタブ
CPを↓にするとマゼンタに寄る
Brueタブ
↑にするとブルーに寄る
Brueタブ
↓にするとイエローに寄る
それぞれ、色相環の補色の関係性になっています。
補足ですが、中間色を強めたい場合は、両隣の色に寄せればOKです。
例えば、
・オレンジを強めたい場合は、CPをレッドとイエローに寄せます
・紫を強めたい場合は、CPをマゼンタとブルーに寄せます。
もちろん、色の領域ごとに調整することが出来ます。
↓暗い領域にグリーン、明るい領域にマゼンタを入れたい場合は、こうなります。
まとめると、
・ヒストグラムとは、明るさの分布図
・トーンカーブとは、画像の色領域ごとに色を調整するツール
・トーンカーブは、RGBごとに色調整することも出来る
となります。
ここまでがトーンカーブの基本的な説明でした。
慣れてない方には頭が痛くなる内容だったかも知れません。
でも今は全部理解しなくても大丈夫!
ここからはより実践的で簡単な使い方をご紹介します。
おすすめのトーンカーブの使い方「4分割トーン法」
先ず、RGBタブでトーンカーブを4等分するように、3つのCPを追加します。
各ポイントをこのように呼んでいます。
①白 ⇒もっとも明るい領域
②ハイトーン ⇒明るい領域
③ミドルトーン ⇒中間の領域
④ロートーン ⇒暗い領域
5黒 ⇒もっとも暗い領域
あとは、各CPを上下に動かして、各領域のトーンを調整していきます。
実際にやってみましょう!
・暗い領域だけ明るくしたい ⇒ロートーンを上げます↓
・明るい領域だけ暗くしたい ⇒ハイトーンを下げます↓
・コントラストを高くしたい ⇒ハイトーンを上げて、ロートーンを下げます↓
・コントラストを低くしたい ⇒ハイトーンを下げて、ロートーンを上げます↓
・眩しい屋外↓
・薄暗い室内↓
更にRGBごとの色調整をすることで、より細かな演出をしていきます。
・燃えるような夕焼け↓
・怪しい研究所↓
※ここでトーンカーブの注意点をお伝えします。
トーンカーブは、ヒストグラムのピクセル分布に対して作用すると説明しました。
つまり、同じカーブでも元画像のヒストグラム分布によってトーンカーブの結果は変わってきます。
例えば、
↓ミドルトーン~ハイトーン~白の色領域にピクセルが存在しない画像の場合
ミドルトーンより右側のCPを動かしても変化は起こりません。
原因は、対象のピクセルが存在しないためです。
ニュートラルな色を、均一な分布にする理由はこのためです。
このような場合は、CPをピクセル分布の範囲内にずらす対処で回避できます。
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③部位ごとに「トーンカーブ調整レイヤー」で調整する
ここまでの調整で既に自分好みの色になっているならOKなのですが、
更に欲が出てくる事もあると思います。
・肌はもっと明るくしたい!
・髪はもっと艶やかにしたい!
・服はもっとコントラストを強くしたい!
など
そんな時は、部位ごとに「トーンカーブ調整レイヤー」を追加し、
更に細かく調整していきます。
やり方は、
部位レイヤーグループの上に「トーンカーブ調整レイヤー」を追加し、クリッピングします。あとは、前途した通りトーンカーブを調整するだけです!
こちらのイラストでは、この様なイメージで各部位を調整しました。
色調整の方法をお話ししましたが、いかがでしたか?
トーンカーブは部分的に使っているけど、
ここまで大々的に使っている人は少ないかもしれません。
・・・正直なところ、この方法は人によって合う合わないがあると思います。
トーンカーブで色を変えるのはなかなか難しく、
カラーピッカーで好きな色を選んだ方が、すぐに理想の色になります。
もちろん、トーンカーブにも魅力はあります。
皆さんは今まで作り上げてきた"自分スタイル"を、持っていると思います。
それを急に変えると、筆が迷ったり、ストレスになったりしますので、
あくまで"自分スタイル"を基本として、
今回紹介した方法が組み込めそうなら試してみる、
くらいに思ってもらえば幸いです。