描きこみ作業の質感の増やし方 (Pixiv Fanbox)
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描き込み作業時に行っている情報量の増やし方について記事にまとめてみました。
▼レイヤー構成データ【描き込み工程について】
〇質感の種類別の描き込み
1. 髪の毛の描き込み
▼描き入れる質感図解
髪の毛は下記の質感を描き入れて情報を増やしています。
①ハイライト
頭の一か所に明るい色を置きます。
カーブをかけてハイライトを配置すると頭の曲面を表現することができます。
②髪の毛の艶
髪色より少しだけ濃い色を使って艶を表現します。
ハイライトの近くや、情報量の少ない箇所に置くとグッドです。
③反射光
周囲の色を髪の毛に反射させた色を表現します。
背景の色や顔の肌色、服の色などを髪の毛の色と混ぜて使うといいでしょう。
④濃い影
髪束の隙間や奥まった箇所にひと際暗い色を置きます。
これによって立体感が増したり、イラストが引き締まる効果が期待できます。
暗い色は使いすぎるとくどくなるので、全体の5~10%くらいに留めるように
しています。
詳しい髪の毛の塗り方は下の記事にまとめていますので良ければご覧ください。
髪の毛の塗り方【基本編】
髪の毛の塗り方についてまとめてみました。 下画像を使いながら解説を進行します。 ▼髪の毛イラストサンプル ①基本陰影 ▼頭部に光を当てるときのイメージ サンプルイラストでは頭上に光源を設定しています。 頭部は球状をしているので、球体に光が当てているようなイメージで陰影をつけてみましょう。 ▼明暗の境界線につ...
2. 顔の描き込み
▼顔の質感図解
顔は下記の質感を描き入れます。
①瞳
キャラクター特有の模様などが設定されていない場合は
・下地色
・濃い色
・明るい色
・瞳孔
以上の4つを使いながら瞳を描いています。
瞳の詳しい描き方は下の記事をご覧ください。
【PSDデータ配布】キャラクターの目の描き方について
今回は下図の目の描き方を記事にまとめてみました。 ▼レイヤー未統合データ ■線画 まずは目の線画を作成します。 ▼目の大まかなシルエット 図のような五角形を意識しながらまつ毛としたまつげの形状と位置を整えます。 黒目は真ん丸ではなく卵を逆にしたような楕円を意識して描いています。 ▼目の省略箇所(デフォルメ...
②まつ毛
目の線画の中に明るい色を置いてまつ毛の毛先感を表現しています。
③涙袋&二重(目の周り)
目の周りに少し濃い目の色を置いて涙袋や二重を表現しています。
目の周りに情報量を足すことで一層目線を集める目的があります。
場合によっては頬に赤みを持たせるような表現を使うことがあります。
④鼻
地の色より明るい色を使って鼻の凹凸を表現しています。
顔の色が明るいときは逆に少し暗めの色を置いて鼻を表現することもあります。
⑤落ち影
髪束から落ちる影を濃い目の色を使って表現しています。
濃い色を使うことで顔の印象を引き締める効果が期待できます。
3. 肌の描き込み
▼肌の質感図解
肌は下記の質感を描き入れています。
①肌の凹凸
肌のさまざまな箇所でできる凹凸を少しだけ濃い色を使って表現します。
②濃い影
光の届きづらい箇所に濃い色を置いて立体を捉えやすくします。
腕の下や、首、女性キャラクターの場合は胸の下などにできやすいです。
③反射光
周囲の色を肌に反射させた表現を加えます。
これによって立体感を出したり、各物体の存在感を増すことができます。
背景の色や衣服の色、髪の毛の色を肌色と混ぜて配置するといいでしょう。
詳しい肌の塗り方は下の記事を参照してみてください。
色の選び方(肌色編)
肌色を塗るときにどのような色を選んでいるかを大まかに解説します。 大まかに4種類の色で肌色を表現しています。 ①光の当たる所の色 あまりこの色の範囲が多いと全体的に白っぽくのっぺりしてしまうので程々に 使うようにしています。 ②影になる色 光の当たる箇所以外の色です。 ③一番暗くなる影色 ...
4. 布の描き込み
▼布の質感図解
布は下記の質感を描き入れています。
①布の凹凸
布のしわや、体の凹凸で発生する質感を少しだけ濃い色を使って表現します。
詳しいしわなどの質感の描き方は下の記事をご覧ください。
【スコッティ的】布を描くとき意識していること
布を描画する際に気を付けているポイントを記事にまとめます。 ①明暗境界の形状 まず描き込みの際に影と光を描き入れて足掛かりにしています。 ざっくり影を落としたときに出来る明暗境界線ですが、布の場合はしわによる影響で境界線がゆがみます。 下図:Tシャツに光を当てた場合 下図:明暗境界線の歪み この歪みで「...
②濃い影
奥まった箇所などの光の届きづらい箇所に濃い色を配置します。
③反射光
周囲の色を布に反射させた表現を加えます。
これによって立体感を出したり、各物体の存在感を増すことができます。
反射光の形を布生地っぽく変化させると説得力が増します。
5. 金属
▼金属質感の図解
金属は下記の質感を描き入れます。
①ハイライト
光の当たっている箇所にとても明るい色を置きます。
②濃い色
光と影の境界や反射光の近くに濃い色を配置します。
周囲の物体の映り込みを表現している色です。
明るい色で濃い色を挟むような意識で塗るとそれっぽくなりやすいです。
③反射光
周囲の色や明るい金属色を配置します。
肌や布などのときより明るめな色を使う意識で色をつくるとピカピカな金属感
を表現することができます。
金属の詳しい描き方は下の記事をご覧ください。
金属の描き方まとめ
金属の描き方について下の3つにまとめてみました。 ①ハイライトと影色の配置 ②反射光や映り込み ③表面の質感 下の金属片をサンプルに使いながら解説を進めていきます。 ↓サンプル金属片 ↓要素追加順図解 金属片は大まかにハイライト、影色、反射光の三つの要素で構成して表現することが多いです。 ①ハイライトと影色の配...
〇ライティングのコントラストより明暗差を抑える
質感を描き加えるときは前工程で行ったライティングのコントラスト以下で行うように意識しています。
ライティングのコントラストを無視して質感の描き込みを行うと、目立たせたい箇所がわかりづらくなってしまうことがあります。
〇顔周りの質感の情報は多めに
質感を増やすときは情報量の粗密を意識できるとGOODです。
ライティング工程時に行った「目立たせたい箇所」付近の質感を描き込んで、それ以外の質感をほどほどに描き入れるといい塩梅になりやすいです。
顔周りはとても目立ちやすい箇所なので、質感もりもりにすることが多いです。
■まとめ
今回は前回のライティング工程に続いて「描き込み工程」について記事にまとめてみました。肌や布などの各マテリアルの描き方については記事にしていたので、その中継ぎの役割を果たせるような記事を目指しました。
この記事を読むことで、みなさんが行う描き込み作業を整理する手助けとなれば幸いです。
この記事は以上です。ここまで読んでくれてありがとうございました!