【レギュラー製作過程】海凪流・銃の塗り方【メイキング】 (Pixiv Fanbox)
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海凪です。
いつもご支援いただきありがとうございます。
今回は例によって銃の塗り方解説をやっていきたいと思います。
2020年上半期の現時点でのレシピなのでまた多少変化するかもしれませんが、
備忘録もかねて書きます。
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銃の塗り 使うブラシは 2本だけ (心の俳句)
塗り方の最低限のポイントさえ抑えれば、たった2種のブラシで銃はいけます。
ではそんな精鋭2本のブラシを紹介しましょう。
・デフォルトのGペンを不透明度70%にしたやつ
いきなりですがデフォルトのやつです。デフォルトで全然いけます。
水彩ペンでなく、なんでGペン?ってなりますよね。ペンはくっきりした輪郭の筆跡になるのでエッジのきいた塗りにかなり重宝するんですよ。ここ最近の作品ではかなりの主力選手になりました。
また、Gペンは筆跡の太さの幅が広く強弱をつけるだけでいろんな表現ができるのが
魅力です。
・フラット
またお前か!ってなりますがやっぱりフラットは厚塗り系イラストにおいてオールマイティーで有能です。
銃の塗りでは色を伸ばすのに使います。色を伸ばすならぼかしや水彩ペンやエアブラシでもいいのでは?ってなるんですけど、フラットで伸ばすと塗り重ねによる重厚なニュアンスをうまく出すことができるんですよ〜!
では実際の製作過程を踏まえて解説していきます。
①ラフ
みんな好きなコブラサイト載せAKです。かわいいね。
ラフ時点ではこれくらいざっくりでもOK、でも完成状態が十分イメージできる程度にします。着色には先に紹介したフラットブラシをフルに使ってます。
一発で完璧な色を出せる人なんていない(いないよね?)のでリニアライトレイヤーや色調補正レイヤーとかガンガン使っていきましょう。
②キャラクター塗り
先にキャラクターを塗っておきます。銃とキャラクターはコントラストや明度、それらを含めた塗りの雰囲気が合っていないといけないので先に基準となるキャラクターを描くわけですね。キャラクラー塗りについては先月公開分のメイキングを併せてご参照ください。
(描くのがめんどくさい&キャラクターのシルエットが埋もれそうという理由で、公開時には背景を省いてしまったのですがこの時点ではまだありますね。描けばよかったかも)
③塗り始め
銃を塗っていきます。ラフ線レイヤーの不透明度を認識できるかどうかのギリギリまで落として(10〜20%くらい)、ラフ色レイヤーにGペンで塗っていきます。この段階ではまだ形を削り出していくイメージです。細かいところはナアナアでいいです。でも、「この部分は細かいパーツがあるんだ」ということは意識してください。
その部分は意図的にGペンの筆跡を残してください。その筆跡が、のちのち絵を見たものを「うわ…すっげえ描き込み…」と誤認させます。ここにGペン"不透明度70%"の真の意味があるのです。意図して筆跡を残せるのです。厚塗りや水彩塗りはこの技法が使えるので大好きさ。
④エッジを立たせていく
明る目の色1色だけ使って色が明るくなるであろう部分を塗っていきます。これでかなり各パーツの形が鮮明になっていきます。
⑤色味調整
キャラと重ねるとちょっとコントラストが強すぎたのでクリッピングしたレイヤーでふわっとエアブラシをかけコントラストを下げています。
⑥形調整
なんかAKぼってり厚くね?ってなったので範囲選択→移動→加筆で調整しました。
このあと線画があり、以降の形の調整がめんどくさくなるのでこの時点で形を最終決定します。
⑦線画
シルエットを整えるため線画工程を挟みます。塗りレイヤーを不透明度10〜20%くらいにし、別レイヤーで線画を描いていきます。この時はデフォルトの「薄い鉛筆」をめちゃくちゃ細い先端(350dpiで3〜4px程度)で描いています。
あくまでシルエットを整えるだけなので画像の通り外側の輪郭だけで大丈夫です。
線画に沿って適当な1色で着色→塗りレイヤーでクリッピング→結合すればOKです。
こちらも先月のメイキングでやった通りですね。
⑧ハイライト
かなりミソな部分です。完成度合いがかなり左右されます。ここでもGペンを使います。
カラー・明度コントロールがしやすいので通常レイヤーで大丈夫です。別レイヤーを作るとミスっても修正しやすいです。僕はなじませやすさ優先で塗りレイヤーに直接描き込んでます。
光の当たり具合や材質・表面の質感によってどのくらいの明度にするかが重要です。
金属製でも艶消しやマットな塗装がされていればハイライトの明度は暗めになります。
摩耗等で反射防止の塗装が剥がれている部分は地の鉄が露出しているため明るいハイライトになる、などハイライト一つで細かい質感のコントロールをすることもできます。
ポリマー製は特にハイライトを抑えめにするとかなりそれっぽいです。
このあたりは実銃の画像を参照するのもいいと思います。
最近だとyoutube等で海外の方が実銃レビューを高画質でしたりしているので、角度や環境光による反射や色の変化を確認できて、非常に参考になります。
画像だけだと見えてこない雰囲気や量感・質感が確認できるので、銃に限らず動画はかなり有用な資料だと思います。
あまりハイライトを入れすぎてもわざとらしくクドい感じになるので、必ず全体を見ながら作業します。
(ウインドウ→キャンバス→新規ウインドウでリアルタイム作業ウィンドウを出せるので私はサブディスプレイに置いてたまに全体を見ながらやってます)
ハイライトを描き終えれば完成です!
仕上げにリニアライトレイヤーでわずかに色味を足してあります。
ご質問等ありましたらお気軽にご連絡ください。
ありがとうございました。
海凪コウ